ナルトのチャクラとスタミナが十尾以上だったら   作:雲らり

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俺だけ下忍だってばよ……

サクラはカカシに勝手に手の内を晒すなと怒りはしたが、元々サクラはサスケに勝つつもりはなかった。

 

サクラよりサスケの方が十倍は強いと誰もが思っていたし、サクラもそう考えていたからだ。

 

(形振り構わなければ勝てるかもしれないけど……そんなの試合の後に絶対嫌われるし……)

 

かと言って、即降参してもサスケの見せ場が無くなりそれはそれで嫌われるだろうから、サクラは適当に瞬身とトラップを使いながら徹底的に逃げ続けた。

 

試合から十分程経過し、サクラの忍具が底を尽きたタイミングであっさりと降参し、サスケ対サクラの試合はサスケの勝利で終わった。

 

「はぁ……はぁ……し、死ぬかと思った……」

 

「一応勝ったが……やるせねぇな……」

 

「いやぁ……君達、八百長疑われても文句言えない試合だったねぇ……」

 

結局、ナルトも含めて誰一人として血を流さずに中忍試験本選は終了した。

 

閉会の挨拶等諸々の儀式が終わり、すっかり寂しくなった観客席の上で大好きな読書に戻ったカカシはナルト達三人に声を掛ける。

 

「いやぁ、お疲れ様三人とも、結果は後日発表だが……ま、サスケとサクラは合格だろう」

 

「……俺はサクラに傷一つ負わせられなかったがそれで良いのか……?」

 

躊躇いながらサスケはカカシに確認を取る。

 

「相性だよ相性、サクラはお前の行動パターンや戦術戦法を知り尽くしていたからな」

 

「……千鳥はバレていなかった筈だ」

 

不服そうにカカシに反論するサスケ。

 

「たしかに千鳥は初見だが、どんな術も当て方動き方の源流は術者の思考パターンに依存する、恐ろしい事にサスケの思考回路を知り尽くしていたサクラはサスケの動きを完全に予想して対応した、それだけだよ……」

 

カカシがそこまで言うと絶句したサスケが目を見開いてサクラに顔を向ける。

 

「え……いやいや、そんな凄い事してないわよ私!?」

 

「無意識って訳か……くそっ……」

 

「サクラちゃんって実はすっげぇ頭良いんだな……」

 

「実はってどういう意味よ!? 今までバカだと思っていたって訳!?」

 

「い、いやいやいやサクラちゃん! これはちょっとした誤解で……」

 

(ま、大げさに言ったが、サクラはサスケの事が好きだからな……四六時中サスケを観察して妄想を繰り返していたみたいだし……)

 

(火影でも真似出来ない方法で積み上げた想像を絶する対サスケ専用の経験値がサクラをここまで昇華させたのだろうけど……)

 

(ま、おっさんの口でこんな事言えないよねぇ……)

 

悔しそうに唇を噛むサスケを宥めながらカカシは続ける。

 

「相性が悪かっただけで、サスケは二つの性質変化に高度なうちは流手裏剣術と体術、更には写輪眼まで見せた……ま、サスケの中忍昇格はほぼ確定だな、おめでとう」

 

カカシが適当に拍手しながらサスケを称える。

 

「おめでとうサスケ君! ……カカシ先生、私は?」

 

「対ナルト戦の下準備、サスケ相手の生存能力……ま、格上相手にここまで死なずに立ち回れてる時点で十分中忍レベルでしょ」

 

「やったっ! ……でも何か私の寸評雑じゃない?」

 

「いやぁ、サクラなら俺が言わなくても自分で分析出来るかなって……」

 

「ちっくしょぉ……! 俺だけ下忍のままかよ……」

 

「まぁ、ナルトはもう少し頭を鍛えないとね……後で俺と一緒にお勉強する?」

 

「どうせ勉強教えてもらうならサクラちゃんが良いってばよ……」

 

「お断りよ、今日はもうシャワー浴びて直ぐ寝るわ……疲れた……」

 

「え、打ち上げのラーメン行かないのサクラちゃん!?」

 

「勘弁してよ……それに兵糧丸の食べ過ぎでお腹パンパンだし……」

 

ナルト達のやり取りを後目にサスケがカカシに近づく。

 

「カカシ……サク……対トラップと瞬身使い相手の戦いについて教えてくれ……」

 

「あぁ、だいぶ振り回されたもんね……」

 

「……」

 

「そんなの影分身を突っ込めば良いだけだってばよ」

 

「それが出来るのはお前だけだっ!」

 

「んー……?」

 

「はいはいお前ら落ち着け落ち着け、お祝いにラーメン奢ってあげるから続きの話は一楽でな」

 

「……いや、カカシとラーメン屋はもう行かない」

 

「流石の俺もそこまでバカじゃないってばよ……」

 

サスケに会計を押し付けた事をすっかり忘れているカカシは首を傾げながら、会場を去る三人の背をぼうっと眺めた。

 

「あれー……?」




中忍試験編終了

サクラちゃん相手に火遁と千鳥使うサスケ君さぁ……。
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