文章下手すぎて嫌になっちゃいますね。
初投稿なので,みんな大好き修学旅行をテーマにしてみました。
例のセリフも当然出てきます……たぶん。
アンチヘイトにはならないと思うのですが,葉山グループから酷い目にあう人がでることになってますので,必要あればご指摘ください。
それまでは,九州観光をお楽しみくださいませ。
まちがいだらけの修学旅行1~大宰府騒乱編
奉仕部が戸部から受けた依頼は,修学旅行で海老名さんに告白したい,そして振られたくないということだった。
俺と雪ノ下はこの依頼に全く乗り気ではなかったのだが,突然降ってわいたコイバナに目を爛々と輝かせた由比ヶ浜に押し切られる形で雪ノ下が依頼を受ける気になってしまい,所詮部内カースト最下層,校内カーストも最底辺なら家庭内カーストも親父と熾烈な最下位争いを繰り広げる無力な俺にとって,二人の意思に抗い続けることなど初めから不可能で,しぶしぶ仕事と理解して,戸部いわく「サポート的なこと?(笑)」を行うことになった。
だが,この依頼は間違いだらけだ。
第一の間違いはそもそもこの依頼を受けたこと。
「告白を成功させる」ではなく,「告白を成功させるためのサポートを行う」ことで,辛うじて「飢えた者に魚の釣り方を教える」という奉仕部の理念に反しない形にはしたが,だいたい他人の色恋沙汰にくちばしを突っ込むべきではなかったのだ。
決して面倒だからとかじゃないぞ?ほんとだよ?
第二の間違いは戸部。
戸部は決して悪い奴ではない。
うるさくて騒がしくて騒々しくてやかましいがたぶんいい奴だ。
しかし,それだけで告白のOKをもらえるかといえば答えはNO。
むしろ,それゆえに答えはNOと言っても過言ではない。
仮に,サッカー部でチャラくて金髪ロン毛でべーべー言っている男が好きだというビッチならOKをもうえる可能性もあるだろうが。
誤解の無いように言っておくが,俺は決して戸部が嫌いなわけではない。ほんとだよ?
そして第三の間違い。
相手が海老名さんということ。
彼女,海老名姫菜はサッカー部でチャラくて金髪ロン毛でべーべー言っている男が好きなタイプとは思えない。
もちろん葉山グループに属しているくらいだから男嫌いというわけでもないだろうし,むしろ男が好きとまで言えるのかもしれないが,それは男同士のカップリングの話であり,彼女自身,男と恋愛をしたいと考えているかは謎だ。
由比ヶ浜の話を聞く限りでは,戸部はかなり厳しい戦いを強いられるだろう。恐らくは脈はない。脈がないということは,お前はもう死んでいる。
ドンマイ,戸部。迷わず成仏してくれよ。心から哀悼の意を申し上げる。ほんとだよ?
四つ目の間違いは,修学旅行の行き先が変わってしまったこと。
修学旅行の行き先は京都だった。
そもそも,中学の修学旅行でも京都・奈良に行く学校が多いのに,高校でどうして京都なんだ?という疑問が無かったではないが,旅行先が京都と決まっている以上,奉仕部では二人が一緒に行動し、仲を深めて少しでも告白の成功率を上げるためのスポットを探したり,告白するに相応しい場所を考えたりしていた。
だがしかし,まさか,校長が旅行業者と癒着して賄賂をもらっていたなんて。
高校の修学旅行は中学時代よりも積み立てている金額は多い。
なのに自由行動は中学の時より多く,その間の移動その他の費用は別途自腹になる分,旅行にかかる費用は少ないはずなのだ。
修学旅行先が中学校と同じ京都ならば,その費用と代金の差額が旅行業者の懐に入り,見返りとして校長が賄賂を受け取っていたことが県議会で明るみに出て,業者,校長ともに贈収賄の容疑で逮捕されてしまった。
ちなみに事を明るみにした県議会の爆弾男は雪ノ下議員ではない。
すでに旅行会社に払っていた代金がすぐには返らないため,一時は修学旅行そのものが中止になるという話だったのだが(そうなってくれれば面倒な依頼も無くなって万々歳だった),子供たちには罪はないという世論(笑)に押される形で県議会も総武高校の修学旅行は何としてでも実施すべきと言い出したため,とりあえずは県が費用を出して修学旅行が実施されることになった。
こちらの方は娘の修学旅行がかかっている雪ノ下議員が奔走したとかしないとか……
結局,行き先は一度ケチのついた京都ではなく,団体で行ける場所をいろいろと探した結果,急遽九州に行くことになった。
ただし,バタバタと行先を決めたため,詳しい日程も最後まではっきりしない状態で,デートコースや告白の場所をじっくり検討する間もなく修学旅行当日を迎えたのだった。
戸部の恋愛模様の行く先を象徴するが如く,降り立った福岡空港の空模様は曇り。一面びっしりの雲。
土砂降りでなかっただけありがたいと思え。八幡の恋はたどり着いたらいつも土砂降り。
「いやー,なんかさー,九州とか超あがるわー。南国気分っての?なんかハネムーンに来た感じとかしちゃうっていうか~?」
戸部,まだ空港に着いただけだ。九州感なんてほとんどないぞ。それに福岡は千葉よりは多少南に位置するが言うほど南国じゃない。ちなみに福岡市の北緯33度35分はクジラ漁で有名な和歌山県の太地町と同じ緯度だ。
「ヒキタニくん!福岡と大分って,どっちが責めでどっちが受けだと思う?やっぱり福岡の強気責め,大分のヘタレ受けだよね!?で,佐賀県が総受けで熊本,長崎,鹿児島,宮崎に囲まれて……ブハァ!」
「姫菜!九州で何考えてんの!自重しろし」
三浦が手慣れた手つきで海老名さんの鼻血を拭い,由比ヶ浜は「たはは……」と言いながら苦笑している。
この告白がどうやったら成功するのか,全知全能の神がいるのなら教えてほしい。
と言ったからではないが,福岡空港から観光バスに乗り,一番目の訪問地は太宰府天満宮に参拝。
太宰府天満宮といえば,かの学問の神様・菅原道真の墓所に道真を祀るために建てられた全国12000社を数える天神社の総本宮ともいえる神社である。ちなみに京都の北野天満宮も天神社の総本宮を名乗っているが,やはり本家とか元祖とか神々たちの諍いがあったりするのだろうか?
俺たちも来年は受験生だし,特に由比ヶ浜はお賽銭をはずんで念入りにお参りしたほうがいいと思う。もし雪ノ下が見放すようなことがあれば,恐らくはもう神頼みしか手段はないのだから。
「ヒッキー,今失礼なこと考えてなかった?」
「い,いえ,なんのことでしゅか?」
怖えよ!なんで分かるんだよ!
「だって,ヒッキー分かりやすい顔してるんだもん」
「おい,俺はポーカーフェイスにかけてはボッチ業界を代表してタイマン張れるほど定評があるんだぞ!中学時代も,『ヒキガヤくんって何考えてるかわからないよねー』って陰で称えられるくらいにな」
「いや,それって称えられてないから!」
「あんたさー,言ってて悲しくならない?」
おっと,突然俺と由比ヶ浜の間に割り込んできた(修羅場的な何かではない),川,川......川本におののく俺。
「川崎だから!ぶつよ?」
川崎,お前もか!
「いや,知ってて言ってるから。な,サキサキ」
「あんた,目を泳がせて言ってても何の説得力もないんだけど。あと,サキサキ言うな!」
そうか,俺の表情が分かりやすいは本当のことだった。あと,サキサキ怖い。
団体行動中はグループで動くため,由比ヶ浜,海老名さん,三浦,サキサキのグループと,俺,戸塚,戸部,葉山,戸塚のグループが一緒に行動して戸部のサポートを行うことになっていた。
俺としては,戸部なんか置いといてすぐにでも戸塚と二人手に手を取って,かつて新婚旅行のメッカであった宮崎の日南海岸あたりに逃避行したいところだが,そんなことをすれば職務放棄の罪で部長様が放った雪ノ下家の刺客にすぐに追い詰められ,俺は戸塚だけでも生きてほしいと願うものの,それを拒否した戸塚と二人,二度と千葉の地を踏むことなく遥か九州の地にて果てることになってしまうのは必定。
二人の物語を悲恋で終わらせないためにも,泣く泣くこの集団と一緒にいるしかなかった。
「はちまん……ちょっと痛い……」
気づかないうちに,俺は痛いほど戸塚の手をぎゅっと強く握りしてめいた。
「と,戸塚,すまん!大事な手を!」
「い,いや,別にラケットを持つ手と逆の手だし,別に嫌じゃなかったんだけど,ちょっと痛かったかな?なんて……」
戸塚~~~~~~~!!!!
「ヒッキーまじキモい」
ガハマさんが雪の女王もかくあらんやというほど,ゴミくずか虫けらを見るような冷たい目で俺を見据えていた。
やめろ,由比ヶ浜,ゾクゾクするだろう?
「とつはちキ・マ・シ・タ・ワーーーーーー!!!」
海老名さんが貧血を起こしそうな勢いで血を吹き,三浦がティッシュでそれを止めようと鼻を押さえている。
「海老名になんかあったら,ヒキオ,殺す」
み,三浦,今のは俺が悪いのか?俺か?戸塚が悪くない以上,俺が悪いんですねすみませんでした。
「と,とりあえずお参りしよ?せっかくここまで来たんだし……」
三浦の殺気で我に返った由比ヶ浜が慌ててこの場を収めようとしていた。
手水でお浄めをした後,本殿の前に皆で並び,賽銭を投げ入れ,二拝二拍手一拝を捧げ,それぞれにお祈りをする。
「海老名さんとの仲,オナシャス!」
戸部,小さい声だが隣にいる俺にはだだ聞こえだぞ。
「はやはちがハッテンしますように」
逆の隣にいる海老名さんから不穏な単語が聞こえてきた……
だいたいここは学問の神様だぞ。なんで恋愛祈願(一部(腐))なんかしちゃってるの?
そして,少し遠くから大きな柏手の音に引き続いて,
「結婚したい!」
という声が聞こえてきた。
「ヒッキー,あれ……」
「由比ヶ浜,あっちを見ちゃダメだ。涙を止めることができなくなる」
俺たちは,その声の方向を決して向くことなくその場から退散したのだった。
「ねーねー,ヒッキー。この『うめけえだもち』って美味しそうじゃない?食べようよー」
「『うめがえもち』な」
「しっ,知ってるし!ワザと言ったんだし。ヒッキーまじキモい」
おい,店の人の前で間違ったことを言って恥をかくのを未然に防いでやったのになんという言い草。いくらなんでも俺だってグサって来るんだぞ。
言い草でグサって……くくくっ
俺が心の中で一人自らの発言に笑いを堪えきれずにいると,
「ヒッキー,大丈夫?ほんとうに気持ち悪い顔になってるよ?」
ガハマさん,キモいでお願いします!キモいでお願いします!冷静に気持ち悪い顔とか言われると本当に死んでしまうのでやめてさしあげろ。
「んじゃさー,みんなで梅ヶ枝餅?買って食べようよ。で,せっかくだから男女で食べさせあいっことかしたらどうかな?」
「このビッチはいったいなんてこと言い出すんだ?俺が女子に食い物をあーんさせるとかどんな罰ゲームなんだよ!!それで,相手の女子が泣き出して,クラス会でそれを言い出した奴じゃなくて,俺が泣かせたと言われて糾弾され,先生に怒られて半年くらいクラス全員からいじめられたんだぞ?」
「はちまん……」
「ヒキタニくん……」
「ヒキタニくん……」
「ヒキタニくん……」
「比企谷……」
「ヒキオ……」
「ヒッキー……」
やめてー!!!何この人通りの多い参道でここだけブラックホールのごとくダークな空間ができてるの?
「八幡!八幡のは僕が食べてあげるから。八幡は僕のを食べて?」
おおーーー戸塚はやっぱり天使だった。まるで後光が差しているかのような神々しさ。戸塚に巫女服を着せたら似合うだろうなと思ったのは内緒だ。
「ヒッキーだめ~~~~!男同士なんてダメだよ!だったらあたしが……」
「男同士!とつはち!またまたキマシタワー!戸塚くんが,ヒキタニくんに『ぼ・く・の・を・た・べ・て』……ブフッ」
「自重しろし!」
堪りかねた三浦が上を向いた海老名さんの首筋をチョップする。
「はふん」
「ははは,まあまあ落ち着いて。梅ヶ枝餅,みんなの分買ったから食べよう」
「隼人,優しい……」
このままじゃ埒があかないと思ったのか,いつの間にか葉山が人数分の梅ヶ枝餅を買っていた。
さすがはみんなの葉山隼人。珍しく俺もみんなの中に入ってたよ。え?俺の分あるよね?ね?
「おい,いくらだった?」
「いいよ,俺のおごりさ」
「俺は養われるつもりはあっても人に施しを受ける気はない!」
そう言うと葉山は俺の耳元で俺にだけ聞こえる声で,
「戸部の依頼の報酬ということでいいだろ?」
おいやめろ!海老名さんが見たら今度こそ出血多量で死ぬぞ!
慌てて葉山と離れ海老名さんの方を見たが,さすがに出血大サービスが過ぎたのか,ぐったり下を向いたまま三浦と梅ヶ枝餅を食べていた。
「これ美味しいねー。ゆきのんも一緒に食べられたらよかったのに」
「仕方ないだろ。初日,二日目はクラス単位での行動だからな」
「ヒッキー,まだ食べてないじゃん。隼人くんからヒッキーの分預かってるから」
「そうか,じゃあ」
と言って手を出すが,由比ヶ浜は梅ヶ枝餅を渡すそぶりを見せない。
「なにこれ,新しいいじめ?嫌がらせ?それともサブローみたくお預けなの?なんか芸とかしないとくれないの?」
「違うし!サブレだし!そうじゃなくて,あたしが食べさせてあげる。あーん」
「いやいや,一人で食べられるから。そんなことされたら俺のライフポイントがゼロになるだろ」
すると由比ヶ浜がひそひそ声で,
「とべっちのフォローするんでしょ?あたしたちがやったら姫菜ととべっちもやる雰囲気作れるかもじゃん?まず隗より始めよ,だよ」
俺は由比ヶ浜の言葉に驚愕した。
「よくそんな難しい言葉知ってたな」
「馬鹿にすんなし!もうあたしを馬鹿にした罰!はい,あーん」
「うっ……」
いよいよ万事休すという時,元寇を蹴散らした神風はブリザードのように吹いてきた。
「あなたたちはいったい何をやっているの?由比ヶ浜さん,この男に脅されて無理やりさせられているならすぐに通報するわよ」
「おい,そのスマホをしまえ!これは,あれだ,依頼の一環で……」
「ヒキタニくん,依頼って何?」
しまったあああ!海老名さんには戸部の依頼のことは内緒なのにいつの間にか話を聞かれていた。
「いや,これは,由比ヶ浜のおじいちゃんが具合が悪くて,大好きな餅を食べさせてあげるのに最適な角度,加速度,力,質量を知るために実験をするという依頼を……」
「結衣,いくら好きでも具合の悪いおじいちゃんに餅なんか食べさせちゃだめだと思うよ」
海老名さん,ナイスだ!
「そうだよな。だから,この依頼はなしということで……」
「むー」
まるで下関のフグのように膨れるガハマさん。ちなみに,下関では不具に通じて縁起が悪いということで,ふくと呼ぶらしいです。海老名さんの場合は腐具,だな。
「まったくこの男は……」
雪ノ下がこめかみを押さえながら呆れたという表情を浮かべている。
「で,ゆきのんはなんでここに?クラスのグループの人たちは?」
「そ,それは……」
「なんだ,迷子か?」
「そうね。本殿でお参りを済ませて気が付いたら私はだざいふえんと言う遊園地にいたのだけれど,グループの人たちが迷子になっていたのよ。全員」
「ゆきのん……」
「由比ヶ浜さん,そんな憐れむような目で見ないでちようだい。比企谷くんは通報するわ」
「なんで俺だけ通報されるんだよ!とにかく,この後は一旦バスのところに集合して九州国立博物館に入館だから,そこでクラスの人たちにも合流できるだろ?どうせ俺たちもそっちへ向かうし一緒に行くか?」
「私は,一人でも全然問題ないのだけれど,比企谷くんがそれほどまで言うのなら,一緒に行ってあげることもやぶさかではないわ」
「もうー,ゆきのんったら,一緒に行きたいって素直に言えばいいのに」
雪ノ下に抱き着くガハマさん。福岡でも百合百合してるんですね。眼福眼福。
「ゆ,由比ヶ浜さん,暑苦しいわ……」
「そうだ,由比ヶ浜,梅ヶ枝餅くれよ」
「はい,ヒッキー」
一人分の紙袋に入った梅ヶ枝餅を由比ヶ浜から受け取って,半分に割って紙に包まれた方を雪ノ下に渡す。
「葉山からだと。俺とシェアじゃ嫌かもしれないが,そっちは直接手を触れてないから我慢してくれ」
半分になって,あんこが見えている梅が枝餅を手にした雪ノ下は由比ヶ浜に抱きつかれていたせいか,顔が少し赤い。
「あー,ゆきのんずるい!」
「何がずるいだよ。お前一個丸々食べんだから文句言える筋合いじゃないだろ」
「うー,そうなんだけど,そうじゃないの。むー」
なぜかガハマさんも顔を赤くしていらっしゃる。
俺が梅が枝餅の半分をほおばり,
「さあ,そろそろ行こうぜ」
と言ったら,梅ヶ枝餅を見つめていた雪ノ下がようやく再起動する。
「そ,そうね。行きましょう」
歩きながら食べるのがお行儀が悪いと思っているのか,なおも餅を見つめていた雪ノ下だが,ようやく上品に少しずつ小さな口で食べ始めた。
「……美味しいわね」
「買ったのは葉山だ。後でお礼を言っとくといい」
「分かったわ,後で伝えておくわね。うちの父から顧問弁護士の葉山くんのお父さんを通じて」
お前,どんだけ葉山と話したくないんだよ!
歩き出した俺の前に,銀髪ポニーテールの川……サキが立ちはだかった。
「比企谷」
「な,なんでひょか。もう餅は食べちゃっいました。ジャンプしても出ません」
「なんであたしが餅をカツアゲするみたいになってるんだよ……あたし,今お腹いっぱいであんま入らないからさ,あんた甘いもの好きだろ?残りやるよ」
「おっ,おう,そうか。サンキュな,サキサキ」
「サキサキ言うな!」
怒りを露にした川崎が手に持った梅ヶ枝餅を俺の口に突っ込んだ。
「うっ,うぐっ,ふんがっふっふ」
餅がのどに詰まり息ができない。今までの黒歴史が走馬灯のように頭の中で駆け巡っている最中,俺の有様に慌てた川崎が,あわあわしながら手にしたペットボトルの水を俺の口に注ぎ込む。
なんとか餅を嚥下して涙目になりながら,川崎の方を見る。
そして海老名さんがニヤニヤしながら近づいてきて,川崎に向かって,
「あれあれー?おっかしいぞー?ヒキタニくんが今飲んだ水って,サキサキがさっき直に口つけてなかった?これって間接……」
「おっ,おまっ!」
川崎は,わ~~~という叫び声を上げながらバスの方へ駆け出して行った。
「……ヒッキーあたしのは食べてくれないのに沙希のは食べるんだ」
いや,今の俺悪くないよね?どちらかというと被害者だよね?おい,雪ノ下,スマホで1・1・0と打つのはやめてください。お願いします。
「君たち,そろそろ集合時間だぞ。こんなところで何をやってるんだ?」
「あっ,平塚先生,それが今ー,ヒキタニくんがチョーハンパないっていうかー,ラブラブキッス的な?」
おい戸部,平塚先生に言うのはやめてさしあげろ。ウッカリ死んじゃうだろ?主に俺が。
「ほほう。比企谷はずいぶん青春してるみたいじゃないかー」
平塚先生,なぜ指をポキポキ言わせているのでしょう?
なぜ俺に近づいてくるのかなー
ははは,小町,お兄ちゃんは菅原道真とともにこの大宰府の地に眠ることになるかもしれん。
「衝撃のーーーー」