いよいよサードシーズンの本編最終話です。
最後なんでぶっちゃけます。
正直蛇足です。
でもまあ、エピローグなんてたいがい蛇足ですか。
前話で終わっても何も問題なかったと思いますが,やっぱり温泉回大事よね。水着回か温泉回を入れないとやはり円盤の売り上げが……(爆)
3話の内容を回収するという意味もあるし。
で,やっぱり修羅場ですわ(苦笑)
温泉×修羅場=地獄? 天国?
ラストはやっぱりアレです。
かぽーん
そして,ハルノ大元帥が三浦と約束した温泉旅行で露天風呂に浸かる俺がいる。
あーいい湯だなー
温泉はいい。
ゆっくりお湯に浸かっていると身も心も休まる……
はずなのに……
「ヒキオ……こっち見たらコロス」
なんで三浦と混浴に⁉︎
かぽーん
「あけましておめでとうございまーす!」
正月仮面がまた来たわけではない。
本物の正月が来たのだ。
『私とバラダギちゃんは用事で遅れるから三浦ちゃんよろしくねー』
結局,陽乃さんの言う温泉旅行は大分の電柱組本部に乗り込んで原滝に代わり三浦が喝を入れるという仕事のついでに別府温泉に泊まるというものだった。
俺にとっては途中で拉致されて強制終了させられた修学旅行の続きという意味もあるかな。
そういや,あの時,拉致されてきたのがここだったな。2ヶ月ちょっと前のことだけど妙に懐かしい。
冒頭の挨拶は,俺たちが電柱組本部を訪れた際に,電柱組のメンバーから言われたものだ。支部の人間が本部に乗り込んで管理しようというのだから,ある程度の反発を予想していたのだが,どうやら歓迎ムードであるらしい。
「あーしが来たからにはハンパはさせないし!」
一応,俺と姫菜も付いていったが,現場はまさに獄炎の女王の独擅場。三浦の号令一下,下っぱさんや幹部連中が直立不動の姿勢で全員整列。居並ぶ面々に対し三浦が檄を飛ばすやいなや,店内の清掃,帳簿の記帳,書類の整理,諸々管理状況の確認や作戦計画の策定など,今まで滞っていたことがみるみるうちに片付いていく。
さっきチルソニア将軍が廊下で雑巾掛けしていたな……
姫菜が地下牢にいる正月画面に何やら薄い本の差し入れに行っていたことは見て見ぬふりを決め込んだ。
それにツッこむこともその本の内容を知ることもしてはいけないと俺の本能が警告していたからだ。
これから1ヶ月に1回乃至2回,三浦が訪問して状況確認を行うと言い残して電柱組本部を後にしたのだが,下っぱの人総出で万歳三唱で見送られたのは少々面映かった。
そして別府の温泉宿にチェックインしたところまではよかったのだが……
かぽーん
「仕方ないっしょ? 陽乃さんから貸切温泉の枠取ってあるから必ず入るようにと電話で言われたし」
「いや,だからと言って一緒に入ることはないだろ?」
「だって……半分ずつじゃ時間が短くなってゆっくり入れないじゃん。せっかくの露天風呂だし……あーしにすぐに出ろって言うん?」
女王に強く睨まれれば蛇に睨まれたヒキガエルのように何も言い返せない俺。
「まあまあ,優美子の言うようにせっかくの温泉なんだから楽しまなくちゃ,ね?」
と言って,女性陣の方を見ないように後ろを向いた俺の背中にピタッとくっついてきた姫菜。
「おわっ!」
控えめながら何やら柔らかいものが背中に当たってるんですが……
「ふふ,当ててるの」
いや,今俺声に出てなかったよね? 声に出てたら前半部分で怒られそう……とかじゃなくてだな……
「ひ,姫菜!何してるし‼︎」
「え?わたし,八幡くんのことずっと好きって言ってるし,別に普通じゃない?」
「いや,おかしいっしょ! あーしの見てる前でそんな……」
「優美子が……優美子が見てるからだよ」
「え?」
「優美子,もう気付いているよね? 自分の気持ち……だけど,わたしも負けるつもりはないんだ。これは優美子に対する宣戦布告だから」
後ろを振り向けない俺は二人がどんな顔をして相対しているのか分からない。だが,気の強い三浦のこと。こんな挑発的なこと言われたら姫菜に掴みかかったりするんじゃないだろうか。
その時俺はどうやって止めればいい? もう堂々と三浦のヌードを見て,ヘイトを俺に集めるしかないよね?
べ,別に三浦の裸を見たいとかじゃなくて,姫菜のために仕方なく,そう仕方なくだからねっ!
そうしているうちに,姫菜に向かって進む三浦のたてる水音が近づいてくる。
姫菜が俺から剥がされたタイミングで振り向けばいいかな?
べ,別に姫菜の胸の感触を最後まで感じていたいとかじゃないからねっ!
【悲報】俺氏,キモい。
だが,水音は俺の横を通り過ぎ,バスタオルを巻いた三浦が俺の前に立つ。
「ヒキオ……」
「はい,ヒキオです!」
すると三浦は,体に巻いていたバスタオルを一気に引き剥がし,生まれたままの姿を俺の前に晒した。
「ど,どう?」
どうって,三浦,いったいどうしちゃったの?
これは凝視しちゃいけない,いけないと頭では思っていても,どうしても視線を外すことができない。
「いや,あの,はっきり言って,綺麗です……女神様が降臨したのかと思いました……」
だって、すらっと伸びた足,引き締まった腰,豊かで張りのあるバスト,そして……どこをどうとっても綺麗としか言いようがないじゃないかっ!
「ふふん。ま,まあ当然っしょ」
腰に手を当てて自信満々なセリフを吐く三浦だが,言葉とは裏腹に,真っ赤になった顔を俺から逸らすようにそっぽを向いている。
「八幡くん」
背中にくっついていた姫菜が俺の肩を掴んで振り向かせる。
大きさこそ三浦ほどではないが,綺麗なバストが嫌でも(全然嫌じゃないけど)俺の目に入る。
「ごめんね。優美子ほど大きくなくて」
あの岩屋城跡からもう何度目か分からないが,姫菜が自らの胸に俺の手を導き,唇を押し当ててくる。
ただあの時と異なるのは,俺の手は裸の胸に置かれていて,口づけもいつ果てるとも分からないくらい激しいものだった。
熱く絡み合う舌,周囲に響くくちゅくちゅという水音。
つい胸の上の手に力が入り,姫菜が,「あ,ん……」と小さな声を漏らす。
「姫菜……ヒキオ……」
三浦の呼びかけにも俺たちの口づけはとどまる様子もなく,俺の背中に回されていた姫菜の手がいつのまにか水の中に沈み,俺の太腿あたりを弄っている。俺の左手もいつの間にか姫菜の腰の辺りを掴み,あるいはこのまま最後まで,と思われた刹那,
「ちょ,ちょ,ストーッ,ストーップ! 二人ともこんなとこでなにやってるの!?」
ボディにバスタオルを巻いた陽乃さんが二人の間に分けて入った。
見ると,原滝もバスタオル姿ですぐそばに立っている。
「二人とも,さすがにこんな場所で盛り上がりすぎじゃないかなあ。だいたい比企谷くんは何でここにいるの?」
「何でって,あなたの差し金でしょう? 一緒に入るようにって」
「はあ? わたし,ちゃんと男女別に入れるように貸切風呂の時間,2枠取ったんだからね? 三浦ちゃんにちゃんと伝えてあったはずだけど」
三浦のほうを振り向くと,どっぷり湯につかって視線を逸らし,あさっての方向を見ながら口笛を吹いている。
諮ったな,シャア!
「三浦,どうして……」
「だって……あーし,姫菜とか原滝よりも出遅れてるから……少しでも差を取り戻したいって……それにヒキオとの思い出も欲しかったし……」
最後は消え入るような声になる三浦。コミュニティセンターの時と同じだ。三浦優美子という女の子は,強く見せていても本質はか弱い乙女なのだということを再認識する。
「三浦ちゃんさー,そんな遅れとか気にする必要はないよ。比企谷くんがすぐに誰かを選ぶとは思えないしねー。今のところ海老名ちゃんが一歩リードって感じかも知れないけど。さっきの見てたら」
いたずらっぽく笑う陽乃さん。一方,俺と姫菜は勢いでしてしまったことを思い出し,元近鉄のマニエル並に真っ赤っかな顔をして湯の中にいた。
「あ,そうそう,一応報告だけど,此度の不祥事で木曽屋を雪ノ下建設の100%子会社にして電柱組の本拠地も千葉に移し,わたしが代表を務めることになったから。で,バラダギちゃんが守護者統括ね」
バラダギ,サキュバスなの!? そして陽乃さん,とうとう大元帥から魔導王になっちゃったよ!
『戸塚彩加! お前には失望したぞ!』とか言っちゃうのかな。ん? なんで戸塚なんだ? 戸塚に失望なんてあるはずがない。戸塚にあるのは希望だけだ! そして失望されることに関しては俺の右に出る者はいないぜ!!
……言ってて悲しくなってきた。
「そんで関東方面の守護者が海老名ちゃん,九州が三浦ちゃんね」
「あの……俺は?」
「そうね,比企谷くんは恐怖公?」
「ごめんなさい,それだけは勘弁してください」
「まあ,比企谷くんには電柱組一の知恵者として参謀級の活躍をしてもらうから」
くっ,やっぱりカエルかよ! まあ,Gよりはマシということで納得するしかないが……
「でね,新生電柱組のモットーは『みんなで幸せになろうよ』にしたから」
うわっ,なんかブラックな感じしかしないんですが……
「だからさ……」
言うが早いか,自分と原滝が身体に巻いているバスタオルをはぎ取って投げ捨てた。
「な!?」
「ちょ,大元帥!?」
陽乃さんはギリシャ彫刻を思わせる見事な肢体を堂々と晒し,原滝は身をよじってなんとかバストやその他の部分を隠そうとしている。
原滝,お前もいいプロポーションしてるな!
俺と原滝が驚く中,陽乃さんは,全裸のまま俺に抱き着き,
「ほら,バラダギちゃんも三浦ちゃんも海老名ちゃんもさ,みんなで比企谷くんに幸せにしてもらおう!」
「八幡くん……」
「八幡……」
「ヒキオ……」
「おい,お前ら,落ち着け! 話せばわかる……な?」
バシャバシャ!!
「ア~~~~~~~~~~!!!」
あの修学旅行の続きがさらにまちがい続けることは間違いないようだ。
「このままでは終われないのだけれど」
「ゆきのん,突然どうしたの?」
「あのような悪の組織を放置することは許されないわ」
「でもあれって,ゆきのんちが作ったんじゃなかったっけ?」
「そう。あれはねえさんが母にお願いして作ったそうよ。でも,あの組織が変なことをすれば父の選挙に差し支えが出る。だから,父にお願いして県に予算を付けてもらったの」
「雪乃ちゃん,県予算まで出してもらって何をしようとしてるんだい?」
「あなたに雪乃ちゃんて呼ばれる覚えは……まあ,前作で葉山く……さんも女同士になったのだから今回は許します。あの悪の組織に対抗できる組織を作るの。名付けて,千葉県立地球防衛軍よ!」
「千葉県立地球防衛軍!?」
「顧問は平塚先生にお願いしたわ」
「ああ,私も教え子が悪に染まるのを見過ごすわけにはいかないからな」
「メンバーは私と結衣,そして,実に遺憾ではあるのだけれど,葉山く……さん,あなたにお願いするわ」
「その『葉山く……さん』って,なんか臭いみたいに聞こえるからやめてもらっていいかな?」
「ねえねえゆきのん,沙希……川崎さんにもお願いしてみたらどうかな?」
「川崎さんには断られてしまったわ。家の用事とアルバイトが忙しいのだそうよ」
「いろはちゃんは?」
「生徒会長の立場として,対立する組織の一方にだけ肩入れすることはできないと言われたわ」
「じゃあ,中二……」
「ごめんなさい,それは無理」
「話は聞かせてもらったわよ」
「あ,あなたは……」
「さがみん!」
「結衣ちゃん,その呼び方そろそろやめてもらえないかな……とにかく,うちも比企谷を取り戻すのに協力するから。まあ,真打登場とでも,申しましょうか」
「相模さん,微妙にキャラがブレてるよ。それにこのお話これで完結なのに,新たな登場人物増やしてどうするつもりなんだい」
「葉山くさん,ごめん。ちょっと何言ってるか,うちわからない」
「もう今初めから『くさん』って言ってるよね?」
「そんな臭いとか臭くないとかどうでもいいことよ。うち達がやらなければならないのは比企谷をとりもどすことだから」
「いやいや,臭くはないよね?……ないよね? ヒキタニ君がいないと俺にこんな役が回ってくるのか……早くヒキタニ君を取り戻さなければ……」
「そうだぞ,葉山!俺たちの戦いはこれからだ!」
(声を揃えて)「だから先生,それはちょっと……」
今度こそ打ち切りエンド
[言い訳と言う名のあとがき]
あけましておめでとうございます!
……と初出時には元旦の公開だったのです。
クリスマスに正月仮面出したいよなあ,という構想から始まった本作。
どうしてこうなった‼︎
今回,時期に間に合わせるために,あまりじっくり書けなかったんですよね。そして,長々と駄文を重ねてきたわりには最後はお定まりの打ち切りエンドでした。
製作の裏側としては,決まっていることがクリスマスイベントに正月仮面参上!ということだけで,そこまでの展開は全く行き当たりばったり。その前の修羅場とか海浜勢のかっぽれとか元々の構想には無かった……違いますね。そもそも構想すらなくてキャラが勝手に動くのを待つスタイルなので,作者には何の責任もありません。
まさか玉縄君が傘の上で枡を廻しているなんてね。
作者の正月のイメージがよ……
さなみに,今シーズンのサブタイトル,特に意味はありません。
それらしい歌のタイトルを並べただけです。悪しからず。
駄作者がほんっとすみません。
最後に,今シーズンのセリフ等でネタとして使った作品のうち引用元を記していないものの一覧を列記しておきます(順適当)
この素晴らしい世界に祝福を
シャボン玉ホリデー
ヤッターマン
十万石まんじゅう
ひぐらしのなく頃に
お染ブラザーズ
きんいろモザイク
Re:ゼロから始める異世界生活
ダンベル何キロ持てる?
究極超人あ〜る
機動戦士ガンダム
天空の城ラピュタ
俺の妹がこんなに可愛いわけがない
幼女戦記
とある科学の超電磁砲
オーバーロード
もし他に似たような台詞があったとしても,それらは偶然です(たぶん)。
本シリーズを最後までご覧いただいた方には心より感謝申し上げます。
本編はこれで打ち切りエンドを迎えてしまいましたが,もし万が一またお会いすることがあるとしたら,プロムでしょうか。
マラソン大会は葉山くんが女の子になっちゃったんで依頼が成立しませんし。進路も雪乃との噂も。
バレンタインも同様に,葉山君にチョコを受け取ってもらうというミッションそのものが成り立たないので。
とにかく、うまく行かないのは世間が悪い。
エリスの胸はパッド入り。
あ,この後,番外編がもう一本あります。