まちがいだらけの修学旅行。   作:さわらのーふ

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ハイ、またお会いしましたね!

本編からずいぶん間をおいての番外編投入となりました。
みなさん,もん本編忘れてますよね?(涙)
そもそもまだ2月の話なんですよ?
なんとか,明日までに次を投稿すれば1か月遅れで済みますけどね。

そして,番外編は短編であるにも関わらず前編です。
一話で完結してません。

どうしてこうなった?

駄作者がほんっとすみませんm(_ _)m


バレンタインデー粉砕! 同志ヨ,チバ二結集セヨ!番外編 いろはす色の☆ウインク100万%(前編)

「早くせんぱい起きて来ないかなあ……」

 緊張の中,ふと漏らしたつぶやき。

 なぜ緊張しているかというと,今,わたしが座っている場所が,せんぱいのお家のリビングのソファーだからです。

 本日2月15日,時刻は午前8時50分。

 どうやらせんぱいはまだおやすみになられているみたい。

 夕べ夜更かしでもされたんですかねー。

 昨日はいっぱいチョコレートをもらったでしょうから,食べ過ぎて興奮して眠れなかったかもですね。

 まあ,男子の休日の朝なんて普通にこんなものかもしれないですけど。

 朝,8時過ぎにドキドキしながらインターホンの前で押すか押さないか逡巡していると,ちょうどお父様が出ていらっしゃって,小町?お米?のお友だちですかって聞かれて,いえ,せんぱい……八幡先輩の後輩で総武高校の生徒会長をしている一色いろはと申します,と言ったらすごく驚かれて,お出かけされるところだったにも関わらずお家に上げていただいて,お茶まで出していただいたんですよねー。

 それで「八幡とはどんなご関係で」と聞かれたので,おっぱいを揉まれました……とはさすがに言えないので,先輩には生徒会のお仕事をいつもお手伝いいただいて……と言ったらさらに驚かれて,「えっ,あの八幡が生徒会を? まあ,あなたのような美少女の手伝いならある意味当然かもしれません。やはり,ひねくれてはいても血は争えませんなー,はっはっはっ」と笑っていらっしゃいました。少しキモイですけど,いいお父様です。

 ただ,その後に出ていらっしゃったお母さまに「あなた! 会社はどうしたの!!」と,耳を引っ張られて行ってしまわれました。ご両親とも休日なのにお仕事お疲れさまです。

 お母さまは少し怒ったような顔で「この泥棒猫……」と呟かれてましたが,このあたりでも野良猫が出てお魚とかくわえていて,お母さまも追っかけて裸足で追っかけていかれたりするのかな? 意外とゆかいなお母さまかもしれませんねー。

 


 

 そんなことを考えていたらもう9時になっちゃいますね。

 せんぱいの部屋が分かってたら起こしにいっちゃうのに。そして,寝ているせんぱいにいたずらしようとしたら,せんぱいほんとは起きていて,逆にベッドの上でいたずらされ~~~~~///

 ちょっと! わたしったら何考えてるんでしょう。それもこれも,あんなところでおっぱいを揉んだせんぱいが悪いんです! やっぱりしっかり責任を取ってもらわないと!!

 あ,2階から階段を下りる足音が聞こえてきましたよ?

「ふわぁ~,なんだ,小町起きてるのか~?」

 せんぱいです! リビングに明かりがついてるからお米ちゃんと間違えてますね? これはソファーの背に身を潜ませ,いきなり飛び出して驚かせるチャンスです!!

 ふっふっふっ,見ててくださいよ。せんぱいの驚く顔が見ものです。

「あれ? 誰もいないのか? 親父とおふくろ,電気の消し忘れかよ」

「じゃーん! おはよーございますせんぱい!! いろはちゃんが会いに,来,て,あ,げ……」

 勢いよく飛び出して見た先輩の姿は,上はTシャツ一枚に下は……。

「ななな,なんで,おぱ,おぱ,おぱ,おぱんつ一枚なんですか!?」

「きゃー,いろはさんのエッチ!」

「なんでわたしが,ことあるごとに静香ちゃんの入浴シーンに出くわすメガネ少年みたいな立ち位置になってるんですかー! それにせんぱいのまいっちんぐポーズとか,わたし以外にどこにも需要ありませんから!!」

「お前にはあるのかよ……」

「そうじゃなくて,せんぱいのおぱんつです!」

「いや,だってここおれの家だし。てか,なんでお前勝手に入ってきてんだよ」

「勝手にだなんて失礼な!ちゃんとお父さまに家に招き入れていただいてご挨拶もすませました。お父さまが『八幡のこと,これからもよろしくお願いします』と仰られたので,わたしも『こちらこそ,不束者ですが末永くよろしくお願いします』と返したら,涙を流して喜んでおられましたよー」

「お前も親父も何してくれちゃってんの? おふくろは?」

「お母さまは,お父さまの耳を引っ張って一緒にお仕事に行かれました。仲睦まじくていいご夫婦ですね」

「どう見たらそう見えるんだよ……そうだったら俺ももっと気が休まるんだけどな……」

「えっ? せんぱい,どうかしたんですか?」

「いや……なんでもない……」

「ところで,どうしてせんぱいは,その,マチコ先生の形のままなんですか? 最初は驚きましたけど,もう大丈夫ですよ?」

「いや……まあその,なんだ……男にはいろいろあんだよ」

「せんぱいなんですかー? そんな片足立ちじゃ疲れますよね? こっち向いてくださいよー」

「おい,危ない! 引っ張るなって……」

 せんぱいの腕を引っ張って,せんぱいが目の前に立ってみると……その……おぱんつの前の部分が……。

「しぇしぇしぇ,しぇんぱい。そのせんぱいのせんぱいがやっはろーしてるのって……」

 せんぱいは真っ赤な顔でそっぽを向いています。

「それって,わたしのせいですか……?」

「は?」

「その……わたしの顔を見て,この前のことを思い出したからそうなった,とか……」

「いやいやいや,これは朝の生理現象というか,男なら誰でも普通にあることで,別に一色のせいというわけでは……」

「もし,わたしのせいなら,わたしが治めてあげなきゃなー,なんて……」

 ちょっと! わたし,なに口走っちゃってるんでしょう。

「いやいやいや,一色さんのお手を煩わせるようなことでは……」

 焦ったせんぱいってちょっとかわいいですね♪

「せんぱい……手でいいならいくらでも……なんならそれ以上でもいいんですよ?」

 きゃー! わたしの歯止めが利かなくなってる!! もしこのままいったら……。

「ちょっと~,おにいちゃん,なに朝っぱらから騒いでんの?」

 階段から足音と人の声。おにいちゃんという言葉から,クリスマスイベントの当日,いろいろと手伝ってくれた妹のお米ちゃんですね。

 ちょっとホッとしたような,残念なような……。

「女の人の声がしたけど,リビングのテレビでエロゲとか……」

 ええええーーーー!!!

「お,おこ,おこめこめこめこめこめこめこ」

「一色ヤメロ! その噛み方はダメだ!!」

「おこめちゃん! なんで全裸なんですかーーーー!!!」

 そう,リビングに入ってきたお米ちゃんはすっぱだか,まるはだか,いわゆるまっぱだったのです!

「きゃー,いろはさんのエッチ!」

 兄妹して言ったセリフもまいっちんぐポーズも全くおんなじですよ。似たもの兄妹ですねー。 いや,今はそういう問題ではありません。

 

「だから,なんで全裸?」

「いやだって,お兄ちゃん一人でいろはさんがいるなんて思ってなかったから……」

 わたしよりもさらに慎ましやかな……いえ,わたしは年相応にそれなりにあるんです! そりゃ,結衣先輩のようなバケモノは別にして,絶対に雪ノ下先輩よりはあると思うんですよねーって,それは置いといて,慎ましやかな胸を隠しながらお米ちゃんはそんなこと言ってますけど,あれれー?おっかしいぞー? それなら……

「せんぱいに見られるのはいいんですか?」

「それはもちろん! むしろ見て? あるいは,バッチこい!! みたいな?」

「バカなこと言ってるんじゃない!」

 あ,お米ちゃん,せんぱいにチョップされた。

「いった~い」

 片足立ちが解けて手で頭を押さえてるからいろいろ丸見えになっちゃってるんですけど!?

 するとせんぱいが自分のTシャツを脱いでお米ちゃんに頭から被せた!

「ほれ,これでも着てちゃんと隠せ」

 せんぱいのTシャツ……羨ましいなあ。

 お米ちゃんはTシャツをたくし上げて鼻のところへ持ってきてクンカクンカ匂いを嗅いでいるもんだから,せっかく着せてもらったのに大事な部分がまた丸見えです……。

「おっ,おい,小町……」

「おにいちゃん!」

「はっ,はいっ!」

「小町,お兄ちゃんのTシャツでいろいろ捗りそうだから,自分の部屋に行ってくるであります!」

「おっ,おう……」

 そしてすぐにピシっと敬礼をして,また階段を上がっていきました。

 羨ましいなあ……。

 あっけにとられる先輩のことをよくよく見てみると,上半身裸でおぱんつ一枚という恰好じゃないですかー!

「ああ,しぇんぱい……シャツを脱いだということは,次はいよいよおぱんつも脱いで,わたしはここでせんぱいに初めてを……」

「お前はどこのヤツメウナギの吸血鬼だ!」

 そう言ってせんぱいはわたしにもチョップをくれやがったですよ。

「あいたっ! じゃなかった,いったーい,せんぱい,ひどいですぅ」

「言い直してあざとくするな!」

「あざとくないですぅー,ていうか本当に地味に痛いんですけど……」

 素で痛いって言ったら,せんぱい少しあせってるようです。

「そ,そんなに強くしたつもりはなかったんだがな……大丈夫か?」

「こぶとかできてないか,ちょっと見てください」

 せんぱいに向けて頭を少し下げてみる。せんぱい頭なでてくれないかな?

「いっ,一色さん?」

 せんぱいがさらに焦った声を出してます。本当にこぶとかできてたのかな?

 少し顔を上げて上目づかいにせんぱいの顔を見上げると,顔を横へ向けながら,目だけがチラチラとこっちを見ている。

「せんぱい,どうしたんですかー」

 ちょっと不満げにせんぱいに文句を言うと,

「いや,その,なんだ……その……ニットのセーターの首元が緩いから……その,白いものと谷間……」

 えっ!? 今日は確かわたしはフリルのついたかわいい白いブラを……。

「きゃあ!!」

 慌てて両手で胸を押さえてその場にうずくまる。そりゃ,いつせんぱいに見られてもいいようにって,今日はかわいい下着を選んで付けてきましたけど,心の準備ってものがあるじやないですかー。こんなのって,こんなのって……。

「いっ,一色,すまん。悪気があったわけじゃないんだが……」

 せんぱいが心配そうに声をかけてくれる。そんなの黙っていればよかったのに……せんぱいは,いつもいつも優しくてお人好しで……残酷です……。

「……見たんですね?」

「見たというか,見えたというか,その……」

「見・た・ん・で・す・ね・?」

「ハイっ! 見ました! ワタクシ比企谷八幡は,一色いろはさんの胸の谷間を見てしまいました!」

 うずくまったままチラッと先輩の方へ視線を向けると,せんぱいは直立不動の姿勢で立っていた。

 おぱんつ一枚でのそんな格好は,ちょっとおかしみを感じる。

 でも,そんな態度はお首にも出してはいけない。

 ゆっくりとその場で立ち上がり,固まったままのせんぱいの前に立ち,少しうつむき加減で,

「……責任,とってください」

「いや,しかし,今のは事故みたいなもので……」

「……コミュニティセンターでの責任も取ってもらってません」

「あれだってお前が……」

「ずっと触ってました。せんぱいの力なら振りほどけたはずなのに」

「うっ」

「たくさんの人に見られました」

「ううっ」

「少し……力,入ってました」

「うううっ」

「だから……」

 せんぱいの裸の胸に指を這わせる。

 普段はあんなに細っこく見えるのに意外と逞しい胸。やっぱり男の子ですね。

「せんぱい……ふたりきりです……」

「一色……」

 そのまませんぱいの胸に手のひらをあてて,少し背伸びをする。今日のコロンの香り,あの日と同じなの,せんぱい気付いてくれるかな?

 せんぱいの唇まであと少し。わたしは目を瞑り……

 

「ああっ! おっ,おにいちゃんっ!」

 突然の声に,せんぱいがパッと飛び退いた。

「んんっ! あン! おにいっ,んっ!」

 二階から突然聞こえたお米ちゃんの……。

せんぱいとふたり,少し離れたところで赤い顔して下を向く。

「せんぱい,これって……」

「一色,言うな。小町のやつ,ドア開けっ放しで……」

 お米ちゃん! 捗りすぎです‼︎

「俺,ちょっとシャワー浴びてくるわ。一色はゆっくりしていてくれ」

「あ,せんぱい……」

 せんぱい……行っちゃった……。

 


 

「せんぱい,いますか?」

「一色!?」

「はい,いろはちゃんですよー」

 せんぱいんちのバスルームの脱衣所まで来てしまいました。

「お前,なんで……」

 シャワーの音がするバスルームの扉越しにせんぱいとお話しする。

 半透明の中折れ戸の向こうにせんぱいのシルエット。

 シャワーを浴びているわけだし,さっきまで履いていたせんぱいのおぱんつはここにあるので,当然せんぱいは全裸。

「お前,リビングで待ってろよ。お前にそこにいられると……処理が……」

「せんぱい,リビングはお米ちゃんの声が聞こえてきて,あんなとこひとりでいられません」

「そ,そうか……そうだよな……」

 せんぱいの言ってた処理の意味は分かりませんが,あんな声聞いてたら,わたしまで変な気分になっちゃいます。

 ……正直,ここにいてもそんな気分になっちゃいそうですけど。

「せんぱい……わたしも入っていいですか?」

「いいわきゃねーだろ! 早くセーターを着ろ!」

 あれ? セーター脱いでたのバレてる?

「シルエット……見えてるから……」

「あ」

 とっさにそこにあったバスタオルで胸を隠す。

 一緒にバスルームに入って全部見てもらうつもりだったのに変ですね。やっぱりまだ,覚悟がないのかな?

「あの……一色さん……俺,そろそろ出たいんだけど……」

「どうぞ?」

「いや,どうぞじゃねえし」

「え?」

「頼むから出てってくれ! 早く‼︎」

「あ,すみません!」

 慌ててバスルームを出る。そりゃわたしがいたら出られないよね。

 あ,わたしバスタオル掴んで,セーターは脱衣カゴの中でした。

 セーターを取りに再び脱衣所に戻ると,

ガチャ

「いっ,一色……」

「せんぱい……」

 ちょうどバスルームから出てきたせんぱいと鉢合わせしてしまいました。

 せんぱいは……濡れそぼってて……髪の毛が顔にかかって目線が見えません。

 目線は見えないけど,やっはろーしたせんぱいのせんぱいがまる見えでした……。

「せんぱい……タオルです」

 手に持っていたバスタオルを先輩に差し出す。

「一色……下着が……」

 そうでした。わたし,セーターを脱いだままです。

 でも,せんぱいは全裸なのですから,わたしも覚悟を決めなければなりません。

「……そう,ですね。せんぱいだけ裸なのは不公平ですよね。わたしも……」

 両手を後ろに回し,ブラのホックを外そうとする。手が震えてうまく外せない。

 すると,せんぱいがさっき渡したバスタオルでわたしを包む。

「無理すんな……」

「せんぱい……」

 せんぱい,すぐ近くにいるのに,やっぱり目線が見えないです……でも……。

「……あたってます」

「うわっ! しょっ,しょうがないだろ,お前みたいな美少女が半裸で目の前にいるんだから」

「び,美少女!?」

 恥ずかしくてせんぱいの顔が見られません。でも,下を向くとせんぱいのせんぱいが……。

 せんぱいはバスタオルでわたしを包んでいるから前を隠せませんし。

「えいっ!」

「一色さん!?」

 思いっきり先輩に抱きついて密着してやりました。これでもう,せんぱいのせんぱいは見えません。

 ただ,さっきよりも強くわたしにあたっていて,よりせんぱいを感じてしまいます。はっきりいってイケナイ気分になりそうです。

 

 

 

「あー! おにいちゃんといろはさん,ふたりで何やってるんですか‼︎」

 相変わらずの全裸姿でお米ちゃんが姿を現しました。

「おにいちゃんが全裸,いろはさんが半裸で抱き合ってるって……ふたりだけずるい! 小町も混ぜて‼︎」

 そう言って,脱衣所へ飛び込んでくるお米ちゃんにせんぱいが迎撃チョップ!

「痛いっ!」

「お前は何を考えてんだ。そんなんじゃないから」

 いや,この姿,どう見てもそんなんですよね? ちょっとお米ちゃんが可哀そうです。

「せんぱい,これはわたしたちが悪いです。お米ちゃんに勘違いされても仕方ありません。お米ちゃん,大丈夫ですか? 勢いよく飛び込んできたから痛くなかったですか?」

「い,いろはお義姉ちゃん……」

 な,なんかニュアンスが違うような気がしますけど悪い気はしません。

「とにかく俺は服を着るから,一旦出てけ!」

 脱衣所を追い出されてしまった半裸のわたしと全裸のお米ちゃん。

 はっきり言って気まずい。

「いろはお義姉ちゃんは,やっぱり兄のことが好きなんですか……?」

「そうだね。せんぱいのことが好き。そう言うお米ちゃんも,せんぱいのこと,一人の男の子として好きなんでしょ?」

「はい!」

「躊躇無いんだね……」

「隠しても仕方ないですから。でも兄とは結婚できませんし,一緒にいられて小町のことを少しでも女として意識してもらえればそれでいいかなって。だから,いろはお義姉ちゃんが兄のことを傷つけずにいてくれるなら,小町はいろはお義姉ちゃんのことを応援しますよ!」

「そか……せんぱい,傷つきやすそうだもんね。分かった。約束するよ,お米ちゃん! お姉ちゃんに任せなさい‼︎」

「一応,小町という名前があるんですが……」

「あの……」

 脱衣所のドアが開いてせんぱいが出てくる。残念ながら,I♡千葉のTシャツとデニムパンツを履いている。

「ドアの向こうに俺いるんだから,お前らの会話,だだ聞こえなんだけど……」

「ぷっ」

 お米ちゃんとふたりで吹き出してしまう。そりゃそうだよね。まあ,ふたりともはなから隠す気なんて毛頭無いからね。

「おにいちゃん! 小町,ベトベトだから早くシャワー浴びたいの!早く代わって‼︎」

「お,おう」

 なんでベトベトなのかはこの際ツッコまないことにしよう。

「せんぱい,とにかく今日は生徒会の買い出しにららぽーとへ行きますよ! そんなカッコじゃ困りますから,もっとちゃんとしたカッコに着替えてきてください!」

「えー,買い出しくらいこれにコートでも着ればいいんじゃね?」

「せんぱい! せんぱいがお寝坊さんだからこのままじゃ昼になっちゃいます。お昼食べるのにコート脱ぐでしょう? それでそんなのが下から出てきたらわたしが恥ずかしいじゃないですかー」

「もうお昼食べるのまで決定事項なのね……」

「せ,せんぱいがさっき,び,美少女って言ったんですから,せめてその美少女をエスコートするのに恥じないカッコしてください」

「分かった,分かった。後で小町にコーディネートさせるから,その……」

「?」

「まずはお前が服を着ろ」

「きゃっ!」

 せんぱいが赤い顔をしてそっぽ向いてると思ったら,わたしまだ上半身下着姿でしたぁ!

「お,お米ちゃん! わたしのセーターが中に! ドア開けてくださーい‼︎」

 

 


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