今回、普段より短め。
普段からこのくらいだといいのでしょうけど、なかなか切れが悪く……。
それじゃ自分のションベンじゃろがい!
キリが悪くてうまくいきませぬ。
構成が下手なのでおじゃる。
翌日から僕は学校を休んだ。
突然、自分が女の子だったという現実を突きつけられてどうすればいいのか分からなかったし、何より八幡に合わせる顔がなかったから……。
ずる休みだと知りながら、お母さんは何も言わないでいてくれてる。
お父さんとお母さんは昨夜、僕の話をしたらしい。
しばらくして大きな音がして、その後お父さんの姿は見えなくなった。
ずる休みなんてしたことがないから、どんな時間の過ごし方をしたらいいか分からないや。
受験生だし、参考書を開いてみたりもしたけれど、八幡の顔が浮かんできて内容が全く頭に入ってこないんだ。
八幡……君は今、何をしてるのかな……。
そろそろ日も傾きかけた頃、不意に玄関のインターホンが鳴った。
またお父さんが変なDVDでも買ったのかなとモニターを覗き込むと、そこに立っていたのは海老名さんだった。
『はろはろー、戸塚くん……じゃなくて戸塚さんと言った方がいい?』
インターホンの小さなモニターに映った彼女の表情は、夕日を反射したメガネのせいでよく分からなかった。
「こんにちは。それ、まだなんかしっくりこないかな。はは……」
そんなことより確かめなければならないのは───
「え、と……どうして海老名さんが?」
『学校からのプリントと差し入れ、かな?』
そう言って紙袋を掲げてモニターに映して見せた。
「え? でもクラスも違うのに……」
『いろいろとナイーブな問題もあるから、事情を知ってる私が来たって感じ』
そうなんだ……確かにクラスの人とかには事情を話してないから、学校側も気を遣ったのかもしれない。
「あの、は、八幡は……」
事情を知っているということなら、八幡も該当すると思うんだけど……。
『そこは同じ女の子だから、ということだと思うよ』
「そ、そうなんだ……」
その言葉を聞いて、僕はホッとすると同時に淋しさを感じた。
『一応、担任の先生に確認するように言われてるんだけど、学校来れそう?』
「ん……まだ、心の整理がつかなくて。クラスのみんなやテニス部のみんなを騙してたってのもあるんだけど、何より八幡に合わせる顔が……」
それは僕の気持ち、そして……。
「それに八幡だってずっと騙し続けていた僕なんかに会いたくないだろうし……」
『そんなことないよ!』
突然、モニターの向こうの海老名さんが大きな声で叫んだ。
『そんなこと、あるわけがない。八幡くんはそんな人じゃないよ。一番信頼している君にそんなこと言われたら、彼、傷ついちゃうんじゃないかな』
「でも僕は……」
『彼はいつも戸塚くんの性別は戸塚だっていつも言ってたよ。君の肉体的な性別が男でも女でも関係ないんだよ。だから、君は八幡くんを騙したことにはならないよ』
「それでも……」
『そう思うのは仕方ないと思う。君にとってはショックだったんだろうから。でもね、八幡くんがそんな君を責めたりするような人じゃなあってことだけは覚えておいて欲しいかな。じゃあ、わたしは帰るね。差し入れ、玄関のドアノブに下げておくから、後で回収して」
そうして、海老名さんの姿はモニターから消えた。
彼女はあんなに八幡を信用してるんだ。
なのに僕は……。
玄関の鍵を開けてそっと扉を開き、ドアノブにかかった紙袋に手を伸ばす。
すると、突然伸ばした手が何者かに掴まれた。
「ひっ!」
そしてそのまま身体を玄関に押し戻され、鍵がカチャリと閉められた音が聞こえた。
「戸塚くん、つーかまーえたー」
僕は腕を掴まれたまま、框の部分に押し倒される。
「え、海老名さん!? なんで……」
「ふふふ、わたし、ホモも好きだけど、女の子同士もイケるクチなんだよ?」
えええー!!
「八幡くんに呼ばれて戸塚くんのアソコを触った時の声が可愛くて……ね?」
「ちょっと! ね? じゃないから!!」
「いいからいいから、今まで女の子って分からなかったんだから、女の子のキモチイイとこ知らないよね? だから、教えてア・ゲ・ル」
「嫌、やめて!」
Tシャツを捲り上げて海老名さんの指が僕を胸のあたりを這う。同時にショートパンツと下着を一緒に膝の辺りまで下ろされ、その中心部分にもう片方の手が伸びる。
「あっ、だめ……そんな……」
抵抗しようとしているのになぜか力が入らない。
ならいっそこのまま海老名さんに身体を委ねてしまう?
嫌だ、そんなの嫌!
助けて……助けて……。
「助けて、八幡!」
するとそれを聞いた海老名さんの手がピタリと止まった。
「それが君の本当の気持ち、でしょ?」
僕の……本当の気持ち──
「だったらさ、素直になればいいと思うよ」
そう言って、彼女は立ち上がり、自分のスカートをパンパンっとはたいた。
「あの……どうして……」
続いて僕も下着とショートパンツを上げ、はだけたTシャツを正しながら立ち上がった。
「八幡くんが心配してるから、かな?」
「でも、でも、僕が本当に素直な気持ちを出したら、海老名さん的には良くないんじゃないの? 僕の八幡に対する思いは……」
そう。とっくに分かってたんだ。
僕の八幡に対する気持ちは友情なんかじゃないって。
「それとも、正妻の余裕?」
悔しいけれど、今の八幡の気持ちは────
「んー、ちょっと違うかな? 私的には八幡くんとずっと一緒にいられたらと思う。でもさ、二人だけで依存しあって生きていても彼を幸せにすることはできないし、何より────」
そこで間を置いた彼女は、
「もし私がいなくなったとしても、八幡くんには笑っていてほしいからさ」
そう言って、少しだけ淋しそうに笑ったんだ。
僕がその儚げな表情から目を離せずにいたら、だんだん彼女の顔が近づいてきて、
「ん……」
僕の唇と彼女の唇が重なった。
「あんまり熱く見られてるから、思わずキスしちゃった。これって浮気になるのかな? 八幡くんにはナイショね。じゃ、また学校で────」
そう言い残してバタバタと彼女は玄関のドアを開けて出ていった。
僕は指で唇を押さえながらその場に立ち尽くしていた……。