いよいよ「千葉最大の侵略~」シリーズも本当の本当に最後です。
それにしても今回の番外編は酷かった。
パクリとかパクリとかパクリとか。
ワタシ、怠惰デスネ。
の、ののののののの脳が震えるぅぅぅ!!
ごめんて。
「おはよう、八幡!」
海老名さんが家に来た日の翌朝、ようやく登校した僕は八幡の教室に立っていた。
「八幡、遅い!」
「すまんすまん、昨夜遅くまでラノベ読んでてな」
もう少しで始業という時間に八幡は気だるげに入ってきて、自分の椅子に座った。
「戸塚。もう大丈夫なのか?」
ちょっと会わなかっただけなのに、ずいぶん懐かしく聞こえる八幡の声。
マスク越しで少し聞こえづらいけど、ずっと聞きたかった声。
「うん。僕はもう大丈夫、だよ」
僕は立ったまま、少しだけ前のめりになり顔だけを八幡の顔の近くに置いて話をする。
本当はあまり近づいて話をしちゃいけないんだろうけど、お互いの声がマスクで聞こえづらくて、かと言って周りには聞かれたくないから大きな声も出せないので必然的に二人の距離は近くなる。
「八幡は、さ……僕のこと……どう思ってる……の?」
僕は、周りに聞こえないくらいの小さな声で、恐る恐る八幡に問いかける。
「何言ってるんだ。戸塚は戸塚だろ? これからも俺たちは友達……で、いいのか? 俺、今まで友達いたことないからよく分からんが」
「そっ、そうだよね。僕たち、変わらないよね、ははっ」
八幡から変わらないと言われたことで僕は安心感を覚えた。
なぜか少しだけモヤモヤしてたけど。
「戸塚、戸塚……」
「えっ?」
「そろそろ教室、戻らなくていいのか?」
「そ、そうだね!」
いつの間にか始業の時間。慌ててその場を離れようとしたけれど、気ばかり焦って足がついていかず、身体のバランスを崩して座ったままの八幡に覆い被さるように倒れ込んでしまった。
「戸塚、大丈夫か?」
「う、うん。ごめんね。八幡が支えてくれたからだいじょう……」
気づけば八幡の左手は背中に回され、右手は僕の胸を掴むような体勢になっていた。
「きゃっ!」
「と、戸塚、すまん!」
僕は両手で胸を押さえて八幡の教室から走り去った。
今までだったらこんな風に動揺なんてしなかったくだろうけど。
だけど……やっぱり今まで通りじゃいられないんだ……。
せっかく変わらないって言ってくれたのに、
ごめんね八幡。
さよなら友達────
(ご存知!茶番屋台)
「あのー、月詠先生、今日は私たち3人ですか?」
「そうですねー。緊急事態宣言が明けたとはいえ、まだ、人の流れも戻ってませんし、学園都市の出入りは以前にも増して厳しくなってますからねー。皇桜女学院の立花先生や愛菜先生、千葉にいる黄泉川先生も来づらいでしょうし。あ、おじさん、耶馬美人ロックですぅ」
「あいよ」
「それで、私たち、こうやって一席ずつ離れて座ってるんですね」
「そうです。鉄装先生、ソーシャル・ディスタンスが大事なのですよぉ〜。おじさん、曲のリクエスト、アルフィーの星空のディスタンスですぅ」
「あいよ」
「きょ、曲のリクエストなんかもあったんですね……」
「鉄装先生も何かあったらリクエストしてみてください」
「それで……」
「どうしましたか?」
「また日も落ち切っていないのに平塚先生はどうしてもう酔い潰れて突っ伏して寝ちゃってるんですか!?」
「ああ、それは学校が早く終わったけど、予定してた婚活パーティーがことごとく中止になって早い時間から飲んでたからですぅ。この屋台も時短営業ですし」
「あ、そうなんですね」
「なので、鉄装先生もどんどんいっちゃってくださいー。おじさん、わたしと鉄装先生にレモンハート151、ストレートですぅ」
「あいよ」
「……ぐすっ、比企谷〜私を貰って──」
「誰なんですか? 比企谷って」
「平塚先生の千葉時代の教え子だった男の子ですねー。一度だけ会ったことありますけど、黄泉川先生の話だと、上條ちゃんみたく素直じゃないけどいい子だそうですよー」
「へぇー、そうなんですね。私も一度会ってみたいかな?」
「おやー、鉄装先生が男の子に興味を持つなんて珍しいですねー。先生もそろそろ恋をしたくなったんですか?」
「い、いえ、全然そんなんじゃないですから! 月詠先生かんぱーい!!」
「あ、そんな一気に!」
「くはー! あれ? なんか世の中が回って……」
「あちゃー、このお酒75度もあるんですよー。そんな一気飲みなんてしちゃったら……二人とも寝ちゃいましたねー。おじさん、おでん盛り合わせですぅ」
「あいよ」
あれから────
僕は海老名さんの行動について考えてみた。
だって、僕にとってはファースト・キ……キスだったんだよ?
別に嫌だったとかそんなんじゃないんだけど、彼女がなんでそんなことをしたか分からなくて。
海老名さんが僕のことを好き?
そんなことはあり得ないよ。
だって、彼女は八幡が好きなんだし。
でも、でもでも、もし本当に彼女が僕を好きであんなことをしたとしたら?
ほら、彼女は男の子と男の子が、その……仲良くする話とか好きだし、ひょっとしたら女の子同士も……?
だけど僕は、僕の気持ちは……。
その時浮かんだのは八幡の顔。
八幡────
そうか。
友情とか、それは単に言葉に過ぎなかったんだ。
ただ、気持ちに素直になけばよかったんだ。
だけど、今まで女の子として考えたことがなかったからどうしたらいいのか分からないよ。
奉仕部に相談する?
ダメだよね。八幡がいるし、それに雪ノ下さんや由比ヶ浜さんだって八幡のことが好きなんだから、そんな人たちに相談できないし。
同じ理由で三浦さんや原滝さん、一色さんとそして相模さんにも無理……。
一体どうしたらいいのかな……。
そして土曜日。
こんな僕の話を聞いてくれる人がいて、その人のアドバイスを受けながらとにかく僕にできることをしようと八幡の家にやってきた。
僕がチャイムを鳴らすと、お父様が玄関先で出迎えてくれて、また新しい嫁候補が、と笑顔で迎えてもらった。
次に出てこられたお母様は、八幡から僕の名前を聞いたことがあったらしく、やっと八幡の男の子の友達が家に、と、やはり大いに歓迎してくれて、お二人とも、八幡はまだ寝てるけど、ゆっくりしていってくださいねと言い残して休日にも関わらずお仕事に向かわれた。
たしかに小さい時からご両親のこんな姿を見ていたら、八幡が働きたくないと言うのも分かるけど、口ではそんなことを言いながら、本当は誰よりも責任感が強くて働き者なんだよね。
そんな八幡だから僕は────
「おっ小町、朝ごはん作ってるのか? なんかいい匂いが……」
誰かが階段を降りてくる音、そして八幡の声が聞こえてきた。
「あっ、八幡! おはよう!!」
「その声、戸塚か? どうして戸塚が……って、ええっ!?」
「まだ、お料理は勉強したてで自信ないんだけど、食べてもらえたら嬉しい、かな?」
「いや、なんで戸塚が朝ごはんを作ってるんだ?」
「だって、八幡がいつも言ってるんだよ? 毎日俺のために味噌汁を作ってくれって。毎日は無理だけど休日くらいはと思って」
「たっ、確かにそれは言ったがしかし……」
「八幡は、僕に嘘をついてたの?」
「いや、そうじゃなくてだな……」
「だったら、どうして僕から目を逸らしてるの?」
「それは……」
やっぱり八幡は僕を見てくれない……。
僕の目に少し涙が滲みかけたその時、
「せんぱーい、愛しのいろはちゃんが参上しましたよ……って、戸塚先輩!?」
「はちくーん、今日も来ちゃった……って戸塚くん!?」
「お兄ちゃん、朝っぱらからうるさくて捗らないんだけど……って戸塚さん!?」
「おい、一色にめぐり先輩に小町! 全員服を着ろ!!」
僕がいたからか、みんな慌てて奥へ引っ込んだけど、ほんとびっくりしたー。
だって、全裸だよ!?
ほら、今まで男の子として育てられてきたから他の女の子の身体とか見たことなかったし、それに……。
「ねえ、八幡って、あの……みんなと……その……エッチなこと、してるの?」
僕は恥ずかしながら思ってた疑問を口に出す。
「いや、そんなことしてねえから!」
みんな当たり前のように全裸だったけど、本当に、そうなのかな……でも、八幡は僕に嘘をついたりしないよね?
「分かった。僕、八幡を信じる」
「戸塚……ありがとうな。それで、俺からも一ついいか?」
「彩加!」
「はっ?」
「僕だけ名前で呼ぶのって、なんかずるい。八幡にも名前で呼んでほしいな」
「いや、しかしだな……」
「前に呼んでくれたことだってあったのに」
「あの時はほら、お前を男だと思ってたから……女の子を名前呼びなんて、ぼっちにはハードルが……」
「海老名さんのことは下の名前で呼んでるし、さっき城廻先輩にも」
「それはまあ、アレがアレで……」
「呼んで、くれないの……?」
少し上目遣いで目を潤ませてみる。
こうすれば八幡が断れないのを知っててお願いしてる……本当は僕の方がずるい人間だ……。
「ん〜〜〜〜〜、さい、か……?」
「八幡!」
名前呼びされたことに嬉しくなってて思わず抱きついちゃった。
「わわわわ! 彩加!」
「八幡〜〜〜♪」
「それで、だな……」
「あ、八幡も何か言いたいことあったんだよね」
「ああ、いいか、言うぞ……」
八幡はすぅーっと息を吸って、
「なんで彩加は裸エプロンなんだ!?」
僕は八幡が何を言ってるのか分からなくて、首をこてっと傾けてみた。
「おっ、おい、可愛いなチクショウ!」
「そんな可愛いだなんて……えへっ」
「いや、だから裸エプロン……」
「えっ? だって、お料理するならやっぱりエプロンをしないと」
「そっ、それはそうだけどそうじゃねーんだよ!」
え? いったいどういうことだろう?
「いやーびっくりしました、まさか戸塚先輩がいたなんてって、裸エプロン!?」
「戸塚くんの裸エプロン姿……」
「戸塚さん……眩しい……」
いつの間にか3人が服を着て戻ってきていた。
僕はみんなに聞こえないようにそっと八幡に耳打ちをした。
「僕が女の子だったってこと、まだ他の人にはナイショにしてね」
「どうしてなんだ?」
「僕、高校生活最後の夏の大会が終わるまで、今の部活の仲間たちと一緒に男子テニス部としてやっていたいんだ。だから、お願い……」
「……そうか。それがお前の依頼なら、俺はそれに従うだけだ」
「ありがとう……八幡」
「せんぱいも戸塚先輩も、どうして男同士でそんなヒソヒソやってるんですか! 海老名先輩にチクっちゃいますよ? いいんですか? 海老名先輩失血死しちゃいますよ?」
ははは……海老名さんは僕が女の子だってこと知ってるんだけどな……。
「それで、戸塚さんは朝ごはんを作りに来たんですか? ソレハコマチノシコトナノニ」
「それもあるんだけどね……」
僕はエプロンのポケットに入れてあった半紙を取り出した。
「僕は八幡の愛人になるためにやってきたんだ!」
広げられた半紙には、綺麗な文字で『愛人』と書かれていた。
「あ!?」
「い!?」
「じん!?」
なんか女子3人が雷に撃たれたような顔をしてるんだけど……。
「お、おい、戸塚!」
「彩加!!」
「彩加、いったいなに言っちゃってるの!?」
「え、だって、人を愛するって書いて愛人でしょ? 僕は八幡から愛される人になるためにやってきてるんだよ?」
「いや、確かにそう書く、そうなんだけどそうじゃなくてだな……」
「僕、たまたま同じテニススクールに通ってる七条さんっていう、別の学校なんだけど同学年のすごいお嬢様に相談したんだ。そしたらいろいろと教えてくれて、このお習字もその人に貰ったんだよ。綺麗な字だよねー」
「まさか、その裸エプロンもその人から聞いたのか?」
「これはそのお嬢様に付いていたメイドさんに教わったの」
「おい、ツッコミ役ちゃんと仕事しろ!」
「はっくしょん!!」
「どうした、風邪か? 津田よ」
「あ、会長。寝る時にちょっと薄着だったからかもしれませんね」
「ひとりHしながら下半身に何も履かないまま寝落ちしただと!?」
「いってねー!!」
「せんぱいの愛人……」
「そうか、愛人なら何人いても……」
「兄妹で結婚はできなくても愛人ポジなら……」
「一色、めぐり先輩、小町?」
「一色先輩! 城廻先輩! そうと決まればここは共闘のために小町の部屋で作戦会議です!!」
「おー!」
なんか盛り上がって3人とも2階に上がって行っちゃった……。
「何なんだ、あいつら……」
「八幡……朝ごはん食べよっか」
「そ、そうだな」
テーブルに座る八幡の前にご飯とお味噌汁、焼き鮭、卵焼き、ほうれん草のお浸しを並べる。
それでも八幡は僕から目を逸らしてる。
「もう! 八幡、ちゃんと僕を見て!」
両手で八幡の顔を掴み、グッと僕の方へ向ける。
「!」
八幡の顔が近い……。
八幡の唇から目が離せない……。
そして、吸い込まれるように、僕の唇をそこへ重ねていく……。
ファーストキスじゃなくなったけど、そのわずかな時を僕はすごい充実感とともに迎えた。
「彩加……」
八幡が僕の方をしっかりと見て、そして名前を呼んでくれた。
「俺は……」
「いいよ、言わなくても分かってるから」
本当は、こんなエプロンなんか剥ぎ取って、今すぐ裸の自分で八幡の胸に飛び込みたいんだ。
でも、それをしたら八幡が困るのは分かってるから……。
それをやってしまったら君は僕を拒絶しなければならなくなるから……。
それでも、僕は……。
「わたしもそれなりってところを見せてあげるっスよ────」
少し嗜虐的な顔をした僕に、八幡がビクンと反応した。八幡のこんな姿を見ると、なぜかすごくゾクゾクしてくる。
あれ?
何だろ?この感覚。
このまま、学校なんか行かないで八幡と一緒にいられたらいいのに。
あーあ、学校、滅んでくれないかなー
[謝罪と言い訳の項]
「戸塚彩加!お前には失望したぞ!」
ほんとごめん。
パクリだわクオリティ低いわ難産だわ。
読者の方が作者に失望してますわね。
ただ、今回、ラストでなにかの引きは無かったので次こそ本当にラストシーズンいきます!
総武高校が滅ぶ回とかはありません。
修学旅行シリーズファイナルシーズン
「なのにあなたは京都へゆくの」(仮題)
乞うご期待!
その前に「陽乃様、リトライ!」の続きを書くかどうか……。
例え需要はなくとも、まだ出オチネタを2つくらい書きたいので、アニメ4話くらいまでは行ければと思うのですけれども……。
「陽乃様、リトライ!は異世界の話だから小町でてきませんよね?」
「これはこれは小町さん。そうですね。あっちは基本、八幡と陽乃さん以外はまおリトメンバーになりますから」
「なら、早くラストシーズンで小町と兄の濃厚なラブシーンを……」
「一応、本作は全年齢向けですし、今のところメインヒロインは決まってるので、残念ながら小町さんは……」
「私はね、人を殺すのが大好きで、恋していて愛しているの。あっ!? 拷問も大好きだよ」
「んばゃあ~~~ー!」
ちーん
以下のシリーズの続きです。
修学旅行シリーズ
ファーストシーズン
「まちがいだらけの修学旅行。」
セカンドシーズン
「まちがいつづける修学旅行。」
サードシーズン
「クリスマスは踊る。」
フォースシーズン
「バレンタインデー粉砕! 同志ヨ,チバ二結集セヨ!」