ではほんへ、どぞー。
ガァンッ、と一際大きな衝突音が響く。
その直後にカメラアイを破壊されたポルタノヴァが倒れ伏し、直ぐ様頭部が破壊される。
『ッシ、これで二機目!あと四!』
「くっ‥‥‥なんだこのアルト、動きが、変になるぅぅぅ!?」
『あっちはあっちで振り回されてるな‥‥‥セイバー2、フォローしてやってくれ』
『了解。セイバー4、下がって!』
「り、了解!」
ローレンスが後方に下がったのを見た敵機が追撃に走るが、そうはさせまいとハーピーの狙撃が敵機に刺さる。
直撃したポルタノヴァは一瞬足を止め、一歩下がる。
『大丈夫?』
「え、えぇまぁ‥‥‥そのポルタノヴァは動かないので?」
『うーん‥‥‥動かない、というより"動けない"というのが正しいかもしれないわ。さっきから呼び掛けてるんだけど一向に返答が無いから気を失っているのかもしれないわ』
「あまり時間をかけてられないってことか‥‥‥!」
そんな会話を交わしている間にも、敵の攻勢はいまだ続く。
隙は逃さんとばかりにナックルで殴りかかるポルタノヴァに対し、咄嗟にライフルで受け止めるローレンス。
しかし、ライフルで受け止めたのは悪手であった。
「マズッ、ライフルが‥‥‥!」
使い物にならなくなったライフルを捨て、腰部にマウントされた電磁ナックルを取り外し、構える。
さらに猛攻を仕掛けるポルタノヴァに対し、どうにかこうにか回避を続けている。
『チッ、不味いか!この、邪魔だ一つ目野郎!』
ガンッ、と敵機を蹴り飛ばし、ローレンスのヘルプに入るフォース。
しかしその隙に二機がかりで抑え込まれてしまう。
『だぁークソが!この!離せっての!』
『セイバー1!くっ‥‥‥力量がまるで違うじゃない‥‥‥!』
ジリジリと距離を詰める敵機に対し狙撃を続けているハーピーだが、動けない。
その理由は、すぐそこにある。
『(このままじゃ‥‥‥救難要請機までやられる。何か、手は‥‥‥!!)』
『こなくそっ!よし抜けた──っておわっ!?』
『──ッ、もう限界じゃない‥‥‥!!だけど、諦めるものですか!』
続けざまに狙撃を繰り返し、近づけさせまいと奮闘する。
その時にも、ローレンスを駆る悠に成長の兆しが見えだしていた。
「(そうだ‥‥‥ここに来たのに、終われる訳がない!お前だって、まだ諦めたくないだろ!ローレンス!)負 け て た ま る かぁぁぁぁ!!」
『うぉっ、セイバー4!?』
電磁ナックルを投石の要領で投げ飛ばし、ハーピーに接近するポルタノヴァの背中にぶつける。
その瞬間、投げ飛ばした直後にブーストを行い急接近し、ぶつけた電磁ナックルを再度キャッチする。
そして、バランスを崩したポルタノヴァの腹部に目掛けて、ブーストによる慣性も相乗した強力な一撃が叩き込まれる。
その一撃を叩き込まれたポルタノヴァはガクンと腕を力なく垂らし、二度と動くことはなかった。
「や、やった‥‥‥一機倒した!」
『バカ野郎油断するな!!』
「えっ」
直後機体に大きな衝撃が襲ったかと思えば、ポルタノヴァが右から組み付いていたのだ。
咄嗟に電磁ナックルでバックパックに殴りつけるが、それでもポルタノヴァは離さない。
その時、拘束から脱出したアルト"フォース"がバトルアックスでポルタノヴァの左腕部を切り落とす。
「あっぶねぇ‥‥‥」
『だから言っただろうが。油断するなって』
「スイマセン、助かりました」
『気にすんな、それよかまだ来るぞ。備えろ』
「了解」
左腕部を切り落とされたポルタノヴァは再度レーザーライフルを装備、狙いをローレンスにつける。
だがそうはさせまいとフォースが前に躍り出てバトルアックスで胸部装甲もろとも叩き斬る。
まともに食らったポルタノヴァは立ち上がれる訳もなく、力なく倒れる。
『これで4‥‥‥あと2か。畳み掛けるぞ』
「了解!」
しかし、相手のポルタノヴァは友軍が撃破されているのを見て即座にバックパック簡易型スラスターを噴かして撤退していった。
これ以上の損害は出せないと踏んでの行動だろう。
『‥‥‥退いたみたいね』
『ったく掻き乱すだけ掻き乱して逃げやがって‥‥‥引き際が上手いな』
「ともかく、これで状況終了なんですよね?」
『まぁな。とりあえず助かったぜセイバー4。礼を言わせてもらう』
『そうね。貴方が来てくれなかったらここも危なかったもの。ありがとう、セイバー4』
「い、いえ‥‥‥俺はただ‥‥‥」
『なし崩し的に乗って戦ったにせよ、お前は助けたんだ。ちっとは胸張ってもいいんだぜ?』
「そう、ですかね」
『とりあえず、まずは帰還しましょう。この救難要請機も連れていかないと』
『そうだな。セイバー小隊、帰還するぞ』
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その頃、某所のバイロン前線基地では一人の兵士がある男に報告をしていた。
兵士は申し訳なさそうに男に報告を始める。
「申し訳ありません、大尉‥‥‥彼女の確保に失敗しました‥‥‥」
「何、問題ない。それよりも損害はどうなっている?」
「それが、こちらのポルタノヴァ6機二個小隊であたったのですが、そのうち4機が大破。2機がなんとか小破で帰還しています」
「そうか‥‥‥戦死者には厚く弔ってやってくれ」
「了解しました‥‥‥それと、一つ大尉の耳に入れておきたい情報が」
「聞こう」
「ハッ、それが‥‥‥」
「‥‥‥白い、二つ目か。面白い‥‥‥」
ニヤリと口角を少し上げ、笑みをこぼす。
男は、まだ見ぬ強敵と戦えると喜んでいるようだった。
「─わかった。では後日追って指示を出す。下がっていいぞ」
「ハッ」
「‥‥‥地球も、捨てたものではないな。さて──姫様は何を考えているのやら‥‥‥自身の持つ力をわかっていての行動なのか‥‥‥まずは、様子見だな」
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視点は戻って地球連合軍日本支部。
その医務室の外で、三人の男女はある人物の目覚めを待っていた。
「‥‥‥しっかし、乗ってたパイロットが子供とはな」
「そうね‥‥‥武器も持たずにここまでよく逃げてこれたものね」
「──で、なんでお前さんも来てるんだ?ユウ」
「あぁいや‥‥‥一応戦場にいた一人ですし。俺も知っておかなきゃいけないかなって」
「ホント日本人は勤勉ね。ブレンに見習わせたいくらいだわ」
「おい待てハリエット、それは俺をバカにしてんのか?」
「それは受け取り方が違うからそう聞こえるだけよ。貴方はセイバー小隊の隊長なんだから、もうちょっと勤勉にならないと」
「むむむ‥‥‥頭を使うのは慣れてねぇんだが‥‥‥」
そんな雑談を続けていると、医務室から軍医が出てくる。
どうやら待ち人が目覚めたらしい。
「お待ちかね、ってとこか」
「ええ、ですがまだ覚醒したばかりですので困惑されているかもしれません。まずはもう少し回復を待った方が‥‥‥」
「いや、先に聞ける情報は聞いとくさ。案内してくれ」
「わかりました。こちらです」
三人が医務室に案内されると、端の方でベッド上で上体を起こした少女がこちらに気づいたのか、にこりと微笑んだ。
「なんだ、結構可愛いじゃねぇのよ」
「‥‥‥コラッ」
「あっでぇ!?足!足踏むなハリエット!」
「鼻の下伸ばしておいて何言ってるのよ」
「まぁまぁ‥‥‥あ、はじめましてだな。俺は早乙女悠、君は?」
「わたくしは‥‥‥サーニャ、と申します。どうぞよしなに」
「言葉遣い丁寧だな‥‥‥どっか育ちの良いとこで育ったのか?」
「気になる事はそこじゃないでしょ。ごめんなさいね、こんな人たちで。私たちは貴女にちょっと聞きたい事があって来てるの。良ければ話してくれる?」
「わかりました。では、何処からお話しましょうか‥‥‥」
うーん、と思案顔になるサーニャ。
そこでブレンは一つ、質問を加える。
「とりあえず‥‥‥まずは、何故ここに逃げてきたか、じゃねぇのか?何かしら理由があってここに来たんだろ?」
「ええ、まぁ‥‥‥では、わたくしが地球に逃げてきた理由からお話しましょうか。まず、わたくしはこの地球とバイロンの戦争を止めに来たのです」
「戦争を、止めに?」
「はい。地球の方々は話し合って物事を解決しているとデータがありましたし、人として、バイロンの民として、地球の方々と話し合いが出来ればと‥‥‥」
「‥‥‥でも、仕掛けてきたのはそちらでしょ?」
「‥‥‥はい。それは、覆しようのない事実です。ですから、今更と言われようともわたくしは‥‥‥!」
サーニャが言葉を続けようとすると、ブレンが間に入って一つの疑問を投げ掛ける。
「戦争を止めに、ってのはよくわかった。だが何故アンタが狙われてる?何か、秘密みたいなのを持ってるからなのか?」
「それは‥‥‥」
「言えない、か。まぁ言いにくいなら言わなくても別に──」
「いえ‥‥‥大丈夫です。あなた方なら、話せます。悪い人ではないでしょうから」
そうして、彼女はゆっくりと己の身の上の話を始める。
そこから語られる事が、全ての引き金だということを彼らはまだ、知らない。
To be continued.
《次回予告》
襲撃を押し返し、事なきを得た地球連合。
保護された彼女の口からは、地球ではあり得ない事が語られる。
終結は、未だ遠い。
次回、"未来視(ヴィジョン)"
この蒼き惑星に、救済を。
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という訳で第三話でした。
うーん、駆け足!( ´-ω-)
次回はもうちょっとゆったりとしたいけど‥‥‥。
とりあえず現時点での設定を次回更新時にPON☆と置いときます。
良ければどうぞ(*´∀`)
では、次回の更新でお会いしましょう。
ではでは( ´-ω-)ノシ
貴方は地球連合軍?それともバイロン軍?
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地球連合軍
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バイロン軍
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その他第三勢力