ロックマンキラーズ纏め編   作:グルルre

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vol.1 敗残兵達のその後

私の目の前にボロボロのマントを身にまとい作業用のヘルメットをかぶるロボットがドンとあぐらをかきながら座っている。

ボロに隠されてはいるもののそこからはドリルが垣間見え彼がただの作業用のロボットではない事が分かる。

「最近起こっている事件で奴が動いているのか知りたいんだが・・・」

「言っとくが最近ので我々が関わっているのは無いからな・・そもそもロックマンに敗れて以来、あの方とは連絡は一切ついとらん。キング軍団は休業状態だ」

私の問いにそう無愛想に答えるロボットはかつてキング軍団の幹部の一人だったグランドマンである。

私は彼に最近起こる謎のロボット暴走事件・・・それの情報を聞き出したいのである。

彼がキング軍団壊滅以降、道にあぶれこのスラムに隠れ住んでいるのを発見しキング軍団残党の情報を聞き出す代わりにある「密約」を交わしたのだ。

「密約」・・・・ロボットである彼の窮状を知ればおそらく我が主Dr.ワイリーは助けの手を差し伸べる事は間違いないだろう。

しかしそれでは彼・・・グランドマンのプライドがそれを許さない。

何せキング軍団は結果的に人類側に付いたワイリーナンバーズと刃を交えているのである。

敵であった存在に頭を下げるのは彼らからしてもかなり癪だろう。

その気持ちは痛いほど分かる。

「自分の身の為なら平気で鞍替えをするような奴だと・・・・」

現在の状況を抜け出す術は目の前に安易に転がっている・・しかしグランドマンはそれを選ばずあえて耐え、表舞台に堂々と返り咲くチャンスをうかがっていた。

私は彼に同情でもしたのだろうか・・・まあ数字的に見ても彼単体の能力は最新鋭のロボットと言うこともあり捨てがたい。

今後のワイリー様の計画に彼が加われば戦力としてかなり使えるに違いない・・・だからこそ彼にはここ一帯のスラムにあぶれるロボット達を束ねるように依頼をしている。

ワイリー軍団が世界征服の計画で動き出した時にスラムにあぶれるロボット達を率い我らに協力し参戦するように・・・。

 

 

「ふむ・・やはりキングの仕業ではないか・・・・他の者は?」

「だから・・俺には心当たりがないんだよ・・・」

そう言うグランドマンを見ながら私はなおも質問を続ける。

「他のキング軍団の幹部は?例えばパイレーツマンは・・・・?」

「あいつはこの前、大西洋で荒稼ぎしてる所をダイブマンに逮捕されただろうが!」

パイレーツマン・・・かつてグランドマンと共にキング軍団の中核を担った幹部の一人であり。水中戦のエキスパートとして水中では向かうところ敵無しであったそうだ。

各地の貨物船を襲ってはその積荷の一部をキングに渡さず自らの懐に収めていたらしく、キング軍団壊滅後その莫大な資金で大西洋上に建造した水中要塞に篭り各国も手が出せない状況だった。

しかし・・・新たに事業を展開しようとして柄にもなく何故かロブスターなどの海産物の養殖に手を出したのが運のつき。

来月には出荷と言う時期を目前に大型のハリケーンに養殖場をやられ大きな損害をこうむったらしい・・。

ダイブマンがハリケーンによって壊滅した養殖場を調査に来たところ、ガックリと肩を落とし魂の抜け殻となったパイレーツマンがそこにいたと言う。

そのままパイレーツマンはダイブマンによってその場でたいした抵抗もなくあっさりと逮捕されてしまったのである。

・・・以上が海の覇者パイレーツマン逮捕の話である。この前ニュースでやっていたのだ間違いない。

「そうであったか・・・ではダイナモマンは?」

「あいつはライトの奴に改造前の状態に戻してもらって普通に元の仕事に戻ってる」

ふむ・・・それは何より。

「・・・・・バーナーマン」

「あいつはこの前、俺みたいに隠れ住んでるって言ってた。そもそも裏でこそこそ出来る頭はねえ」

確か前に森林火災が多発している地域があると言うニュースが・・・おそらくそこだろう。

「・・・・・・・・コールドマン」

「南米の方のデパートの冷凍倉庫で作業中だ」

コールドマンもコールドマンで頭はいいほうではなかったとフリーズマンが言っていたのを思い出す・・・ともあえ今回の件からは除外だな。

「マジックマンは・・・・」

「あいつはサーカスで活躍してるって前に自慢してやがった・・・」

確か有名な巡業サーカスを率いるマジシャンウーマンなるロボットの所に優秀な助手ががいるらしいと言う情報を聞いたことがある・・・・テレビで。

ふむ・・・確かに彼同様、ほとんどの者が自由に動けないようだ・・・。

「すまんがどうやら無駄な時間をすごさせてしまったようだ」

「フン・・・ところで俺は本当にワイリーのところに入れるんだろうな?」

「そうでなかったらお前はこうして私の元にはいないだろう・・・それにスラム街の連中を任せたりしない」

グランドマン不安げに聞いてくるが無用な心配と言うもの。ワイリー様はたとえどんなロボットであろうとも見捨てる筈がないのだから。

「とにかく例の兵器、8割がた完成したから一回見てくれ。あんたらの期待通りのものかちょっと不安になってな」

このグランドマン、実際いかつい見た目とは裏腹に意外に臆病な面がある。そんな事を言えば彼のプライドを傷つけるだろう。

人は・・・まあ我々はロボットだが見た目にもよらないものである・・・・。

そうしてグランドマンは私を例のスラム街の地下に作られた秘密の工場へと案内しようと立ち上がる。それに私も倣った。

スナイパージョーに礼を言いつつ小屋を去ろうとすると向こうから一体のロボットが近づいてくる。

私はグランドマンに先に行けと彼を促すとあちらから来るサムライ姿のロボットに声をかける。

「む・・お主は・・・」

サムライ姿のロボット、ヤマトマンは私を見るとやや思いつめた様な表情で私を見る。

そう言えば3日ほど前か、こやつの兄弟機・・・カブキマンとか言ったか・・そいつが街で暴れたのを兄のエンカーとロックマンが協力して阻止したらしい。

カブキマンは結局、テングマンやシャドーマンまで参戦したというのに捕り逃したという・・・まあ私には関係のない事。

「ヤマトマン・・・一応言っておくがここは我らの支部基地だ。兄のエンカーはお主らの溜まり場に使っているが常々・・その事、忘れるなよ」

「わかっておる・・・昨日のカブキマンの事をエンカー殿に話したいだけだ・・・それ以上は何もせんよ」

これ以上、ヤマトマンに突っかかるのは時間の無駄なので私はさっさとグランドマンの後を追うことににした。

私の後姿をヤマトマンはずっと眺めていたがその理由を知るのはずっと後の事になる。

 

 

スラム街の工場跡地・・・一見廃工場に見えるがその地下にある今もなお稼動するこの工場こそがグランドマンの秘密基地である。

グランドマンと共に地下室に入った時そこには見知った二体のロボットが忙しく作業をしていた。

ナパームマンとマース・・・彼ら二人もグランドマン復帰計画の片棒を担ぐ協力者である。

廃工場の床に寝転ぶは巨大な人型の兵器。

キング事件の際にあのロックマンとフォルテを苦しめたと言うジェットキングロボの改良機だ。

歓声の暁にはこれを手土産にグランドマンはワイリー軍団に合流する事となっている。

「おお!パンク殿!見ろ俺達の夢見た最強の兵器が今ここにぃ!」

「ナパームマンの兵器博物館の展示品をそのまま使用してるから警察とかにも足もつかないからな建造も楽だぜ」

ナパームマンとマースは協力して大きな装甲板を運びながら私に声をかける。

「この二人がいるのなら私がわざわざこれを見に行かなくてもよいではないか?」

「いやアンタの中立的な意見を聞かないと不安で不安で・・・この二人のせいで当初の予定よりも武装も装甲も大幅に追加してるんだよ。もう本当に動くのかって心配になるくらい」

グランドマンは頭を抱えながらも建造中のジェットキングロボを見下ろす。

成る程、確かに予定よりも巨大化しているようだ。まあ動けば良いだろうと思うが。

「これが完成すれば地上を走る物でこいつを止めれる者は誰一人として存在はしないぜ」

「マースの言うとおり!ボディが巨大化した分、攻撃が当たりやすくなっているがその辺はこの装甲と圧倒的火力でカバーだ!」

意気込むナパームマンとマースを尻目にグランドマンは消え入りそうな声で呟いた。

「それって昔はやった対艦巨砲主義じゃねえか!・・・ああ不安だ」

相変わらずグランドマンは頭を抱えているが私が見るにマースの言うとおりこれが動き出せば止められる者はいないだろう・・・あの青き英雄を除けば・・・。

頭を抱えるグランドマンの肩に手を置き私は話す。

「今度の戦いは今までのものとは桁が違う・・・あのキングの後継機も含め現在、新たなスペシャルナンバーズの製造も進められ、そして我らナンバーズも総動員して作戦は実行される。その為にもお前の力が必要だグランドマン」

「ああ・・・・ここまで来たら退ける訳無いだろうが。やってやる・・・・やってるぜ」

その瞳に不屈の炎を燃やし、体を震わせるグランドマン・・・彼もまた我ら同様、生まれながらの戦士なのだ。

「ワイリー様の計画で我らが動き出した時、我らと共にこれを起動し都市を占領すればいい・・・・」

私は側で頷くグランドマンにそう言いながらもジェットキングロボを見下ろす。

このスラム街に入る前に感じた気配も気になるが全ては杞憂だろう・・・次のワイリー様の計画で全てを終わらせる。

そして我らをこの世界に作ってくださったあの方の世界を我らが創るのだ。それがワイリー様への何よりの恩返しなのだ。

あの人間の救世主に祭り上げられた宿敵にも借りを返さねばならない。

見せてやろう何度敗北をしようとも落ちぶれようと何度でも立ち上がる我らロボットの意地を・・・。

私の名前はパンク。

偉大なる科学者アルバート=W=ワイリーに生み出されたワイリーナンバーズの一人である。

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