ロックマンキラーズ纏め編   作:グルルre

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vol.5 存在する価値

「なあ・・・あんたら、ワシの様な年寄りをからかって楽しいのかのう?」

私の前の立つロボットが不機嫌そうな声で話す。

そして私に抱きついて泣きじゃくる少女を宥めながら、電子頭脳の処理が遅くなるのを感じていた。

 

あの後、すぐに兄のエンカーが研究所内の戦闘訓練を行うこの場所に連れてきた。

ここはコンピューターに蓄積されたデータを下にあらゆる状況、あらゆる環境などが再現できる。

やろうと思えばホログラムではあるもののここにいない筈の者との戦いも可能である。

ワイリー様が開発した3次元立体コピーシステムの賜物である。

この新しいナンバーズのフィーネの実力を知る為、ホログラムの相手ではなくこのスナイパージョープロト、通称プロト翁に任せたのだが・・・・。

 

翁のバイザー越しの単眼が私を睨みつける・・・・この私ですらも冷や汗をかく程、この相手は恐ろしい。

 

スナイパージョープロト、彼はかつてライトの元を離れたブルースを元にワイリー様が作った最初のスナイパージョーでありナンバーズにこそ入ってはいないもののオリジナルであるブルースとその性能はまったく遜色ないという。

ライトロボを洗脳し世界征服を行った最初の計画、その後初のワイリーナンバーズの登場となった2度目の計画、ライトと共同で開発したガンマを巡る3度目の計画・・・・。

これらの戦いの際にスナイパージョー達を率いて戦ったのが彼であり、ワイリー軍団創成期よりワイリー様と共に苦楽を共にした数少ないロボットの一人である。

もっともほとんどがサポートや裏方の仕事をやっていたせいで表舞台には上がらずロックマンとも直接、刃を交える事は無かったのだが。

ガンマを巡る事件でのワイリー様がガンマを強奪する時間を稼ぐべくロックマンと単身で戦い彼を相手に一歩も引かずに繰り広げた激戦は今も語り草である。

あのまま続けていればロックマンに勝てたのではないか?そう言う者もいる。

尤もあの時はガンマの強奪が確認された時点でプロトが退いた為に決着をつかなかったのだが・・・。

現在ではあまり前線に立つことも無くなり若手の戦闘訓練の仮想敵(おもにロックマン)の役をしたり、戦術の指導や日頃の悩みの相談などに周ることが多くなってきている。

彼の誕生こそが我々ワイリーナンバーズの始まりでもあるのだ。

 

戦いは一瞬でけりがついた・・・。

なかなか攻撃してこない相手にいらだったプロトの翁がフィーネの頬を掠めるようにバスターを放ったのだ。無論威嚇射撃だが・・・。

バスターが掠った痕に残るこげた頬を触るフィーネの顔がみるみる崩れていく・・・最初から私もおかしいとは思っていたのだが。

そして今、私は泣くフィーネをなんとかあやそうとしながらもプロトの翁にどう弁解しようか必死に考えていた。

「・・・でこの小娘が新しいスペシャルだと言うのか?信じられんのう・・」

「・・・むう、まことに申し訳ない。スペシャルならば我々同様、何かに特化した能力でも持つと思ったのだが・・・」

翁はフィーネを見据えながらも疑念を抱いた瞳でこちらを見る。

「この小娘、後で解析装置にでもかけたらどうだ?ワシが見るに戦闘にはまったく向いとらん。戦闘の適性ならあのアストロの小僧よりも悪いぞ」

アストロマン・・・あのナンバーズでもっとも気弱で臆病な者より低い評価の下されたフィーネ・・・一体何の目的で作られたのやら。

翁はそのままぶつぶつ言いながら退席してしまい。その場には私とフィーネ、そして奥で明後日の方向を見る兄のエンカーだけとなる。

「使えねえ・・・博士は何考えてやがるんだ」

あまりのフィーネの戦闘能力のなさに頭を抱え魂ここに在らずと言った状態の兄。

「まあ博士の事だ。何らかの理由なり特性を持っておるのは間違いじゃろうて。例えば学習機能に優れておるとかの・・・」

単眼を光らせながら翁はフィーネを見下ろす。

彼の言う事に理解が出来ていない様子でフィーネは笑みを返す。

我らがナンバーズには似つかわしくないが、存在そのものが無駄と言う事は無いだろう。

そうであると信じたい。

 

 

「・・・と言う訳で我々に新しい兄弟ができました!しかも女の子です!ワイリーナンバーズ始まって以来初の女の子です!」

手でガッツポーズを取りながら演説風味に語るメタルマン、酒も入っており気分は上々のようだ。

フィーネはもう眠いと言って、今は眠っているので主役不在の会議ではあるが今、年寄りは早寝と欠席したプロトの翁以外のこの基地にいるナンバーズが勢ぞろいしていた。

私も含め様々な形をしたロボットが円形に椅子を組んで並んでいる。

兄のエンカー、私、メタルマン、エアーマン、ヒートマン、シャドーマン、ストーンマン、ナパームマン、テングマン、アストロマン、マース・・・計11名での会議だ。

「まあ、先ほどパンクが言ったとおり彼女の戦闘能力は皆無なので扱いには注意する事・・・後はワイリー様の指示待ちって事だな」

扇風機を体にはめ込んだロボット、エアーマンが皆の意見をまとめようとする。

「・・・で普段の生活で誰が面倒を見るんだ?見たところ電子頭脳にろくに情報入ってないだろ?」

そういいながら腕を組み思案するのはストーンマンである。

「燃えるね・・・燃えるよ・・・女の子は」

「アース隊長の方が萌えるぞ!!しかも美人だ!!」

一人呟くヒートマンに突っ込みを入れるのはマース。

彼らルーラーズを率いるのは名前を挙がったの彼女なのだが、私の口から説明はすまい。

と言うかここで触れない方が己の身の為になるだろう。

「しかし女の子は良いですぞ!目の保養になりますな・・・」

テングマンは鼻を上げながら肩を震わせて笑う・・・。もう一回あの鼻をへし折ってやらねば気がすまない様だ。

「・・・・あの・・・」

皆に遠慮してか一人小さく手を上げるアストロマンだが私以外誰も気づかない・・・仮に話を振った所で全員の視線が集まった時点で緊張して話すことなどできんだろう。

「とりあえず!誰があの子の面倒を普段見るかって事だ!今日はそれを決めるからな!」

メタルマンが腕を上げて意気揚々と声を上げる。

「俺・・・子供は嫌いだから無理な」

兄のエンカーは顔に青筋を立てながら言い放つ、昼のショックが大きすぎるように思える。

「俺でも良いけど、仕事帰ってきてから酒ばっかり飲んでるぜえ!勢いで何するかわかんねえけど・・・はっはっはっーー!」

笑いながら言うがメタルマンも面倒を見る気は無いらしい・・・正直こちらとしても笑えない。

その後、シャドーマンは任務で基地を空けることが多いので却下。

ナパームマンはレースの賞金で作った兵器博物館の運営(どうせ閑古鳥なのだが)と例のジェットキングロボの建造が忙しいしそもそも内蔵した武装が危険なので却下。

マースも武装がいくらなんでも危・・・(以下同上)

ヒートマンもやっぱり武そ・・・(以下略)

テングマンは空気が読めない子になると困るので却下・・・本人はやる気満々だったが。

アストロマンも遠慮がちに手を上げたが誰にも相手にされず事実上却下された・・・・。

残るは私とエアーマン、そしてストーンマンだけとなった。

「そういや今日はパンクが彼女の世話見たそうだぜ」

マースがそう言う・・・この空気はまさか・・・!

「妹の面倒を見るのパンクが良いと思う人!挙手で!」

私にとって死の宣告にも等しいメタルマンの声が響き渡る。

この会議にもはや関係なくなったマースやナパームマン達が手を上げる・・・関係ないから気楽に上げやがって・・・。

アストロマンも相手にされなかった悔しさを胸に涙を流しながら手を上げる・・・泣く位だったら譲ってやるのだが。

「私の意見は・・・もう尊重されんか・・・」

肩を落とす私・・・・・気づけば私以外の者、全員が手を上げていた。

そして会議の結果、当面私が彼女の面倒を見る事に私以外の者の全会一致で決まった・・・。

といっても私にも普段の仕事もあるのでその時にはエアーマンやストーンマンら他のナンバーズが面倒を見てくれる事になった。

しかし本当に・・・最近ついていない・・・疫病神にでも憑かれたのだろうか私は。




ちょいと後書きです。前作からでありますがこの辺りからオリキャラや独自設定が色々と出て来るようになってます。
プロトジョーに関してはこの世界においてブレイクマン=プロトジョーと言う解釈でお願いします。口調なども含めてブルースとは似て異なるキャラです。

それとちょろっと触れましたが自分設定においてスペースルーラーズのアースは女性と言う解釈です。タグの女性化はこれじゃったんじゃよ・・・以上。
他にも数人だけ女性化させてますサーセン。
後書きは以上です(大汗
ここまで見てくださってありがとうございます。
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