バラードに関して原点と違い口調が少々特殊な感じになっておりますが、そのままだとフォルテとかなりの部分で被ってしまうのもあり、変更を加えております。
個人的な解釈でキラーズはフォルテらスペシャルナンバーズのプロトタイプと言う解釈で大雑把な分類でキラーズもスペシャルナンバーズに分類されると言う事になっております。
このバラード編よりオリジナルキャラも徐々に増えてくる感じになっております。
vol1 バラード南米にて
「甲斐性の無いご主人を持つとつらいッスね」
厳しい日差しが照りつける街中で一人の青年が犬・・・否、狼型のロボットに話しかけている。
「くぅーん・・・・」
「なになに?買い物に出かけたのはいいけど勝手にガンガン進んでいって見失ったッスか~?」
狼型のロボットは低く鳴くとその場に座り込む。
「それでそのままエネルギー切れッスかぁ・・・俺のをやるッスよ」
青年は手に持つカバンから市販のエネルギーパックを取り出すとそれを狼型のロボットに渡す。
「あんなご主人様は放って置いて俺と一緒に買い物でもするッスか?ゴスペルの欲しいのも金に余裕があれば買うッスよ」
その言葉にゴスペルと呼ばれた狼型のロボットは本物の犬と同じ様に青年にじゃれつくと尻尾を振りながら青年の後を付いて歩く。
肩に掛かるほどの紫色の髪を伸ばした青年はゴスペルを連れて街中を歩き出す。
その光景はまるでペットを連れた人間に見えなくも無いだろう・・・。
しかし青年は人間ではない・・・彼の名前はバラード。
かつてロックマンキラーズ三号機として生み出されたワイリースペシャルナンバ-ズの一人でもある。
空を見上げながらバラードは思う。
「綺麗な空ッスね・・・・こんな日が永遠とも続くわけは無いッスけどね」
バラードは少々皮肉げに周りを見渡しながらゴスペルを連れ目的地へと歩き出し始めた。
「いやぁ・・・なかなか良いモンがあるじゃないッスか」
Tシャツに半ズボンと夏の格好のバラードだが周りは誰も気にしない。
それもそのはずここは南米の都市、ゼーネルシティ。
近くにジャングルもある蒸し暑い熱帯地域なのだ。
「このパーツなんて見てくれはあれだけど最新式ッスよ」
「アウゥ~ン?」
ゴスペルと一緒にエネルギー缶を飲みながらバラードは先ほど買った商品を見ながら恍惚な表情をする。
バラードがいるのはフリーマーケットの会場・・・と言えば聞こえが良いが実際は古くなったロボットやパーツを売る闇市である。
ここには実際の軍隊で使用されているパーツなども横流し品として出される事もある。
バラードはそういったお宝を狙ってここへ来たのである。
そんなバラードの目の前で古くなった作業用のロボットが新しい人間に買われていく姿が映る。
(良いご主人に拾われるといいんだけどッスねえ・・・・)
そんなロボット達にバラードは多少の複雑な感情を抱くがそれでもこれが現実だと頭の中では理解している。
いらなくなったら処分されるか売られる・・・それが多くのロボットの行く末である。
「うほっ!!このパーツは政府軍が使っているガトリングのドラムの部分ッスねえ・・・おっちゃん!!これ頂戴ッス!!」
「あいよ~」
如何にも怪しい風貌の中年男性から代金を支払いパーツを受け取るバラード。
その度に恍惚な表情をしてパーツを眺めていた。
「くぅーーーん」
ゴスペルにとってはここは退屈な場所ではあったものの適度にバラードがエネルギー缶を補給してくれるのであまり不満もなかった。
「次にあそこの物を見たら今日はもう帰るッスよ・・・。途中でベットロボット用のおいしいのエネルギーフードを買ってやるからちょっとだけ我慢するッスよ」
「アン!!アン!!アン!!」
その言葉に嬉しそうに駆け回るゴスペル。
「この様子だと・・・フォルテの奴ろくなもん食わしてないッスね・・・」
バラードは今はいないゴスペルの主人、フォルテに悪態をつく。
「あ、どうもおひさしぶりです」
「あん・・・・?」
突然響いた声にバラードは辺りを見渡すが誰もいない・・・・。
だいたい今のこの姿を知っているのはナンバーズぐらいのはずなのだが・・・・。
「あ、ここですここです。右足の先っぽです」
バラードは言われたとおり足の先に目線を送るがそこには露天の商品の冷蔵庫があるだけである。
「喋る・・・冷蔵庫ッスか・・・?」
バラードが呆れながらその冷蔵庫を触るといきなり目のような物が現れさすがの彼もビクッっと体を震わす。
「どうもどうも。二年振りですかね。その節はお世話になりました」
「・・・お前確か・・・キングの所の」
バラードの目の前に現れた(と言うか置いてあった)冷蔵庫・・・それはかつてのキング軍団、幹部の一人コールドマンであった。
「お前こんな所で何やってるんスか?」
「いやぁ・・・実はですね」
コールドマンは事の顛末をマイペースながら話し出す・・・。
キング軍団壊滅時のドサクサに紛れ逃げだしたコールドマンであったのだが、仲間ともはぐれエネルギー切れでダウン。
次に目を覚ました時にはボディをバラバラにされた状態で、闇市に商品として売りに出されたのだと言う。
「いやぁ・・・手足が無いので歩けませんし箸も持てませんしね」
「それ以前の問題のような気がするんスけど・・・」
バラードは頬をぽりぽり掻きながらも至ってマイペースなコールドマンの話を聞いていた。
バラード自身、二年程の前の事件でコールドマンを見たことは、何度かあるものの実際に対峙をしたり言葉を交わすのはこれが始めてである。
恐竜のDNAを保管する為に造られその温度はマイナス270度とんでマイナス273.15度・・・。
キング軍団の一角を担っただけに極めて高い性能を誇りながら、彼は頭の回転が非常に遅い。
自分の事なのにどこかピントもはずれ他人事のように話すコールドマンにバラードは半ば辟易としていた。
「なかなか、私の買い手も見つからないので困っていたのですが。先程、買い手がつきましてね」
屈託の無い笑みを浮かべながらコールドマンはバラードの目の前で台車に乗せられていく。
「キング軍団が壊滅して身の振り方に困っていましたがこれで私も第二の人生を送る事が出来そうです。それではまたどこかでお会いしましょう~」
「た・・・達者でッスよ」
彼の行く末がなんとなく心配になるバラードだが、生憎コールドマンを買えるだけの現金は持ち合わせていない。
運ばれていく彼に手を振りながらバラードは闇市を後にする。
帰り道にゴスペルにエネルギーフードを食べさせつつ、都市郊外にある基地へと帰って来たバラードを待っていたのは。
「おい!!てめえ!!俺のゴスペルを何、勝手に連れまわしてんだ!」
「あ~・・・次々から次へと・・・!!」
全身からにじみ出る怒気を隠そうともせずに目の前に立つ少年・・・・その姿こそある程度違いはあるものの、その姿はあのロックマンに何処となく似ている。
系列的に言えば自分の弟にあたる少年を見ながらバラードは憂鬱な気分になりそうだった。
(こりゃあ・・・またドンパチッスかねえ・・・・・)
これから起こる事を想像しながらバラードはどうしたものかと思案し始めていた。
連載当時、コールドマンはバラードに買い取られる展開だったのですが今後の変更もあり別の人に買い取らされる事となりました。
色々と細かい部分で展開を変えております。