ロックマンキラーズ纏め編   作:グルルre

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vol2 自称最強の兄弟

「ウオリャァァァァーーーーーーーー!!」

「グヌォォォォッーーーー!!」

ワイリー基地内部にある戦闘シミュレートルームで2体のロボットがお互いの腕をぶつけながら雄叫びに近い声を上げる。

「これでもくらえっス!!バラードクラッカアァァー!!」

「そんな単純な軌道なもん俺に当たるかよ!!」

放たれた炸裂弾をあっさり避けるとフォルテはそのまま一気に距離を詰めバラードに殴りかかる。

「オラッ!!オラッ!!オラッ!!」

「イテテテッ!野郎・・・・!」

フォルテの猛攻に耐えかねたバラードは距離を離すがそれを逃がすフォルテではない。

「今時てめえはもうロートルなんだよ!!」

そのままフォルテは気合の声をあげながらチャージショットをバラード目掛け放つ。

「チイッ・・・・・・!!」

チャージショットの直撃を受けバラードの体は閃光に包まれる。

爆煙の中から腕を交差しフォルテの渾身の一撃を防ぎきったバラードが姿を現す。

「ロートルで悪かったな・・・ッス!!」

「フンッ・・・!!」

口から煙を吐きながら不適に笑うバラードに憮然とした表情のフォルテ・・・この二人似た者同士であるものの非常に仲が悪い。

 

元々がロックマンを倒す為に作られた両者。

バラードはエンカーとパンクの両名に続くロックマンキラーズ第三号機として生み出された。

高いプライドを持ちその実力はかつてロックマンとの戦いの際には執念とも言える執拗さで後一歩と言うところまで追い詰めた程である。

だが戦いの内容がどうであれ彼もまたロックマンに勝利出来た事は一度もない。

そしてフォルテも同じくロックマンを倒すべくロックマンを基に造られた戦闘用ロボットである。

バラードと同じくヒマラヤ級のプライドの高さを持っており、バラードと同じく最強を目指しロックマンに戦いを挑んでいるがやはり勝てた事は一度も無い。

挙句の果てには悪のエネルギーと言う物にも一時期、手を染めたが結果は同上・・・。

その宿敵であるロックマンとはキング事件の際にお互いに一時休戦し共に戦っても尚、打倒ロックマンの志は一向に揺るぐ事は無い。

お互いに高いプライド・・・似たりよった性格と打倒ロックマンの執念。

正に同族嫌悪とはこのことか・・・この二人は顔を合わせれば喧嘩をするそんな仲である。

特にフォルテ自身は否定してはいるもののバラードは言わばフォルテにとってプロトタイプであり、彼を踏み台にしてフォルテが生み出されたのである。

 

お互いにワイリーナンバーズの中では別格のスペシャルといわれる者・・・彼ら二人の激突は一進一退の攻防であった。

フォルテはバラードの放ったバラードクラッカーをバスターで撃ち落すと爆風を突き破るようにしてバラードの眼前に現れる。

「いい加減てめえの顔も見飽きた!!くらえぇ!!」

 

ドゴオォォーーーーーーン!!

 

「ケッ!図に乗るんじゃねえッス!!」

フォルテのチャージショットをまともに喰らいながらもバラードは倒れる事は無い。

そのままフォルテの顔に掴みかかると凄まじい膂力でフォルテの体を投げ飛ばす。

「・・・野郎!!」

空中で受身を取れない状態のまま続けざまにバラードの放った炸裂弾に喰らいながらもフォルテはバラードを睨みつける。

それに対しバラードも嘲る様にわざとらしく作った笑みでフォルテを見返す・・・。

「お・・・!!なんか良い事おもいついたッス!!ゴスペル来るッスよ!!」

バラードはモニター室で二人の成り行きを見ていたゴスペルを呼ぶと耳元でなにやら囁き合う・・・。

「おい・・・・ゴスペル!?」

一応主人である自分に向かって対峙するように唸るゴスペルにフォルテも驚きを禁じえない。

「そりゃあ自分を放って置いてどこかに行くご主人なんて見捨てられるに決まってるだろうがぁ・・・ッス!!」

「いや・・・あれはCDの特売をやってるってんであわてて・・・・」

慌てて弁明するフォルテだがそれを聞いてますますゴスペルの機嫌も悪くなっていく。

「さっき言ったとおりの事試すッスよ!ゴスペルチェ-ンジーーー!!」

跳躍するバラードの肩にゴスペルが乗ったかと思った瞬間二人の体は閃光に包み込まれる。

「な・・・何ッ・・・・!」

その光景を驚愕の表情で見つめるフォルテそれは正に自分とゴスペルに与えられた機能だった・・・。

ゴスペルもまた自分がロックマンを基にしたように彼のサポートメカであるラッシュを基に造られている。

ラッシュはロックマンの行動をサポートする為に造られたのに対し、ゴスペルは単純にフォルテの戦闘その物をサポートする為に造られており単純な戦闘能力ならばナンバーズに匹敵する。

いつぞやのスーパーロックマンの設計図を奪い新たに追加された機能・・・ゴスペルブースト。

それはゴスペルとの合体により飛行能力を得たフォルテ最強の戦闘形態。

まさかそれをバラードがやってのけるとは思いもしなかったのである。

閃光が晴れるとフォルテ同様、悪魔の如き漆黒の翼を生やしたバラードの姿が現れる。

「よっしゃ~ッス!!一応俺、お前の試作機だからもしかしたらある程度互換性があると思ってたんだけど大当たりッスね!!」

「・・・クソッ!!」

それからの勝負は一方的だった。

初めてとは言え空を縦横無尽に動き回る相手にフォルテは決定打を与える事ができない。

バラードは正に爆撃機が行うか如く空からフォルテに対し炸裂弾による爆撃を行う。

「ぐわぁぁぁ・・・・!!」

バラードクラッカーの直撃を受けたフォルテの絶叫が辺りに響き渡る。

「行くッスよ!!今考えた必殺技!!ジェットバスターナックルゥ・・・ッス!!」

バラードはブースターの出力を全開にするとそのままフォルテ目掛け真正面から突撃を敢行する。

「・・・・・・ッ!!」

成す術ないフォルテは覚悟を決め腕を交差させ防御の体制をとるが・・・。

 

ドガガガガガアァァーーーーーーーン!!!

 

「・・・なに?」

我が身に迫る攻撃を覚悟したフォルテだが彼の目の前に広がった光景を見て開いた口が塞がらなくなる・・・。

フォルテの眼前に広がった光景・・・それはブースターが暴発し明後日の方向に吹っ飛ぶバラードとゴスペルの姿だった。

 

 

「きょ・・・今日は俺の負けッス!!だけど次は負けないッスよ!ごめんなぁゴスペルすぐに治すッスからね」

傷ついた体をさすりながらバラードは詫びを入れつつ、完全に伸びてしまったゴスペルの体を修理しようとするのだが。

「これは・・・一体どういう事だ?」

不意にその場に顔を出すのはニードルマン。

バラード達が居る第三基地の纏め役だ。

俗にエアーマンタイプと言われる独特のボディに鋭い眼光を伴いながら彼はバラードとフォルテを交互に見据える。

「・・・フンッ」

鼻を鳴らすフォルテを見るまでも無く、この二人がシミュレート室で行った事など容易に想像が出来るであろう。

「シミュレート室を使う場合は事前に申請をし、それに加えあくまでも武器などは仮想の物を使えと言っていた筈だが・・・」

ニードルマンが反論は許さぬとばかりにバラードとフォルテに詰め寄る。

武人肌で無骨なエアーマンと容姿同様に似ている所があるニードルマンだが、彼はそれに加え若干嫌味な所がある。

まあ基本的に問題行動を起こすバラード達が悪いと言えるが、相手の失敗に対し細かく指摘するのが難と言えよう。

徐々に間合いを詰めてくるニードルマンに後ずさりながらバラードが慌てて頭を下げる。

「つ・・・次からは気を付けるッス」

「何度聞いたが分からんがまあ良い」

バラードが謝ったのを見て次はフォルテに目を向けるニードルマン。

フォルテの方は舌打ちをしながら身構える。

長い活動時間の内に丸くなった部分があるバラードはさておき、フォルテの方は人間でいう所の反抗期真っただ中。

彼の頭の中では己の非を認めるイコール負けを認めると言う認識なのだろう。

と言うかフォルテが他人に対し謝罪をする所など誰も見た事が無い。

「基地内の物資の持ち出し禁止・・・それとエネルギー補給の禁止の措置」

ぼそりと自身への処分を口にするニードルマンにフォルテが唸る。

「ゴスペルへのエネルギーフードの提供を禁止・・・」

「・・・キャイン!!」

続けざまに言い放たれる言葉にゴスペルが悲鳴を上げる。

「おい・・・ゴスペッ!!」

「クゥーン、クゥーン!!」

フォルテが止める間も無くゴスペルの方は普段、寄り付く事など決して無いニードルマンの足に体を擦り付け始める。

因みにこのゴスペル、外見に反し女の子好きと言う一面がある。

こんな事をするのは普段であれば可愛い女の子を見つけた時だけだとバラードは記憶している。

「フォルテ・・・謝った方が早いッスよ」

「がう!!」

バラードの横からの言葉にフォルテが呻く。

ゴスペルの方も同意とばかりに声を出す。

「ぐぬぬぬぬ・・・」

歯を軋ませるフォルテにニードルマンが顔が引っ付くのではないかと言う位置にまで近寄る。

その見た目もありかなりの迫力があるがフォルテはまだ負けを認めようとしない。

「何時までも身勝手に行動出来ると思うなよ。貴様よりも若いナンバーズ達も出始めてきたのだ。打倒ロックマンに燃えるのは構わぬが自分も組織の一員であると言う事を認めろ」

「う・・・うるせえ!!」

「そもそも打倒ロックマンの以前に裏切り者のキングすら倒せなかったのお前が・・・」

 

ブチッ・・・。

 

先に起こった戦いでの痛い所を指摘されフォルテの額に青筋が浮かぶ。

キング事件の際にワイリー軍団はロックマン達及び連邦政府と共闘する事となったのだが、その際にもフォルテは独断で行動をし周囲に迷惑を掛けてばかりであった。

最終決戦の際にフォルテは単身ロボット王キングと戦うのだが、力及ばず敗北。

後から駆け付けたロックマンに助けられる形となる。

その件はフォルテにとって更なる屈辱となったのは間違い無く一種の禁句と言っても良い。

「うるせえ・・・俺は、俺は最強っっ!!」

逆上し思わず拳を繰り出しそうになった所でニードルマンが持つ携帯端末がアラーム音を鳴らす。

「・・・待て」

あっさりとフォルテに背を向けながら携帯端末を手に取るニードルマン。

振り上げた拳の落としどころを失いフォルテが更に苛立つのが傍目にも分かる。

これはこのままシミュレート室でニードルマンと戦いになるかも知れないとバラードは溜息を吐くのだが。

「成程・・・キングの後継機の運用テストをしたいですか。未完成との事ですが大丈夫なのですか?」

ニードルマンが端末の向こう側に居る人物と話をし始める。

恐らくはあちら側に居るのはワイリーなのだろう。

ニードルマンが敬語を使うのは目上のナンバーズかワイリーしか居ない。

「分かりました。直ちに受け入れ準備を始めます。ハイ・・・バラードとフォルテには俺の方から言っておきますのでご安心を」

端末を切りニードルマンはバラードとフォルテを再び交互に見る。

「聞いての通りだ。キングの後継機の運用テストをこの基地でするとの事だ。言うまでもないがそいつらは俺達にとっては期待のホープ。くれぐれの無用な喧嘩を吹っ掛けるなどの問題行動は許さんからな」

もはやバラードとフォルテの一件など些末な事と言わんばかりにニードルマンは踵を返し、他のナンバーズ達に連絡を取り始める。

完全に置いてきぼりとなったバラードとフォルテ。

特にフォルテの方はわなわなと体を震わせていたのだが、元より単純な彼はすぐさに思考を切り替える。

「キングの後継機だ?と言う事は奴に匹敵するかそれ以上に強いって事だよな・・・」

再び体を震わせるフォルテだが今度は武者震いと言うやつだろう。

(ワイリー博士もなんでこいつが居る所に送り込むかな・・・ッス)

勝手に闘志を燃やし始めるフォルテにバラードは大きく溜息を吐いた。

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