ロックマンキラーズ纏め編   作:グルルre

31 / 58
vol5 迫り来る嵐

時は半日ほど前に遡る。

「これはどうも・・・失礼するぜ」

一人の壮年の男の突然の訪問に軍服を着た男性の顔が渋くなる。

南米にある政府軍の基地内において人間やロボットが慌ただしく動く中、彼は招かれざる客であった。

男はモニターに映る計器の数値を見つめその眉をピクリピクリと動かしていた。

「キング事件の際に色々と外にデータが流出したとは聞いていたが・・・あんまり流用すると手痛い事になると以前に言ったが。まあでもやりたくなりますわな。司令官殿・・・」

「今はそれ所ではない。すぐに隔離を・・・何なら破壊しても構わん。稼働テストを行ったばかりでこれか」

忌々し気に歯を軋ませながら司令官と呼ばれた男性は周囲の兵士らに命令を下すが、基地全体が振動に襲われる。

「パイレーツマンが潜伏していた隠れ家兼ロブスターの養殖場を破壊した兵器と聞いたがどうやら勝手に動こうとしているみたいだな。言わんこっちゃない・・・大方ワイリーナンバーズやMr.X事件の際のウィンドマンの改造データを流用したのでは?」

相も変わらず慌てふためく己らを詰る様に口を開く男に司令官が反論をしようとするが、再び起こった振動と爆音に彼の意識は別の所に向かう。

「隔離は出来んのか!?エネルギーは空の筈だぞ!!」

「駄目です。確かにエネルギーは抜いていた筈なのですが。何らかの方法でエネルギーが補給されたとしか」

司令官の苛立った声にオペレーターの兵士が怯えた様に答える。

舌打ちをする司令官の目の前のモニターに映し出されるのは厚さ何メートルはあろうかと言う隔壁を破壊し、外へと飛び出そうとする巨大な兵器の姿。

「そもそもあれにはキングの様に我らに反逆をするレベルの電子頭脳など搭載されていない。まして起動するだけでも膨大なエネルギーを消費し、我らの支援を付けて数時間の稼働が精一杯なのだぞ。それが稼働テストを終えてそれ以降エネルギー注入をしていない状況で動くなど」

「ですが動いていますなぁ・・・」

「まさか貴様やあの男の仕業ではないな?」

男の言葉に司令官の視線が鋭くなる。

周囲の軍人らの視線も厳しくなる中で男は大きく両手を上げわざとらしく首を振る。

「俺や兄貴があれを?失礼だがあんな制御も難しいデカブツ、うちの会社にはいらないし兄貴の軍団にも必要ない。それこそ何人かのナンバーズで協力すれば小型の台風を引き起こせる訳だしな」

ニヤリと笑みを浮かべ軍人らの疑念を否定しつつ、男はゆっくりとだがその巨体を宙に浮かばせようとする兵器より立ち昇る煙の様な物に目を向ける。

「そういやあの煙みたいなのだが宇宙からロボットが二体落ちて来た時の物に似ているな。兄貴はそれがそのまた以前にあった超エネルギー元素と似たような性質があると言っていたが。軍の方にもサンプルあるんじゃねえの?」

男の言葉に司令官が『すぐに照合しろ』と部下に叫ぶ。

そうこうする間に巨大な兵器は空へと浮かび上がり、軍の妨害を物ともせずに悠々と飛び去ってしまう。

「これは・・・問題だな。まあ俺には関係無いんでまた来ますわ」

別件でこの基地へと来訪した男は更に慌ただしくなる司令室を後にする。

「ああ・・・そうだ。一応ですが近くにある軍団の支部基地には連絡しておきますよ。普通の軍隊じゃ止められそうに無いでしょうからな」

自動扉が締まり切る前にそうとだけ言って完全に姿を消す男に司令官や周りの軍人は喉の奥で唸る他無かった。

「ええい・・・ロボットアーミーに連絡を入れろ。何らかの原因で気象兵器テュポンが暴走をした。これは一刻の猶予も無いぞ」

去っていった男の事を思考より振り払う様にして首を振ると司令官は周りの部下達に次なる命令を下すのであった。

 

 

 

そして現在である。

「なんなんスか・・・!!」

パッショナーやレントの社会見学も兼ねて街へと繰り出したバラード達だったのだが、お約束と言うべきであろうか行く先々でトラブルが発生。

街に配備されていたロボットポリスと裏路地を舞台に鬼ごっこに興じる羽目になったのである。

「ハァ~なんでお前はトラブルしか起こさないッスか」

「・・・うるせえ!!」

帰り道で放たれるバラードの文句に主要なトラブルの原因となったフォルテが叫ぶ。

「フォルテ殿!!あのお楽しみが待っている場所は何だったのでありますか?自分は非常に気になるでありますよおぉぉぉ!!」

「う・・・うるせえ!!お前にはまだ早い所だっての!!」

隣で大声で叫ぶパッショナーにフォルテが若干顔を真っ赤に言い放つ。

彼が言うお楽しみが待つ場所と言うのは歓楽街の入り口で客引きが言っていた場所の事である。

まあどう言う所かは言うまでもない。

と言うかフォルテの方もまだ行くには色んな意味で早すぎる場所だ。

「・・・・・・」

レントの方はホストっぽい男性からもらった名刺を何度も見ていたのだが、これはバラードが即座に没収した。

一見すると人間の少女と殆ど変わらない姿のレントだけにナンパ目的の人間だのロボットが来るわ来るわ。

基本的にバラードが追い払っていたのだが、中には喧嘩腰になる者も居りそれとフォルテが騒ぎを起こすのが一種のお約束となっていた。

何度目かの騒ぎでロボットポリスへの通報がされていたのだろう。

先に説明した通り、バラード達は駆け付けたロボットポリスから逃げる羽目になったのであった。

「なんか怪しい天気ッスね」

空の向こう側が暗くなっているのに気付いたバラードだが、その日の疲れもあり天気の事などすぐに気にしなくなってしまう。

社会見学の結果報告も手短にしたバラードはさっさと眠りにつこうとしたのだが、その日は所謂厄日であったのだろう。

今、正に眠りにつかんとしたバラードにニードルマンからの緊急通信が入ったのである。

舌打ちをしながらもバラードが基地の司令室に入った時、呼び出したにも拘らず部屋で寝ているフォルテなどを除き、ほぼこの基地にいる全ナンバーズが集結していた。

「まずはこれを見ろ・・・」

ニードルマンが指を指す司令室の大画面。

そこにはワイリー軍団が独自に入手している映像と現在テレビの中継で行われている映像が所狭しと映し出されている。

街に・・・土砂降りの雨が降り注いでいるのだ。

「ハリケーン・・・?そういや帰りに空が暗くなっているのを見たッスけど」

ここ南米では熱帯地域に属する為にスコールやハリケーンなどが発生する地域ではあるものの。

「当たり前だがハリケーンには発生前の予兆があるのだが。こいつはいきなり現れ今、この街に真っ直ぐに迫ってきている」

ニードルマンが短期間で発生したハリケーンが自然の物ではない事を指摘する。

「正直これくらいの規模の奴を発生されるとなるとエアーの兄貴でも難しい・・・テングマンなど天候系の奴らを何百人と集めねばならんだろうな・・・・」

エアーマンやテングマン・・・そしてこの基地にいるクラウドマン。彼らは部下のロボットと力を合わせれば小型の台風を発生させる事も可能だ。

しかしそれは無条件と言わず前準備も含め周到な計画が必要となる。

「おい・・・クラウド!!なんか原因は分かったか?」

ニードルマンが端末に向かって話しかける。

「こちらクラウドマン!!ゼーネルシティの上空に高エネルギー反応あり!!これが原因でこの異常気象が起こっているものと・・・・!」

恐らく司令室の画面に映される映像も彼が流しているのだろう・・・クラウドマンが強風にあおられながら必死に状況を説明する。

「高エネルギー反応・・・降下!!街に降りて来ます・・・!!あっ・・・あれはっ・・・!!」

「おいクラウド!・・・どうした・・・!」

「ば・・・化け物です!!化け物が嵐の中心に・・・!!」

クラウドマンの絶叫が司令室に響き渡る。

彼の目から送られる映像から現れる「化け物」の姿を見て司令室に居合わせた全員が声を上げる。

「化け物」まさにそうとしか言えない縦だけでも十数メートルはあるだろうか巨大な機械が街の中心部の空へとゆっくりと姿を現す。

巨大な二本の角、血走った双眸、大きく裂けた口・・・そしてのその下半身は蛇の様に足が無く自身が発する風により竜巻そのものの形をしていた。

化け物は周囲に巨大な竜巻を発生させるとそれはみるみると巨大化し街のビルや車そして人々を飲み込んでいく。

「・・・・・・!!!」

次々と破壊される街の様子に唖然とする一同。

「確かどこぞの実験施設で都市圏の天候をコントロールする為の装置が開発されていると聞くが・・・」

ニードルマンが唸る様に口を開くが、映像に映る光景はとてもではないが天候をコントロールしているとは言い難い。

寧ろ暴走していると言っても良いだろう。

後の世になって周辺の天候を自在に操る技術が確立され、大都市圏を中心に気象コントロールセンターが整備されるのだがこの時代にそんな物はまだ無い。

ややあって今更ながら遅れて駆けつける街の警察達。

ポリスロボット達は一斉に魔獣に向かい攻撃を開始するが魔獣の発する風に攻撃の多くを逸らされ有効打とならない。

「グルォォォォーーーーーー!!」

魔獣の咆哮と共に襲い掛かる竜巻・・・それらに一瞬にして飲み込まれるポリスロボット達。

「グオオオォォォーーーーーーンンン!!」

魔獣は勝利の雄叫びを上げるとジロリと雲の上に乗ったロボットを見据える・・・。

「ヒッ・・・・!!」

睨まれたクラウドマンはあまりの恐怖に体が硬直する。

「た・・・・退避します!!これ以上は無理です・・・!!うわぁぁぁーーーー!!」

クラウドマンからの映像は彼の絶叫と共に消え去る。

「クラウド・・!!クラウド!!返事をしろ」

・・・返答は無い。

司令室の画面にはザーッと砂嵐の様な物が映し出されるのみである。

重苦しい雰囲気の中に追い打ちをかける様に・・・。

 

ドオオォォォーーーーーン!!!

 

基地が一瞬大きく揺れたかと思うと部屋中の照明が消え真っ暗になる。

「停電・・・!!何も見えないッス」

「暗いであーる!!我輩暗い所苦手であーるよ!!」

「ひっつくな!!シェードてめえ・・・そのなりでそれは無いだろうが!!」

先ほどの映像もあいまってシェードマンの悲鳴とジャンクマンの怒号が部屋に響き渡る。

「慌てるな・・・ちょっと待ってろ」

慌ててカメラアイを夜間用に変える一同の中、ニードルマンがパニックを制する様に言う。

そしてしばらくして点く非常灯・・・。

「チッ・・・非常電源になりやがった。あれだけやられれば街の変電所も駄目か・・・まあ一応三日は持つ様になってるから安心しろ」

ニードルマンは腕を組みながら周りのナンバーズ達に冷静になるように諌める。

「確か普段動かしてない自家製の発電施設が基地内にあったな・・・スパーク頼めるか?」

「うん・・・了解!!」

ニードルマンの指示を受けるとスパークマンは急いで部屋を後にする。

先ほどの停電で気づいたのかようやく起きたフォルテが眠気眼な顔で司令室に入って来る。

「なんだよ・・・基地の電気が急に消えたり点いたり・・・」

「そんな事よりやばい事態ッス・・!!」

バラードに指を指された画面を見てフォルテの顔が一気に引き締まる。

「これは・・・・!!」

バラードはこの経緯を簡潔にフォルテへ伝える。

「おもしれえ!!ああ言うでかい奴とも久しぶりにやりたかったんだ・・・!!」

「フォルテ殿!!自分もお供するであります!!」

そう言うや否や部屋を飛び出していくフォルテとパッショナー。

「かっ~!あいつらは学習能力無いッスか!!」

分かっていた事とは言えフォルテとパッショナーが飛び出して行くのを見たバラードは頭を抱える。

緊急事態だがこうなると誰にも止められないのがあの二人である。

そんな折、ニードルマンが手に持つ端末に着信が入る。

溜息を吐きつつ彼はそれに応答をする。

<よう・・・久しぶりだな>

端末の画面に映し出されるのは鋭い目つきをした壮年の男性である。

「貴様か・・・今は相手をしている時間は無い」

ニードルマンの素っ気ない言葉に男は肩を竦め眉をピクリピクリと動かす。

<まあそう言うな。既に分かっていると思うが街の方で暴走しているのは政府軍が開発した気象兵器だ。何時ぞやパイレーツマンの隠れ家と言うかロブスターの養殖場を破壊したのもそれな>

「気象兵器・・・?」

<ああ・・・気象兵器テュポンと言うらしい。大方兄貴のロボットのデータを解析して造ったんだろうさ。何せキング事件の時に多くの研究データを外に流出させちまったからな>

男の言葉にニードルマンが唸る。

キング事件の際に研究所を襲撃された事もあり、ワイリーは今までの研究データの幾つかをキング軍団や政府軍に奪われてしまっている。

まあ元よりその手の管理に甘いワイリーだけに戦いの度にデータの流出は起こっているのだろう。

付け加えておくが当時連邦政府と共闘する事にもなった事もあり、ワイリー自身がデータを提供したケースもある。

「情報提供には感謝しよう・・・だが無用な連絡は止めて頂こう」

<そう言うなよ。可愛い甥っ子共と話をするくらいは良いじゃねえか>

態度の変わらないニードルマンに男は豪快に笑う。

まるでどれだけ嫌っても構いに行くと宣言するかの如くだ。

その姿にバラードは生みの親の顔を重ねてしまう。

それもその筈でこの男の名前はヴァイス=W=ワイリー。

悪の天才科学者アルバート=W=ワイリーの年の離れた弟なのである。

兄と違い科学者としての才能は無かったらしいが、代わりに経営者として才能があったのだろう。

彼は巨大企業ヴァイスカンパニーの社長を務めている。

当然ながらまともな企業ではなく裏では連邦政府との癒着も噂され、次いで言えば世の中に居るワイリー軍団の裏のスポンサーの一つだ。

<詳細なデータは後で送っておく。だが気を付けておけ、どうも何時ぞやの異星のエネルギーが関連しているみたいだ>

「異星のエネルギー・・・?悪のエネルギーッスか?」

<その声はバラードか。政府軍の基地でエネルギーを切った筈なのにテュポンは動き出した。それにあれは元より試作品・・・巨大なボディを見りゃわかるが稼働時間も本来なら数時間しかない筈だったんだが>

「悪のエネルギーなり無蓄蔵のエネルギーを媒介にして暴走している・・・と」

<まあそう言う事になる。だからただのデカブツと思うなって事とこれを裏で操ってる奴が絶対に居るって事だ。話は以上だ・・・切るぞ>

話すだけ話して通信を切るヴァイスに何度目かの舌打ちをしながらニードルマンがバラードに振り返る。

「俺も街に行くッス。ヴァイスの話が本当ならフォルテ達でも大苦戦ッス」

バラードの言葉にニードルマンは無言のまま頷くと自らは他のナンバーズと共に基地への被害が最小限で抑えられる様にすべく行動を開始する。

「バラードさん!!私も行きます!!」

そんなバラードに慌てて声をかけるレント。

「レント・・ッスか!ニードル!!いいッスか?」

「仕方あるまい・・だが如何に高性能と言えど初陣には変わりあるまい・・気をつけろよ!!俺達も基地の点検が終わり次第に駆けつけるからな」

その声に頷くとレントに『ゆっくりで良いから後で来い』とそう言いながらバラードはフォルテに追いつくべく一気に駆け出す。

 

 

フォルテが現場に駆けつけるとそこには遠巻きに魔獣を囲むロボットポリス達の姿があった。

(ケッ!!何もできん無能共が・・・!!)

そう心の中で吐き捨てるフォルテ、しかし彼らも彼らなりに被害を最小限に抑えようと必死である。

「貴様・・・フォルテだな・・・!!」

一人のロボットポリスがフォルテの姿を確認すると周りの仲間もその声に一斉に身構える。

どうやらあの魔獣と戦う前に彼らと一戦交えなければならないようだ。

好戦的なフォルテが鼻を鳴らした時であった。

「・・・待テ。オ前達デハ・・・コイツヲ倒スノハ無理ダ・・・」

たどたどしい声と共に姿を現すロボット。

不気味な紫色のローブを身に纏い魔法使いを連想させる姿をしたロボット、カースマンである。

彼はフォルテの前に立つと一つしかないモノアイでフォルテを見据える。

「ヘッ・・・!!お前だったらこいつらよりもあのデカブツ相手の準備運動に丁度良いぜ!」

フォルテが残忍な笑みを顔に浮かべるがカースマンは無機質な顔に付けられたモノアイを静かに点滅させる。

「・・オ前ト戦ッテモ意味ガ無イ・・・」

カースマンはフォルテを制する様に手の平を見せるとさらに言葉を続ける。

「アノ「マジュウ」ヲ倒スノカ・・・?ナラ協力シロ・・・!!」

「チーフ!!何考えてるんですか!!こいつはあのフォルテですよ!?街が混乱しているのに乗じて何を仕出かすか」

フォルテが口を開く前にロボットポリスの傍らにいた少年型のロボットがカースマンに食って掛かる。

あのトマホークマンをそのままスケールダウンした様な外見を持つ真面目で実直そうな少年である。

「ケッ・・・俺としてはどっちでも構わねえが・・・」

フォルテがそう呟くのを少年は見逃さず、そのまま苛立った様に身構える。

感触としては馬が合わないそう思いながらフォルテは上空で咆哮を上げる魔獣へと視線を移す。

「フェザー・・・アレハ政府軍ガ造ッタ気象兵器ダ。少ナクトモワイリー軍団ハ関係ナイ」

「しかし・・・チーフ!!」

フェザーと呼ばれた少年型ロボットはそれでもなおカースマンに食い下がる。

「内輪ノ恥ダガ今ハ、ワイリー軍団ノ手モ借リタイ状態ダ。頼メルカ・・・」

「フンッ・・・俺としちゃあどっちでも良いが」

「デハ頼ム」

カースマンは軽く会釈をすると魔獣の方へと向き直る。

「グロロォォォォーーーーー!」

魔獣はフォルテ達を発見するとすぐさま竜巻を発生させる。

「避ケロ・・・!」

「チッ・・・!」

フォルテ達は横へ転がる様にして避けるが反応が少し遅れたロボットポリス達は竜巻へと飲み込まれる。

「うわぁぁぁーーーー!」

「た・・・助けてくれー!」

絶叫と共にロボットポリスの体はみるみる細切れにされバラバラになって地面に残骸となって落ちる。

「み・・・皆が!」

難なく竜巻を避けたフェザーマンの口から悲痛な声が漏れる。

「フンッ・・・!雑魚が出しゃばるからだ・・・!」

フォルテの言葉に仲間を侮辱された憤りにフェザーマンは肩を震わすがカースマンはそれを手で制すると先端に水晶を象った杖を手に構える。

フェザーマンはフォルテを睨みつけていたが今はその時ではないと表情を戻すと得物の短槍を取り出す。

各々三人が魔獣を見据える・・・。

「グオオォォーーンン!!!」

魔獣の咆哮と共に発生する嵐と雷・・・それが戦いの合図となった。

 

 

 

「ガーッハッハッハッハ!!さあて面白くなって来やがったぜ」

遠目よりその光景を目にし笑い声を響かせるは黒衣を身に纏った巨漢の人影。

その彼の傍らにはもう一人黒衣を身に纏った人物が居た。

巨漢のロボットとは裏腹に感情の籠らない目で眼下を見下ろす。

「・・・さてどうなるか」

「ヴォイド。もう少し楽しんだらどうだぁ?それにしてもあれは・・・あれなんだろ?」

ヴォイドと呼ばれれた人物の視線を巨大な腕で指差しながら巨漢はほくそ笑む。

対してヴォイドの方は特段反応を示さない。

「テュポンの制御は任せるぞソロー」

機械的に己に話しかける相手にソローと呼ばれた巨漢は面白くなさそうに鼻を鳴らす。

「任せろ・・・あれの中身には俺様が生成した水晶を数本突き刺してあるからな。どう動くもこの俺様の思い通りだぁ」

巨大な腕より立ち昇る怪しげなオーラ。

禍々しきとしか形容出来ないそれを触媒にソローは巨大な兵器を遠隔で操っていた。

「慣らしの運転には丁度良い。まあモノをけしかけるってのは相には合わねえがなぁ」

ソローが握り締めていた拳を開け放つのと呼応するかのようにテュポンが辺りに咆哮を響き渡らせる。

自らが操る兵器に果敢に立ち向かう者達を見据え、彼は薄笑みを浮かべるのであった。




殆どの部分が新規となり旧版の使いまわしが出来なくなってきましたグルルです。
この辺りから人間、ロボット問わずにオリキャラが増えてきている次第です。
軽く紹介ですが、ヴァイスに関しては出番自体が旧版と変わっています。旧版では戦闘用ロボットの展覧会を見に来たフォルテらを見つけて声を掛けてくるのが初登場シーンだったのですが、その辺の下りはリブートに伴いカットとなっております。
ワイリーの年の離れた弟です。兄とは違い表通りは一応歩ける人。すげー怪しいけど。
怪しい商売しつつもどこかフランクとどちらかと言うとワイリー軍団と連邦政府の間で上手く動いてそうな人。ワイリーと違って彼には家族が居るのですがその辺はバラード編後のアース編でおいおいと。

カースマン及びフェザーマンは旧版ではジェロニモ、ゴールと言うアメリカ先住民モチーフ。トマホークマン繋がりのキャラでしたがその辺も含め変えています。
キング事件前後に制作されたナンバーズ以外の高性能ロボットと認識していただければ幸いです。

暴走する兵器テュポンと黒幕であるソロー及びヴォイドなのですが。
テュポンに関しては旧版よりそれほど変えていません。
と言うかワイリーステージに出て来るボス的なロボなのでそもそも人格無いですし。
とりあえずパイレーツマンの隠れ家のロブスター養殖場を破壊したのは政府軍の稼働テストによるものです。
ソローとヴォイドの方はこのバラード編が初登場だったのを思い出しちょっと懐かしくなった次第で。ファントムマン同様に一連の事件の裏で糸を引いている存在となります。

なんか後書きと言うか設定紹介になって来たな(汗
次回の更新の方も早めに出来ればと思いつつ、この辺りで後書きは終えておきます。
ではでは失礼します~
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。