ロックマンキラーズ纏め編   作:グルルre

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vol10 凍てつく軍団

「私なんて最初から居ない方が良かったのよ」

と波が打ち寄せる海岸を見つめながらプライドは口を開く。

バラードはその隣に立ちながら彼女の言葉を無言で聞いていた。

リングマンに居場所を特定され自身が連れ戻されるのが確定的となった事から、完全に吹っ切れたプライドはあれから水着に着替え遊んでいたのだが今は白のワンピースに身を包んでいる。

普段の高慢な姿とは対照的に今は気持ち的に沈んでいる事もあり、一見するとお淑やかに見える。

まあ普通に一国の姫なのだからそれが普通か。

「私のカンパネラ公国がキング軍団に執拗な攻撃を受けたのは知っているでしょ?」

「ああ・・・欧州の方にはパンク兄貴と一緒に派遣されてたッスけど。確かにあれは酷かったッスね」

バラードはカンパネラ公国の惨状を思い出す。

国家の理念として人類とロボットの平和共存を掲げていたカンパネラ公国であったが、それ故に人類抹殺を掲げるキング軍団に事件発生当初より激しい攻撃を加えられる事となる。

国土の殆どは焼け野原となり、国民にも多数の死傷者が出たのだが公国出身のロボット、ナイトマンや駆け付けた政府軍やワイリー軍団の奮闘もあってか辛うじて国として陥落する事は無かった。

とは言え被った被害はあまりにも甚大。

被災した国民を守る為にプライドの父である公王はある苦渋の決断を下す事になる。

「今回の歴訪が終わったら私は顔も知らない男と婚約をしなくちゃならない・・・そんなの絶対に嫌!!だけどそうしないと・・・お父様達が」

プライドの言葉から彼女が逃げ出した理由が漸くバラードにも理解が出来た。

要はキング事件での被害を何らかの形で肩代わりする代わりにプライドは、その資金を出す人物なり関係者と婚約をする事になったと言う訳だ。

事実上の身売りなのだが元より我の強い彼女はそれをあっさりと受け入れる筈も無く今回の一件になったのだ。

「公国は弟が継ぐ。最初からそんなのは私も分かっていたけどそれでも私だって普通に恋とか色々と楽しみたいし・・・それにそれに!!」

因みにと言うかプライドには年の離れた弟がおり、王位継承権の優先順位はそちらの方にあるようだ。

何時もの様に我儘を言う勢いで声を出すプライドだが、最後の方は言葉ににならず嗚咽交じりの声となる。

そんな反射的に彼女を抱きしめるバラード。

「悔しいッスけど世の中は自分の思い通りにはならねえッス。お前の親父さんには会った事は無いッスけど、自分の娘を訳の分からない様な相手に差し出すほど馬鹿じゃないと思うッスよ。それに・・・」

バラードは拳を握り締めプライドに白い歯を見せる。

「もしもお前が酷い目に遭ってるって聞いたら、俺らがそいつをボコりに行くッスよ」

「ほ・・・本当に?」

「正直我儘で気に入らないッスけど。まあ根は悪くないってのは分かるッスから。俺らは世間で言えば悪党の部類だけど知り合いを酷い目に遭わされて黙っている程、腐っちゃいないッス」

涙目で自身を見上げてくる少女にバラードが不敵に笑う。

その笑みに釣られプライドも屈託なく微笑む。

「アンタが・・・ロボットじゃなくて人間だったら。どこか遠くに連れて行ってもらったのに・・・」

「・・・え?」

プライドの言葉に反応する間も無くバラードの唇と彼女のそれが重なる。

一瞬何が起こったのか分からぬバラードは目を白黒させるが、自身から離れて悪戯っぽく微笑むプライドの顔を見て更に顔を真っ赤にさせる。

「後で連絡先教えてね・・・絶対に約束よ」

そう言う彼女に照れた様にバラードが背を向けた時だった。

 

ヴンッッ!!

 

背後で響く何かが歪む音。

慌てて振り返ったその時、プライドの姿はそこには無かった。

数秒の硬直の後、バラードが慌てて皆にそれを告げようとするのだが時既に遅し。

海の家の方でもロールやカリンカを含めた女性達は忽然と姿を消していたのだった。

 

 

 

「どう言う事だ!!姫はどこに居る!?」

顔を真っ赤にしバラードに詰め寄るナイトマンを宥めつつ、ヤマトマンとリングマンが一同に事情を問う。

予想通りと言うべきか翌朝にナイトマンらを引き連れて現れたリングマン達ロボットポリス。

彼はカリンカも含めた女性陣が姿を消した事に驚きつつも、ロック達から情報を収集する。

「つまりは・・・何者かに攫われたと」

「ああ・・・悔しいが何も出来なかった」

ヤマトマンの言葉にエンカーが頷く。

「まあ彼が何か知っていたみたいだけど・・・」

ネプチューンが溜息を吐きながら石となったままのソローを見つめる。

「彼はアルゴスのと・・・腕の主に言っていた。仲間同士で敵対したって事?」

ロックが首を傾げた時であった。

 

ピキッ!!

 

ソローの全身に一筋の亀裂が走る。

反射的に一同が後ずさる中、徐々に亀裂が大きくなっていき。

 

バリバリバリバリバリッッ!!

 

全身を砕きながら石の下よりソローが出て来る。

「あの野郎・・・!!」

血走った目を周囲に向けながら石化を強引に解除したソローが大きく舌打ちをする。

「おい!!貴様っっ!!姫はどこに居る!?」

「ああっっ!?なんだぁ~てめえぇ?」

自身に詰め寄るナイトマンにソローが鋭い双眸を向ける。

殆どの者が委縮するであろう殺気を向けられながらもナイトマンは一歩も退く事は無い。

彼がその気になればこの場に居る面々全てを相手取る事も可能だが、まだこの時点でソローはある程度の冷静さを保っていた。

「あ・・・あの。理由は分からないけど君はプライド姫や他の皆を攫うつもりは無かったと言う事で良いよね?」

このままでは争いになりかねない事もあり、ロックが慌てて両者の間に入る。

「当たり前だぁ。なんで俺様がそんな事をしなくちゃならねえ。俺様はロックマン、お前さんが居るって言うんで顔を見に来ただけだ」

ギロリとロックを睨みながらもソローが言う。

確かにソローの性格を考えれば人質を取る様な事を進んでするとは思えないとロックは判断する。

「ねえねえ、あれは誰の仕業なの?アンタ程の相手を石にするなんて・・・そもそもどうやって相手を石にするのよ?まさか魔法とか訳の分からない事を言うんじゃないでしょうね」

ネプチューンの質問にソローは腕を組み考える様に唸る。

「あれはエキドゥナとか言うアルゴスの部下の仕業だ。俺様も原理なんぞは分からねえが、まさか石にされるとはな・・・」

思い出したのか苛立った様に足で地面を踏み躙るソロー。

己の力に絶対の自信を持つ彼にとって時間にして数時間程とは言え、石にされてしまった事に激しい憤りを感じていた。

「奴らめ・・・俺様がぶん殴ってぇ。いや・・・それよりかは」

(こいつらにあそこの場所教えて殴り込ませるか?)

アルゴスへの個人的に仕返しも兼ねて彼らに拠点としている廃工場の座標位置を教えようかと考えた時であった。

 

ボオオオオォォォッッ!!

 

自身らの頭上で炎が燃えあがる。

小型の太陽かと思わせる熱量を持ったそれは徐々に人型へと変じていく。

「・・・サンゴッドのバッタもんか」

舌打ち交じりにソローが口を開く。

「ワレハ・・・バッタモンニアラズ。ワガナハアポロゴースト。ワレハワレデアル」

ボディの殆どを燃えあがる炎だけで構成された存在は時折垣間見える瞳をソローに向け言う。

「彼はサンゴッドの・・・?」

「本人じゃねえよ。見ての通りな・・・」

かつて死闘を繰り広げた強敵を思わせる姿のアポロゴーストにロックが問う様に口を開いて来た事もあり、ソローが説明するよう口を開く。

「・・・でアポロ。何をしに来た?俺様はこいつらにアルゴスの居場所を教えようとしてるんだが」

「・・・ソウカ。デアレバチョウドヨイ」

平然と裏切り同然の行為を口にするソローにアポロゴーストは一枚のメモリーチップを放り投げる。

反射的にそれを受け取ったロックは困惑気にアポロゴーストを見上げるのだが。

「ワレラハ・・・ソコニシメサレタザヒョウニイル。ニゲモカクレモセヌカラ、エキドゥナニツレテイカレタモノヲタスケタクバコイ」

そうとだけ言って現れた時と同様にその場より消え去るアポロゴースト。

「手間が省けた・・・か。まあだったら構わねえかぁ」

ソローは薄笑みを浮かべロックらを見た後、巨大な拳を握り締める。

「アルゴス・・・あの野郎はとにかく気に入らねぇが強いのは知ってるだろ?だからお前さんらも全力で来い。俺様は高見の見物とさせてもらうぜぇ」

自身らに発破をかける様に言い放つとアポロゴーストと同様に姿を消すソロー。

彼が居なくなったことを確認したロックは渡されたチップの中身を端末で確認する。

「ぬううぅぅ!!そこに姫達が居るのだな?ではアイアンナイツ!!すぐに出撃するぞ!!」

「「はっ!!」」

ナイトマンの号令に部下達が従うのだが。

その彼らを止めるのはヤマトマンやベンK達だ。

「・・・待て。単騎で突っ込むのは極めて危険だ。奴らの居場所を特定し強襲をかける訳では無く。逆にあちらから挑戦状を叩きつけられているのだぞ?」

「だからどうした?騎士たる者、主の為ならば罠の一つや二つ気にせずに戦う!!確かに姫は高慢ちきな娘ではあるが主は主だ。万が一の事があれば我らは・・・」

冷静になる様に諭すヤマトマンにナイトマンが言う。

そんな彼を見てリングマンが溜息を吐く。

馬鹿にされたと思ったのかギロリと視線を向けてくるナイトマンだが、そんな彼にリングマンは真っ直ぐにその瞳を向けていた。

「攫われたのはお前の所の姫だけじゃない。うちのお嬢様もだ・・・それどころかロールにアース、フィーネやエストとか言う娘もだ」

リングマンが今にも飛び出しそうなダイブマンを指差し、ナイトマンは己が冷静さを失いかけていた事に気づく。

彼だけでなくロックやパンク、アイスマンらも同じ様な表情を時折浮かべていた。

彼らもまた罠が待ち受けていようとも大切な人を取り返しに行きたいが、それをしては意味が無い事をギリギリの所で受け入れていた。

「だが奴らも馬鹿だな。ここに居る全員に世界でも指折りの強豪ロボット達にもれなく喧嘩を売ったんだからな」

「キャハハハハ!!ボッコボッコだぁ~!!」

不敵に笑うエンカーに続きヒートマンが口を開く。

図らずともエキドゥナはライト、ワイリー、コサック及びナイトマンを始めとする全員が赴かねばならない状況を作ったと言える。

だが逆を言えばこの場に居る面々全てを敵に回しても問題が無いだけの力を彼らは有している事となる。

<あ~あ~・・・ちょっとスマンが端末越しに話は聞かせてもらったぞい>

一同が顔を見合わせ頷く中、メタルマンが手にした端末より聞き覚えのある声が響く。

端末の画面に映し出されるのは数日ぶりに目を覚ましたワイリーだ。

彼はピクリピクリと眉を動かした後、フォルテとバラードの姿を見つけ指を向けてくる。

<今すぐにお主ら二人は基地に帰ってこい。武装の修理の方は先程、完了させたのでな。奴らの拠点を攻めるのはそれが終わり次第でも遅くはあるまい。何せ逃げも隠れもせぬと言ったのじゃからのう・・・>

「漸くかよ・・・遅えよ」

「だがこれで俺らも戦えるッス!!」

魅力的な笑みを浮かべる悪の天才科学者に二人が歓喜する中、一人の青年がひょっこり顔を出す。

「ご無沙汰しています。ワイリー伯父さん。なんかうちの妹も攫われたみたいで・・・」

<お主はヴァイスの・・・まあお主が居るのであれば話は早い。奴らが待ち受ける廃工場周辺から適当な理由を付けて邪魔な市民共を避難させておいてくれんか?しょうもない巻き添えが出るのは勘弁じゃからな>

「了解しています。警察やロボットポリスの人手にも余裕ありますので可能ですよ。流石に我々も姫の脱走の件も然り正体不明の存在に拉致されたなんて、マスコミなんかに知られたら大問題ですからね」

身内と言う事もあるが己の指示にあっさりと従うロウファ。

ただでさえ式典襲撃と言う事件もあっただけに今回の一件は可能な限り無かった事にしなければ、ロウファ達どころか式典を主催した連邦政府への責任が及んでしまう。

「連邦政府にもある程度口止めをしておきますのでご安心を」

<別に連邦政府がどうなろうと知った事ではないがな・・・まあ協力感謝すると言っておこう>

通信を切るワイリーに一同が『やれやれ』と言う顔をする中でネプチューンが手を叩く。

「そんなこんなで皆、出来る限りの準備をしてから集合って事で・・・宜しいかしら?」

彼の言葉にその場にいる全員が深く頷くのであった。

 

 

 

「・・・エキドゥナよ」

一方その頃である。

それぞれ拘束具を嵌められたまま気を失った女性達を前にアルゴスが重々しく口を開く。

「はい、アルゴス様。ご命令通り姫達を連れてきましたわ」

対して誇らしげに胸を張る妖艶な美女。

彼女の顔からはアルゴスから褒められる事への期待がありありと浮かぶ。

「我はプライド姫だけを攫えと言ったのだが・・・」

「どれが姫なのか分からなかったので全員連れてきました~」

唸るアルゴスに屈託の無い笑みを浮かべるエキドゥナ。

妖艶な風貌とは真逆の幼い子供の様な表情をする彼女にアルゴスは軽い頭痛を覚えていた。

「姫はこいつなのだが・・・後の奴らは余計であったな」

プライドを指差しつつロール以下の面々を面倒臭そうな顔でアルゴスは見る。

「ちょっとアンタ!!私達を攫ってどう言うつもりよ!!」

意識を取り戻し真っ先に抗議の声を上げるのはロールである。

「少なくとも貴様らを拉致するつもりは無かったのだが・・・」

溜息を吐くアルゴスに残念そうな顔をしていたエキドゥナ。

「アンタ、式典で襲い掛かって来たイエローデビルの黒いのじゃない。姫を攫って何をするつもりなのよ」

「うるさい小娘だな・・・邪魔だ」

尚も叫ぶロールにアルゴスが呻く中。

「・・・であれば始末しましょうか?」

不意にエキドゥナの顔から表情が消える。

無機質な彫像の様な顔となりロール達を見下ろす彼女。

「不完全な機械の分際でアルゴス様に失礼な口を聞き過ぎよ?姫以外の柔らかい生き物も大した価値なんて無さそうだし」

と言うや否やロールが反論の声を上げる間も無くエキドゥナが動く。

手にした刃を無造作に振り下ろした彼女であったが、真横から延びる刃がそれを受け止める。

「・・・・・・」

「・・・え?」

自分の首筋に突き付けられた刃を見つめロールが呻く。

そして次の瞬間には血の気が引くのだが、そんな彼女はさて置きエキドゥナは自身の行為を邪魔した人物を睨み据える。

「こやつはナンバーズの順番で言えばロックマンの妹だ。そこなカリンカなる小娘も含め、上手い具合に纏めて連れ去ったものだ。ここで殺すよりかは人質として利用した方が良いと思うのだが」

「ふむ・・・確かにヴォイドの言う通りだな」

仮面を被った黒衣のロボットの意見にアルゴスが目を細める。

対してエキドゥナの方は面白くなさそうに頬を膨らませるのだが。

「まあそう拗ねるな。お前もよくやってくれた」

エキドゥナの頭に手を置きながらアルゴスは指を鳴らす。

それを合図に姿を現すのは爬虫類を思わせる風貌のロボット達。

「プライド以外は工場内に閉じ込めておけ。それと下手に暴れられたり仲間と通信でもされると厄介だ。不完全な機械のお前達には・・・この箱の中で身柄を拘束させてもらう」

ロボット達に持ち運ばれ工場内の独房に運ばれていく気を失ったままのカリンカ以下の人間達。

「ちょっとアンタ達。何を・・・ってどこ触ってるのよ」

持ち上げられ足をばたつかせるロールだが、両手を拘束具で固められており大した抵抗も出来ない。

まあそもそも抵抗などしても無意味だったのだが、問答無用で箱の中に押し込められ錠を閉められる。

外部へのあらゆる通信を遮断する特殊な構造となっている拘束用の箱は、防音となっているのか中でロールが騒いでいるのが聞こえるが何を言っているのかは分からない。

「相も変わらず五月蠅い娘だ」

とヴォイドが嘆息するのはさておきである。

 

・・・ヒョイ。

 

アルゴスが気を失ったアースを虫でも掴む様に持ち上げる。

「なっ・・・お前は!?」

その時になって意識を取り戻すアースだが状況を把握する前に箱の中に投げ入れようとする。

「ま・・・待て!!」

自身が何かの中に閉じ込められるのを悟ったのか悲痛な声を上げるアースだったが、アルゴスはそれを気にもかけずに物をゴミ箱に捨てるかのように無造作に放り投げる。

箱の中に落とされた瞬間、手足をばたつかせる彼女であったが何か出来る筈も無く箱の錠は閉じられる。

ややあって先程のロールとは別の意味での絶叫が響き渡るのだが、アルゴスらがそれを気にする事は無い。

「これは柔らかい生き物とは違うエリアに運びなさい。姫は予定通りに・・・」

エキドゥナの命令に頭を下げながらロボット達が箱を運んでいく。

気を失ったプライドも更に別の場所に運ばれていく。

「さて・・・それはそうとだ」

ヴォイドがただ一人残されたロボットに目を向ける。

「全く・・・よくもやってくれましたね。困りますね・・・困るんですよね。せめて連絡ぐらいはして欲しかったですねえ」

黒衣のローブを全身に身に纏ったロボットことファントムマンが苛立った様に口を開く。

「まさか私が他人を攫う事はあっても逆に攫われるとは・・・まあ以前にもありましたが。あれとは違い本当に反応も出来ずにしてやられるとは屈辱ですよ」

全身より闇を噴き出しながらファントムマンはエキドゥナに鋭い視線を向ける。

「我々はラ・ムーン様の従者、凍てつく(ブリザー)軍団に名を連ねる者。我々に似た力を持った所で所詮は不完全な機械・・・同じ物差しで測れるとは思わない事ね」

ファントムマンの視線など意に介さずに胸を張るエキドゥナ。

二人の争いにヴォイドとアルゴスは無反応だ。

「アポロゴーストを使いに出した。間も無くここに奴らが来るであろう・・・手筈通りそれぞれが迎え撃つつもりだが貴様はどうするのだ?」

「さて・・・どうしましょうかね?恐らくは私も助けるべき対象に入っているでしょうし・・・まあ少しこの姿で遊んであげるのも一興かもしれません」

ヴォイドの問いにファントムマンはわざとらしく首を傾げる。

「実は一度戦ってみたかったんですよねロックマンとは。一応私も彼らに負けたくない気持ちは・・・私にもあるんだから」

 

バサッッ。

 

ローブのフード部分を払い除けその下にあった顔を露わにしながら、ファントムマンと名乗っていた少女は酷薄な笑みを浮かべていた。




何時もの後書きです。
さらっと読み飛ばして頂いて結構です。

〇脱走の理由について
プライドが脱走した理由はリブート前と変わらず。ただ若干ふわふわした面もあったリブート前と違い今回のは明確な意思があっての事。
事実上の政略結婚が嫌と飛び出した彼女だが、変更点として年の離れた弟が居る辺りでリブート前と違い色々とこじれてしまっている。
自分が公国を継ぐと思っていたら弟が生まれてから、両親もそうだが重臣らの注目もそっちの方に言ったのが気に食わない。
挙句の政略結婚なのでまあそうなるとしか。当たり前だが両親である公王夫妻はプライドを愛しているが親の心子知らずな状態。
現実の欧州では王室での継承権は長子優先だが、この辺は目を瞑って欲しい。
元々我儘だったがキング事件後の結婚の件で更に我儘になったのは言うまでも無く。
ナイトマンの苦労はこの辺りから始まっている。

〇石化について
前回のあとがきでも説明したが石化の効力は永久では無くまるっと一日。
それを強引に砕いてソローは脱出しているが、体の表面を少し削った形となる。
その辺も彼自身のボディが自己再生するので無問題だが、普通のロボットや人間は真似しない方が良い。
因みにソローが外部からの衝撃で砕かれていた場合、割れ方次第では命の危険もあった。

〇多方面への宣戦布告について
ロール、カリンカ、アース、フィーネ、エストにプライドともれなく多方面に喧嘩を売る形での拉致となった。
結果としてキング事件以来のライト、ワイリー、コサックら各ナンバーズとナイトマンらを始めとする政府所属ロボの連合軍が結成される事に。
ワイリーも起きたので本格的に動きだす。
余談だが海の家に関してはバブルマンに任せつつ、足りない人員は基地に居るジョー達が代わりに出向くことになったらしい。
流石に慰安旅行に出かけて本来のジョー達を呼び戻す事は出来なかった様だ。

〇エキドゥナについて
後頭部から巨大な蛇の胴体を模した尻尾を持つ異形の存在。
ラ・ムーンの従者でありブリザー軍団の一角。ブリザー軍団自体が仮面ライダーストロンガーに出て来るデルザー軍団のパロディーで彼女はそれの蛇女に相当。
組織としてはXシリーズで動き出すのだが、彼女だけは例外的に顔出し参戦とした。
彼女の性格はとにかくアルゴスが全てと説明すると早い。彼の敵は彼女の敵であり、行動基準も彼に褒められるか否かである。
作中で見せた様にアルゴス以外には極めて冷徹に振る舞い、命を奪う事も虫を足で踏み潰すが如くととにかく外道。
直立した爬虫類を模したガード達を手下にしている。

〇アルゴス
エキドゥナと言いボーンダインと言い。一緒に行動する者に問題が多くて苦労が絶えない。
リブート前は影が薄かったが結果としてヴォイド以上に行動してるので実質的なリーダー格と言えるのかもしれない。

〇ファントムマンもとい彼女について
マンじゃなくて実はウーマンだった。或いはガールか。
リブート前とは違う形でロック達と相対する事になったが果たしてその正体は。
って知ってる人は今更なので作者的には苦笑いである。


今回の後書きは以上です。
読んでくださってありがとうございます。
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