ロックマンキラーズ纏め編   作:グルルre

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vol14 戦場の死神達(後編)

僅かに時は巻き戻る。

戦闘が繰り広げられる廃工場を遠目に見る事が出来る仮設の司令室。

先程まで火力支援を行っていたロボット達が続々と戻ってくる中、コサックは急遽この場にやって来た装甲車に駆け寄っていた。

装甲車の荷台から降りてくるのは骸骨の姿をしたロボット達。

コサックナンバーズのスカルマンとその配下スケルトンジョー達である。

「博士・・・戦況は」

「数の上では我々が有利・・・だが敵もかなりの実力を持っている様だ。しかもカリンカ達を人質に取られている」

問うてくるスカルマンにデータを送信しながらコサックは淡々と状況を説明する。

「・・・分かりました。では行ってきます」

数秒程、スケルトンジョー達と相談する様に顔を見合わせたスカルマンだったが、そうとだけ言うと迷う事無く廃工場へと駆け出していく。

「頼むぞ・・・スカルマン」

小さくなっていくスカルマンの背に送り出す様に言葉を口にするコサック。

「むむむむ・・・」

「・・・どうしたの?」

その様子を見て武者震いの様に全身を震わせるのはバスターロッドだ。

自分の仕事は終わりとエネルギーパックを口にしていたハイパーストームはのんびりと首を傾げる。

「漸くワイリー軍団に合流出来たと言うのに。この一大決戦を前にメガガンダーラーズのリーダーである俺っちが後方で待機していても良いのか!?」

「・・・良いんじゃないの?」

「ウキッッ!!駄目だ!!お留守番なんて俺っちの柄じゃないぞ~!!」

見た目通りの猿の様な奇声を上げながらバスターロッドがその場で飛び跳ねる。

数年も行方不明になった挙句に漸く復帰が叶った事もあり、バスターロッドは焦りに身を焦がしていた。

自身らの内の一人、メガウォーターがその特性を生かす形でダイブマンらと前線に向かった事も大いにあるだろう。

今にも勝手に出て行きそうな彼を見据えコサックが溜息を吐く。

「少し良いかね?」

「なんだウキッッーー!!」

コサックに声を掛けられただけで飛び跳ねるバスターロッド。

「君やそこの豚君はワイリーナンバーズでもキラーズなどと同様に特別製のロボットと私は見る。謂わば万が一の時の保険だ」

多くの戦闘用ロボットが出払った周囲を指差しながらコサックが言う。

コサックの言葉通りバスターロッドらの性能は現在の水準においても上位に値する者であり、彼ら二人が居ると居ないのでは大きな違いがあると言えよう。

「手薄になったこの場所を敵が狙わないと言う可能性はゼロではない。もしも君達が勝手に出撃をして・・・ここが壊滅となった場合。ワイリーは君達に失望すると思うよ?」

「ウキキキキッッ!!」

「た・・・確かに」

脅す様に忠告を口にするコサックに二人が喉を鳴らす。

ただでさえロックマン打倒と言う本来の役目を果たせていない事もあり、バスターロッドらは不本意ながらも己の役目を果たさなくてはならなくなるのだが。

「・・・と言う訳だ。君達はこの場で待機をしていてくれたまえ」

笑みを浮かべコサックが二人に背を向けた時だった。

「うわあぁぁぁぁ!!ちょっ・・・ちょっと待ってくれ!!」

全身よりロケットブースターの炎を吹き上がらせ空を舞う物体にしがみ付きながら悲鳴を上げるのはオイルマンだ。

ここにもバスターロッド同様に待機しているだけでは我慢が出来なくなった者が一人。

「気を付けて行って来いよ~」

「派手にやってこ~い!!」

自分らの仕事は終わりとE缶を飲んでいたナパームマンとボンバーマンに見送られるのはレントとオイルマン。

全身より炎を吹かしながら勢いよく飛んでいくレントを見送り、ナパームマンが無言で佇んでいたタイムマンに声を掛ける。

「お前は行かないのか?」

「行った所で時間の無駄です。そもそも二人が行った事でこの場の戦力低下は避けられません」

計算する様に指を上げながら淡々と話すタイムマン。

「ウキッッ!!抜け駆けだウキッッ~!!」

飛び去って行ったレントに抗議の声を上げるバスターロッド。

「これでますます行けなくなったね」

のんびりとではあるがはっきりとした事実を告げるハイパーストームにバスターロッドは悔し気に唸る他無いのであった。

 

 

そして現在。

 

ズドドドドドドドドッッ!!

 

両手に持ったマシンガンを乱射しボーンダインの全身に風穴を開けていくスカルマン。

「ぐおおおおぉぉぉぉっっ!!」

怒りの咆哮を上げるボーンダインであったが、容赦なく自身に攻撃を加えてくる相手に一旦距離を開ける。

 

ガチャッッ!!

 

負けじとボーンダインの両肩のカバーが開かれる。

彼の両肩に隠されているのはガトリング砲だ。

「ガンスレイブゥゥゥッッ!!」

 

ズガガガガガガガガガッッ!!

 

スカルマンの倍以上の弾丸を撒き散らすボーンダインだが、それらはスカルバリアーによって悉く防がれる。

いや防がれると言うのは語弊があるか。

バリアーを以てしても防ぐ事が出来なかった幾つかの弾丸は確実にスカルマンのボディに傷を付けていた。

「・・・・・・」

仁王立ちしたままその場を動こうとしないスカルマンに一瞬怪訝な顔となるパッショナーだが、彼の後ろにカリンカが居る事に気づくや行動は早い。

「スカルマンとやら!!そこのお嬢さんは自分に任せるであります」

イージスの楯より障壁を発しながらカリンカの前に立ち塞がるパッショナー。

彼女の安全が確保されたと見るやスカルマンは振り返らず一直線にボーンダインに向かう。

 

ダッッ!!

 

無数の弾丸を掻い潜り肉薄するスカルマン。

 

ガキッッ!!

 

放たれた拳を顎で受け止めたボーンダインの眼光が一瞬だが光る。

「死ねええぇぇぇ!!」

砕けた顎先が自己再生する中、ボーンダインがスカルマンを両断せんと鎌を振るう。

振るわれる鎌がスカルマンの左腕が宙を舞う。

が左腕を犠牲する事で一撃を凌いだ彼はボーンダインの頭部に拳銃を突き付ける。

 

ダンッッ!!ダンッダンッダンッッッ!!

 

「ガアアァァァァァ!!酷い!!痛いじゃないかぁぁぁ!!」

怒りの咆哮と共に泣き叫ぶボーンダインにスカルマンは無言のまま銃弾を続けざまに叩きこむ。

 

ガシッッ!!

 

六発目の銃弾を叩きこもうとした右腕であったが、それはボーンダインに腕を掴み取られ開けられた天井部に向けて発射される。

「痛い痛い・・・だがテンション上がってぇぇぇ!!」

喜々として笑うボーンダインの頭部に傷が徐々にだが再生していく。

人間のみならずロボットであっても致命傷と言うべき傷を負いながらもボーンダインは倒れない。

そもそもが一度バラバラになって大破した筈の彼だが、悪のエネルギーを用い元通りに再生したのだ。

不死身の化け物としか形容する事が出来ないその姿に殆どの者は恐怖を覚えるであろうが、スカルマンはそれに反応を示す事無く無言だ。

「テメーら・・・俺ごと撃て!!」

一瞬だが周囲に目を向けスカルマンが叫ぶ。

 

ドンッッ!!

 

まずにボーンダインの背に直撃したのはダストマンの放つダストクラッシャー。

慌てて飛び退こうとしたボーンダインの両足にリングブーメランが絡まった所で上半身だけのファラオマンが巨大な光弾を放つ。

続けざまにダイブミサイルを受けたボーンダインが崩れ落ちる右半身をそのままに天井部に飛び退いた時だった。

「なかなか・・・やる。・・・んっっ?」

 

ピッッーーーー!!

 

スカルマンらを見下ろしながら口を開くボーンダインの全身に無数の赤い線が走る。

「お前らは・・・!!」

目を見開きボーンダインが呻く。

彼の視線が捉えたのはマシンガンやライフル、ロケット砲などの小火器を持つスケルトンジョー達の姿であった。

「ス・・・スカルバリアー!!」

反射的に電磁バリアを身に纏うも右半身を失っている事から展開できるビットの数も限られる。

 

ドガアアァァァァァァァァァンッッ!!

 

「ぐああああぁぁぁぁぁ!!」

絶叫を上げながら炎の中に包み込まれるボーンダイン。

炎上しながら再び工場内の廊下に叩きつけられるその姿は火葬された死体を思わせる。

「ギギギギッッ・・・流石はスカルマッッ」

尚も声を上げようとするボーンダインにスカルマンが容赦なくマシンガンを撃ち放つ。

天井部のスケルトンジョー達も加わり攻撃を加えた事もあって、その凄惨さにリングマンも目を逸らしそうになる。

「おい・・・これ以上は」

「テメーらの攻撃でもすぐに自己再生して死ななかっただろ?だったら再生出来ないまで粉々にしてやるだけだ」

対ロボット用に改良されたグレネード弾を放ちながらスカルマンが自身を止めようとするリングマンに言う。

どこまでも淡々とそして容赦無く攻撃を加える彼にリングマンは尚も反論をしようとしたが、それ以上言っても無駄な事だと悟り口を閉ざす。

四度目のワイリーによる世界征服計画の際に生み出されたスカルマンは、他のコサックナンバーズと違う所がある。

当初より何らかの形で人々の役に立つ為に製作されたコサックナンバーズ達。

彼らはカリンカを人質に取られたコサックによって戦闘用としての改修或いはリミッターを解除され、世界征服計画に利用されたのだがその中でスカルマンはロックマン抹殺の為に生み出された純粋な戦闘用ロボットである。

一応リングマンも戦闘用ロボットの範疇にはあるが、彼はそもそもがロボットポリスとして製作された所がありリングブーメランと言う武装も本来の用途は敵対者の捕縛を目的としている。

敵対する者には一片の慈悲も無く淡々と破壊する。

ある意味で最もロボットらしい殲滅者。

それが世間でのスカルマンの評である。

次々と武器を持ち換えボーンダインに攻撃を加え続けるスカルマンに部外者のパッショナーも若干顔が強張っていく。

既にボーンダインの方は原型を留めておらず、元の姿すらも判別出来ない状態となっていた。

「やり過ぎでは・・・」

「噂には聞いていたけど純粋な戦闘用・・・いえ、戦争用ロボットと言った方が正確かしら」

思わず不満げに口を開くパッショナーの隣でエストが顎に手を置きながらスカルマンの動きを見つめていた。

これではまだ単純な思考回路を持つロボットの方が温情があるのではと思わせてしまう。

 

ピタッッ!!

 

不意にだが床の上に転がっていたボーンダインの指が真上を指差す。

「・・・・・・!!」

その動きに目を見開いたスカルマンは反射的にバリアーを張り頭上より降り注ぐ弾丸を凌ぎ切る。

見れば先程までボーンダインを攻撃していたスケルトンジョーがスカルマンに対し武器を構えていた。

<あ~あ~・・・本日は晴天な~りじゃないな~。悪いがスケルトン達のコントロールを奪わせてもらった。ここまで容赦無く破壊しに掛かるとは外連味の無い奴だ~な~>

若干間延びした声が周囲に響く。

声と言っても音で発せられた物ではない。

直接脳裏に響く一種のテレパシーの様な物であった。

自身と同じ声が響いても眉一つ動かさないスカルマンはボーンダインの残骸より吹き上がる煙が人の形を彩った所で銃弾を次々と撃ち放つ。

<本当に~外連味ねえな。我ながらの容赦の~無さに呆れるしかねえな~!!>

呆れた様な声を上げるボーンダイン。

 

ズオォォッッ!!

 

再生しかけた片腕がスカルマン目掛けて射出されそれを回避する間にボーンダインが一気にボディの再生を進め始める。

<あ~あ~これじゃ元の形に戻せねえ。しゃあねえ・・・懐かしい形になるか>

スカルマンの容赦の無い攻撃によってボディを粉々に砕かれた事もあり、ボーンダインは本来の形にボディを再生出来ないのか残された部品を使い即興でボディを再構築していく。

 

パキパキパキパキッッ!!

 

「元々・・・それに近い物は持っていたが~悪のエネルギーは使いこなせりゃ便利なモンだな。理論上は見ての通り不死身に近い力も得る事が出来る」

彼が言う懐かしい形。

スカルマンと瓜二つの姿となりながらボーンダインは両肩や掌を確認する様に回していた。

 

バサッッ!!

 

「・・・黒いスカルマン」

瓜二つの姿になりながらも悪のエネルギーの影響かそのボディを黒くさせたボーンダインは小さく呻いたダイブマンに皮肉気な笑みを返す。

「さあ~スカルマン。仕切り直しと行こうか~それぞれの感情を強調させた人格の中で~オレが一応のリーダー格でな~。兎にも角にも普段は眠っているオレが起きたからには~」

新たに生み出した黒マントを羽織りながらボーンダインは屈託なく笑うのだが。

「空っぽのオメーに勝ちはねえ~。ともあれ吹き飛んだ左腕を繋いで~表に出ろい~!!一対一の正々堂々な勝負しようじゃねえか~」

 

バッッ!!

 

そう言って天井部に向かって跳躍するとボーンダインは向こう側へと姿を消す。

対するスカルマンは床に落ちていた左腕を拾い上げるとそれを切断面に突き付ける。

 

ピキピキピキピキッッ!!

 

切断面が合わさるや僅かに泡立ち徐々にだがスカルマンの腕が繋ぎ合わされていく。

「テメーらはお嬢様を守ってろ」

そうとだけリングマンらに言い放つとスカルマンはボーンダインを追い外へと向かっていく。

「スカルマンッッ!!」

彼の背にカリンカが叫ぶがその言葉に彼が反応を示す事は無かった。

 

 

一方エキドゥナと戦いを繰り広げるライトナンバーズにアストロマン二人と主に遅れて飛び出す事になったゴスペルらは。

「ウフフフ・・・所詮は不完全な機械。私達に勝てる筈など無いのよ」

配下のガード達を使いジリジリと包囲網を狭めエキドゥナは自らの勝ちを確信する。

周囲に展開した質量ある霧も上手く作用しエレキマン達の動きを奪う事に成功。

その隙間を埋めるようにガード達を展開し彼らは一室の隅にまで追い詰められている。

負傷したファイヤーマンとカットマンを庇う様にエレキマンとアイスマンが前に立っているが、今や彼らの眼前にガード達が構える槍の先が突き付けられている。

「グルルルルルッッ!!」

威嚇する様にゴスペルが吠えるがガード達は怯む事無く距離を詰め始める。

「ガード達!!一気にカタを付けてしまいなさいな!!」

主の命令を受け一斉に動き出すエキドゥナガード達。

苦し紛れにエレキマン達が攻撃を加えるがガード達は怯む事無く槍を突き立てる。

彼らが串刺しになったと確信したエキドゥナが妖艶に笑い声を上げるのだが。

「ギャッ!!ギャヤヤッッ!!」

「・・・!?」

エキドゥナガード達が困惑した声を上げるのを聞くや彼女は慌ててエレキマン達が居た場所に目を向ける。

見ればそこには誰もおらず槍を手にしたガード達が右往左往していた。

「ど・・・どこに?」

と言いかけたエキドゥナの背後から回転する刃が飛び込んでくる。

 

カンッッ!!

 

手にした刃でローリングカッターを弾いたエキドゥナであったが、いつの間にか己らの背後に居たエレキマンらに彼女は驚きを隠せない。

が彼らの後ろでオロオロする二人のアストロマンの姿を見るや誰も仕業かは一目瞭然である。

「また貴方達・・・邪魔をしないでもらえるかしら!?」

ギロリと睨み据えるエキドゥナにアストロマン達が慌てて目を逸らす。

「アイススラッシャーだよ!!」

「サンダァァァビィィムッッ!!」

「燃えろぉぉぉぉ!!」

左右に弾かれる様に散ったアイスマンとエレキマンの攻撃を軽く弾くやエキドゥナは眼前で炎を放ってきたファイヤーマンの追い打ちを小型のブラックホールを発生させる事で悉く防ぎ切る。

「無駄よ。偉大なるラ・ムーン様の従者である私に下等な貴方達のぉ!?」

跳躍しエレキマン達に襲い掛かろうとしたエキドゥナであったが、自身の背から延びる蛇の尾に重みを感じ反射的に振り返る。

見ればもう一人の方のアストロマンが控えめに自身の尾を両手で掴んでいた。

完全に彼の気配を感じ取れなかった事もあり、もしも彼が攻撃を仕掛けていれば手傷を負っただけにどこか戦いに消極的な彼の態度にエキドゥナは苛立つ。

「先程から鬱陶しいわよ!!石になりなさい!!」

カッと怪しく目を光らせるエキドゥナであったが。

「わあぁぁぁぁ!!」

反射的に目を閉じ顔を背けるアストロマン。

それ故に彼のボディが石になる事は無かった。

「もう~!!いい加減にしなさい!!」

対人恐怖症の彼に更に苛立ったエキドゥナは片腕に発生させたブラックホールでアストロマンに殴りかかる。

これまた反射的に回避するアストロマンだが、球体上のボディの一部が抉り取られてしまう。

「うわあぁぁぁぁぁんっっ!!痛いよぉぉぉ!!」

「あわわわわ!!大丈夫っっ!?」

泣き叫ぶアストロマンにもう一方のアストロマンが駆け寄る。

「「わあああぁぁっっンンッッ!!もうヤダーーー!!」」

互いに泣き出したアストロマンは手を合わせながら叫ぶのであった。

「「ア・・・アストロクラッシュゥゥゥッッ!!」」

「・・・!?」

正直、驚く間など無い。

今の今まで己の妨害ばかりして来たアストロマンに大した戦闘能力は無いと思っていた事もあるが、一瞬だが膨れ上がるエネルギー量と大きく歪む空間の割れ目に反応する事すら許されない。

 

ズドドドドドドドドドドドドッッッ!!

 

一瞬の内に空間の割れ目より出現した無数の流星群にエキドゥナは悲鳴を上げる間も無く飲まれてしまう。

普段はワイリー軍団で最も臆病と言われているアストロマン。

その実力は極めて高いのだが、余程の事が無い限りその真価が発揮される事は無い。

これはその滅多に見る事が出来ない一例と言えよう。

「あいつ冗談抜きで強いじゃねえか」

カットマンが呆れた様に口を開く。

事が終わって数秒後、すっかり崩壊した一室でエレキマンが恐る恐る周りを見渡す。

「・・・・・・とりあえず勝てたのか?」

見ればエキドゥナガード達も瓦礫の下に埋もれてしまい自身らを除きその場で無事にいる者は誰も居なかった。

 

ガラッッ!!

 

突如として瓦礫の一部が飛びそこよりエキドゥナの腕が伸びた事でアストロマン達が怯え、エレキマン達が身構える。

「ふ・・・不完全な機械達。お・・・覚えておきなさいよ。この雪辱は必ずや・・・」

震える腕を伸ばし粉々に砕けた眼鏡のフレームを掴みつつエキドゥナの気配がその場より消え去る。

それと同時に倒れ伏していたガード達の姿も消え去り、辺りに満ちていた殺気は消え去ってしまう。

 

ドゴンッッ!!

 

天井部より響く音に目を見開くエレキマン達。

スカルマンとボーンダインが天井部で戦いを始めたのだが、この時の彼らに何が起こっているのかを確認する術はない。

「ガウッガウッッ!!」

先を見据えゴスペルが声を上げる。

次いで複数の足音が聞こえた事もあり一同はそちらの方に目を向ける。

「あ、皆っっ!!大丈夫?」

エンカーを先頭に向こう側から走って来るのはロールである。

それに遅れて負傷したフォルテが一人で足取り重く歩いて来る。

「クゥ~ン!!」

傷ついた主に鼻を鳴らしながらすり寄るゴスペル。

そんなゴスペルにフォルテは苦虫をすり潰したような顔を浮かべていたのだが。

 

ズガアアァァァァッッッ!!

 

再び響く爆発音とともに建物内が大きく揺れる。

「とにかく一旦外に出た方が良さそうだな・・・」

「皆、ロックは?」

エンカーが苦笑いを浮かべる中、ロールがエレキマン達に問う。

「それが・・・俺達もさっきまで戦っていたから」

カットマンの言葉にロールが心配げな顔となるのだが。

 

「ウッワアアァァァァ!!」

 

外より響き渡るのはナイトマン達と戦いを繰り広げていたメカザウルスの声だ。

見れば頭上より降り注ぐ弾丸を頭部に受けその巨体が横倒しになるのが見える。

ヤドカルゴ達もメタルマン達の手であらかた倒された様だった。

「よし・・・とにかく俺らはロールを安全な場所まで連れて行くって事で良いな」

「言われるまでもない」

安全が確保された事を確認しつつエンカーが口を開き、エレキマンが同意と頷く。

ややあってロールを守る形で円陣を組みながら一同が外に飛び出した時だった。

 

ズシャアアァァァァァ!!

 

「ストップッッ!!」

何物かが地面を転がって来た事もあり、慌ててエンカーとエレキマンが停止を促す。

地面を転がったのはスカルマン。

無言のまま立ち上がる彼と対峙するのもカラーリングが黒になっただけのスカルマンだった。

「え・・・スカルマンが二人?」

驚いたような声を上げるロール。

他の面々も同じ様に困惑気な顔となるのだが。

「おや~これはロールお嬢さんじゃねえか~。そういや~お前さんも人質にしていたっけか~式典の時は半分暴走してたんでな。勢いあまって襲い掛かっちまった~一応は詫びておくぜ~」

ロールから見れば黒い方のスカルマンことボーンダインがわざとらしく頭を下げる。

何が起こったのか分からず困惑する面々を他所にスカルマンがボーンダインに殴りかかった事で戦いが再開される。

「・・・遅い!!」

迫った所で半歩退き、足払いを掛けられその場で転倒するスカルマン。

顔に泥を擦りつかせる起き上がろうとするスカルマンを足蹴にしながら、ボーンダインはほくそ笑む。

 

「っっ・・・ふ、二人とも止めなさい!!」

 

ボーンダイン優勢のまま戦いを続ける二人にロール達とは違い穴の開いた天井部から脱出したカリンカが制止の声を上げる。

「あ、カリンカちゃんにエストさんも」

人質にされていた二人が無事である事が分かり一瞬だけ笑顔となるロール。

「おいおい~どうするよスカルマン。優しい~お嬢様が喧嘩は止めろってオレらに言ってるぜ~」

「・・・・・・」

おどけた様に口を開くボーンダインにスカルマンは無言だ。

「さあて・・・どうするか」

とボーンダインが言ったのと廃工場が大きく揺れ出したのは殆ど同時であった。

 

ズガアアァァァァァンッッ!!

 

真っ先に一同が目にしたのは廃工場の屋根を突き破る形で飛び出したアルゴスの姿。

複数の眷属達と共に外へ飛び出した彼に追うようにバラードが飛び出してくる。

「プライドを返せッス!!」

そう叫ぶバラードの視線はアルゴスの手に握られた少女に向けられている。

「むむっっ!!姫ではないか!!」

メカザウルスをヤマトマンらと倒し工場内に踏み込もうとしていたナイトマン達であったが、思わぬ形でプライドを発見する事となる。

「アイアンナイツッッ!!陣形を整えろ!!姫を極悪非道の敵から取り戻すのだ!!」

ナイトマンが檄を放つのにアイアンナイツの面々が頷き一斉に身構える。

「愚かな・・・不完全な機械共が」

自身目掛け集まり始める彼らを見下ろしつつアルゴスは大きく鼻を鳴らすのであった。




何時もの後書きです。
さらっと読み飛ばして頂いて結構です。

〇冒頭と言うバスターロッド及び待機組について
今回バスターロッドとハイパーストームに関してはお休み。
活躍は次回以降に持ち越しである。彼らも一応は通常のナンバーズよりも強化されており一応と言うか強い存在である。
ナパームマンとボンバーマンはすっかり一服しているのがある意味で彼ららしいのかも。

〇スカルマンについて
メガミックス版をベースにしてはいるが色々と変えている次第。
色んな武器を持っているので不思議に思われた方も居るかもではあるが、作中のスカルマンの特徴として内臓武器をスカルバリヤーを展開するビット以外持っていない点が挙げられる。
人間と同じ武器が使えるならわざわざ内蔵する必要なくない?とコサック博士が思ったのかは不明だが基本的にマシンガンや拳銃(と言っても対ロボット用のマグナム)やらグレネード弾等を携帯して使用する。
一見すると内部骨格が剥き出しに見える姿だが、特殊な形状記憶合金で作られているので非常に硬いのと多少の傷なら繋ぎ合わせるだけで再生可能と言う普通のロボットとは明らかに異質な特性を持っている。
そもそも武器を内蔵していないので動力炉のエネルギーにも余裕が出来、長時間活動が可能。
あと骨格その物姿なので人工皮膚や人間の服を着たら見た目を偽装出来たりと、作中で言われた様に戦闘用ではなく戦争用と言った方が良いコンセプト。
とにかく無駄の無い設計となっている。

性格に関してはコサック及びカリンカには敬意を表すが、それ以外の存在に関しては全くの無関心。
この辺は元々対ロックマン用ロボットだった事も理由の一つ。
一人称は俺で二人称はテメーである。サンゴッドと言いロックは彼にどうやって勝ったんだろうかと書いてて思った次第。

〇スケルトンジョーについて
スカルマン同様にゲームなどとは全く違うキャラになっている。
作品内ではワイリー軍団のジョー達が見た目は同じでもそれぞれ個性を持ち人格を持っている描写なのに対し、彼らは真逆で人格と言うものが無い設定。
武装もスカルマン同様に携帯火器を持つなど、実質的にスカルマンの量産型となっている。
多少ボディが損耗しても繋ぎ合わせてすぐに戦いを継続するなど、ジョー達とは違う意味で厄介な存在。
彼らも彼らで人間に偽装する事も可能で戦争用ロボットである。

〇ボーンダインについて
今まで眠っていた楽の人格が出た事で本気モードに。
再構築してスカルマンそっくりな姿になった描写で色が黒くなっているがこれはサイボーグ009のスカールのオマージュ。
若干間延びした声は若本氏風を表現しているのだが、ブルワァァと言いそうなのはアルゴスの方である。
あくまでもそれ風と言う解釈でお願いしたい。

〇VSエキドゥナについて
アストロマン二人によるダブルアストロクラッシュで終了。
対人恐怖症の彼らに目線を合わせる石化攻撃も無力であった。
本来は描写通りかなりの強敵なのだが、相手が悪すぎた。


次回で色んな意味で終わらせたい。
実はボーンダインについて長々と書くと全中後編となるので途中でカットした次第。
残り二話ぐらいでアース編・・・と言うか殆どカリンカやらプライド編になってるを終わらせたいです。

今回の後書きは以上です。
読んでくださってありがとうございます。
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