ロックマンキラーズ纏め編   作:グルルre

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vol.7 サイバー川中島

ガガガガ!ドゴォーーーーン!

 

あたりで銃撃音と爆発音が鳴り響き、粉塵を巻き上げる。

突如暴走したカブキマンとロックマンとの戦い、カブキマンが上半身を獅子に変化させてからは元が芸能ロボットだとは信じられないほどの実力でロックマンを追い詰めていく。

そこにエンカーが駆けつけて来て状況は好転するかと思われたが・・・・

「危ない!エンカー!!」

ロックマンはエンカーに投げられた瓦礫の塊を彼をかばう為に背中で受け止めた。

「っ・・・!大丈夫かロックマン!?」

エンカーはそう言いつつ目の前にいるクロコボットをバリヤードスピアで突き刺す。

状況は相変わらずカブキマンが優勢であった・・・。

いや、むしろエンカーが来たせいで余計に不利になったといえよう。

倒しても倒しても一向に減る様子を見せない黒子型ロボット・クロコボット。

実際クロコボットの中身はジョーなのでクロコ・ジョーとも言えるのだが。

エンカーのその能力は基本的に一対一でのみ真価を発揮する。

無数に現れるクロコ・ジョー・・・エンカーにとって集団戦は基本的に不利なのである。

しかもそちらに集中すればカブキマンに攻撃のチャンスを与える事になる。

その上さっきのようにお互いをかばうためによけいな傷を負う事になってしまっているのである。

「チッ・・!このままじゃあ埒があかねえ・・・!あれを使うか・・・!」

エンカーは疲労ゆえに肩を上下に揺らせながら呟く。

そして槍を後ろ手にロックマンの方に向けると・・・・

「ロックマン!俺にチャージショットを撃ってくれ!この状況を打開する妙案がある」

「・・・エンカー、君は何を・・・?・・・わかった」

いくらあちらが撃ってくれといっても撃つ事に躊躇があったがエンカーに考えがある以上、彼に従う事にした。

ロックマンはバスターをチャージするとそのままエンカーめがけて発射した。

エンカーに直撃するかと思われたバスターは槍の先へと吸い込まれるようにして消え、代わりにエンカーの全身がバチバチと音を立て火花のような物が散っていた。

「ロックマン・・・俺が合図したら思いっきりジャンプしてこの場から離れろ・・・!いいな!」

「・・・・うん、わかった」

ロックマンが頷くを確認したエンカーは続けて

「さっきカブキマンから吸収した分も含めてまとめて倍返しにして返してやんぜ!今だ飛べロックマン!」

そう言うとエンカーは一人上空へとジャンプした。

「本当はとっておきの技だったんだが・・・仕方ねえ!」

エンカーは気合の声と共に槍を投擲しクロコ・ジョー達のいる方の地面に突き刺した。

「くらいな・・・エネルギー・・・・クラッシュ!」

エンカーが指をパチンと鳴らすとその瞬間、地面に突き刺した槍から増幅されたエネルギーが放出される・・・。

次々とエネルギーの爆発に飲み込まれるクロコ・ジョー達、一瞬爆発が縮んだかと思うと一気に広がりそれは瞬く間に広がっていった・・・。

 

ドグオォォーーーーン!

 

目の前が真っ白になるほどの閃光と爆風に吹き飛ばされそうになりながらもロックマンは何とか無事に爆発から逃れる事ができた。

見ればあれほどいたクロコ・ジョーもいなくなっておりそこには槍が一本刺さっているだけであった。

「エ・・・エンカー!どこにいるんだい!?」

エンカーの姿を探すロックマン、一瞬彼の脳裏に最悪の結果がよぎったが・・・。

「俺はここにいるぜ」

瓦礫をかき出しながらもエンカーは答えた。

「・・・それにしてもさっきの技はすごいね」

「本当はお前用に作ったんだがな・・・まあいい。だが欠点もある」

言いながらもエンカーは槍を拾いに歩いていく。

「まず自分も巻き込まれるかも知れねえ事・・・もひとつは槍をわざわざ取りに行かなきゃいけない事だ」

バリヤードスピアを引き抜いたエンカーの目の前に獅子の姿をしたロボットが瓦礫を吹き飛ばし現れる。

「それと最後にお前も含め、本当の強敵には通じないって事だ・・・!雑魚散らしにはちょうどいいんだが・・・・」

「グルルルルッ・・・・!」

カブキマンは唸りながらゆっくりとこちらとの距離をつめていく・・・。

カブキマンの手にはいつの間にか扇が手に握られており、そこには「風林火山」と書かれていた。

「今日の演目は武田信玄の風林火山か・・・川中島って奴かい・・・?」

エンカーはニヤリと笑みをこぼし

「だったら俺らがあんたにとっての上杉謙信・・・最大の壁になってやるぜ!」

扇の風の字が光りカブキマンが扇を一閃する。

たちまち扇から衝撃波が発せられエンカーとロックマンに襲い掛かる。

「なんてパワーだ!まともに喰らえばおしゃかだな・・・」

エンカーはあまりの威力に目を見張るが・・・。

「気をつけてエンカー、これだけじゃないようだ」

正にロックマンの言葉通りであった。

火の文字が光れば爆発に火炎放射、山の字が光ればまるで地面が意思を持ったように棘状になって襲い掛かってくる。

そして先ほどの衝撃波に加え・・・。

林の字が光りカブキマンの周りに葉っぱ状のバリアーが展開される。

「ウッドマンと同じ物?いやあいつのに比べれば性能は低そうだが・・・」

それでも高い俊敏性を持つカブキマンを相手に仮に当たっても威力を軽減されてしまうのはこの上なく不利であった。

一瞬気を取られたのが災いし一気にエンカーにカブキマンが詰め寄る。

(しまった・・・・!)

 

バシュッ・・・!

 

「ぐわあぁぁーー!」

「エンカー!」

ロックマンの絶叫が辺りに響く。

カブキマンの扇の衝撃波の一閃がエンカーの胸元を引き裂いたのである。

エンカーの傷口からはオイルが大量に噴出しそのまま地面へと倒れこんだ。

「く・・・このぉぉーーーー!」

仲間を倒され怒りに燃えるロックマンはチャージショットを放つがそれもカブキマンの「林」のバリアによって阻まれ有効打にはならない。

怒りに身を任せ連続でロックバスターを放つロックマンであったがカブキマンは軽快な走りでその全てをかわして行く・・・。

「腹をちょっと切られたぐらいでガタガタ言うな!まだ大丈夫だ!」

なんとか起き上がり大声でロックマンに叫ぶエンカーであったか戦闘により負った傷が深くその動きも緩慢だ。

「ロックマン・・・もう一回耳を貸してくれ、お前の協力を仰ぎてえ・・・・」

エンカーはロックマンを手招きして顔を寄せると思いついた作戦を簡潔に話す。

「さっきみたいに頼むぜ・・・・」

「・・・うん、分かった」

エンカーとロックマンは突然散開するとそれぞれカブキマンと一定の距離をとり始めた。

カブキマンはそれには気を咎めずロックマンに向かって扇を手に距離をつめる。

「ダアァァァーーーー!」

ロックマンは接近するカブキマンにチャージショットを放つが獅子の速さを持つカブキマンは体を横にずらすとそのままの速度でロックマンに迫る。

今まで何回も繰り返されてきた光景だった・・・・はずだったのだが。

突如チャージショットの軌道が変わり曲がったのである。

 

ドオンッ!

 

まったく予期していなかった直撃に動きが一瞬止まるカブキマン、見れば彼とロックマンの対角線上にエンカーが立っていた。

「俺のミラーバスターはエネルギーを吸い取り引き寄せる・・・・分かるなこの意味?」

エンカーはしてやったりと言った表情でカブキマンに笑みを浮かべる。

カブキマンがチャ-ジショットを避ける瞬間、彼はミラーバスターを使い軌道を変える事により獅子の俊敏さを持つカブキマンに当てる事ができたのである。

「グルルルゥゥーーー!」

カブキマンは唸り声を上げるがそれからの勝負は一方的なものであった。

ロックマンがチャージショットを放ち、その起動を微妙な操作で変え的確にカブキマンに当てていき。

仮に避ける事ができても今度は背後からエンカーのミラーバスターそのものを喰らう羽目になる。

そうこうする暇に今度はまたロックマンがチャージショットを放つ。

お互いの特性を理解しているからこそできる連携であった。

完全に彼ら二人にペースを支配されたカブキマンはなすすべなく次々と二人の攻撃に撃ち抜かれて行く。

・・・しかしそれで黙っているカブキマンではなかった。

彼ら二人の包囲網を俊敏さで脱出するとカブキマンは全力で扇を振り回し小型ではあるものの強力な竜巻を発生させた。

「ちぃ・・!体も限界だ・・・これは避けられえかも・・・」

「く・・・・体が動かない・・・」

竜巻による風力で・・・この戦いですでに限界に近づいているロックマンとエンカーは動くことすら間々ならずそのまま飲み込まれるのを待つだけかと思われたが。

「トルネードホールド!」

彼らの目の前にもう一つカブキマンのそれよりも巨大な竜巻が発生しお互いを相殺させながら上空へと消えていく。

「昨日の居酒屋からの記憶が一切、ありませぬが・・・どうやら今日は路上でゲリラ的なライブですかなカブキマン殿?」

彼らの上空に鼻を突き上げ高笑いをする天狗に似た一体のロボット。

的の外れた言動のテングマンはそのままカブキマンへめがけて扇を一閃する。

「カミカゼエェェーーー!」

扇より生じた風の塊を難なく避けるカブキマン。

「しかしあまり派手な、他の方々の迷惑をかける歌舞伎は感心しませんぞ!そしてわが宿敵ロックマンとエンカー殿!この場は万事このテングマンにお任せあれ!」

空を飛びながら調子に乗るテングマンに肩を落としながらエンカーはつぶやく。

「おまえなぁ・・・まあ今日は感謝するぜ」

「・・・テングマンありがとう」

ロックマンもやや戸惑いながらもテングマンに礼を言う。

「いやいや!礼には及びませんぞ!さあさあ主役の拙者が現れ、舞台の役者が揃った所で終幕への大立ち回りと行きましょうぞ!」

「て言う事は・・・!俺らはお前の前座かぁ!?ふざけるなーーーー!」

そんなテングマンの言葉に気を悪くしたエンカーは怒鳴り散らす。

その様子を見ていたロックマンはクスリと笑うが・・・・・その彼の体を爆風が吹き飛ばす。

「・・・・!」

突然の爆発に誰も反応できずにロックマンは地面へと叩きつけられる。

「ロックマン・・・!」

「だ・・・大丈夫・・・!」

爆発でヘルメットは完全に取れ頭から黒い髪があらわになる。

「グルゥゥゥ・・・・!」

いつの間にかカブキマンの扇の「火」の力により起こされた爆発がロックマンを襲ったのだ。

しかしロックマンはボロボロになりながらも立ち上がる。

「僕は負けない・・・これまでと同様、平和を守ってみせる!」

「ああ・・そうだな行こうぜロックマン!」

ロックマンの体を支えながらエンカーはカブキマンをにらみつける。

お互いに満身創痍とは言えこちらには新たに駆けつけたテングマンがいる・・・状況は圧倒的にこちらが有利だ。

「さあ・・・!カブキマンあんたの目を覚まさせてもらうぜ・・・!これで終幕にしようぜ!」

「・・・・カブキマン、君に何があったかは知らないけど僕は君を止める!」

「さあさあさあ!これより始まる拙者の大活躍!目にもの見せて差し上げましょうぞ!」

各々三人が別々の言葉を発しながらもカブキマンに向かって構える。

いよいよ戦いは最後の時を迎えようとしていた。

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