僕のヒーローアカデミア 手マン抹殺RTA デク憑依ルート 作:槍持
最高のヒーローを目指さないRTA、はぁじまぁるよー。
まず計測地点ですが操作キャラを選択した瞬間からUSJ襲撃中の手マンの殺害が確定した瞬間までとします。
このゲームにはいくつかのモードがあるのですが、今回はいわゆる“憑依モード”を選択します。
色々なキャラを選択することができますが本チャートではデクこと緑谷出久にじゃあぶちこんでやるぜ。
<ハァイヨーイスタート
早速キャラを選んでスタートしたのですが……暗転がナガァイ!
最初のロード時間ですが実に5分もありやがります。おっ、大丈夫か大丈夫か?
はい、憑依モードを選択した最大の理由がここにあります。
オリジナルキャラを作ってヒロアカ世界を生きていくのが醍醐味と言われる本ゲームですが、まさに架空世界を生きるというに相応しい状況を作るためにモブキャラ含め全てのNPCに独自のAIが搭載されているという激重ゲームなのです。
そのためかキャラクリをすると家族やら親族やら家庭状況やらが辻褄を合わせるために一から設定されていきます。
なのであんまり突拍子の無い個性や強力な個性を設定するとかぁなぁり、時間がかかります。
だから、原作キャラを利用する必要があったんですね。
酷い場合は1時間とか余裕でかかります。発売当初バグ報告として炎上したのですが、公式が即「仕様です(無慈悲)」と発表したことは記憶に新しいですね。
<木下ですけど、まぁだ時間かかりそうですかねぇ?
(まだ終わら)ないです。
あっ、違いますね。そろそろ終わりそうです。
<オッスお願いしまーす。
まず開始早々視界に入るのはレントゲン写真とそれを指し示して診断結果を話す老齢の医者です。
そう、原作でデクくんが無個性と診断された場面です。
通常開始年齢がランダムな憑依モードですが、デクくんに限っては4歳の無個性確定時で固定されています。
おそらく、自分が無個性と分かってショックのあまり別人格を作ったとか精神的に死んで別の魂が入り込んだとかそんな設定なのでしょう。
ちなみに通常の緑谷出久(乳幼児)スタートだとここで確定で発狂し、以降ワンフォーオール継承までは訓練などの前向きな行動ができなくなるので、やめようね!
「出久ごめんね、ごめんね…!!」
はい、解説しているうちに家に帰りついていたようですね。
さて早速行動開始です。が、いきなりのリセ多発地点です。
ここですべきなのは、引子ママの目をしっかり見つめ、強い意志を込めてヒーローを目指すことを伝えることです。原作デクくんは完全に心が折れていて駄目でしたが、このデク(?)くんの精神はそんなに軟ではありません。
ですが体に引っ張られているのか、唇は震え喉は掠れ目元には涙がこんもりと決壊を待っていますので、前向きな言葉を発するためには、なんと、激ムズQTEが発生します(4敗)
大丈夫だって安心しろよ~
ヌッ あっぶえ! 緩急つけるとかお前精神状態おかしいよ……。
ま、まあともかく、なんとかヒーローを諦めないことを伝えることができました。翌日からは肉体改造をしてOFA継承に備えた活動をしていくことになります。
具体的に言いますとダンスゥや格闘技をやりつつ、健康的でバランスの取れた食事をします。
幼い頃から筋トレをしてしまうと体格にマイナス補正がかかってしまうので仕方ないね♂
だから身体制御の感覚を磨きつつ適度な運動をする必要があったんですね。
あっ、そうだ(唐突)
引子ママの好感度稼ぎと勉強による知力上げも忘れないようにしておきましょう。
前者は憑依ルートや転生ルートなどの特殊なルートでないと彼女の過食症による肥満が回避できないのと、子供であるため行動の自由度が少ないのを補うために必須です。
後者は当然雄英入学を目指す必要があるので筆記試験をパスできないと最悪リセです(2敗)
筆記をパスできなくてもオールマイトによるコネ入学ができなくはないのですが……勉強を強要されるのでUSJまでに準備が間に合わなくなる可能性が高いのです。
さてこれからの長いルーチンワークをデクくんが開始したところでぇ、短いですがキリもいいので今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。
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引子視点
私は緑谷引子。一児の母だ。夫は単身赴任が多く、滅多に家に帰ってこない。だから実質一人で息子を育ててきたと言ってもいいだろう。
しかしそれがいけなかったのか。愛する息子、出久。出久には4歳になっても個性が発現しなかった。いつもヒーローに、オールマイトのような多くの人を助けられるヒーローになるんだと、どこまでも遮るものの無い、抜けるような青空の笑顔を浮かべるあの子に、なぜ、どうしてよりによって私の子が無個性に。
方々手を尽くして、ついに個性診断の権威と噂のお医者様に診察してもらえることになった。まさか地元のほど近くにある病院だったなんて灯台下暗しだったが。
「ここ、この骨です。見えますかな? 今時珍しいね。我々個性のある者はこの骨がないのです。ですがお子さんにはある。つまりは個性の無かった旧人類のそれと一致します。残念ながら、お子さんは無個性ですな」
何かが崩れる音がした。いや、バッグを取り落としただけだ。椅子に腰かけている愛しの息子は何を言われたのか良く理解できなかったのか、目を細めて首を傾げている。……ああ、なんてことだ。覚悟はしていた、はずだ。薄々はそうだろうと理解していた。だが、これでは夢すら見れないではないか。
今や個性の無い者は人に非ず。社会制度は個性があることを前提として組み上げられている。無個性保険なんていう、旧世界でいう障碍者年金に相当するシステムまである始末。世の中は残酷だ。
ふわふわとした悪夢の中、気付けば家に帰りついていた。
何事も無かったように出久に手洗いうがいをさせ、部屋着に着替え、夕食の準備をする。
いつもと変わらない、日常の風景。何を作り何を食べたのか。気付けば涙があふれていた。口からも憐れな我が子に対する謝罪がとめどなくこぼれる。
ふと腕が強く掴まれる。軽く目を開くと、歪む視界の向こうから出久が真っ直ぐな目で私を見上げていた。そして幾度か口を開いては閉じ、震え。もういいと言いたかった。ただ可哀想な出久を抱きしめて残酷な世界から守ってあげたかった。でも――
「ママ。ううん、お母さん。僕、僕“は”諦めないよ……! でも僕だけじゃ何もできない、届かないんだ。だからお母さんにも力を貸してほしい。僕の夢のために」
なんてことだ。そうだ。私は勝手に息子の人生を諦めてしまっていた。そうだ。辛く苦しい人生なのだから、私が諦めずに支えてあげなければならないのだ。愛する我が子のためならば、お母さんは鬼にも悪魔にもなれる。
え? バランスの取れた健康的で美味しいごはん? それにダンスと格闘技? うーん、幸い手を尽くした際に作った伝手はまだ生きている。よしっ、お母さん頑張っちゃうよ!