ペルソナ5 The wild edge 作:ザ・ファントム
12.Run through
檻の屋根、建物の壁。
様々なところを潜りぬけて行く。
途中、適当な会話を挟みつつ。
「ペルソナってなんか……出てきてるじゃん」
確かに背後になんか出てくる。
俺のはペンドラゴンだが、ノアは二つ。
狐っぽい人が出る。
どちらかと言うと、狐の耳と尻尾を持った人だな。
どっちも刀を持っている。
ノアと同じだ。
「なんかと言うか、ペルソナ自体だけど。それがどうした」
「あれって動かせないの?」
「試したことないのか?」
「だって武器あるし、叫べばよくわかんないの出るし」
まぁ認識的には便利なもの、程度。
普通の人が見れば魔法とでも思うだろう。
俺もそう思う。
「後で試してみるか。上手くやれば……戦闘のやり方も広がるかもな」
できるだけ見つからないように、走って進んでいく。
道は険しいと言うわけでもないが、ステルス行動は少し難しい。
とにかく走って走って走る。
職員棟に辿り着く。
中は昨日見た時より、何故か荒れていた。
「なんで荒れて……」
「そう言えば昨日、職員室大慌てだったからね」
「それってつまり……向こうの様子が変わったから、こっちも変わったってことか……?」
「それは違うと思う。認知世界ってやつだから、校長の認知が変わったから、こっちの世界にも影響があったんだと思う」
「……なんとなく、わかるようわからないような」
まぁつまり、認知が変われば認知世界も変わるってわけだ。
でもこれは個人の認知であって大衆の、つまり皆んなの認知ではない。
皆んなの認知が変わると、何が起きるんだろう。
「ところで、なんで先生たち大慌てしてんだ……?」
「さぁ?」
ちょっとした疑問もあったが、一旦気にしないことにして行く。
中に入ってみるが、特に人の気配もしない。
シャドウの気配すらしなかった。
探索し易いと言えば、そうなのだが。
まずは職員室へ向かう。
中はかなり荒れている。
調べてみるのも一苦労だった。
「ノア、そっちの方を調べてくれ」
「そっちって……どこ?」
「半分ぐらい」
床に沢山落ちている紙を拾ってみる。
どうやら何かの調査書のようだ。
暴行事件、らしい。
よくわからないが、ほっとくことにした。
と、ノアが向こうで手を振る。
何かを見つけたようだ。
「ノア、何かあったのか?」
「地図があった。この職員棟の設計図みたい」
「設計図……ちょっと見せてくれ」
そう言って俺はノアの隣に行く。
設計図はこの職員棟だけだ。
動物園全体図ではない。
取り敢えず、これを見つけたなら職員棟を探索すべきだろう。
が、俺一人で決めれることでもない。
ノアに聞く。
「これからどうする?」
「せっかく設計図手に入れたんだし、この職員棟探索するのが一番だと思うけど」
「じゃあ一旦詳しくみるか」
と、もう一度設計図に顔を向ける。
設計図はこの職員棟全体。
地下の部分についても書かれている。
色々は場所が書かれているが、一番大切であろう園長室がなかった。
それも当然と言えば当然だろうが。
なんせ園長=校長、つまりこの世界、パレスの核だ。
「園長室を探さないとな」
「なんで?」
「そりゃ……心、一応怪盗らしくオタカラと仮名しとく。そのオタカラがある場所は、園長室以外ありえない。はず」
「……確かに」
地図をしまい、持っていく。
隠れつつ廊下へ出ていく。
取り敢えず地下へ向かう。
地下は相変わらず、最悪だった。
と、床から大量のシャドウが現れる。
俺は仮面に手をかけ、ノアは刀に手をかける。
そして二人で同時に叫んだ。
「「ペルソナッッ!!」」
俺たちの背後に、ペルソナが出る。
さっき言っていた、ペルソナを動かせるか試す。
どうって言われても、意志的な問題だろう。
覚醒できたのも、意志によるものだから。
つまりこう動かしたいと、思考するのだ。
実際にやってみると、意外と動くものだった。
これなら俺も戦わなくても……と思ったが、そう現実は甘くない。
昨日とは比にならない数のシャドウが現れたのだ。
俺は剣を手にかけ、後ろを向く。
完全に囲まれていた。
昨日と全く同じ状態だ。
だが、唯一違う点が一つ。
万全なペルソナ使いが、二人いることだ。
「ノアッ! 行くぞ!!」
「うんっ!」
俺たちは駆け出す。
ペルソナは、その巨大な剣を振るい、シャドウを薙ぎ払う。
ノアのペルソナも似たような状況だ。
俺は一体一体確実に倒していく。
完全にどこかの無双ゲー状態だ。
そんなんだけど、数は減る様子がない。
ステルス行動が一番だな、これ。
対岸を見る。
向こうには一切シャドウがいなかった。
ならば、と戦いながら周囲を見渡す。
「ノア! 向こう岸になんとか渡れないかっ!?」
「向こう岸……って、あそこ行くの……?」
「嫌なのはわかる! だが助かるにはそうするしかないぞッ!」
「……わかった!」
そう言うと、ペルソナを近づけ、叫ぶ。
「《マハコウハ》ッ!! 《マハエイガ》ッ!!」
広範囲に渡って光と呪怨の塊が展開される。
それに飲み込まれたシャドウは跡形もなく消えたのだった。
そこを狙い、助走をつけて走る。
水路の幅はかなりでかく、今の俺たちでも飛んでいけるか不安と言ったところだった。
と、飛んで向かったのは、途中にある柱だった。
そこに足をつくと、思いっきり蹴り飛ぶ。
そして呆気なく対岸にたどり着いたのだ。
「奏っ! 早くッ!」
「わかってるッ! だがお前みたいに広範囲に殲滅系は……」
マハコウハは放てるが、あれだけでは火力が心許ない。
そもそも削りきれないだろう。
今の俺では連発だってできないだろう。
どうするか悩んだところで、昨日の剣で放った攻撃を思い出す。
俺は剣をしっかり握る。
「ぅぉぉぉぉおおおおおおッ!!!」
剣を高く掲げると、光を纏う。
それを正面に向かって撃ち放つ。
そうすると、一斉に殲滅した。
殲滅できたのを確認し、走り出す。
そしてノアと同じように対岸に渡り、急いでその場から離れたのだった。
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