ペルソナ5 The wild edge   作:ザ・ファントム

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13.Continue exploring

 シャドウたちから免れた俺たちは、設計図を見つつ、歩いていく。

 無駄に広い地下、設計図がなかったら探索もきつかっただろう。

 見つかったのはとても運が良かった。

 と、ノアが声を出す。

 

「変なところに個室があるよ。ここ」

「ん? ……確か変なところに個室があるな。行ってみるか?」

「行ってみようよ」

 

 俺たちは隠密行動を出来るだけし、先へ進む。

 個室は少し離れたところにある。

 いくらか水路を超えて行かなくてはならない。

 だが、気になるものは調べておくべきだと、先へ進む。

 

 少ししたら辿り着く。

 そこにあったのは、大量の蔦が生えた壁。

 おまけにその周辺では声が聞こえてくる。

 高尾の声が、聞こえてきている。

 怒声のような、悲観するような、わけのわからない声が。

 

 俺は剣を取り出し、蔦を切り裂いてドアを開ける。

 奥には骸が置いてあった。

 禍々しいそれが。

 

「なんだあれ?」

「さぁ……? 石みたいだけど」

「じゃあイシだ。人の意思の世界で石があるんだから、イシだ。すまん、何言ってんだろ。俺……」

「……ごめん、少し寒かった」

 

 どうでもいいやり取りをして、イシを取る。

 取った瞬間。少しだけ気力が回復したような気がした。

 どういうことかと言われると、やる気が少し出たというわけだ。

 そんな気がするだけだと思うけど。

 

 こういうところにあるって事は、ある程度貴重なものなんだろう。

 そう思うことにしておいた。

 

 元来た道を戻っていく。

 今回の目的は、校長のオタカラを探すこと。

 オタカラを見つけ出し、それを奪う。

 そして改心させて、俺の退学取り消し、ノアには近寄らせず。

 自白させる。

 自白させれば、全て解決する。

 怪盗団も、そうしてきたのだから。

 

「取り敢えず、反対側の出口に行ってみよう。なんかあればいいけど」

 

 と提案し、先へ進む。

 しかしこう移動している間は話すことがない。

 周り景色は、悲惨なもので、話す気にもなれない。

 適当な話題を出してみる。

 

「ノアはさ、好きなスポーツ選手とかいる?」

「好きなスポーツ選手? うーん……あ、新体操の最近話題の選手、ほらえっと……」

「芳沢すみれ……だっけか?」

「そうそう! あの人が好きかな。カッコイイもん。逆に奏は?」

 

 好きなスポーツ選手か。

 まずい、俺にはそういう人がいない。

 そう聞かれても困る。

 どうしようか、適当に話しといて……。

 うーん、悩む。

 

 思考を張り巡らせていると、横道になんらかの箱を見つける。

 俺はそれを指差し、言う。

 

「お、なんかあるぞ?」

「ほんとだ、宝箱かな?」

「認知世界に宝箱とかあるのか?」

「詳しくないからなんとも」

 

 俺は箱に近づき、箱を開ける。

 中にあったのは、精巧に作られた模造剣だった。

 覚醒させた時に手に入れた剣より、幾分か強そうだ。

 模造剣だからあんま変わりはなさそうだけど。

 

「カッコいいね! どうするの?」

「持って行こうかな。前使ってた剣は……代わりに入れておけばいっか」

 

 今まで使っていた剣を箱にしまい、新しい剣を腰にかける。

 そして目的地目指して、再度歩き始める。

 ノアが喋り出す。

 

「で、さっきの話の続きだけど……誰が好きなの?」

 

 ダメか、忘れさせることができないのか。

 うーん、と考えていたところで、一つ思いついた。

 

「特にいないさ。敢えて言うなら、怪盗団だな」

「怪盗団、か……なんで好きなの?」

「昔、な。色々あって俺も改心させられたんだ」

「そんな人だったの!?」

 

 昔の事を思い出しつつ、話し出す。

 

「小学生の頃の話だぞ!? ……あの時の俺はな、近所でも有名な悪ガキでな。公害指定されそうなレベルでだ」

「何したらそうなるの……」

「聞かないほうがいい、クソだから。で、まぁそんなんだから勿論改心させられた。そんときの予告状は勿論今でも持ってる」

 

 家に保管してある。

 家というより、寮だが。

 実家や、じいちゃんばあちゃんの家じゃ少し心許ない。

 田舎だから盗まれる可能性は、ほぼゼロだけど。

 

「今度見てみたいな、それ」

「ああ、見せてやるよ。で、まぁその頃が……確か斑目一流斎の謝罪会見前だったな。その頃からほぼ信者状態だった。弱きを助け、強きを挫く。まさに正義のヒーロー。年頃の俺には、ちょうどよかったんだろうよ」

「その信者状態、今も続いてるんでしょ?」

「ああ、じゃなかったらこんなことしてないさ」

 

 そう言って自分の格好を見る。

 白いコート、少しカッコいいと思ってしまう。

 厨二くさいが、カッコいいと。

 怪盗団も似たような格好をしていたのだろうか。

 もしそうなら、なんか嬉しい。

 

「あの頃は、怪盗団ブームがすごかったからね。私もあの頃は好きだったな。全く聞かなくなってから忘れてたけど」

 

 そんな会話を交わしつつ、歩いていたら、遠くに光が見えた。

 出口が近づいているのだろう。

 俺らは顔を見合わせると、走り出す。

 そして、ついに地下から出たのだった。

貴方は怪盗団が好きですか?

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