ペルソナ5 The wild edge 作:ザ・ファントム
『パレスから帰還します。お疲れ様でした』
と、スマホから声が聞こえる。
俺らは全速力で走り疲れた体を癒そうと、近くのベンチに座る。
生徒二人に教師一人、まぁ普通だ。
「……なんだありゃ……俺どうなっちまったんだよ……」
「あー……説明すると、長くなる」
「……えと、全部話します」
取り敢えず説明した。
あの世界について、仮面について。
ペルソナについて。
そして、俺たちのやっていることについて。
うんうん、と頷き喋り始める。
「つまりなんだ、お前らはかつての怪盗団の真似事をしてるのか?」
「違う、実際に心を盗もうとしている。改心させるために……」
「……なんで、改心させたいんだ?」
そこについても全て話す。
顔を怒りで歪ませて行く。
手に力が入っているのが、すぐにわかった。
「……ふざけんな。あいつッ……! 頼みがある、俺にもやらせてくれ」
「先生も?」
「ああ、実はあいつからお前らを監視しろと言われていた。だがもう言うことすら聞く気もねぇ。改心させて全ての罪を吐かせてやる……」
「それはいいけど……」
と、一つ気になったことを思い出す。
しさっきあの熊の怪物を見た時、なんか見覚えがある様子だった。
あれは認知の産物、つまりこの学園の生徒だと言うのは間違いない。
しかも先生が知っている。
「……先生、あの熊について知ってることを話してくれ」
「ああ、わかった。聞いた話によると、こっちのあの子をどうにかしないと、いけないみたいだしな」
「あいつの前で、ですけどね」
そして話し始める。
あの熊は、うちの学校の二年生にいる女の子らしい。
本来はあんな巨体ではなく、むしろ逆に女の子特有の低身長。(そこに加えちょっと可愛らしいとのこと)
だが強さはあの熊そのもので、ほぼ無敵らしい。
で、なぜ校長の守護神としていたのかと言われると、こう言うことらしい。
彼女には妹がたくさんいるらしい。
父親は随分昔に蒸発、母親は病気で死亡。
随分と大変だったようだ。
だがそんな彼女は、喧嘩はとにかく強く、そこに目をつけられたらしい。
妹たちを人質に、やりたくもない夜襲をやらされているらしい。
「…………」
ノアは絶句して、呆然としていた。
「それは、どうにかできるような問題なのか……?」
「校長の前でどうにかできるか、難しいと言う話だ。成人男性顔負けの強さを誇ってるからな。俺でも平気で負けるだろうよ」
「どうすれば、いいんだろうな」
全員で頭を悩ませる。
敵があまりにも強すぎる。
現実でも普通に勝てる相手ではないのは確実。
どうしようもないと言えば、そうだ。
「……よし! 俺からお前らに出す特別な課題だ! いいか? 明日までに対策を考えてこい!」
「はぁっ!? 理不尽すぎじゃないか先生!?」
「あ、明日まで!? 無理にも程がありますよ!?」
俺とノアは立ち上がり、先生に言う。
先生は勢いに押され、少し後ずさると言う。
「……流石に冗談だ。ま、これについてはまた明日考えよう。二人とも、これからよろしくな!」
そう言うと握手を交わす。
先生と絆というか、何かを感じる。
胸あたりがほんのり暖かくなるような、そんな感じだ。
「よし、二人とも、今日は疲れてるだろうし、真っ直ぐ帰れよ」
そう言って先生と別れた。
俺はノアと並んで寮に向かう。
と言っても、電車に乗るから駅で別れることになるのだが。
「……なんか、未だ現実味がありませんよ」
「なんかわかる。ワクワクすると言えばそうなんだけど、怖くないと言えば嘘になる。夢みたいな感じだ」
「はい……」
と、少し黙りこくる。
気づけば、周りは駅が近くにあるセントラル街だ。
今日は疲れてしまった。
早く帰って寝て、また明日だな。
怪盗団生活、これからどうなって行くんだろう。
駅に着く、俺は適当に挨拶して、別れようとしたところで、ノアに止められる。
「あ、あのっ!」
「……ん?」
「これからも、よろしくお願いします!」
そう言ってお辞儀した。
急にどうしたのだろうか。
びっくりして、俺はつい聞いてしまう。
「の、ノア!? どうした!?」
「え……と、友達ってこういう感じじゃないんですか……?」
「……ふ、普通で、いいよ?」
「そ、そうなんですね……」
少し落ち込んだ様子で、下を見る。
が、すぐに顔を上げると、俺を見る。
そして言った。
「と、とにかく! これからよろしくお願いしますね!!」
そう言うと、家に向かって駆け出していった。
俺はそれを見て、少し苦笑する。
なんとも、不器用なものだと。
俺も、ノアも。
ノアについて、少しわかった気がする……。
そのあとは特に何も起こることはなく、寮について残った一日を過ごしたのだった。
怪盗団は正義ですか?
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YES
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NO