ペルソナ5 The wild edge   作:ザ・ファントム

16 / 46
16.In search of results

『パレスから帰還します。お疲れ様でした』

 

 と、スマホから声が聞こえる。

 俺らは全速力で走り疲れた体を癒そうと、近くのベンチに座る。

 生徒二人に教師一人、まぁ普通だ。

 

「……なんだありゃ……俺どうなっちまったんだよ……」

「あー……説明すると、長くなる」

「……えと、全部話します」

 

 取り敢えず説明した。

 あの世界について、仮面について。

 ペルソナについて。

 そして、俺たちのやっていることについて。

 うんうん、と頷き喋り始める。

 

「つまりなんだ、お前らはかつての怪盗団の真似事をしてるのか?」

「違う、実際に心を盗もうとしている。改心させるために……」

「……なんで、改心させたいんだ?」

 

 そこについても全て話す。

 顔を怒りで歪ませて行く。

 手に力が入っているのが、すぐにわかった。

 

「……ふざけんな。あいつッ……! 頼みがある、俺にもやらせてくれ」

「先生も?」

「ああ、実はあいつからお前らを監視しろと言われていた。だがもう言うことすら聞く気もねぇ。改心させて全ての罪を吐かせてやる……」

「それはいいけど……」

 

 と、一つ気になったことを思い出す。

 しさっきあの熊の怪物を見た時、なんか見覚えがある様子だった。

 あれは認知の産物、つまりこの学園の生徒だと言うのは間違いない。

 しかも先生が知っている。

 

「……先生、あの熊について知ってることを話してくれ」

「ああ、わかった。聞いた話によると、こっちのあの子をどうにかしないと、いけないみたいだしな」

「あいつの前で、ですけどね」

 

 そして話し始める。

 あの熊は、うちの学校の二年生にいる女の子らしい。

 本来はあんな巨体ではなく、むしろ逆に女の子特有の低身長。(そこに加えちょっと可愛らしいとのこと)

 だが強さはあの熊そのもので、ほぼ無敵らしい。

 で、なぜ校長の守護神としていたのかと言われると、こう言うことらしい。

 彼女には妹がたくさんいるらしい。

 父親は随分昔に蒸発、母親は病気で死亡。

 随分と大変だったようだ。

 だがそんな彼女は、喧嘩はとにかく強く、そこに目をつけられたらしい。

 妹たちを人質に、やりたくもない夜襲をやらされているらしい。

 

「…………」

 

 ノアは絶句して、呆然としていた。

 

「それは、どうにかできるような問題なのか……?」

「校長の前でどうにかできるか、難しいと言う話だ。成人男性顔負けの強さを誇ってるからな。俺でも平気で負けるだろうよ」

「どうすれば、いいんだろうな」

 

 全員で頭を悩ませる。

 敵があまりにも強すぎる。

 現実でも普通に勝てる相手ではないのは確実。

 どうしようもないと言えば、そうだ。

 

「……よし! 俺からお前らに出す特別な課題だ! いいか? 明日までに対策を考えてこい!」

「はぁっ!? 理不尽すぎじゃないか先生!?」

「あ、明日まで!? 無理にも程がありますよ!?」

 

 俺とノアは立ち上がり、先生に言う。

 先生は勢いに押され、少し後ずさると言う。

 

「……流石に冗談だ。ま、これについてはまた明日考えよう。二人とも、これからよろしくな!」

 

 そう言うと握手を交わす。

 先生と絆というか、何かを感じる。

 胸あたりがほんのり暖かくなるような、そんな感じだ。

 

我は汝… 汝は我…

汝、新たなる絆を見出したり…

 

絆は即ち、まことを知る一歩なり。

 

汝、”皇帝”のペルソナを生み出せし時、

我ら、更なる力の祝福を与えん…

 

 

叛逆の教師 コープランク:1

 

 

「よし、二人とも、今日は疲れてるだろうし、真っ直ぐ帰れよ」

 

 そう言って先生と別れた。

 俺はノアと並んで寮に向かう。

 と言っても、電車に乗るから駅で別れることになるのだが。

 

「……なんか、未だ現実味がありませんよ」

「なんかわかる。ワクワクすると言えばそうなんだけど、怖くないと言えば嘘になる。夢みたいな感じだ」

「はい……」

 

 と、少し黙りこくる。

 気づけば、周りは駅が近くにあるセントラル街だ。

 今日は疲れてしまった。

 早く帰って寝て、また明日だな。

 怪盗団生活、これからどうなって行くんだろう。

 

 駅に着く、俺は適当に挨拶して、別れようとしたところで、ノアに止められる。

 

「あ、あのっ!」

「……ん?」

「これからも、よろしくお願いします!」

 

 そう言ってお辞儀した。

 急にどうしたのだろうか。

 びっくりして、俺はつい聞いてしまう。

 

「の、ノア!? どうした!?」

「え……と、友達ってこういう感じじゃないんですか……?」

「……ふ、普通で、いいよ?」

「そ、そうなんですね……」

 

 少し落ち込んだ様子で、下を見る。

 が、すぐに顔を上げると、俺を見る。

 そして言った。

 

「と、とにかく! これからよろしくお願いしますね!!」

 

 そう言うと、家に向かって駆け出していった。

 俺はそれを見て、少し苦笑する。

 なんとも、不器用なものだと。

 俺も、ノアも。

 

我は汝… 汝は我…

汝、新たなる絆を見出したり…

 

絆は即ち、まことを知る一歩なり。

 

汝、””のペルソナを生み出せし時、

我ら、更なる力の祝福を与えん…

 

 

終焉を望む者 コープランク:1

 

 

 ノアについて、少しわかった気がする……。

 

 

 そのあとは特に何も起こることはなく、寮について残った一日を過ごしたのだった。

怪盗団は正義ですか?

  • YES
  • NO
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。