ペルソナ5 The wild edge   作:ザ・ファントム

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19.メメントス

 20XX年.4月3日、月曜日。

 睡眠中。

 

「ようこそ、ベルベットルームへ」

 

 突然、声が聞こえた。

 聞いた声だった。

 青いスーツを着た女性、ロアンナだった。

 机一つ跨いで、お互いに座っている。

 俺はいつもの制服…が少しボロボロになったものを着ている。

 彼女の前には、本が一冊置かれていた。

 表紙には『ペルソナ大全』と書かれている。

 

「…何詰ませているのだ。貴様は」

「いやその…アレは無理っす。いくらペルソナ強くても、アレは無理っすよ」

 

 俺は軽く俯く。

 なんとも言えなかった。

 ボッコボコに負けてしまったのだから。

 

「まぁ、確かにアレは無理だな」

 

 そう言うと、タロットカードを取り出す。

 本を近くの床に置くと、カードを広げる。

 するとなんかカードを動かし始めた。

 なんかブツブツ呟いてることから、占いでもやっているのだろうか。

 と、いくらか動かして、全てのカードを表向きにしたところで手を止める。

 

「『運命』…今の状況を打破するには、『運命』の人がいるのか…」

「…運命の、人?」

「…早く探せ、さもなくば貴様はゲームに敗退する。そう言えばこれ言っておかねば。おめでとう、貴様はどうやら絆を生み出したようだ」

 

 そう言うと、三枚のタロットカードを押し付けてきた。

 タロットカードはそれぞれ太陽、月、皇帝だった。

 それが青い炎を出して燃えると、全て仮面になる。

 そしてもう一度炎になり、俺の胸あたりに入り込む。

 仄かに胸が暖かくなっていく。

 気持ちいいような、優しくなるような、そんな気持ちだ。

 

「なんだ、これ…?」

「今から貴様の力を無理やり覚まさせる。これをすると眼を覚ますからこれを持っていけ」

 

 そう言うと、何か書かれた紙を押し付けてくる。

 そして『S.E.E.S』と書かれた銃を俺の方に向けた。

 よく見たら、握るところにエネルギメーターみたいなのがある。

 

「…え?」

「ペルソナ」

 

 銃音が、辺りに響いた。

 

 

 

「…夢、か」

 

 俺は無意識のうちに、何かをしっかりと手を握り締めていた。

 手の内にあったのは、一枚の紙。

 上半身を起こして、時計を見る。

 今はなんと、深夜3時であった。

 俺は紙を机の上に投げ出すと、もう一度寝た。

 

 

 

 20XX年、4月4日、火曜日。

 放課後。

 

 放課後になって、俺らは仮のアジトとして屋上に集まっていた。

 

「で、変な紙を握ってた」

「何書かれてたんだ?」

「これ」

 

 そこに書かれていたのは、『メメントス』の一言であった。

 たったそれだけ、それ以外何にも書かれていなかった。

 取り敢えず、とその紙をポケットにしまう。

 関係があると言えば、やはりこれだろう。

 そう思いながらスマホを出す。

 

『ver1.5イセカイナビ起動、『人物』、場所』、『思考』を入力してください』

「『メメントス』」

『入力を確認しました。メメントスへの侵入経路を表示します』

 

 すると地図が出てくる。

 どうやら、渋谷のセントラル街近くの駅から行けるらしい。

 俺らすぐさまそこへ向かう。

 

「本当にそんなところから行けるんですかね?」

「さぁ? ナビがそこ表示してるんだから行くしかないだろ」

「奏、お前が先陣切れよ?」

「なんでですか!?」

「一応リーダーだからな」

「え、聞いてない」

 

 なんといつのまにかリーダーにされているようだった。

 悪い気はしないが、俺には重荷になっていると言うか、難しいと言うか。

 なんとも言えない。

 と、話し込んでいると、駅に辿り着く。

 ナビには地下に行くように書かれている。

 俺たちはその指示に従い、地下へと向かう。

 

 するとそこは、赤く変化した地下鉄であった。

 電車は走っておらず、変に行き止まりが沢山ある。

 そしてなんと、俺らの姿はイセカイでの姿になっていた。

 

「お、おお…! なんだここ?」

「さっき言ってたメメントスじゃないんですか。俺はそこまでわかんないですけど…」

「メメントス、なんか怖いね」

「それはわかる気がするぞ、ノア」

 

 俺たちは辺りを見渡し、誰もいないことを確認すると、駆け出した。

怪盗団は正義ですか?

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