ペルソナ5 The wild edge   作:ザ・ファントム

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2.Wait for the beginning

「取り敢えず、俺の自己紹介しとくぞ。俺はこの1-Gを担任する、織田 慎太郎って言う。よろしく頼む」

 

 そう言って軽く礼をすると、言葉を続ける。

 この後の予定を話しているようだが、俺はスマホのことが気になって仕方がなかった。

 あのナビはまだ付いている。

 先生の名前が出た時、スマホからまた声が聞こえたが。

 

『該当しません。パレスが存在していません』

 

 と、それだけ聞こえてきた。

 やはり、よくわからない。

 理解できないものだ。

 気になりつつも、予定を聞いておかないと、大変なので先生の言葉に耳を傾ける。

 

「この後、すぐに全校集会がある。各自適当に移動してくれ。席は適当だが、クラス別に分けるからな。いいな」

「先生! 全校集会って何するんですか?」

 

 と、誰かが声を上げる。

 別段気になることでもないし、聞く必要もないと思うのだが。

 と、思いつつも、聞き続ける。

 

「全校集会は……何すんのかって言われると、取り敢えず校長先生の有難い話を聞いて、そんで色々と、話をする。そんだけだ」

 

 校長先生っつたら……確かこの学校がここまで大きくなって、俺みたいな田舎もんが知るレベルで有名になったのも、そこの校長先生がこの学校に就任したから、って話だ。

 あまり詳しくは知らないが、人当たりが良く、誰にでも優しく接し、生徒に対し親身になって話を聞く、まさに先生の鑑のような人らしい。

 そう聞くと、この全校集会は意外と有意義なものかもしれないな。

 

 そして大体の事を伝えると、先生を去っていく。

 俺はスマホをもう一度取り出し、スマホの画面をホームに戻し、『イセカイナビ』を消去した。

 使い道がよくわからないアプリは、あっても意味がないからだ。

 

 そして全校集会がある、競技場へ向かう。

 最大で3000人超入ると言われる、巨大競技場だ。

 これも、校長先生の力で設立したそう、壮絶だな。

 

 競技場に入り、自分のクラスのところへ向かう。

 だが、席はほとんど埋まっていた。

 昔から仲良かった組でまとまった感がすごい。

 

 俺はしょうがなく空いていた席に座るために、隣の人に声をかける。

 するとなんと、隣はあの少女であった。

 

 これはまさか、まさかまさかの運命だったり?

 

 な、わけないか。

 そんな都合いいもんあるわけないよな。

 それに、こんな美少女、俺と釣り合うかと言われたら全然だ。

 地味な俺がこの人と……なんて、あり得るわけがない。

 

「あの、隣いいですか?」

……いいですよ

 

 小さく呟いただけだが、返事してくれた。

 俺は隣に座る。

 生徒が多いだけに、準備に時間がかかっているようだ。

 まだ座っていない人も沢山いる。

 

 と、そんなこんなで数分待っていると、始まった。

 競技場全体が暗くなり、中心だけ点灯される。

 なんかすごい。

 

 と、中央に校長が現れる。

 それと同時に。

 

「「「「うおおおおおおおおおおおッ!!!!」」」」

 

 競技全体、と言っても一年生を除いて、ほぼ全員が歓声を上げる。

 どうなってるんだ、これ。

 軽く引いてしまう。

 いくらすごい先生だからと言って、ここまでなるものだろうか。

 ……それに見合った実力があるということ、なんだろう。

 

 と、適当に納得づける。

 

 肝心な校長の外見は、少し脂ぎった体に、チラチラ見えるハゲ頭。

 それにデブだ。

 外見だけだと、好かれるようにはどうも見えない。

 テレビとか一切でないから、どんなのかと思ったが、あんなのとは……。

 

 隣を見ると、少し震えて、何故か怯えている様子であった。

 どうしたのだろうか、そんなに嫌いな外見だったのだろうか。

 汗も出てるし、相当だぞ、これ。

 

 そんなこと考えていると、校長が話し始める。

 

「新入生と在校生の皆さん、いつも楽しく暮らせているでしょうか。私は、校長の高因(こういん) 高尾(たかお)でございます」

 

 と、汗を拭きながら言う。

 そんな時だった、スマホが少し振動したと思うと、少し見ていた景色が歪む。

 それと同時に、スマホから……。

 

『ヒットしました。『場所』と『思考』を入力してください』

 

 この声はと思い、スマホを取り出す。

 するとなんと、消したはずのイセカイナビがあって、勝手に開かれていた。

 そして入力欄に、校長の名前が載っていた。

 どうなってんだと思いつつ、スマホをしまう。

 起動してしまったものは仕方がない。

 放置するしかないだろう。

 

 そしてもう一度校長の話を聞く。

 

「ええと、今年も我が学校は素晴らしい日を迎えることが出来て、とても嬉しく思っています。そう言えば、今年は校舎が新しくなりましたね、おかげさまで校長室も新しく……」

 

 みんなは笑ったりして聞いている。

 おおらかな学校だ、と言えばそれまでだろう。

 

 と、もう一度景色が歪む。

 もしかしてと思い、スマホを見る。

 すると声が聞こえてきた。

 

『ヒットしました。『思考』を入力してください』

 

 みると、欄には学校と入力されていた。

 

 思考、なんだろうな。

 ここまで来たのなら、全て解いてやりたい気分に駆られる。

 そう考えていると、隣の少女が俺がスマホを見ていることに気づいた。

 横目でこっちを見ているのだ。

 俺は急いでスマホをしまって、話を聞き始めた。

貴方は怪盗団が好きですか?

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