ペルソナ5 The wild edge   作:ザ・ファントム

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21.刈り取る者

 あ 俺たちはすぐさま後悔した。

 その後悔すら意味はないのだが。

 二丁拳銃を持ったバケモノは、俺らの方を向く。

 俺らは咄嗟に叫ぶ。

 

「「「ペルソナッ!!」」」

 

 ペンドラゴン、テンコ、クウコ、ノブナガ。

 それぞれのペルソナを召喚する。

 まず奴は、その二丁の拳銃で、カースのペルソナ。

 テンコとクウコを狙い撃つ。

 たった一撃、だがその一撃によって、大きく飛んでいく。

 

 ペルソナのダメージはー全て自分に返ってくる。

 血などは出ないが、体力が大きく削れるし、痛みがある。

 今のはかなり辛いと思う。

 

 壁に打ち付けられたカース。

 意識を失ったのか、格好が解けてしまう。

 俺たちは少し呆然とする。

 ハッとしたロードが、追撃を与えようとする、奴の前に立ちはだかる。

 それを見て、俺も遅れながら動く。

 

「『エリゴール』ッ!」

 

 ロードがノブナガの火縄銃で一撃を与えた。

 奴は狼狽えることもなく。進んでくる。

 だが前に立ちはだかられたからには、退かさねばならない。

 それが功を成した。

 多少時間を稼ぐことができ、エリゴールでノアを少し離れたところに避難させる。

 そして俺とロードは、構えて同時に叫ぶ。

 

「「《アギラオ》ッ!!」」

 

 二つのペルソナから放たれる豪炎が、敵を飲み込む。

 だがその一撃でも、かすり傷すら入っていなかった。

 俺たちでは、全く敵わないのだ。

 あまりにも、強すぎる。

 絶望的すぎる。

 これではもう、無理だ。

 俺のペルソナが、銃弾によって、貫かれた。

 

 

 

「目を覚ませ。罪人」

「はっ!? …な、ベルベットルーム…?」

 

 なんともイラついた様子で、ロアンナはいた。

 それを見てわかる。

 俺負けたな、と。

 普通に負けたなと。

 

「何負けているのだ、貴様は」

「いやあれは…少しおかしいっすよ」

「…まぁ、確かにアレはあそこで会うべき者ではないだろう。だが、力量を見誤った貴様が悪い」

 

 それは無茶というものだ。

 素人が、敵の力量を見破れるはずもない。

 それにアレは咄嗟の行動だ。

 ある意味ではしょうがなかったと言えよう。

 多分。

 

「まぁいい。数分とは言えよく生き延びた。そこは褒めてやるとしよう。もうそろそろ、終わるころだしな」

「終わる? 何が?」

「戦いがだ。貴様の代わりに、別のやつが倒しているようだぞ」

 

 先生か? 

 いや、違うだろう。

 明らかに、先生一人で倒せるような敵ではない。

 ならば、ノアが見たという人影、だろうか。

 流石にこればかりは見て見なければわからない。

 

「…これでも貴様には期待しているのだ。かつて世界を変えた、トリックスターみたいにな」

 

 なんか、ロアンナのことが、少しだけわかった気がする。

 

 

我は汝… 汝は我…

汝、新たなる絆を見出したり…

 

絆は即ち、まことを知る一歩なり。

 

汝、”正義”のペルソナを生み出せし時、

我ら、更なる力の祝福を与えん…

 

結末を見届ける者 コープランク:1

 

 

 俺の目の前に一枚のタロットカードが落ちてくる。

 それは青い炎に包まれる、心に入り込む。

 胸のあたりがほんのりと暖かくなった。

 

「正義、か。さて果て、貴様は本当に正義を見つけられるのだろうか。その未覚醒のペルソナで…いや、未覚醒なのは彼女の同じだったな」

「え、それはどういう…」

「残念ながら時間だ。その質問に対する答えは。自分で見つけろ。だ」

 

 その言葉とともに、俺の意識は深く、落ちていった。

 

 

 

 俺は意識を取り戻す。

 飛び上がって、周りを見る。

 先生は姿が戻って、気絶している。

 俺たちは全員負けたようだ。

 だが…死んではいない。

 どういうことだろうか。

 と思っていると、前方から、轟音から聞こえた。

 

 土煙で、少し見え難いが、アイツが、あのバケモノが、たった一人にやられている姿は見える。

 土煙から現れたのは、フードを被り、機械のよう仮面をつけた、全身タイツの人だった。

 口を覆い隠すように、マフラーしていて、腰には何本も刀を持っている。

 そして背後には、ペルソナがいた。

 

「滅ぼせ。ギゲンイヴ」

 

 そう言った瞬間、バケモノはそのペルソナに打ち破られる。

 つまり、あの人が勝ったのだ。

 たった一人で。

 

「…刈り取る者、十五体目撃墜完了。人格改変を始め…」

 

 そこまで言ったところで、俺に気づく。

 と、次の瞬間、音もなく俺の目の前に立つ。

 

「誰?」

 

 声は特殊に変質していて、聞こえづらい。

 おかげで、性別も分かりづらかった。

 いや、知らなくてよかったのだろう。

 もし知っていたら、どうなっていたかなんて想像がつく。

 たった一人であの戦力、そしてこの感じ。

 命の危機を感じるというもの。

 

「邪魔しない、ならいい」

 

 勝手に自己完結し、俺の目の前から去っていく。

 少し、ちびりかけた。

 俺は数分後、我に帰る。

 そしてノアと先生を抱え、メメントスから脱出したのだった。

怪盗団は正義ですか?

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