ペルソナ5 The wild edge 作:ザ・ファントム
20XX年、4月5日、水曜日。
代休、朝。
今日は、土日にあった学校の代休日である。
昨日は散々であった。
ペルソナ、つまり内なる自分がやられたからだろう。
疲労で全身が重い。
疲れとか、そんなレベルじゃなくて、出歩きたくない。
あの後俺たちは、全力で地下から出た。
出た時には、もう夜だったのだ。
既に疲れていた俺たちは、とにかく帰ることにしたのだった。
そして俺は、寮に着くなり倒れて…。
あれ、玄関で倒れたはずなのに、何故家の中に。
と、ノックが聞こえる。
鍵もかかっていないので、誰かが入ってくる。
そこに立っていたのは、この寮の管理人。
「おい坊主、大丈夫か?」
「あ、ありがとうございます」
「ふんっ、大丈夫だったらいいんだ。何故昨日あんなとこで寝ていやがった」
「いやその…それは、色々ありまして…へぇ」
適当に誤魔化すしかないだろう。
怪盗行為してました。
それを言ってみろ、阿呆らしいだろう。
「ま、あんま深くは聞かねぇさ。しっかり休めろよ」
そう言うと俺の部屋から出て行った。
迷惑をかけてしまった…。
今度手伝いでもしようかな。
と、突然スマホが鳴り出す。
ノアからであった。
『もう起きてますか?』
『昨日はその…』
『迷惑かけました』
『そうですか』
『その、お疲れのところ悪いんですけど』
『この後、出かけられますか?』
どうしよう。
疲れてるけど…でも、仲を深めるにはちょうどいいかもしれない。
ノアのこともよく知りたいし。
行ってみようかな。
『そうですか!』
『ならブチ公前で待ってますね!』
そう言って連絡を終える。
ブチ公前か、まずは着替えなくては。
筋肉痛が響く体を起こし、着替えを始める。
持ち物だが、そう持っていくものもないだろう、と思いスマホの財布をポケットに入れる。
いくらあったかは忘れたが、定期で乗れば金はかからない。
通行費はそう気にすることでもないだろう。
最低限、食事程度はできる、はず。
俺は準備を終え、向かう。
俺の寮は四軒茶屋と呼ばれる場所にある。
少し歩けば駅があって、通り道には少し寂れた喫茶店、武見内科医院と書かれた診療所。
他にはバッティングセンターや銭湯など、色々ある。
そんなよそ見して歩いていたものだから、人にぶつかる。
「あ、ごめんなさい」
「ああ、大丈夫」
エプロンをしているところを見ると、喫茶店の人だろうか。
くせ毛で、眼鏡をかけている。
レンズの具合を見たところ、伊達眼鏡だろうか。
なかなかにイケメンである。
その人と特に会話があるわけでもなく、進む。
話を戻すと、四軒茶屋は渋谷の隣。
つまり電車ですぐ。
電車から降りて、少し歩けばブチ公前に着く。
ブチ公前には緑色の電車もあるから、かなりわかりやすいだろう。
そんなこんなで、駅に着いて地上に出る。
ブチ公前はすぐそこ。
ノアは特徴的な髪の毛の色をしているからわかりやすい。
すぐさま見つけた俺は、声をかける。
「ノア、待ったか?」
「今来たところです!」
「そっか、それでどこ行くんだ?」
「単純に買い物です! 実は私も東京に来たばかりなんで、見ておきたいんです!」
それも加えると、いい機会だ。
どんな町か、俺もまだ知らない。
知っておくべきなんだろう。
と、言うわけで早速色んな場所へと向かう。
これは、初めての体験である。
何故って、簡単に言ってしまうと、俺の実家が田舎だからだ。
一時期、色々あって引きこもったりしていたから、まともに友達もいなかった。
だから、初めてなのである。
正直、楽しい。
様々な店を周り、道中のカフェで休憩をする。
「いやー、すごいですね。これが都市ですか」
「ああ、びっくりだな。少し迷いかけちまったよ」
コーヒーを飲んで、駄弁る。
なんとも言い難い感情に包まれる。
と、ノアが話し始める。
「…あの、今日はありがとうございました」
「いや、いいんだよ。俺も来てみたかったしな」
少しだけ、間が空く。
そしてノアが喋り始める。
「その、こんな時になんですが…聞いてくれませんか。私の昔話」
そう言うと語り出す。
まず、幼少期の頃の話だ。
彼女は、父親に捨てられた。
そう、あの男に。
だから母親は水商売をしなくてはならなかったことを。
「私、お母さんのこと恨んでいません。それどころか、大好きです。でも、もう…」
「…」
「おとう…いや、あいつは、何で私たちのことを、捨てたんでしょうか」
何も言うことができなかった。
その質問に答える権利がない、いや普通に度胸がない。
口出しして、変なこと言ったりしたら、それこそ終わりだ。
だから、聞いているだけだ。
「ご、ごめんなさい! こんな暗い話して…」
「大丈夫。俺も似たようなことあるからさ…」
「…その、今度でいいんですけど、また話聞いてくれますか?」
「ああ、いくらでも聞くさ」
「ありがとうございます!」
ノアのことが少しわかった。
「それではまた」
そう言って、お互いに別れたのだった。
怪盗団は正義ですか?
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YES
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NO