ペルソナ5 The wild edge   作:ザ・ファントム

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26.Shoot a stone eye

 あたしは、目の前で起きている事象が全く理解できずにいた。

 目の前にいるのは、巨大な熊。

 どことなくあたしに似ている熊だ。

 そしてそれと戦う、先公と名前も知らない生徒たち。

 

「お、おいっ! ナイト! 数が多すぎやしないかッ!?」

「しかも無駄に強いよ!?」

「あ、『アメノウズメ』ッ!! 《マハガルーラ》ァッ!!」

 

 そう叫んだ彼を中心に、突風が巻き起こる。

 理解が、できない。

 今起きている目の前状況が、何度考えても理解が追いつかない。

 あたしが手出しできるような問題ではないのは確かだ。

 そんな時だった、声がした。

 一人の男の、あたしが恨んだ。

 殺したかった、そして殴りたかった。

 あの男の声が。

 

「やぁ、向こうの守護神ちゃんもこっちに来たんだね」

「テメェ…ッ!」

 

 あたしは拳をギュッと握る。

 奴はそれを見て、ただ嗤う。

 嘲笑う、あたしを、彼らを。

 

「ぶっ殺すッ…!!」

 

 あたしは走り出す。

 奴を殴るために、一撃を打ち込むために。

 だが、そんなあたしの前に、シャドウと呼ばれる奴らが立ちはだかる。

 あたしはそれを、無理やり乗り越えようとするが、一体のシャドウから繰り出される一撃に、叩き落される。

 

「がっ…!?」

「先輩ッ!」

 

 後輩、一人の男があたしの前に立ち、仮面に手をかけると叫んだ。

 

「アメノウズメッ!」

 

 そう叫ぶと、閃光が走る。

 それに目を眩ませたシャドウたちが、バランスを崩し倒れる。

 男、ナイトと呼ばれた奴はあたしを抱えると、後ろヘ下がる。

 

「所詮はその程度、か。君は、そちら側についのかい?」

「ッ…!?」

「いいんだね? 君の妹さんたちがどうなっても」

「妹な関係ねぇだろうがァッ!!」

 

 あたしは叫ぶ。

 そんなことは、許さない。

 妹たちのために、何人殴ってきた。

 葬ってきた、その手を血に染めた。

 言いなりになんて、なりたくなかった。

 しょうがなかった。

 

「残念ながら、そこにいると言うことは、そう言うことなんだろう?」

「クソが…クソがクソがクソがァッ!!」

 

 否定したかった。

 もう嫌だ。

 あたしは膝から崩れ落ち、床を殴る。

 

「…先輩」

 

 何か悩みつつもその男、ナイトは言う。

 

「それで、いいんですか」

「いいわけ…ねぇだろうがぁぁぁあッ!!」

 

 ああ、そうだ。

 全部、全部全部、しょうがないなんて、いいわけだ。

 あたし自身の力で、抗えばよかったんだ。

 ならもう、もう奴に、屈してたまるか。

 

 その瞬間だった、あたしの頭に激痛が駆け抜ける。

 

『そう…決めたの。決めたのね?』

「ああ…決めてやったよ。もうあたしは、屈しないってな」

『…いいわ、貴方を縛っていたのは、契約と言う名の呪縛。それを今解き放つの』

 

 痛い、ああ、痛い。

 でも、最高の気分だ。

 あたしは仮面に、手をかける。

 

『これより貴方は、戒めを背負うの。自由と言う名の戒めを。我は汝、汝は我。さぁ、一生に一度の門出を飾りましょう!』

 

 自然と、ニヤける。

 それを聞いたあたしは、仮面を無理やり剥がし、ただ叫んだ。

 

「眩み潰せ…『メドューサ』ッ!!」

 

 発現と同時に、バットを手に駆け出した。

 

 

 

 ──────────────────────

 

 

 

 先輩が、ペルソナを覚醒させた。

 先輩の背後にいるのは、巨大な蛇女。

 まさにそのその通りと言わんばかりのそれだ。

 バットを片手に走り出した先輩は、シャドウの軍団に突っ込んでいく。

 そして叫んだ。

 

「《ガルーラ》ッ!!」

 

 先輩を中心に突風が巻き起こる。

 そして周りにいたシャドウたちを吹き飛ばした。

 だが数が減る気配はない。

 

「先輩ッ! 今は撤退だ!」

 

 俺の方を横目で見て、軽く頷く。

 背後に下がってきて、一度四人で集まると、シャドウを蹴散らしながら、元来た道を戻ろうと走り出す。

 だが、熊が立ちはだかった。

 すると先輩は、熊の前に立ち、ペルソナを出す。

 何をする気なのだろうと、思っていた次の瞬間、背後に立っていたペルソナが目を光らせ熊を睨む。

 襲いかかろうとしていた熊は、一瞬でその体を石に変えた。

 

「行くぞッ!」

 

 俺がそう叫ぶと、みんなとともにその場から脱出し…。

 

 

 

 学校の前に立っていた。

 

「…はぁ、はぁ…なんだよあれ…」

「あー…っとだな。リーダー、説明してやれ」

 

 と言うことで、全部説明したった。

 あの世界のことも、ペルソナも。

 そして怪盗団をやっていることも、全部話した。

 まさか先輩がペルソナに覚醒するとは。

 予想だにしていない展開であった。

 だけども、強さはそれ相応だ。

 とにかく全部説明すると、頷いていた。

 

「よくわかった…とにかくだな、まずはテメェらの名前教えてくれねぇか?」

「あっそうですよね。私たちの名前教えてませんでした」

 

 自己紹介を簡潔に済ませる。

 色々納得した様子の先輩は、俺たちを見て言う。

 

「…で、なんだ。校長になんて言えばいいんだ」

「乗ってくれるのか?」

「ああ、ンだがな、条件がある。あたしも連れて行け、いや協力させろ。いいな」

「喜んで、戦力は多ければ多いほどいいからな」

 

 と言うわけで、話は全部纏まった。

 亜里沙と呼べって言われたからそう呼ぶが…。

 亜里沙は3日後までに認知を変えると言った。

 それまでは待ってろとの話だ。

 もう少し、もう少しで改心させれる。

 その時、この学校の闇を晴らせる。

 正義で正せるんだ。

 

 

我は汝… 汝は我…

汝、新たなる絆を見出したり…

 

絆は即ち、まことを知る一歩なり。

 

汝、”運命”のペルソナを生み出せし時、

我ら、更なる力の祝福を与えん…

 

怒りに身を焦がす少女 コープランク:1

校長が償うべき罪の名は?

  • 傲慢
  • 強欲
  • 色欲
  • 暴食
  • 怠惰
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