ペルソナ5 The wild edge 作:ザ・ファントム
20XX年、4月17日、月曜日。
朝。
それはまさに突然であった。
朝会が終わって、生徒全員、教師全員が目にしたのは、大量に貼られた『予告状』。
誰もかれもが驚き、噂した。
かの怪盗団の再来だと。
ただ数人を除いて。
「な、なんだねこれは! 監視カメラは!?」
「こ、ここにはありません!」
教師は狼狽、校長が出てくる前に片付けようとする。
だがその膨大な数の前では、いくら頑張って無駄である。
「そりゃそうだ。俺たちが必死こいて…はぁ…疲れた」
と、奏は呟く。
そう、奏と慎太郎が話があると抜けて出た。
そしてその時、二人で必死に貼っていたのだ。
途中、ほぼ投げ出し状態だったのだが。
「どうした? 奏」
「いや、なんでもないよ。英治」
辺りにいる生徒は、とにかく騒いで写真を撮ったりしていた。
誰もが興味津々である。
「なにこれ!」
「怪盗団だって…」
「心の怪盗団!?」
「7年前のアレだろ?」
「イタズラじゃないのか!?」
「てか、うちの校長に向けて…? 嘘でしょ…?」
騒ぎはどんどん大きくなっていく。
すると、やはりと言うかなんというか。
校長の目にとまる。
そして向こうから、それを見に来たのだ。
四人はそれぞれ身構える。
警戒とかそういうわけではないが、やはり緊張すると言うもの。
「な、なんだねこれはッ!!」
そこに現れた校長は大きな声を出す。
誰も聞いたことがないような、大きな声を。
それを聞いた生徒たちは、一斉に静まり返る。
教師も同じだった。
「…あ、いやなんでもない」
周りを落ち着かせようとするが、生徒たちは騒つく。
当然と言えば当然だろう。
なんせ、今までのイメージが完全に崩壊したからだ。
今ので、全てのイメージがだ。
そんなの時であった。
四人と、校長の空気が変わる。
全く別のものへと。
『ふん、やってみるがいい。盗めるものなら盗んでみろッ!!』
その言葉に、今までの落ち着きは一切なかった。
それは同時に、追い詰めている証拠となったのだ。
と、一瞬で空気が戻る。
「!?」
「な、んだ…? 今の…」
「何が、起きたんですか…」
「ンだよ…今の…」
そんなことをそれぞれ呟く。
一方、ハッとなった教師は声を上げる。
「ぜ、全員教室に戻りなさい!」
20XX年、4月17日、月曜日。
放課後。
「見たか! あのクソ校長の慌てようよ!」
「それでいいんですか、先生…」
「ああ、これでいいんだ。奏」
教師である、織田慎太郎は。
なんともスッキリしたような表情と、笑みを浮かべていた。
奏を除いた他三人も似たような状態であった。
奏に関しては、怒りはあれど、恨みはないのだ。
「…さてみんな、準備、できてんだよな」
「当然です!」
「ああ」
「当たり前だろ」
それを確認した奏は、スマホを取り出す。
そして言った。
「行くぞ!」
玄関へ向かい、イセカイナビを起動した。
「リーダー。今回はお宝に一直線だ。余計な道草はくわねぇぞ」
「当然だろ。ロード。そんなことしないよ」
「さぁ行こう!」
四人は走り出す。
オタカラ目掛けて先へと。
シャドウを気にすることもなく、前へ前へと。
それは自信の表れか、はたまた仲間がいると言う心強さ故か。
以前校長を見かけた窓を覗く。
だがそこに校長はいない。
それを確認した四人は、飛んで部屋に入る。
そして走って奥へ行く。
あのモヤモヤがあった部屋に。
中へ入り、四人はそれを確認する。
そこにあったのは、以前のモヤモヤではない。
正真正銘、オタカラだ。
「す、すげぇ! なんだありゃ!?」
「ンだこれ…全部札束だぞ…!? いくらあんだよッ!?」
「おい! アタッシュケースがあったぞ! これに入れれば、ちょうどいい感じじゃないか?」
「うん、いい感じだと思う」
四人で積めこんでいく。
その膨大な数に積み込めるか心配になっていたが、なんとか入りきったようだった。
それを確認し、ナイトが声を上げる。
「脱出だ!」
ロードがアタッシュケースを抱える。
三人は一斉に答える。
「「「おう!」」」
来た道を戻る。
そして校長がいた部屋から出ようと考えていたところだった。
通路に出たところで校長が立っていたのだ。
と、それと同時に、アタッシュケースに電撃が走る。
「いてぇ!?」
「ど、どうしたロード!?」
「いや急に電気が…」
「…ふっ、ふっふっふっ。それは私の特製アタッシュケースだよ」
落としたアタッシュケースから車輪が生える。
そして校長の元に走って行く。
そしてそれを回収した。
「…よくも、まぁ。ここまで来たものだ」
「テメェ…!」
「君たちに、これを持っていかれるのは実に困る。私の世界のコア、だからね。これは」
「ああ、知ってるとも。だから持ち帰ろうとしてんだろうが」
「これがなくては、私と言う歪みは生きていけない…だがこのままいては抵抗できずにやられてしまう」
「それが一番だけども?」
だからな…。
と言って、ニヤリと歪んだ笑みを作る。
「私は私なりに、抵抗することにしようッ!!」
そう言った瞬間。
校長の体が歪み始める。
そしてどんどん形を変えていき…。
それはなんともおぞましい、バケモノの姿へとなった。
「サァ! 痛イ目ミテ貰オウカッ!!」
貴方は怪盗団を支持しますか?
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