ペルソナ5 The wild edge 作:ザ・ファントム
「『モスマン』! 《ジオンガ》ッ!!」
奴が突撃して来たところに当てるように、が叫ぶ。
そして背後に現れたペルソナは、雷による一撃を叩き込む。
そこに追撃するかの如く、カースが飛び上がる。
そして二本の刀を逆さに持つ。
まるで牙のように。
ペルソナも同じように、両方が逆さに持った刀を刺し穿つ。
まさにそれは二連の牙だ。
「《コウガ》! 《エイガ》!」
二種類の攻撃が放たれる。
奴の足元から、一斉に光の呪怨が襲いかかる。
それを受け、少しよろけるが。叫び声を上げ周囲に雷を撒き散らす。
カースはそれを避けるように離れる。
だが奴は、それを見ると撒き散らしつつカース目掛けて走り出した。
「なっ…!?」
「させるかッ!! 『スザク』ッ!! 《フレイラ》ァッ!!」
遠方からペルソナの攻撃が叩き込まれる。
核熱による一撃。
それがまともに決まったのか、横に倒れる。
カースの隣に、ペルソナの出す風を巧みに操り、上手く飛んできたハンターがいた。
「大丈夫だな?」
「う、うん…なんとか…」
立ち上がってみせると、その場から離れる。
途中、ロードの方を見ると、なんとか行っているようだ。
目的地までは遠そうではあったが。
(ふぅ…これ、いつまで持ちこたえられるか、わかんないな…)
ナイトは、二人を見る。
なかなか傷ついている様子であった。
ペルソナを使い回復させることもできるのだが、距離がまあまあ離れているのだ。
向こうに行っている時間、奴にバレてしまえば突撃される。
ペルソナで耐えることができるが、それも少しだけの間だ。
(…とにかく、奴の動きを止めないと)
奴が二人を見つけ、襲おうとしていたところを見てそう考える。
立ち上がろうとするが、足が上がらない。
ナイトの体も、限界が来ていたようだった。
(やばい…こんなところで、倒れるわけには…いかないのに…!)
そう思うが、一向に立つことができない。
体が言うことを聞かないのだ。
そしてついに、ナイトは倒れる。
戦いの中で…。
「貴様、そこで終わるつもりか?」
「はっ…!? こ、ここは…ベルベットルーム…?」
「ふん、せっかく褒めてやろうと思っていたが…あの結果では褒めることもできんな」
「いや、まだ負けてないんですけど…」
そう言うと、ロアンナは笑う。
奏は少し驚いて、体を震わせる。
「はっはっはっ! それもそうだな。いいだろう、貴様にとっておきのものを紹介する」
そう言うと、銃を机の上に滑らせ、奏の目の前に置く。
この前見た、あの銃だ。
『S.E.E.S』と刻まれた、あの銃。
なぜそんなものを…と、奏は考えるが、それを手に取る。
「今、決別の時は来た。己の中に眠るソレと、決別しようじゃないか?」
「『エリゴール』、『アメノウズメ』…」
考える間も無く、奏は二つのペルソナを呟く。
すると背後に、その二体のペルソナが現れた。
それを感じ取ると、奏はゆっくりと銃口を頭にくっつける。
そして引き金を引いた。
辺りに響き渡る銃音。
ただ、貫かれたのは頭ではない。
頭から出てきた、二つの仮面であった。
その二つの仮面はどちらも真っ二つに割れる。
自然と、二つはくっついていく。
そして産まれた。
新たなペルソナが。
「『ハイピクシー』、か…」
それを受け、奏は口角は大きく上げる。
「さぁ行けッ!! 自身の罪に戸惑う罪人よッ!! 貴様の運命を今、大きく変えてみせろッ!!」
(ンとな…流石に…これは、まずいぞ…)
ハンターは立ち上がろうとするが、壁に縋るのに精一杯だった。
カースも同じだ、雷による一撃があまりにも重すぎた。
奴は唸りながら、こちらへ徐々に近づいてくる。
と、叫び声を上げた、その瞬間だった。
「《ドルミナー》」
「フゴォッ!!?」
奴は少し声を上げると、横に倒れる。
そしていびきをかきはじめた。
「《メディア》…大丈夫、だったか?」
「あ…ああ、なんと、か…」
「私も、なんとか大丈夫、かな…」
近づいて、傷が癒えていく二人を見る。
無事だったことに安心し、ホッとした。
その瞬間、奴は立ち上がる。
眠りが浅かったようだ。
壁際でギリギリ。
回復していたが、結局やられるのは時間の問題だった。
精神的にも追い詰められていたのだから。
どうしようか考えていた三人。
その時だった、笑い声が部屋に響き渡る。
「ハハハハハハッ!!! …何発か雷にぶち当たったが、なんとか辿り着いてやったぜ…へ、ヘヘッ…!」
「ウゴァァァァアアアッッ!!!」
奴は声にならない叫び声を上げる。
そしてロードのいるところに向かって突撃しはじめた。
だが、もう遅い。
「行くぜリーダー。後は頼んだぞ。お前ら」
鎖にぴったり銃口をくっつけて、放つ。
パキンっと言う、なんとも言えない軽い音とともに、鎖が千切れた。
上にあった牢屋が一斉に落ち始める。
それは次々に奴へと当たっていく。
落ちてきた生徒たちは、食べることもなく消滅していく。
「ガァァァァアアアアッッッ!!!?」
バケモノは、遂にその巨体を倒した。
牢屋が落ちる中、奏は駆け出す。
さっきハンターがやったように、ハイピクシーのガルを使いながら、落ちる牢屋の中を駆け抜けていく。
が、やはりそれでも避けきるのは難しく…。
「《五月雨斬り》ッ!!」
カースのペルソナが、牢屋を粉々に砕く。
それによって、ナイトの頭上に牢屋が落ちることはなかった。
「《ガルーラ》ァッ!!」
ハンターが叫び、風が巻き起こる。
それを巧みに乗り継ぎ、駆け抜けていく。
そして飛び上がると、その巨体に向かう。
「来い…『ペンドラゴン』ッ!!」
ナイトはその剣を両手で握って構える。
剣が徐々に光を纏っていく。
ペルソナの剣も同じであった。
目の前まで来たところで、同時に放つ。
「《カリバーン》」
ただ、呟く。
その一撃、極光を。
牢屋が全て落ちきる頃には、やつはその姿を取り戻していた。
そう、ただの人間、校長に。
ただ、随分とボロボロであったが。
「こ、これだけはぁぁぁああっ!!!」
校長はアタッシュケースを抱えると、壁際に逃げていく。
「『ノブナガ』」
「ヒィィッ!!?」
そう呟く声ととも、銃撃が校長の目の前に打ち込まれる。
それを受けた校長は腰を抜かし、壁際で座り込む。
「逃すかってんだよ…クソ野郎が」
ロードは奴に近づいていく。
後の三人も同じだ。
四人はペルソナを出しながら、奴を追い詰める。
ナイトは、剣を向けた。
「それを渡して、貰おうか…」
「…わ、私だってなッ!! 大変だったんだよッ!! 今まで、今まで幾つ踏み躙られて来たッ!!? 私は、わたしはぁっ…!!」
それを聞いて、ノアは奴を殴る。
カースではない、ノアが殴った。
何度も、何度も、何度も。
「ふざけないでよッ!! 踏み躙られて来たッ!? それはこっちのセリフなんだよッ!! あんたのせいで…あんたのせいで私のお母さんはぁッ!!」
最後の一発を殴り込もうとしたところで、ハンターが止める。
「…何で、止めるの」
「それ以上やったら、死んじまう。シャドウ本人をやってしまえば、現実でも死ぬだろうよ」
「…」
それを聞いて、ノアは手を離す。
奴は項垂れるながらも言う。
「…私は、取り返しのつかないことをした…私は、私の中へ帰ろう。そして、全ての罪を…」
そうして消えていった。
後に残されたのは、オタカラの入ったアタッシュケースだけであった。
貴方は怪盗団を支持しますか?
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