ペルソナ5 The wild edge   作:ザ・ファントム

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7.Light of determination

 地下へやってくる、地下は用水路みたいな感じで、水が流れている。

 川の勢いは強く、それでいて幅が大きいため、対岸には渡れそうになかった。

 別に渡る予定もないからいいけど。

 少し先にほうで、ノアが対岸を見て絶句していた。

 俺はノアのところへ向かう。

 

 の前に気づいた、ここ結構な頻度で誰か来ていることに。

 足元を見れば、獣道みたいになっているからよくわかる。

 

 ノアの隣に立ち、対岸見る。

 そして俺も、それに絶句する。

 

 なんと檻が、その中には生徒たちがいたのだ。

 しかも、かなりの酷い扱いを受けているのがわかる。

 

 これを見て察する。

 上、つまり地上の檻にいる動物は、人の顔していた。

 要するにアレは全部、学校の表の顔だ。

 地下=裏、と考えればこれは分かりやすいと言えるもの。

 

 そして、校長が俺たち生徒に対し思っていることが、これだということ。

 俺たちは所詮、校長の飼い犬でしかなかったということだ。

 

 ……入学初日の俺が、何言ってんだ、って話だが。

 

 そんな時であった。

 後ろの方から足音が大量にした。

 それに気づいた時には、既に遅かった。

 大量のシャドウが道を塞いでいた。

 

「ノアッ! 先に……!」

 

 と、言いかけたところで、前からもやってくる。

 奥の方には高尾が立っていた。

 なんともゲスな笑みを浮かべて、こちらを見ていた。

 気持ち悪いこと、この上ない。

 しかも隣に、ほぼ裸のノアがいた。

 発情してんのかってレベルで息が荒い模様。

 

「え、なにあれ……」

「き、気持ち、悪い……」

 

 ノアは青ざめた顔で、高尾を見ていた。

 今にも吐きそうであった。

 と、ナビが声を出す。

 

『アレは認知上の人物です。決して本物ではありません』

 

 とのことだった。

 

「はーっはっはっはっはっ!! こうも簡単に追い詰められるとはね!」

「……なんでッ……!」

「高尾……ッ!」

「ふっ、警備員……やれぇいッ!!」

 

 そうやって指示を出すと、一斉に飛びかかってきた。

 俺は言い放つ。

 

 

「《マハコウハ》ッ!」

 

 光が床から放たれる。

 だがその光を乗り越え、奴らはやってくる。

 数が多過ぎて、俺の技では処理しきれていなかった。

 どうすればいいか……と、考えギュッと剣を握り、敵たちを睨む。

 

 と、突然声が聞こえてきた。

 

『聞こえているな、我が契約者。力を望みなら、その剣をしっかりと握れ、そして願うならば、撃ち放て』

 

 両手で剣を握る。

 そして剣の切っ先を上に向けて、構える。

 剣が光を纏う。

 かなり強い、と言うわけではなく、そこそこと言ったところだ。

 だが、その剣が強い何かを纏っているのはよくわかる。

 

 どこまで行けるか、わからない。

 もしかしたら、これを乗り越えるのは不可能かもしれない。

 だが、せめてノアを……。

 俺はどうなってもいい、誰かを助けることができたなら……。

 

「……ぅぉぉぉぉぉおおおおおッッ!!!!」

 

 シャドウから少し離れたところで、剣を全力で振り下ろす。

 極光とは言い難いが、一閃が直線に敵を飲み込む。

 剣から光を失われると同時に、俺は膝をつく。

 

 出口に向かう通路は、出来上がった。

 だが、これ以上立つのは難しいだろう。

 少し休憩すればまた戦えるかもしれないが、この数だ。

 すぐに殺されるのがオチだろう。

 

 怖くない、と言えば嘘になる。

 だが、目の前で死ぬのも、見ているだけなのは、もう嫌だ。

 

「行け、ノア……」

「えっ……それは朝倉さんが……!」

「俺のことは、気にすんな……早く、行け……ッ!!」

 

 俺は出し切れる力を使って、力強く言う。

 だが彼女は、それを否定した。

 

「……そんなこと、私には……できません」

「な……馬鹿言うなッ!!」

 

 そんなこんなしている間に、シャドウが道を塞いで行く。

 シャドウが突然、道を開ける。

 奥から現れたのは、あの男……高尾だ。

 

「どうしたんだい、奴隷ちゃん? もしかして僕のところに来てくれる気に」

「黙って、ください」

「……え?」

 

 俺は、ノアの顔を見る。

 引きつった笑みを浮かべ、あー違う。

 キレてる。

 誰が見てもわかる程度には、キレていた。

 

 

 

 ──────────────────────

 

 

 

 私は、多分キレていた。

 多分と言うのは、確証が持てないからである。

 感情が昂りすぎた結果だろうか。

 彼は見ていないだろうが、あっちこっちに貼ってある掲示板も酷いものである。

 職員棟には、お客様最優先と書かれた張り紙が数枚。

 その他には動物にかけるお金を少なくしよう週間。

 要は、外面は大事にしているってわけだ。

 

 随分前に見せてもらったうちの学校。

 半分洗脳教育だ。

 怖くて、キレた。

 

 自分でもなに言ってるかよくわからないけど、取り敢えず怖くてキレたのだ。

 

「黙れ、ってんだよ……あぁもう、そうじゃない、うるさいんです……わかります、よ……クソが……!」

「の、ノア……? どした?」

 

 が、言葉聞こえず。

 足を進める。

 

 軽い頭痛が、頭を穿つ。

 怒りすぎ、なのだろうか。

 ああでも、やつの顔面をぶん殴らないと、気が済まない。

 

 私は腕を引きしぼり、やつの前に立って、顔面に一撃を叩き入れる。

 

「ウヒェアッ!?」

 

 変な声出しつつ、鼻血を出して倒れる。

 

「うるさいッ!」

 

 もう決めた。

 この世界の、いや今こいつと向き合って決めた。

 絶対に、言うことなんて聞かない。

 もう二度と、こいつのいいなりになんてならないと。

 

 その声を出した瞬間だった。

 強烈な頭痛が、閃光の如く頭を駆ける。

 

「ゔがああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あッッ!!!?」

 

 頭を抱え蹲る。

 おかしい、何かがおかしい。

 頭に、声が響く。

 どこか懐かしく、誰かわかっていたようで、わからなかった。

 

『遂に、決めたんだね?』

『ああ、決めたんだ』

「決めた、よ……私、もう言いなりになんてならない。決意、したよ」

 

 満足そうな声が聞こえる。

 

『『じゃあ契約だ。我は汝、汝は我。決意の灯火は今灯った。さぁ、叛逆の狼煙を上げようか!』』

 

 私の目の前に、黒い布が垂れる。

 目の部分だけに張り付いているようだ。

 

 私はそれを、引き千切る。

 

 青い焔が全身を覆う。

 服が、格好が、変わっていく。

 腰には二本の刀、赤と黒の服装、()()()青と白の和服に似た服装。

 目に張り付いていた布も同じだ。

 

 そして私は、叫ぶ。

 

「『テンコ』ッ!! 『クウコ』ッ!! お願い……私に力を貸してッ!」




テンコ:アルカナは月、妖怪『天狐』そのものである。
姿はどこか少女地味ていて、落ち着きのある少女だ。

クウコ:アルカナは太陽、妖怪『空狐』そのものである。
姿はどこか少女地味ていて、荒々しさのある少女だ。

二つ同時に出すことによって『専用技:決意の狼煙』を使うことができる。

貴方は怪盗団が好きですか?

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