ガンダム00世界で留美やネーナやコーラサワーとイチャイチャしながら生きる 作:トン川キン児
『う゛お゛っ、う゛お゛お゛お゛お゛お゛!! やるやるやるやる!! やるぞっやるぞっ!!』
「機体の負荷は予想していたけども……!」
とんでもない無茶を通した瞬間を目の当たりにして興奮する
Type7を潰せたことは大きかったが、それでも敵の本体であるヘリオンの機能はまだ生きている。戦闘が終了したわけではないのだから、このままでは。
(短期決戦に追い込んでカタをつけるほかあるか!?)
必然的に戦い方がひとつに絞られてしまったことに、ユリウスは焦る。
「……なぁんて、奴は思ってんだろうがな」
それをフォン・スパークは既に看破している。ユニオンで去年ロールアウトされたばかりの新型エース専用機『ユニオンフラッグ』で敢行された空中変形ですら機体にはとてつもない負荷が一瞬でかかり、一度行うたびに機体をオーバーホールに入れなければならないほどなのだ。だからこそ、彼のヘリオンは即座に降下して低空を飛行することを選択していた。
Type7の爆発による熱があらかた消えた後、レーダーが低空を這いずるフォンのヘリオンを捉える。ユリウスは当然、応じて追撃する。
「ん!? 低空へは逃がさない!」
リニアライフルを一射、二射、三射。だが、どれも埃をまきあげるだけで当たらない。フォン・スパークが巧みにかわす。
「腕のある奴か、フォンってのは!」
(射撃も正確性が高い……アグリッサの登場には随分早く気づいたのに、低空に逃げたオレには鈍かった。さて、この違いはなんでしょうかねェ? 攻撃と回避の違い? 思考を読むのも予測にも受信できる範囲があるらしい)
徐々にピースが揃ってきているが、まだ足りない。そして相手がモビルスーツ形態になってくれた以上、ピースを埋める方法はいくらでもある。同時に、フォンが勝つ方法も。
そのために、ユリウスをここまで誘い出している。
「後方!?」
「このポイントって、あいつの狩場だっ、てのかぁ!?」
減速して足が止まるユリウスを、仕掛けた方であるフォンは当然見逃さない。すかさず反転して、リニアライフルでの攻撃をミサイルとの挟み撃ちの形で仕掛けていく。
ユリウスはバックブーストをかけて、上から迫る垂直ミサイルと前から迫るフォンのヘリオンを同時に相手取る。
「やはり能力任せってわけじゃねえな、最適解だ」
この一手を素直にフォンは賞賛する。この形であればフォンも上空からのミサイルに被弾する可能性がある以上、これ以上は前進できないので同じ位置から狙っていくしかない。
ユリウスの方はライフルの出力を連射モードにして、上空から迫るミサイルを次々と迎撃していく。フォンの方はリニアボルテージを狙撃に適した高速単射モードに切り替えて狙い撃つが、これもユリウスには当てられない。上空に撃ちながらも器用にかわしてくる。
(ミサイル攻撃とオレの狙撃は読めてるな。この違い……大まかにはアタリがつけられてきたぜ)
読めた攻撃と読めなかった行動。低空への回避がわからず今回の攻撃がわかったということは、常時発動しているような能力ではありえない。そして未来予測や思考盗聴にしても、顕著に発動していると思われるタイミングは一貫して『自分の方が危機に陥った瞬間』。
これだけでもだいぶ絞れては来たが、次の問題はその範囲と確度。何を引き金にしてそれが発動しているのか? それを明らかにすれば、恐らく次は未来予測か思考盗聴か、がわかるだろう。本人の技量そのものも高いようだから、データにもノイズが生まれるのが問題ではあるが。
フォン・スパークは舌なめずりする。これほど頭を使わされる相手は生まれてこのかた初めてのことだ、人間の域を超えたあまりにも圧倒的な力の『個』だ。故に興奮が止まらない。
「あげゃっ、あげゃげゃ!! 次はどうしようかねェ!?」
フォンの人生で最も充実した一時間は、まだまだ終わらない。
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「どっ……はぁっ、どこまでのらりくらりと!!」
戦闘開始から既に一時間以上経過した。モビルスーツ同士1対1のドッグファイトとしてはあまりにも異常な交戦時間の長さにユリウスも苛立ちと焦り、そして心身の疲れが隠せない。
それもそのはず、フォンは無数のトラップを仕掛けてあるこのポイントに到着することを強制することで、最初から遅滞を繰り返した超長期戦を想定している。モビルスーツ一機を仕留めるのにあまりにも大掛かりだが、フォンの目的は能力の全貌を暴いた上でユリウスを倒すことであるため、検証のために多くの攻撃パターンを用意する必要があったことと、ユリウス・レイヴォネンというパイロットの腕を考えればこれくらいを用意しても過剰などということは全くないというフォンの判断によるものだった。
その仕掛けにしても高速ミサイルや拡散弾頭など手を変え品を変え追い詰めてくるものであり、おまけにフォンのヘリオンは付かず離れず追いかけてくるので、失敗すれば一発アウトで生死を分けるギリギリの回避を既に両手で数えきれないほど行ってしまった。たった一度の、たった一機との戦闘で、である。
そんな無茶な機動をそれほどに行ったヘリオンの方も疲弊しており、四肢の関節部も既に稼働負荷の限界が近い上、機体そのもののエネルギーもまた然り。もし運良く帰ることができたとしても三ヶ月以内にもう一度出撃できるかどうかすら怪しいほどだろう。
「あげゃ……ハァ、へばってきたか?」
それはこちらも同じことだが、と思いながら呟くフォン。流石に生涯を戦いに捧げてきたとはいえここまで神経を使う長期戦はフォン・スパークとて初めてのことである。
しかし伊達に元軍人、あるいは傭兵として一年間最前線で戦い通した経験をしたわけではないと言うべきか、それでもユリウスの操縦そのものの正確さは落ちる素振りを見せない。
だが『能力』の方はそうではない、と次の一連の攻撃でフォンは確信できた。
「うおお!! だっ、地雷だとぉ!?」
一時間二十分二十四秒。果てのないかに思われた戦いにおける、ユリウス・レイヴォネン初の被弾である。それも、二度続けての事。
とはいえ直撃弾ではなく、対MS跳躍地雷の散弾を浴びた両腕のリニアライフル二挺を爆発させたのみに留まった。
当人の判断力によってこの難を逃れたが、この罠にユリウスがかかったということで、フォンはようやくユリウスの能力とその起動条件を特定するに至った。
(『敵意』か!! 思考盗聴だ、テメェは敵意だの害意だのの混じった攻撃を読めるんだな!?)
あの跳躍地雷はフォン自身大まかな場所こそ知っていたが、
覚えていないからこそ、それは敵意という予兆もない突発的な避けられない攻撃になった。
敵意の籠った攻撃の思考を読み取ることで、あたかも未来予知したかのように敵の行動を読んで回避したり攻撃したりもする。それこそがユリウス・レイヴォネンに秘められた能力。
ではそれに対抗するには? 頭にアルミホイルでも巻けばいいというわけでは当然ない。
すぐにフォンの中に浮かんできた対抗策は、今のように無心の攻撃を行うこと。そもそも敵意が無いか攻撃のイメージが敵の中にもなければ、それを読まれることは決してない。無い物は読み取れないのだから。
あるいは、自分の身体が自分のイメージをも超える動きをすること。ユリウスは盗聴したイメージから次の行動をある程度予測しているので、読み取ったイメージをさらに超える動きをしていればいずれはそのギャップについていけなくなるだろう。
そして、そのどちらも今の自分には無理だとフォンは悟った。
(……無心なんてオレ様とはかけ離れているし、それほど気合い入れて腕を磨いたわけでもねェ)
常日頃から戦いの最中ですら思考を巡らせ続けているフォン・スパークという人間は『頭を空っぽに』とか『無我の境地』などとは最も縁遠い存在であると自分自身でも自覚しているし、身体が勝手に動くような卓越した世界トップレベルの操縦技量も持ち合わせていない。つまり、現時点で独力でのユリウス・レイヴォネン攻略はどうあがいても不可能である。
ただし、それは同じ条件でスタートを切った場合での話。これまでいくつもの罠が不発に終わったとはいえ、それらから逃れるためにユリウスも機体もとてつもない消耗が重なっているはずで、事実先ほどリニアライフルすら失った。対してフォンのヘリオンは撃破されたType7バディクラフトからエネルギー供給を受けていたこともありまだまだ健在。消耗度合いという点で、フォンは明らかにアドバンテージを重ねている。
『機体の調子はどうだ!! レイヴォネンさんよ!!』
「フォン・スパーク……!! くあ!!」
すかさず飛んできた射撃で、ユリウスのヘリオンは左脚部……人体で言えば足首から先を失い接地不可能となる。これも一時間前ならば確実に避けられていた攻撃、つまり『能力』は疲労によって感度が落ちると見てもいい。
所詮は人間の機能、コンディション次第で上がりも下がりもするとはフォンも事前に考えていた。『能力』を差し引けば見立てでは
「ぱっ……パシー!! 今すぐこっち来い!!」
『ああ!? まだ決着ついてないんだろ、あたしも戦えってか!?』
「またぶっつけ本番だが、アレやるしかない!! やらないとエネルギーが尽きちまう!!」
『……いいね、ハラハラする。三分もたせな!』
パシーの機体を危険に晒すことにはなるが、ここまで追い詰められてしまえばもはやなりふり構わない。状況打開の目途はもうこの一手にしか存在しないのだ。
「180秒ぉ!!」
『お仲間さんに助けてもらえるかぁ!? 片腕なしの女に何が……』
ここまでユリウスを運んできた輸送機がレーダー範囲ギリギリを旋回して様子見していたのはフォンも知っている。とはいえ、直接光学カメラに捉えたわけではないから機種データも得られていなかった。
しかし接近してくる機影ということでカメラを向ければ、この機種は。
(AEU-0704……!? こいつを合流させたら、詰む!)
照合が終わるとともに、こちらに飛んでくる輸送機……否。バディクラフトを巡った駆け引きで戦闘の行く末が決まるのだ、とフォンの天才的頭脳が瞬時に悟る。
一番確実なのは、バディクラフトを破壊すること。ヘリオンならばそう難しいことでもない……そう考えて向かおうとした矢先に、横からユリウスのヘリオンが満身創痍ながらに突進をかけてきた。
「うぐぁ……!!」
『地上に釘付けにするっ!!』
「……あげゃげゃ、やってみろや!!」
横倒しになるヘリオンの内部で強烈な揺れに襲われるフォン。ユリウスはソニックブレイドを抜き、発振。そしてそれを突き立てんとするが、フォンは巧みに振りほどく。
その場で泥沼の格闘戦を展開するよりも、フォンは衝突によって取り落としたリニアライフルを拾いに行くことを優先して離脱しようとする。しかし、なおもユリウスは追いすがる。
「るあぁ!!」
右の逆手持ちになったソニックブレイドを、ガラ空きになったフォンのヘリオンの本体背部へ……突き立てられない。代わりに、リアウィングの右翼部が引き裂かれていった。
(飛行バランスが……!! そのくらいはやるだろうな!! けどなァ)
しかし、もう遅い。スラスター出力に影響はない以上、このまま逃げおおせてリニアライフルを取りバディクラフトを落としにいくことは十分可能。ユリウスにはもう射撃武器がないので、止める方法はまずない。
この戦い、自分が制した。そう確信したフォン、だが――――。
「うああありゃあああああああああああ!!」
ユリウスのヘリオンがナイフを振りかぶった姿勢から戻ると、浮遊した状態でその場で鉄棒の逆上がりでもするかのように一回転する。
そして――――勢いのまま、下半身だけをパージした。
「な! っ、あ゛げあ゛っ!?」
それは放物線を描いてフォンのヘリオンの背部へと衝突する。予想外の飛び道具を背中から喰らい、ずしゃあ、と音を立ててフォンは砂中に重く沈み込む。
ユニオンリアルドのブラッシュアップ形とも言えるAEUヘリオンには、同じように上半身と下半身の分離機能があることはフォンも承知の上。だが、普通は当てようがないこのような無茶苦茶な使い方をされるとは少しも考えていなかった。
そして、これほどの大きな隙を作れたのならば、たとえ上半身だけになったとしてもパシーの操るバディクラフトType4と合流する余裕は十分にある。
「パシー!! ドッキングセンサーッ!!」
『おうさ!!』
Type4からドッキング用のガイドレーザーが発射され、ユリウスのヘリオンと結び付けられる。しかし、黙ってそれをやらせるフォンというわけでもない。自身のヘリオンが動けない状態であっても、近くに仕掛けてあるミサイルは攻撃できる。
しかし、それは
「そいつはフレアだなァ!!」
(対応が早い……撃つ前にフレア焚いたか? やっぱ読まれてやんの。クソッ)
即座にデコイを発射しミサイルを攪乱。邪魔を入らなくしたのを見計らってから、両者とも操縦をオートに切り替える。
ヘリオンはType4の上部に移動し、相対速度を合わせて高度を降ろし――合体。型式番号はAEU-MA0704、対地攻撃用モビルアーマー『コルニクス』が、ここに完成した。
『バラバラにしちまいなァ!!』
同時に制御系がユリウスのコクピットへと移行し、Type4の上部から展開した二門の速射型プラズマキャノンと底部の90mm回転式機関砲四門が、パシーの雄叫びと共にただ地に這いつくばるフォンのヘリオンを狙う。
……だが、その砲口から攻撃が放たれることはなかった。
『……降参だ。トラップも全部停止させる』
「は!?」
『テメェの強さはよぉ~くわかったよ。今のオレ様じゃあどうひっくり返っても勝てねぇ』
フォン・スパークは、通信越しにあっさりと敗北を認めた。
その証としてか、ヘリオンのハッチを開いて生身を晒し、所持していた銃も投げ捨てて砂の中に埋もれさせ、両手を挙げて意を示している。
『はあ~~~~? なんだこいつ、自分から命狙ってきといて調子いいことほざきやがって』
「……いい。撃たない」
『あっそ……ユリウスがいいならそれでもいいけどよ』
『そうだ、撃たねえよな。まだオレ様からお前には渡していない報酬があるもんなァ』
「お前があの事件を知ってるっつうんなら、それを全部吐け。でないとこの場で殺す」
冷たくそう言い放ったユリウス。しかし、未だに人体に向けられるには過剰すぎる火力を合計で六門も向けられているというのにフォンは余裕綽々とした表情を欠片も崩さない。
『そうだなァ。まず話すべきは、アイツウチのお得意さんでなァ。毎度汚ねえ後始末ばっか――』
「っつ……何だ!? 聞こえないぞ」
――話が始まった途端に、音声通信が強烈なノイズにかき消され遮断される。
この時ユリウスとは違い、パシーが感じ取った異常はそれだけではなかった。それは、上空から
『……ユリウス!! 上だ!! 避けろ!!』
「なっ、にぃ!?」
一瞬遅れてユリウスもそれを察知し、三発放たれたそれを回避する。その攻撃は、粒子ビーム。
ユリウスとパシーの通信は接触回線ゆえ阻害されなかったが、フォンとの音声通信が遮断されたのも、レーダーに接近する機影が映らなかったのも全てはGN粒子による干渉ゆえ。
荒れ果てた砂漠の真ん中に、
『新手かよ……何だアイツ』
「――――ッ、逃げるぞ!!」
『はぁ!? まだ戦ってもいないだろ!!』
「機体性能が違いすぎる!!」
この時代に存在しているかもしれないユリウスの知るガンダムとはかなり形状が違う。だが、そもそもGNドライヴを持つ機体とそうでない機体とでは性能が違いすぎて戦いにならない。かつての記憶の中で、それは十分以上に理解している。
この消耗しきった状態では万に一つの勝ち目もない、十中八九死ぬだろう。なぜこの戦いにガンダムが介入してくるのかは知る由もないが、ものの数秒でユリウスは撤退を決め込んだ。
「あげゃげゃ。流石だな、一目見ただけで機体性能差を見抜いたか」
もし自分の誘導した時刻通りにガンダムが降りてこなければ、事件の全貌を語ることもフォンにとってやぶさかではなかった。が、それが叶わなかったユリウス・レイヴォネンは最後の最後では運が悪かったということである。
そう、フォン・スパークは自分がもし敗北したとしても殺されないための仕掛けを最初から仕込んであった。他ならぬソレスタルビーイングから迎えを出させることによって、である。
「……タネは割れたんだ。見てな、次は必ず倒す」
決意の呟きは誰にも聞かれることなく、ガンダムが目の前に降下してきた風圧によってかき消された。
機体の名は、ガンダムアストレア。フォン自身はまだ知る由もないが、これから先の人生における愛機と言っても過言ではない機体となるガンダムである。
「フォン・スパークってのはお前か。エコ・カローレだ、乗れ」
「前のMSとは違うな……しかし完全な不意打ちなのに三発撃って外すとはな。あげゃげゃ」
「なっ……し、仕方ないだろ!! あんなに見事にかわされるとは思わないだろ!」
「ロン毛の兄ちゃんとは打って変わって使えなさそうなおっさんだぜ」
「んだとっ……このクソガキ!! 言わせておきゃあ」
……それに乗ってきた凡庸そうなパイロットとは、大して関わり合うこともないが。
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「まだ計画は途中段階……我々の秘密は絶対に守られねばならない。それなのに」
モラリア国内、とある海岸沿いの豪邸。備え付けられたプールや広大な敷地は、所有者の有り余るほどの財力をありありと感じさせる。
その屋外、プールサイドで少女がPDAを通して送られてきた情報に目を通す。それはユリウス・レイヴォネンと、パスレル・メイラントという二人の傭兵についての詳細なプロフィールだった。
「彼ら二人が生かされたのは、そういう理由だったという事ね。まあ、素人目にもわかるようなすばらしい腕前ですものね?」
「はい。数は少ないですが王商会の傘下でも彼らに依頼した企業が」
立ち振る舞いの節々から気品と礼節を感じさせる少女と、それに付き従う青年。セレブリティと、ボディーガード。二人の関係を問えば、誰が見てもそう答えるだろう。
しかし財界に燦然と輝くセレブとは世を忍ぶ仮の姿。二人は秘密結社『ソレスタルビーイング』への最大の出資者であり、その活動を支援するエージェントでもある。
「では行きましょうか。手配は頼みますよ」
「お嬢様も出発なされるのですか……? 彼らは危険です」
「ヴェーダからの指令は私によるスカウトですよ? それに」
少女は従者に……
「彼には既に世界を変えうる力がある。そういう殿方を間近で見たいということ、思わなくて?」
少女の名は、
そして世界の変革に焦がれて止まぬ者。たとえそれが、どんな形であろうとも。
AEU-MA0704 コルニクス(オリジナル機体)
第五次太陽光紛争にて活躍したAEU-BC07の4号バリエーション「バディクラフトType4」がAEUヘリオンと合体した姿。7号バリエーションがアグリッサに該当する。
アグリッサが軌道エレベーター防衛のため作られたのに対し、こちらはその圧倒的火力による侵攻・制圧作戦に用いられることが多かった。比較して特徴的なのは接地することを考慮していないため、脚部が存在しない。
AEU-BC07系列の多分に漏れず、この機体もまた軌道エレベーター送電網からの無線電力供給を行うことができ、活動限界はAEUの勢力圏内であれば無限に等しい。
AEUヘリオンと合体したその姿は、さながらステルス爆撃機から人間の上半身が生えているかのごとき異容である。
人革連製の機体すら1撃で戦闘不能に追い込む威力の上部プラズマキャノン二門と下部90mm回転式機関砲の斉射によって、「怪鳥」と中東諸国に恐れられていた。