ガンダム00世界で留美やネーナやコーラサワーとイチャイチャしながら生きる   作:トン川キン児

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これからは家族ぐるみでテロリストかなぁ

「……お兄、ちゃん、よね?」

「……その、久しぶり」

 

 顔を合わせるのは七年も前、直接会うならそれ以上にも会えなかった妹との再会だというのに、そんな月並みな言葉しか出なかったユリウスは自分が恥ずかしかった。

 リンダ・ヴァスティ……旧姓レイヴォネン、この世界で巡り合った人間の中で最も大切な存在。あるいは、自分の抱いている目標より大事かもしれない妹。

 

「……ぁあ……!!」

 

 リンダにとっても兄妹の絆があるのは同様のこと。嗚咽をこらえられず、ユリウスの胸板に飛び込み、身体を押し付け腕を回して潰すほどに抱きしめた。

 

「……どうやって、ここまで」

「意地、みたいなもんだ。リンダのこと、それと姪っ子に義理の兄弟もいる。いなくなったままほっといてちゃあもう兄貴を名乗れない気がしてた」

「いっぱい危ない目に遭ったでしょ?」

「まあね。だから癒してくれよ、俺の癒しはお前なんだから」

 

 気に病むことが無いようにユリウスがおどけてみせると、リンダはいっそう強く抱き返して、その胸に顔をうずめる。それに応えて返すように、ユリウスも優しく抱き返した。

 七年以上も会っていなければ、その身体つきと抱き心地もかなり変わった。だが見下ろす頭とそのブロンドの髪の香り、柔らかな肌の感触と温もり、穏やかで心を落ち着けさせてくれる声……そしてその愛しさには何一つ変わりない。

 リンダは聡く優しく美しく、否の打ちどころもない完璧な女性であるとユリウスは信じて疑わない。自分という兄は、果たしてこの妹に釣り合う男だろうかと一時期は思ったほどに。

 

「会いたかったからね」

「俺だってさ」

 

 背けていた顔を突き合わせ、視線を交わして二人だけの世界に浸る兄妹。ユリウスを先導して部屋に入った紅龍と、元々リンダと共に部屋にいた夫……イアン・ヴァスティでさえも、間に入って呼びかけることが躊躇われたほどだった。

 しかしこのまま放っておいてはますます部屋に居づらくなるばかり。イアンは意を決して、わざとらしい大きな咳払いで二人をこちらに気づかせた。

 

「ユリウスの義兄さん。前と比べると……何かこう、小汚い感じになっちまったな」

「え? ……ああ。いきなり連れてこられるとは思いませんから」

「お兄ちゃん、一人でほっとくと髪もお髭も伸ばしっぱなしなんだから……」

「お前にやってもらっちゃってたからな。昔は美容師になりたいなんて言ってたのにさ」

「もお。昔の事言っちゃダメよ、後でやってあげようと思ってたのにな」

「え、それは頼むよ! 久しぶりなんだからいじわるすんなよ」

 

 言われて焦るユリウスにリンダはくすくすと微笑む。止まるどころか思い出話に花を咲かせてますます勢いを増しているような二人の世界に、紅龍は呆気に取られ、イアンは右手で顔を覆った。

 前々から義兄であるユリウスの話になると、自分を夫にしたのはリンダの方だということもまるで忘れたかのように兄のことばかり……と思っていたが、実際会ってみてもここまでベッタリだとは流石に思わなかった。

 こうして兄妹が失くした時間の埋め合わせをするハメになっているのは、結婚当時すでにソレスタルビーイングに属していた故にリンダを巻き込む形にしてしまった自分に責任があるので強く言うのも憚られる。

 ソレスタルビーイングの存在を守秘するためとはいえ、一言も言わずに勝手にいなくなった自分たちを追ってきたのだから、ユリウスに対してもそうだ。つまり、イアンはこの状況に対して手の打ちようがない。

 

「俺には姪ができたんだろ? 名前は結局どれにした、モニカ? ワンダか?」

「ミレイナに決めたわ。ちょうどいいし一緒に会いに行く? もう七歳にもなって――」

「……失礼ながらユリウスさん。こちらに来た理由を覚えていらっしゃいますか? 妹さんに会うのはついでのことです、姪っ子さんについても後でに」

 

 すると、思わぬところからイアンの助け舟がやってきた。紅龍……イアンにとってはスポンサーである王留美のお付きとしか記憶していなかったが、この瞬間だけは最も感謝すべき対象となった。

 

「――言葉に気を付けろよ。リンダをついでと言ったか?」

「ッ――いえ、しかし……」

 

 一瞬のうちにユリウスが凄まじい怒気を放ったが、イアンは構わず紅龍の作った切り口から話題を広げんと早口気味にまくしたてる。

 

「な、なあユリウス! ミレイナには後で紹介するからさ、今は仕事の話なんだろう!?」

「ああ。ガンダムとやらを見せてくれると聞いていますが」

「見せるさ。何もソレスタルビーイングに来てから作ったのはミレイナだけじゃないんだ、こいつはお前さんの想像が及ぶようなモビルスーツじゃあないぞぉ」

「まあ、あなたったら」

「あ、すまん……」

 

 歳ゆえのやや親父くさい下ネタを言い放ったイアンだったが、リンダの優しくも咎めるような視線を認めるとすぐに非を認めて謝った。

 どうやらこれがヴァスティ家の力関係、というヤツらしい。しかしイアンとて締めるところは締められる男だと知っているユリウス、こうなっているうちはリンダにも不安はないだろう。

 

「そうよ、早く見て行っちゃえばいいんです。師匠はあんたなんかに構ってるヒマないの……小惑星帯でまたエクシアのテストをするって言われてるんだから」

 

 ……と、ひとまず安堵した矢先。格納庫に向かう扉が開いて、金髪と褐色の肌が目を引く少女が何やらこちらをうっとうしそうに見つめている。

 台詞からしてもどうやら敵対心満々、しかしユリウスにはそのような扱いを受ける覚えは一切ない。少女はここまでに接触がないことはおろか、この世界の行く末を記憶するユリウスでさえ知らない子供なのだから。

 『機動戦士ガンダム00』の作中で、イアン・ヴァスティの傍にこのような少女はどの場面を切り取ってもいないはず。一体何者なのだろうか? ユリウスはそう考えて、会話を少女の方から名乗るように仕向けた。

 

「時間を割いてくれてありがとう。俺はユリウス・レイヴォネン、君は何というんだ?」

「シェリリン・ハイド。フケツそうな見た目の割に礼儀はちゃんとしてますね」

「こらシェリリン! ワシの嫁の兄貴だぞ、失礼だろうが!」

 

 毒のある言葉を冷たく浴びせてくるシェリリンと名乗った少女、それを一喝するイアン。

 この時点でユリウスも二人の関係性を大まかに察することができた。歳の離れようからしてまるで親子のようなそれは恐らく師弟関係。何のと問われれば、格納庫から出てきたところからして恐らく彼女は技術者のタマゴといったところなのだろう。

 このような人物(キャラクター)がいるとは聞いたこともなかったユリウス。しかし、歴史の裏にはこうした人間がいてもおかしくないという事、それがこれまで二度目の人生を歩んで学んだ事。動揺と先入観を持たずに接するべきだということに変わりはない。

 

「え、あ、じゃあ……リンダさんのお兄さん!? これがぁ!?」

「『これが』じゃあない! バカタレ!」

「初対面ですから気にはしませんよ……それよりガンダムとやらの説明が欲しい。イアンには悪いけど、シェリリンに頼んでもいいかな?」

「えっ、何で私が……!?」

「さっきまでガンダムの面倒を見てたんなら詳しいんじゃないのかな。プロの技術者だろ? 俺もパイロットとしてプロをやってるんだから、本職同士の話をしたいな」

「え、や、でも……」

 

 先程この少女がイアンを『師匠』と呼んだのを覚えている。師弟関係……そういう認められたい立場にいる子供だという事なら、背伸びをする場を与えてやるのが好かれるための近道。ユリウスは、ガンダム四機の説明役をあえてシェリリンにやってもらおうと企んだ。

 しかし当人の与り知らぬところでそんな勝手な事をユリウスが言い出せば、その意図を量りかねているイアンが当然後ろから耳打ちする。

 

(どういうつもりで言ってるんだよお前さん……妹の夫になったワシが嫌いか?)

(そうじゃなくて。子供ってやりたがりですよ、親になったんならわからんでもないでしょ?)

「……ねえ師匠? いい、かな?」

 

 ユリウスが小声でそう答えると、次にはシェリリンがイアンを足りない身長ゆえに上目で見つめつつそう言った。困ったようなその声質は、不安げな表情と合わせて指示を仰いでいる、と見て間違いない。

 認められたいという感情……そういうものが満たされることでやる気も満ちてくるなら好ましい傾向ではある。それにしてもお節介じみているとはイアンも思うが、初めてちゃんとした会話を交わすユリウス・レイヴォネンという男はそういう質の血が通った人間なのだ、とも思えた。

 

(……ああなるほど。しかしお前さん子供の扱いが巧いな?)

 

 それは恐らく、子供と同じかそれ以下の類人猿(パスレル・メイラント)の面倒を年がら年中見ているからだろう……と、ユリウスは心の中で毒づく。

 同時にイアンはコソコソした話し方をやめて、シェリリンに向き直り結論を出した。

 

「まあ確かに、プロ名乗るんならいい機会だし少し付き合ってもらえ。できるか?」

「……っ、やりますできます! じゃあ私が説明するからね!? よく聞いてよね」

「あんたはどうする」

「ここで待たせていただきます」

 

 ユリウスの言葉に待機の意を示す紅龍、イアンの言葉にこぼれる笑みを隠せぬシェリリン。興奮をそのままに格納庫へ繋がるハッチを開き、PDAを操作しつつ紅龍を除いた男二人を先導する。

 すると、向かって正面のMSハンガー四基の外壁が音を立てて上がっていく。そこには一基ずつそれぞれ格納されているであろうMSの型番が刻印されている。

 

「型番を見るとさしずめGNシリーズってところだろうか」

「モビルスーツ・ガンダムはGNドライヴ搭載機、型番がそれを冠するのは当然ってこと。半永久機関GNドライヴは重粒子を崩壊させそこからエネルギーを取り出しつつGN粒子を生産し、その際のエネルギー変換効率は約100%であるため排熱によるオーバーヒートなんかとも無縁。そしてGN粒子によってガンダムは様々な能力を有する……反重力発生による高度な慣性制御と重力下の飛行能力、既存兵器のほとんどを無効化し単独大気圏突入能力をも与えるGNフィールド、敵レーダーの攪乱、高濃度圧縮GN粒子を用いた実用に堪えるビーム兵器……まあそんなわけです」

 

 ……シェリリンが改めて既存MSに対するガンダムの優位性を長々と羅列していくと、こうまで荒唐無稽じみてめちゃくちゃなモビルスーツが存在していいのかという気分にもなる。ユリウスは長らくヘリオン乗りをやっていたのだから、尚更のことだった。

 しかし、既にわかっていることにユリウスは驚かない。知識を持ってここにいる以上は、もっと踏み込んでいかなければならない。

 

「四番機はどこへ行った?」

 

 ユリウスがそう言うと、口早く説明していたシェリリンが一瞬固まった。

 

「え、あー……っと」

「GN-004は作ったがコンセプトに合わなかったんだよ。四基しかないGNドライヴだから、ガンダム四機はきっちり役割を分担したい。それに不適格だったってことだ」

 

 言葉に詰まるシェリリンを、後ろのイアンがすかさずフォローする。

 

(プロの傭兵だって言ったろ! 隠し事には鋭いんだよ)

(ご、ごめんなさい……)

 

 ユリウス自身、もし何の事前知識もなければどう思っただろうか……と考える。欠番の一機を指摘したくらいで何をそう注意されることがあるのか。

 だが実際のところ、ユリウスはGN-004――ガンダムナドレという機体がソレスタルビーイングという組織において最重要機密とも言える存在であることを知っている。目の前の二人もナドレの役割を知っているのかどうかを確認するための質問だったが、やはり制作関係者である以上は知っていて当然のことであるようだった。

 

「隠し事は少なめに頼む」

「……な、何でもお見通しのつもりですか。だったらこの四機がそれぞれ何の役割を持ってるかわかります? プロなんですよね」

 

 余裕たっぷりの態度が気に食わないとでも言いたげに、シェリリンは開き切ったハンガーを指差し挑戦じみた逆質問をよこしてくる。

 その先には、ユリウスのよく知る姿をした四機のガンダムが鎮座する。

 GN-002、ガンダムデュナメス。

 GN-003、ガンダムキュリオス。

 GN-005、ガンダムヴァーチェ。

 その中にあって唯一、GN-001――ガンダムエクシアだけは純白と灰色の入り混じるロールアウトカラーのまま無塗装だった。

 天使の名を冠することにも文句がつけられないような、雄々しくも美しいフォルム……初めて両の眼にその姿を焼き付けたユリウスは、思わず感嘆の声を漏らしそうになった。

 

「左から順に、ガンダムエクシア、デュナメス、キュリオス、ヴァーチェ。この子たちがそれぞれどういう働きをするのか、わかるんでしょ?」

 

 ソレスタルビーイング最大の武力であり、世界最強の兵器である四機のガンダム。

 その威容の前には、ある意味この世界では特別な存在であるユリウスでさえ只人に過ぎないことを否応なく自覚させられるようでもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本職の軍人さんだからって、大人げないんじゃない? シェリリンちゃん泣きそうだったわよ」

「あの娘も本職志望だろ。大人をやろうとしてるのに、子供だからって態度変える方がよくない」

 

 ドライヤーの音に半ばかき消されながらも響く、尤もなユリウスの返答に口ごもるリンダ。とはいえ、その件についてはユリウスにもやや罪悪感があった。

 本来ならば知りえるはずのない、総推力やパワーウェイトレシオなどの見えない数値を除いたガンダムの能力をほとんど全て知っているのをいいことに、さも一目だけで全てを見抜いたように言ってしまったのだ。それでは兵士というプロフェッショナルだからというより、前世の記憶があるから故のことになってしまう。

 例えばエクシアならば装甲板の切れ目が多いというのを切り口に、運動性能の高い格闘戦用モビルスーツだと見抜いたように言ってみたり、キュリオスならば露骨なテールスタビライザーや膝部の不自然に大きい装甲を指摘して高機動力の可変機だと言ってみたり。

 デュナメスについては肩部にGNスナイパーライフルがマウントされていた状態なので狙撃機だと答えても不自然はなかっただろうが、重装甲を理由にGNバズーカを持ってすらいないヴァーチェを砲戦用モビルスーツと言ったのはあまりにも無理がある。『中にもう一機でも入ってそうな大きさだ』などと冗談のつもりで言った瞬間に場が凍り付いたのが鮮明に焼き付いている。

 

「はい、終わり。どう?」

 

 しかし、失敗の後にはいいこともあるようで。背後のリンダが首元に巻いたケープを取って、ユリウスと共に鏡に写る。肩にかかるまでに伸びていた少し癖毛気味の金髪は丁度良く切り整えられ、印象に大きくかかわる口髭顎髭も綺麗になくなっていた。

 昨日の言葉通り、リンダはユリウスへ幾年ぶりかの散髪を……短いながらも、兄妹の時間を作りに来てくれたのだ。ユリウスにはそれがたまらなく嬉しかった。

 

「……いいね。やっぱリンダがやると出来が違う」

「それはねえ? お兄ちゃんの顔、何年見てきてるのってことだもの」

「髭面の顔じゃ俺かわからないかもだしな。ありがとう」

 

 しかし、完全に兄妹水入らずというわけではない。部屋の中にいるリンダの連れてきたもう一人が、事が終わったのを察してトコトコとユリウスに近づいてきた。

 

「おお~~、()()()()()ですぅ。イケてるメンズってヤツですぅ」

「だろ? さすが姪っ子、違いがわかるよなあ」

「ママもおじさんも()()()()()()なんだから、わたしも()()()()()()()()()ですよねぇ?」

「おうさ。引く手あまたの女の子になれるぜ~」

「ぃぇへへ!」

 

 最初に見た時と比べてこざっぱりしたユリウスの面貌を見てそう言う子供は、ミレイナ・ヴァスティ……イアンとリンダの間に生まれた子供。この西暦2305年時点で7歳、既に受け答えはそれなりの形になっている。

 というより、両親の育て方が良すぎる故かそういった成長点はとっくのとうに通り過ぎているようで、より多くの経験……それもこうした宇宙の閉鎖空間では得難い経験と知識を求めて、もうこの頃には西暦2312年時点のような色恋沙汰に敏感すぎる耳年増となっているらしい。

 これからそれが少し鬱陶しく感じることもあるだろうが、こうして初めて会った伯父さんの髪を切っている間でも母親(リンダ)を待っていられるのだから弁えを知っているということに違いないだろう。

 何より可愛い妹の子供ならばそんなところも可愛いというもの。ユリウスにとって気になるようなことではないし、こうして軽口と共に頭をぐしぐしと撫でてやるとより強くそう思える。

 余談ではあるが、流石にあの特徴的な縦ロールの髪形はまだ習得してないらしい。

 

「パパみたいにかっこいい感じになれるかもしれないわよ?」

「えぇ……? おじさんになるのはイヤですぅ。ミレイナは女の子ですから」

 

 身体はともかくとして心の成長がこうも早いのであれば、もしかすると既にイアンは『洗濯物はパパのと分けて洗って』などと言われてショックを受けていたりするのだろうか……などとくだらないことを考えてしまうユリウス。

 

「……じゃ、ミレイナ。俺は呼ばれてるから、また後でな」

「はいですぅ!」

「久しぶりに会うって言うから私も気合い入れたのよ。お兄ちゃんもバッチリね?」

「ああ」

 

 妹と姪との別れは少し名残惜しくもあるが、これから先に何度でもここで会えると思えばすぐにそれを振り切ることはできた。今は、もう一つの再会に向けて行かねばならない。

 そういう場に向かうのだから最悪自分で髭だけを剃って赴こうかというところに、きっちりと身だしなみを整えてくれるリンダが来てくれたのはまったく幸運であった。

 彼女とはリンダほど勝手知ったる仲というわけでもないので、いっぱしの男として幻滅されるのもユリウスは嫌だった。

 

(……スメラギ・李・ノリエガ、ってさ。あれって自分で考えたんだろうか)

 

 呼び出したのはソレスタルビーイングの戦術予報士、コードネームはスメラギ・李・ノリエガ――ユリウスが知る彼女の本名は、リーサ・クジョウ。

 ユリウスを呼び出したその要件とは……刹那・F・セイエイ、ロックオン・ストラトス、アレルヤ・ハプティズム、ティエリア・アーデの以下四名のガンダムマイスターたちに対して行っているモビルスーツ戦術教導プログラムに関しての意見交換とのこと。

 つまりは、パイロット養成。

 

「まさか俺にやれなんて言わないだろ。いくら面倒見いいからってさ」

 

 いくらヴェーダの意向一つでまかり通る組織とはいえ、来て一日かそこらで正式な契約も保留中の自分を最重要機密であるガンダムマイスターにいきなり関わらせることなど不可能。ましてやパイロットとして養成させるなど……ユリウスはそう楽観していた。

 

 

 当然そのすぐ後に、現実はそんな楽観の上を軽々と飛び越えたのだが。

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