ガンダム00世界で留美やネーナやコーラサワーとイチャイチャしながら生きる 作:トン川キン児
西暦2306年、3月。ラグランジュ3小惑星帯でのこと。
(詰め方が流石にうまくなった……しかしなぁ!)
白銅色のカラーリングをした飛行形態のヘリオンに、ごく低出力に留められたGNビームサブマシンガンの弾幕を張りつつ後方から高速でガンダムキュリオスが迫り、その横を追い越していく。
GNドライヴを有するキュリオスに、機動性でヘリオンが勝てる道理はない。
モビルスーツ形態へと変形したキュリオスはすぐさま方向転換、敵を正面に捉え射撃する。しかし、ヘリオンもまたモビルスーツ形態へと変形し急激な方向転換を以ってそれを回避した。
戦闘中の変形ができない仕様であるはずのAEUヘリオンが、である。
「んぐぅぅううう……!!」
このMSこそが、イアン・ヴァスティが持てる限りの知恵を詰め込んだ渾身の一機。
型式番号CBNGN-001。AEUヘリオンカスタムタイプ、コードネームは『ネフィリム』。
Gにあえぐその搭乗者は、ユリウス・レイヴォネン。ガンダムキュリオスの搭乗者も当然アレルヤ・ハプティズムが担当している。
「っはぁ!! 接近……!!」
接近警告に映る機影、ガンダムエクシアにもまた刹那・F・セイエイの姿がある。
この戦いはソレスタルビーイング同士の仲間割れでもなんでもなく、ユリウスが課した最終試験である。実戦形式……つまり実際にお互いがモビルスーツに搭乗し、演習の中で五分以内に自分とパスレルの両名に撃墜判定を出す、というもの。
シミュレーターでの訓練とは違い他のヘリオンを用意することはできないため、条件はやや異なる。しかし、この二人を相手取る時点で困難さで言えば同じ程度である。
しかし、今までとは違う。マイスターズ四人は連携し、確実に二人を追い詰めている。
(左から右に……薙ぎ! ソードの突き!)
小回りが利くGNビームサーベル――当然、刀身の発振はしていないが――から攻撃を始動したのも、これまでの訓練の成果であるとも言える。
対ガンダム用兵器としても、示威的な側面からも考えて武装自体は必須だが、大型のGNソードでの攻撃を主体にせずとも、一般兵器であればGNビームサーベルで容易く切断可能であるという教えに基づく攻撃だった。
左からの袈裟斬りと、右からのGNソードによる突きの連続攻撃。ユリウスは右後方に避け、突き出しを潜り込んでエクシアの下後方へと逃げる。
だがそこに、想定していなかった機体が一機。ティエリア・アーデが駆るガンダムヴァーチェが、GNバズーカをチャージして待ち構えていた。
「なに!?」
フォーメーション・S-32。原作でもあった、エクシアとヴァーチェの戦術フォーメーションの一種である。エクシアが近接戦闘で動きを制限し、ヴァーチェがバズーカで撃墜する。
これを教えたのもユリウスだが、今は想定外だった。なぜなら、通信が来ていない以上未だパスレルはロックオンのデュナメスとヴァーチェを相手にしているものだと思っていたからだ。
『わりいやられた!! そっち行ったぞ』
(でかい!! 避けれっ――――)
パスレルからの遅すぎた通信。そして――――フルチャージの、GNバズーカ。
現実に放たれたわけではないがその破壊規模を鑑みて、その瞬間ユリウスのCBNGN-001・ネフィリムに撃墜判定が下された。
「……避けれねえわなあ」
静止したネフィリムの中で、諦めたようにユリウスが呟いた。
機体性能の差も当然ある。しかし、教え子である彼らは十数年かけて積み上げてきた自分の技術に匹敵するまでの力を、一年も経たずに身に着けてきた。
今のところユリウスのみが知る『ある思惑』が絡んでいるとはいえども、やはりこの四人はガンダムマイスターというヴェーダに選ばれた人間。その内に秘めている才能も、並大抵のものではないということなのだろう。
『ミッションタイム、4分13秒。演習終了、全機帰投してください』
「その前に一つだけ言いたいことがある」
『え……は、はい。どうぞ』
戦況オペレーターのフェルト・グレイスを遮って、ユリウスはプトレマイオスを介して通信を四機のガンダムに、四人のガンダムマイスターに繋げた。
『見事だった、マイスター。連係から連係、フォーメーションからフォーメーション。ここまでのことをこうも早くできたのは、お前たちがヴェーダに選ばれた存在だという証明だ』
「……ユリウス・レイヴォネン」
「ハハ。ようやくお褒めの言葉かい」
少しの余韻を持って刹那は言葉に聞き入り、ロックオンは笑いながら耳を傾けた。
『同時にお前たちは、仲間に頼る方法を身に着けた。ソレスタルビーイングに、戦争根絶に馴れ合いは必要ないと言えばその通りだ。だが、この世にただ一人でできることなどありはしない』
「仲間か……」
「…………」
アレルヤとティエリアは、黙してただその言葉を聞くのみ。
『他者と向き合えない者は、世界とも向き合えない。俺が教えたのはそういうことでもある。フォーメーションも、この事も、決して忘れるな』
「……他者と向き合う」
いつかと同じ、ユリウスが刹那へと与えた言葉。そこにも、同じメッセージがあった。
刹那にも今は理解できる。他者の存在失くして世界は在り得ない。
……だが自分には、他者と関わりを持とうとする資格がない。意味もない。
戦いに身を置く自分が他者と関わりを持ったところで、失うだけ、虚しいだけだ。
……向き合ったうえで、親しくはなろうとしない。それが、今の刹那の結論だった。
『俺からは以上だ。世界を頼むぞ、マイスター』
そう言ってユリウスは通信を切り、着艦作業へと移った。
プトレマイオスのコンテナはガンダム用の四基分しか存在しないが、艦体にはもう一機のモビルスーツを収容できる、ということはユリウスもこの世界で初めて知った。
ただしユリウスのネフィリムは船外係留である。出撃前にじゃんけんでパスレルに負けたため出港時と場所が入れ替わってしまったのだ。
こんなことをじゃんけんで決めていいのかと艦長のスメラギにも言ってみたものの、どっちでもいいし面白いから別にいいと言われた結果がこのザマである。
「か、カッコい~~……あんな風にキメてみたいっスよ」
「男ってああいうのに憧れるの? なんかムリしてる感じするなぁわたしは」
対照的な反応を見せる男女ふたり。プトレマイオスクルーの中では最も新参の操舵手リヒテンダール・ツエーリと、戦況オペレーターのクリスティナ・シエラ。
三ヶ月前からの参入者である二人は、ユリウスにとっては唯一の後輩にあたる。
「素のままにせよ違うにせよ、カッコつけたいのが男ってもんだ。そういうもんだぜ」
男の美学とも言うべきその振る舞いに一定の理解を示したのは、砲撃手のラッセ・アイオン。
彼は元々ガンダムマイスターとしても予備候補として招集されており、ユリウスとは昨年から少しだけ付き合いがあった……とはいえ、トレーニングルームでの汗臭い付き合いが主だったものだが。
「……へえ」
素っ気ない返事をしたのは、クリスティナと同じく戦況オペレーターのフェルト・グレイス。自分たちオペレーターには仕事が残っているのに何を騒いでいるのか、という感情の方が大きい。
若干14歳の最年少クルーで、ユリウスとの関わりは友人であるシェリリンとの付き合いで一度あったかなかったか程度のもの。一応の面識はあるといった感覚である。
チーム・プトレマイオス……ソレスタルビーイングの実働部隊に、いよいよ役者が出揃った。
となれば、変えなくともよい大筋のためにいらぬ役者は消えるのみ。この先の自分は黒子に徹し、変えるべきところを変えればそれでよい。それが、ユリウスの方針。
『発進前の警告通り、船外係留には相対誘導システムが作動できません。シークエンスはパイロットの船内帰還までと定め、着艦には細心の注意を払ってください』
「了解。着艦作業に移る」
フェルトからユリウスへの通信。せっかく預かった機体を二度目の出撃で傷つけてはかわいそうだと思い、言う通り最大限の集中で着艦に臨む。
やるべきことをやっていく。今はそれだけでいいのだと、自分に言い聞かせた。
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コクピットから出て外部ハッチを開くまでのごく短い時間とはいえ、
外部ハッチから各所への連絡通路までの間の区間に設けられたクリーンルームの工程を通過して、ようやく通路に出るユリウス。そこには、意外な人物が待っていた。
「ブリッジにいなくていいのか?」
「いいでしょ。演習じゃ大した仕事もない監督役よ」
スメラギ・李・ノリエガ……チーム・プトレマイオスの戦術予報士と、名目上の艦長ではないが輸送艦プトレマイオスの指揮を務めるはずの彼女が、わざわざ出迎えに来ていた。
「今日までお疲れ様。教える方が向いてたりしてね?」
「どれほど神経使ったと思ってるんだ。もう二度とやりたくない」
「名演説だったじゃない」
「茶化すなよ……気取ってないとやってられないだろ」
自分なりの言葉を込めた激励だったが、気取りっぽいと言われれば何も言い返せない。自分の性分とこういう役回りが合っていないのだから、そうでもしなければ仕方がないというもの。
そう返すと、スメラギは……身体を近づけてユリウスに寄りかかってきた。
「……そうよね。やってらんない……」
「……どうした」
「ユリウス君はやってみせた。次は私の番なの……でも私、あなたと違う」
「そりゃ……違うさ。誰だってそうだ」
ユリウスとて忘れていたわけではないが、彼女は元々心の強い人間ではない。
戦いへの恐怖を律することはできるが、
胸板に伏せた顔から覗く、潤んだ頼りない瞳。そこにいたのはスメラギ・李・ノリエガではなく、いつかのリーサ・クジョウだった。
だがここから先は、リーサ・クジョウのままでいられてはいけない。
こういう役回りになるのが自分の仕事だと自身に言い聞かせ、ユリウスは言葉を紡いだ。
「自分の番が来たら、今さら怖気づくなんてね。情けないわよね」
「……情けなくたって、かっこ悪くたっていい。俺の前ならそれでもいい」
「……ン」
「今やることをやって、進み続けるしかないんだ。リーサもそうしろ、俺もそうしてる」
「……うん」
「戦争根絶なんて、先の見えない道だからさ……疲れるんだよ。俺と少し休んで、歩けるようになったらまた歩く。そういう風に、頼ってもいい」
できるだけ優しく、壊れないように、労わるように。そう心掛けた言い方だった。
言葉を言い終わって見下ろすと、同じように自分を見上げていたリーサと顔を付き合わせる形になっていた。目と目が合って、しばらく見つめられるユリウス。
「……ありがとう。貴方がいて、助かってる」
感謝と共に指で涙を払った後の瞳は、スメラギ・李・ノリエガのものだった。
こういう時もあるというだけ。もう大丈夫だと、ユリウスは思えた。
「ずっとは休ませないけどな。さ、行くぞ」
「おうユリウス!! わしの傑作はどう、だっ、た…………?」
……そんな折に、イアンが乱入してきたのである。
「……ミス・スメラギ? あ、あー……そういう、感じで……」
「や……あの、イアン、違くてなぁ」
「段取りは教えてやるよ。式は挙げてやれんが職場結婚を見んのは自分含めてもう三回目で」
「違っ!?!? ダメだってほんと色々!!」
突き放すようにとまではいかないが、寄せられた身体を離してもとっくに遅かった。
言葉を考えるのに必死で意識していなかったが、こういう現場をよりにもよって身内の妻帯者に見とがめられてしまえば、たとえそれが誤解であろうがなんだろうがこのように気ぶりが止まらなくなるのは道理である。
一瞬スメラギの顔色を窺えば案の定赤面しているし、恐らく自分もそうだ。色々と豊満な身体を密着させていたことも今さらながらに意識してしまって、ユリウス自身も情緒がぐちゃぐちゃになっていくのがはっきりとわかった。
(あ、違うなこれは。随分初々しいしまだ交際の段階じゃねえか?)
「ごっ……誤解だから!! ここであった事は言うなよ!?!?」
「わかった」
「えっ!? あ、ああ……うん、そう……物分かり良すぎだろ……」
「あの……イアンさん、私の愚痴を聞いてもらってただけなんです。ユリウス君とはそういうこと別になくって」
「わかってるって~任せときな」
異様に物分かりがいいとそれはそれで不安になるし、イアンはスメラギからいったい何を任せられているつもりなのか全く理解できないユリウスであった。
「……いいのか? 貰った機体の話しなくて」
「それはしていけ!!」
この状況を収めるためには、大好きな自分の制作物の話にすり替えるのが一番だろうなと企んだユリウス。その策はピッタリとハマって、先程までの興奮がすべてそちらに吸い寄せられた。
「で、どうだった。実践的に動かしてみて」
「わかっちゃいたけど、ヘリオンとは比べ物にならないよ。最高だ」
私見を述べつつ移動して、イアンの視線をスメラギの方へ向かないように誘導する。イアンを完全に反対側へ振り向かせた頃に目くばせすると、スメラギはそそくさと散っていった。
「へっへっへ。お世辞はいいから、問題点をあぶり出していこうや」
そう言いつつもニヤケと笑いが隠せないイアン。ユリウスとしても、『ネフィリム』について開発側との情報共有は望むところであった。
「モビルスーツ形態も飛行形態もレスポンスは良いし、ちゃんとついてくる。けどさ……」
「何が問題なんだ?」
「モニター狭くないか? ガンダムの方もそうなんだけど、窮屈だ」
ユリウスの指摘する点はイアン・ヴァスティの開発する機体というより、ソレスタルビーイングの開発する全ての機体について回っていることである。コクピットにおいて、フレームの占める面積の方がモニターより遥かに多い。死角に感じられる位置も、必然的に多くなる。
この点についてはユニオンのフラッグ、AEUのヘリオン
ワンオフの最大戦力であるガンダムのみを武器とし、そのガンダムに合わせるようにしてパイロットが育成されるソレスタルビーイングにおいて、今まであまり問題視されていなかった事柄だった。
「ああ……いや、機体にセンサー増やして広くしようにも、今んとこ機体に仕込めるサイズの小型センサーはGN粒子に阻害されちまうんだよ。新技術作成中だな、その辺は」
「できたら付け替えるつもりか?」
「ネフィリムで試してからな」
「そうか。あと、なんていうか……期待したほど速くない? っていうか……」
「ああ? なんだそりゃ」
棘のある言い方が出そうになり言葉を選ぶユリウス。少し首を傾げた後、もう一度話し始めた。
「腰部のドラムフレームやめて、モビルスーツ形態の強度、上がったよな。スラスターとウイングも腕と肩に動いて、機構変わって変形中もしっかりしてるし、戦闘中の変形に耐えれるように関節もそうなってるよな。実際負担は少なく見えた」
「いいことじゃないか。違うか?」
「そりゃあ、よくはある。でも過剰すぎやしないかって思ったりして」
「……そういうことな。だから重いってことか」
変形機構の見直しに、それによる軽量化の余裕で関節強度を高める。機体各部の安定性を高めるのは重要な考えだが、ユリウスにはこだわりのために機動性を捨てすぎているように感じられた。
当然ユリウスはイアンの技術を信頼しているが、こだわりの行き過ぎる部分は多分に見受けられる。本人がそれを問題点だと改める可能性もある、と思って言ったことだったが……
「そりゃあな……秘密だ」
「ひ、秘密……!? 俺の乗るモビルスーツなのにか」
「ああ。秘匿義務に関わっちまう重要な部分なんだ、わしだってできりゃあそこ自慢したい!!」
回答はどうしても得られないようだった。
「ン……わかった。今んとこ思い当たるのはそのくらいだ」
「数値的なもんはこっちで洗い出すから、他に思い当ったらまとめてきてくれ」
「おう」
「わしは今から整備だからな、っと……」
そう言い残してイアンは壁のリフトグリップを引き出して掴み、慣性にまかせてコンテナブロック方向へと向かっていった。
ユリウスには、どうも引っかかる点が残ったままだった。
「ただの肉付けで、なんで秘匿義務まで出てくるんだろうな……」
この時のユリウスはまるで予想もしていなかった。
秘匿されたこの真実が、とんでもない形で自分に関わってくること、そして『ネフィリム』と呼ばれるコードネームの所以であることを。
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それから一週間後、地球、大西洋上。ピンク色が目を引くVTOL機内でのこと。
「いやぁ~~~~いいもん持ってんなァお嬢様はさぁ」
「到着までどうぞお寛ぎください」
ソファに腕を広げてどっかりと座るパスレル。その横に居心地悪そうにユリウスが座り、紅龍が紅茶をティーカップに注ぐ。
留美のプライベートジェットであるこのVTOL機は機体そのものの性能もそうだが居住性も十分以上に充実しており、その財力の程が窺い知れる。
「今回のミッション、どう思われます? ヴェーダからも確定情報が引き出せないなんて」
「不思議じゃない。AEUは元々そういう国、まとまりの無さで勝負させたら三大国家一……」
「ふふっ。随分信用の無いふるさとなのですね」
「一度もあそこを信じたことなんかないですよ」
遡る事数日前、世界中のあらゆる情報端末に接続し監視するヴェーダにAEUからある計画がヒットしていた。
現行主力機AEUヘリオンに代わる新型モビルスーツ『AEUイナクト』。そのロールアウトに併せて、各国に向けた公開演習によるパフォーマンスを、2307年10月6日に控える人革連の保有する軌道エレベーターである『天柱』稼働十周年記念式典にぶつけてくる可能性がある、との情報が入手できたのだ。
もしこれが実現すれば、『ラ・トゥール』へのAEUによる条約違反のモビルスーツ配備などを計算に入れたヴェーダによる試算でも、ソレスタルビーイングによる武力介入のタイミングとして以後数十年には存在しない程の絶好の機会になる。
問題は、ヴェーダがこれを確定情報としなかったことにある。
『天柱』記念式典とイナクトの公開演習をバッティングさせるか否かについては、少なくともヴェーダが把握できる情報端末内での討議において、未だ上層部で意見が分かれている。それ故、ヴェーダはこの情報を確定的なものとは判断できかねていた。
情報通りだとすれば、武力介入までに残された猶予期間はわずかに一年半と少し。
諸々の準備を考えると、2307年10月6日に合わせるなら今からでなければそれを万全にできない。
『……公開演習の、正式なパイロットから話を聞けるならどうだ?』
ミッションの発端は、それを聞いて閃いたユリウスの提言だった。
内々では決定している可能性があるものの、ヴェーダは情報端末を介さない人間同士の会議をも覗き見ることはできない――――その場にパスレルのような『ヴェーダの眼』が居合わせているなら話は別だが――――。
だがもしそうだとすれば、公開演習にてイナクトを操縦する正規パイロットに日時決定の話が既に行ってなければおかしい。直近の事例においても同じ三大国家だとティエレン、フラッグ。同国だとヘリオン
そしてユリウスは、その正規パイロット……パトリック・コーラサワーから、何を疑われることもなく話を聞き出せる人間である。
「正規パイロットの方とは随分仲がよろしかったとか」
「……腐れ縁ですよ」
かくして提言に対するヴェーダの承認は降り、ソレスタルビーイングのエージェント、ユリウス・レイヴォネンの初仕事が決まった。
公開演習についての確定情報をいち早く得るため、パトリック・コーラサワーからそれを聞きだすのが、ヴェーダから与えられた今回のミッション内容である。
……最初に彼と出会った時は、目的であるこの組織に入ってから初めてのミッション対象にまでなるとはまるで想像もつかなかった。
「旧知の間柄ですが、エージェントとしての役割を忘れないように。コードネーム『マグナス・アルハンゲル』……偉大なる大天使様。ふふふっ」
「ぶ……っ、いや笑っちゃうよな!! 誰でも笑うわ大天使なんてガラかこいつが」
「……俺だって気に入ってるワケじゃないんだぞ」
留美の読み上げたその名を笑い飛ばすパスレル。そちらに関しては言わずもがなだが、わざわざ意味づけまで添えてくすくすと笑う王留美という少女も、やはりいい性格をしている方だと思った。
ユリウス・レイヴォネンに与えられたコードネーム、それがマグナス・アルハンゲル。
(…………明日、か)
改めて、なんとも因果なものだとユリウスは思わされた。
あの事件と、友人の命日からちょうど三年。そんな日にまたAEUに戻ることになろうとは。
そして
「…………」
拳を握り締める。
AEUの地を踏んで、自分はこの暗い憎しみを抑えきることができるだろうか。
ユリウスではなく、マグナスとして。
CBNGN-001 AEUヘリオンカスタム「ネフィリム」(オリジナル機体)
イアン・ヴァスティがこれまでの開発経験を総動員して改造したAEUヘリオン。しかし、最早AEUヘリオンとは程遠いモビルスーツである。
背部大型フライトユニットはその機能を分割されて各部パーツに分けられる。スラスターとしての機能は、ガンダムラジエルと類似し後のダブルオーガンダムとも通じるフレキシブルスラスターを肩部に接続。
揚力を得るための飛行翼は、スラスター内蔵の小型の背部フライトユニットに移動。こちらもモビルスーツ形態時には折り畳むことが可能となっている。
そしてフライトユニットが小型化したことにより変形機構が見直され、腰部ドラムフレームを撤廃。これによりモビルスーツ形態時の腰部強度が上昇、飛行形態時には腰部から下を丸ごと後方へ移動することが可能となり、腕部と脚部を水平に接続することで飛行形態時の全体の強度も上昇した。
これらの仕様変更によって間接強度の増強も可能となり、戦闘機動中の変形を敢行してもなお機体に余裕のある設計が実現している。
武装面においても高出力ロングリニアライフル、搭載する弾頭を変更可能な脚部マルチミサイル、バッテリーとジェネレーターの高出力化によってGN粒子不使用で発振可能なNGNビームサーベルなど強力な装備が揃えられている。
上記以外にも機体各部にスラスターが増設されたことでMS形態時・飛行形態時ともに各国のあらゆるモビルスーツをも上回るほどの速度を持つが、リアスカートには不自然なデッドウェイトが多く、隠された機構の内蔵が示唆されている。
説明するのが難しくてごちゃついてますが上記の説明、要はだいたいAGE2の変形機構と同じです
羽の根っこが背中の方にあって一対しかなくて平行なのと
飛行形態時その下に肩のスラスター来るようになってるのと
リアスカートがデカいかなぐらいの違いしかありません
理由はAGE2の変形が一番好きだからです あと腰回りがイナクトとかフラッグにちょっと機構近いかな~と思ったから
次回で1stseason前の話は終わりです
でもそのあともう一つラッセとロックオンとアレルヤとでサウナ行く番外編あるかも