ガンダム00世界で留美やネーナやコーラサワーとイチャイチャしながら生きる   作:トン川キン児

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やっといた方がいいのかわからんけどこれからは活動報告の方に次話の投稿日時予告しとくね


違い始める道

「パイロット候補は、AEU所属国のトップガンを集めればいい……が……」

 

 国連軍によって提供されるガンダムと同タイプのエンジン及びMSは、各三大国家に10機分譲渡される。ユニオンに、人革連に、そしてAEU。

 先の大規模軍事演習にてAEU軍の指揮官を務めたカティ・マネキン大佐も、そのパイロットの選定、及びそれらを用いたソレスタルビーイング壊滅作戦の指揮を一任されている。

 ……トップガン。本来ならば我が陣営(AEU)には、まだあと一人いるはずだったというのに。

 

「……レイヴォネン……!!」

 

 年月は人を変える、と彼との話にあったが、自分は奴がどう変わったかを見抜けなかった。謀られたのか、自分の見る目がなかったのか、全ての責任を受け持つカティにとってはいずれにしても、である。

 正体・出所ともに不明の所属不明機としてユニオンMSWAD基地上空でガンダムと交戦、これを撃退したかと思えば、ユニオン軍に身柄を拘束され、機体特性からAEUの関与を疑わせ関係を悪化させる。当然、AEUはこれらの事実を全く知らなかった。

 ……しかも、かき回すだけかき回した挙句に、自身はどうやってか同乗者と脱獄し消息不明。基地からはオーバーフラッグス技術顧問であるレイフ・エイフマン教授も同時にいなくなる。

 結果的に国連軍が発足したからいいようなものの、ユリウス・レイヴォネンは今やAEU所属の軍人。痛くもない腹を探られることでユニオンとAEUの関係は冷え切るところだった。

 真に戦士となった彼は、その親友共々心強い部下となってくれる。そう思っていた甘い自分をもカティは恥じた。

 

「……戦争根絶などという夢想に乗りかかる。それが、お前の答えなのか……」

 

 ユリウスへの怒りと失望も、尚更だった。

 これまでの経験上AEUの上層部がどこまで信用に値するのかは判らないが、あの機体に関しては間違いがないと思える。現有の技術に対してあまりにも飛躍しすぎている。

 その出所は、ソレスタルビーイングに他ならないだろう。

 心の隙間に甘言を流し込まれ、地に足を付けて考えることをやめた。ユリウス・レイヴォネンは、そうなってしまったのだと思えてならなかった。

 ――――その時、玄関の呼び鈴が鳴った。

 

「……何だ!」

「ひぃ!! わ、私です! パトリック・コーラサワーです!」

 

 苛立ちの収まらないカティが乱暴にドアを開けると、目の前に現れたのは、赤い薔薇の花束。

 視線を上げるとそこにいたのは、パトリック・コーラサワー少尉だった。

 ……彼もまた紛れもないトップガンではあるが、落ち着きがない。レイヴォネンがいなければストッパー役に欠ける……と、先ほど思っていたばかりの人間だった。

 その途中にレイヴォネンの名前が挙がったからこそ、憤りを思い出したのだが。

 

「……すまん。で、用件はなんだ」

「大佐をお食事に誘いたいと思いまして」

「…………」

 

 …………そして、その憤りは目の前の男のあまりに呆けた能天気さで忘れ去られ始めた。

 

「……はぁ。少尉。今、世界は大きな変革期を迎えようとしている。お前の友もそれに巻き込まれた」

 

 ため息をつきながら、カティはパトリック・コーラサワーという男を見定めようとした。

 ユリウス・レイヴォネンは彼にとっても無二の親友。それがああなっているということは当然聞き及んでいるはずなのに、なぜそんな様にいられるのだろうか、と。

 

「ソレスタルビーイングの構成員かもしれないとまで疑われている。そのことについて何も考えることはないのか?」

「はい! ないです!」

 

 即答。

 ならば、答えはどちらか。

 何も考えていないか、何も考える必要はないと割り切っているか。

 

 ……もし前者だった場合が、なかなかに放っておけない。

 

「……全く、放っておけん男だ」

「なんです?」

「待ってろ、用意をしてくる」

 

 レイヴォネンがいつもこの男、パトリック・コーラサワーに付いてまわっていた理由はこれだったのだろう。と、カティは気づいた。

 同時に、今のお前が下した決断は、この男を捨て置いたも同然なのだぞ、と。

 

(友を捨てて夢想に走ったお前には、いずれ私がその結末をくれてやる……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ったく……!」

 

 AEU・リニアトレイン公社、会長別荘から出てきたある男が開口一番についた悪態。

 男の名はアリー・アル・サーシェス。

 自らを"戦争屋"と嘯く人間であり、ここに訪れた理由もまた、戦争のためである。

 

「ソレスタルなんたらのせいで……」

 

 現在のサーシェスの人生の風向きはというと、芳しくない。

 元々の傭兵としての雇い先であったモラリアの民間軍事会社・PMCトラストはソレスタルビーイングの武力介入によって大損害を受け、今や廃業寸前まで追い込まれている。そんな未来は目に見えていたので、サーシェスはいち早く足抜けした。

 次のクライアントであったアザディスタンの超保守派についても、ソレスタルビーイングが来たとわかれば足がつくのを恐れいち早くこちらを切り捨てようと動いた。当然、サーシェスはここでも一目散にアザディスタン国内を飛び出した。

 そのまた次は、AEU軍第4独立騎兵連隊。正規軍へ籍を置けることはありがたいものの、出番そのものがそうそう来ないという退屈がサーシェスにとっては著しい不満であった。

 そして次の時代で戦争をするために必要な力、"ガンダム"。

 

 ガンダムであるかそうでない兵器かは、次の時代の戦争においてあまりにも違いすぎる。これからは戦争をするには、ガンダムが必要である。

 だからこうして彼は、国連軍からガンダムが譲渡されるという情報を掴み、着たくもない背広を着て、面倒なコネ作りに奔走し、ガンダムを得ようとしているのである。いわば、就職活動である。

 "戦争屋"である彼は、戦争なしには生きていけない。人生の意味を感じることもできない。

 戦闘。殺人。略奪。それらによって金を得ること。アリー・アル・サーシェスという生き方には、とにかくそれらはいつも必要不可欠だった。

 ……だが、狙いであるラグナ・ハーヴェイの反応はどうにも芳しくない。

 脈がない。このままではガンダムを得ることはできないだろうということは、コミュニケーション能力にも優れたサーシェスにはありありと察せられた。

 

「この俺に必死こかせやがって、テロリスト共が。見てやがれ……」

 

 3度も借りを作っている相手というだけでも苛立つというのに、このようなザマに貶められた相手。サーシェスとしては、なんとしても堕とし前をつけさせたいものだ……と考えながら、車のキーをいじる。

 ……サーシェスの言葉はすぐに成就した。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()から。

 

ボンジュ~~~~ルおっさ~~~~ん

「…………!? てめっ、おしゃべり女――――」

 

 ――――銃声が2発。懐の拳銃を構える前に。

 腹部から多量の失血。意識が遠い。死ぬ? 俺が、戦いもせずに?

 アリー・アル・サーシェスの意識は、いったんそこで途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………はぁ……取材は空振り。どうすれば……」

 

 場所を同じくして、海辺で嘆く若い栗色のショートヘアの女性がひとり。

 絹江・クロスロード。JNN所属のジャーナリストであり、今時のマスメディアには珍しい気骨と信念を持つ人間。"報道魂"とでも言うべき行動原理で動く人間である。

 何故か、と問われれば、それが憧れに背中を追い続けた報道者である父の信念なれば。

 

 今の自分は、恐らく追い続けたソレスタルビーイングの核心に迫りつつある。

 新型のガンダムに乗ったガンダムマイスターが発したという"ラグナ"というキーワード。それはこの別荘地を所有するリニアトレイン公社総裁、ラグナ・ハーヴェイのことにまず間違いない。

 自分の辿っている筋道は間違っていない。自分は、世界の真相にたどり着くことができる。

 約200年前に起きた科学者たちの大量失踪、イオリア・シュヘンベルグという人物の謎。それら二つの壁についても、全てが明らかになる時が近づこうとしている。

 ……そして、ため息の理由はもう一つの目の前の壁。そもそも論としてラグナ・ハーヴェイ総裁への接見が叶わないということ。

 

(これが通らなきゃ話にもならないっていうのに。別の切り口なんてある……?)

 

 今度ばかりは、という言葉が絹江の脳裏をかすめる。

 しかし、すぐに振り払う。これまでもこれからも、絹江・クロスロードに諦めという言葉は存在しない。

 人間ひとり、とっかかりなどいくらでもある。こんな程度で音を上げていては真実が遠ざかるばかり――――

 

 ――――近くから、渇いた破裂音が。2度、響いた。

 

「…………え……!?」

 

 ここはラグナ・ハーヴェイ氏の別荘。出入りする人間など元から限られている。

 そして、総裁は面会中だったはず。

 ……命を狙われるとすれば自分の方だと思い込んでいた。そんな、まさか。

 銃声はどこから聞こえたか判らないが、気づけば駆けだしていた。

 

「ひょ~~~~これ上開くんじゃん。こいつくたばってる間にパクっか」

 

 その時、一台の赤い電気自動車(エレカ)が突っ込んで来る。

 オープンカーのようで、ルーフの開閉操作で車道を走る絹江が見えていなかったようだった。

 

「あ?」

「なっ……!!」

 

 ギリギリで急停止したものの、絹江はその場にへたり込んだ。

 

「……ちょっと!! どこ見て………………」

 

 負けん気の強い絹江はボンネットに手をついてすぐさま立ち上がり、視点を上げて運転手に向かって怒鳴りつけ、ようと、するが。

 女性の運転手よりも、その隣の助手席に座っている……座らされている、おびただしい量の血を流す男の方が、よほど目についた。

 

「……あ、貴女、それ……」

「え。あ……アッ!! そうか開けてる場合じゃねーじゃん」

 

 銃声の被害者はこの男の人? なぜ車に乗せられている?

 救急搬送されているわけではない。隣に大怪我した人間を乗せて切迫している様子もない。

 そして今の言葉。では、撃ったのは。

 ……絹江の脚は、それらを考えている間、震えて止まったままだった。

 

やっばーい☆ 隠滅隠滅☆

 

 女が銃を構えるのが見えたあと、3発の銃声がすぐ前から聞こえ、身体に襲い掛かった衝撃で気づくと自分は車の横に倒れていた。

 脚の方から押しつぶされるような激痛が走って、薄れていく視界には既に車は見えなかった。が、代わりに誰かが駆けつけてくるのが見えた。

 

「何だあいつは……私の敷地で……冗談ではないぞ!! とんだ醜聞になる……!!」

 

 ……見覚えのあるその男の顔を思い出そうとする最中、絹江の意識は途切れようとしていた。




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