ガンダム00世界で留美やネーナやコーラサワーとイチャイチャしながら生きる 作:トン川キン児
「我々を機体ごと
「順調です。合流地点は大西洋上ポイントC-7783、そちらまで向かっていただければ回収は可能です。迎えも来るでしょう」
「……感謝する」
チームトリニティがアフリカ大陸北西部のアジトを国連軍の攻撃によって放棄せざるを得なくなってから、数日が経過した。
地上の拠点は先の場所が唯一である。ガンダムスローネ3機の補給はラグナ・ハーヴェイが音信不通状態であるこのままでは当然見込めない。そうなった時点で、ヨハン・トリニティは決断した。王留美の手を借りることを。
このままあてもなく彷徨っていても消耗を続け、いずれ国連軍に捕まる以外の道はない。
……何より、長男として弟と妹を守るための決断であった。
「それよりも現状の脅威への対処を。国連軍がそちらへと向かっています」
「了解した。ここを切り抜けた先を期待する……!」
「おい兄貴ィ! いつまで逃げ回んなきゃいけねえんだよ!?」
「粒子も残り少ないよ?」
「次が最後だ。ミハエル、ネーナ。敵が来る、スローネを起動するぞ!」
……あの女の言葉を信じるなら、という枕詞は付く。
自分たちがいかに脆い基盤の上に立っていたのか、ということをつくづく思い知らされるヨハンであった。
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「……ガンダム……」
ユニオン領経済特区・日本、高層マンションに居を構えるクロスロード家のリビング。
元よりこの家に人がいることもそうないため、沙慈・クロスロードは一人でいることには慣れている。だが、今は普段通りのはずのこの部屋がより寂しく感じられた。
大画面のTVを点ければ、速報のニュースが飛び込んでくる。国連軍はガンダムに対抗でき得る新型モビルスーツを開発し、中東・ドグル上空にてガンダム掃討作戦"フォーリン・エンジェルス"を開始。その中継映像が、大々的に映し出されている。
……ガンダム。
この一年間、沙慈の人生にこの言葉はずっとついて回った。
始めはニュース。ハッキリ言えば単なる他人事。
次には当事者。ガールフレンドと地球に叩きつけられる所を救われた。
今は被害者。助けられたはずのガールフレンドは親族全員を喪い、右腕を奪われ、その傷は治る見込みがない。
この上通り魔なんかに運悪く姉の命までも奪われていたら、自分はもう、まともじゃいられなかったかもしれない。
「……なんなんだよ、お前たちは……!」
助けたと思えば傷つける。憎しみを生み出すだけの戦いを続けている。そんなソレスタルビーイングを、沙慈には理解することなどできなかった。
彼らが闇雲に世界を変えていくたびに、その行いでルイスが、姉が、傷つけられる。自分にとって大事な人であるふたりが今生きているのは、単に悪運が強かったからにすぎない。
行き場のない憤りが今も募っている。
……だが、どうすることもできないことも沙慈にはわかっている。
「……はぁ……」
どうだこうだ言ってみたところで自分の気持ちで世界が動くはずがなく、自分は、自分の人生を生きていくしかない。それも、痛いほど思い知った。
そういう風に前を向いて生きていこうと思えた理由は、左手の薬指にはまっていた。
「……ルイス」
彼女が、ルイス・ハレヴィが自分を受け入れてくれたその証。金の婚約指輪。
今思えば、卑怯なタイミングだったかもしれない。ルイスが人生の中で一番弱っている状態で自分は告白してしまって、受け入れさせた。
それでも伝えたかった。自分には彼女の心に一生寄り添って生きていく覚悟があるのだ、と。
だから、指輪を渡した。
(思えばクサいセリフ言っちゃったなぁ)
無くなったのは左手じゃなくて右手だったんだから、僕が指輪をはめてあげられる場所が残ってるってことだろ、とか。勢いに任せて手を取って言ってしまったが、ともすれば随分デリカシーのない言葉だと沙慈は思い直した。
それでも、傷だらけの彼女の心に響いてくれた。
今は彼女の左手薬指にも、同じ指輪が輝いている。それが、沙慈の目を未来に向けさせた理由に他ならなかった。
「できること、やんなきゃな」
もうすぐ姉の絹江も退院して家に帰ってくる。しばらくは安静だが、そうなれば久々に世話をしなければいけない人間が増える。
誰もいない家にひとりで帰ったって、と言っていたのだから、いつかはルイスだって来る可能性だってある。同じ家に3人いればやることも増える、忙しくなる。
……ルイス・ハレヴィは、僕の婚約者は、沙慈の夢が自分の夢なんだと言ってくれた。
だから、自分のことだって進めていかなけりゃいけない。
世界がどうなろうと、勉強して、宇宙に出て、夢を叶える。二人の夢を。
"すぐに追いつくから"じゃなくて、自分から引っ張っていってやる。
それぐらいの男になってみせると、沙慈は決意を新たに日常を生きていく。
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「彼らもそろそろだね」
「おっマジ? ん~じゃ、アイツの出番ってわけだ」
3機のガンダムスローネは追い詰められ、ついに限界を迎えようとしている。
これらも全てリボンズによる計画のうち。そして、最後の後詰めのため、自らの望む報酬のために
チームトリニティは壊滅する。どうしようもなく、そういう運命にある。
「それにしても君も意地が悪いね」
「あ~ん?」
「彼の望みを知っていて差し向けるんだろう、アリー・アル・サーシェスを」
「おうそらそうよお前。頭きてっからなぁ~あたしだってよォ~」
初めから戦闘用、無性の生物として生み出されたリボンズにとっては理解しかねる、愚かしさの一端とさえ思っていた感情だが、どうもパスレル・メイラントは、ユリウス・レイヴォネンがパートナーとしての自分と別れたことを根に持っている。
女性型イノベイドだとしてもどうもそういう機微とは無縁そうにリボンズからも見えていたが、やはり女には女の情念というものがあるらしかった。
どういうわけかネーナ・トリニティに彼は惹かれているらしく、パスレルもそこまではいいと言っていた記憶がリボンズにもある。だが、それ以上の何かを望むのならば邪魔をしてもいいだろう、という理屈らしい。
「ムカつくわ~こぉ~~~~んないい女フりやがってよぉ~~~~」
「女の恨みは恐ろしいものだね」
「お互い一回は一回ってもんだろぉ!?」
サーシェスに指示を出したのは自分だが、パスレルはそれに付け加えて指示した。
スローネドライの女のパイロットと、ユリウス・レイヴォネンは殺すな。他はどんなふうにしてもいい、と。
「顔も合わせたことねー女に靡いてってよ、重荷になんなきゃいいなぁ?」
「よく言うよ。荷を足しにいってるくせに」
「げへっ!」
汚い笑いでごまかすパスレルに、呆れるリボンズ。男と女がいてこそ可能性は生まれるのだろうが、こんな調子になるようでは少しそれが疑わしく思えた。
目下の楽しみは、アリー・アル・サーシェスの働きぶり。
ユリウス・レイヴォネンが来るのならば、彼を相手にどこまでやれるだろうか。
見方を変えれば、世の中には素直に楽しめるものがままあるものだとリボンズは思った。
「さて……コレはどうする? 君の意見を聞きたいな」
「ん~~~~ど~すっかなぁ。悩ましいな~~~~コレばっかりはなァ~~~~」
そして一番は、冷凍睡眠で生き永らえ目の前に現れたイオリア・シュヘンベルグその人の処遇。
どうするのが愉しいか。リボンズとパスレルは引き続いて頭を悩ませている。
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「どうすんだよ兄貴ィ!」
「王留美に
「信用できんのかよ!?」
……それを言われれば窮するしかない、とミハエルに対し申し訳なく思うヨハン。
大西洋上ポイントC-7783、無人の孤島。国連軍人革連部隊のGN-Xに追われ、命からがらに逃げて流れ着いたここで、ようやく安息が訪れる。
もちろん、それは王留美が信用に足る人物であればのことだが……と、発進前と同じ結論に至り天を仰ぐヨハン。
「迎えは奴のはずだ」
「あのパツキンのオッサンかぁ? ったく、こんな状況じゃなきゃあ切り刻んでやりてえぜ……」
「……王留美がどうかは知らないが、私としては、奴は信頼できる」
「はあ……!?」
ヨハンの口から発せられた言葉は、ミハエルにもネーナにも信じがたいものだった。
殺されかかったアイツが、ヨハにぃを人質に取ろうとしたアイツが。マグナス・アルハンゲルの、どこがどのように信じられるというのか?
「な、なんでヨハにぃがなんでアイツの肩持つの? 騙されたのに……」
「勿論、奴のしたことは許しているわけじゃない。だが、彼は彼なりに戦争根絶へ懸ける気概を我々に問いかけ、確かめたかった。それがあの行いの理由だった気がする」
「そうかぁ? ただ暴れたかっただけなんじゃねえの」
「……心を許すわけではないが、志を同じくするという一点において信頼はできる。そういうことだ」
どういうことなの、としかネーナには思えなかった。いくら自分たちがヨハにぃの頭の出来にはついていけないからといって、流石にそれには納得できない。
一言二言、言おうとしたその時、ネーナの視界が赤い粒子を散らして空を飛ぶ何かを捉えた。
……GN粒子。自分たちスローネ以外のそれは、例外なく今まで敵だった。
「あれ……」
「ん? ――――ミハエル、ネーナ! スローネに乗り込め!!」
指刺した方向を確認してから、ヨハンはすぐに全員をガンダムスローネに乗り込むように指示した。
最も乗機のスローネドライが近かったネーナが真っ先に起動し、機影を光学カメラで確認する。
こちらを視認して、真っすぐに向かってくるそれは、スローネのシルエットだった。
「なんだ、このガンダムは!?」
「み、ミハにぃがまだ……!!」
一直線に突っ込んで来るそのスローネを、アインとドライは間一髪空中に逃れて避ける。だが、駐機場所が最も遠かったミハエルのスローネツヴァイは、全速力で駆けていってもまだ起動していない。
乗り込んでようやくスローネツヴァイのシステムがオンラインとなると、起動した瞬間、目の前には大剣を振りかぶる謎のガンダムスローネの姿があり。
「なっ……ぎゃああぁっ!!」
――――人体で言うならば正中線上、それを頭部から真っ二つに割かれて。
ガンダムスローネツヴァイはもう一度飛び立つことなく爆散し、ミハエル・トリニティもまた、破壊されたドライヴから溢れるGN粒子が放出されて、赤く彩るその爆炎の中に散ったのだった。
「ミハにぃっ!!」
その光を背に、下手人であるその機体がゆっくりと残るスローネ2機の方向へと振り返る。
「ハッハァ! 乗り慣れてねえこいつで3機相手じゃあ、ちょいと面倒かもしれねえしなあ」
「貴様……!!」
「のたくさやってんのが悪ィってなぁ。死ねや!!」
GNW-004X・ガンダムスローネフィーア。
太っ腹の
大好きな戦争を続けるために。
「なぜ新たなスローネなどが!!」
切りかかるスローネフィーアに、反応してサーベルを抜刀し受け止めるスローネアイン。開いたままの通信回線から、ミハエルの死への侮辱に反論するかのようにヨハンは叫ぶ。
「生贄のあんた方を消すためにこいつを使っていいとよ!」
「そんなことが!!」
「同情するぜぇ! 可哀そうになァ!!」
牽制射撃を交えつつ、切り結ぶフィーアとアイン。しかし、インパクトの瞬間に運動エネルギーを高めた剣戟を繰り出すことのできるGNバスターソードを持つフィーアの勢いに、通常のGNビームサーベルで対抗しなければならないアインは徐々に押されていく。
それだけならばまだよかった。
ツヴァイと同等の武装ならば遠距離攻撃能力は恐らくこちらの方が……鍔迫り合いをどうにかしてほどき、目論見に沿って距離を取り、GNランチャーを連射するアイン。しかし、そのどれもがまるで巧みな回避機動によってかわされ、かすりもしない。
ヨハンにもここでわかる。相手は、ユリウス・レイヴォネンと同じ。つまりは格上である。
それがガンダムに乗って襲いかかっているということ、何を意味するかはすぐにヨハンにも察せる。機体性能が同じであるというなら、勝敗を決するのは……。
「ネーナ!! 逃げろ!!」
「でもヨハにぃっ!!」
「揃って死ぬわけにはいかんのだ!! 行け!!」
ネーナが残りさえすれば、自分が倒れてもチームトリニティの戦争根絶は続く。
だが殿になるとて、認めるわけにはいかない。自らの資質を、役割を否定する現実を。
「私たちは……ガンダムマイスターだ!! この世界を変えるために……」
「御託はァ!! 沢山なんだよォ!!」
スローネアインが放つ迎撃の突きを、GNフィールドを纏うバスターソードの表面で滑らせ受け流しつつ、すれ違い様に叩きつける。
"戦争の醍醐味は白兵"と自ら嘯く、アリー・アル・サーシェスだからこそ成せる返し技だった。
「仕上げはこいつだ! 逝っちまいなぁ!」
フィーアのGNファングが6基全て展開され、ビーム刃を発振し満身創痍のアインに一斉に襲いかかる。
「ヨハにぃぃぃっ!!」
目の前で繰り広げられる凶行。ミハにぃも、ヨハにぃまでも目の前で命を散らそうとしている。
先のトラウマから身体が竦むネーナ。彼女が乗るが故に交戦の間も動きが止まったままのスローネドライ。
ヨハン・トリニティの命運はここで尽きる。誰もが、そう思っていた。
「――――接近する機影!?」
最高速度からの急旋回、そして空中変形。
凄まじい負荷を身体にかけながらも、その機体、ネフィリムは。NGNビームサーベルを抜刀し。
そのパイロットは最大限の
だがそれでも、間をすり抜けた4基のファングはスローネアインへ突き刺さる。
「があああああっ!!」
すべて後方から、頭部、右肩部、両腿部。正確に突き刺さって、機体を爆発させる。
コクピット部にも爆発の破片は飛散し、スローネドライのコクピットには、ヨハンの悲鳴がこだまして、通信がそこで途絶えた。
「くそ……!」
「ぁ……ヨハ、にぃ……ッ!! ぁぁあああ!!」
涙ながらに錯乱したネーナはやぶれかぶれにGNハンドガンを乱れ撃って、スローネフィーアへとドライを突撃させる。が、そのすべてがGNバスターソードをシールド替わりにした防御に弾かれる。
稚拙な攻撃をすべて捌かれ、お返しと言わんばかりにあしらうように地面へと蹴り飛ばされるドライ。衝撃がコクピットにいるネーナを襲う。
「ぅああっ!!」
「さぁて……」
「はっ……はっ……!!」
全速で到着したが故にとてつもない身体への負荷がかかり、戦闘を行ってもいないのに肩で息をするユリウス。
そこへ、自分の知らない謎の4機目のスローネから。サーシェスから通信が入る。
「ヘリオンもどきってこたぁ、アンタ、ユリウス・レイヴォネンってんだろ。クライアントからはアンタを殺さないようにって頼まれてんで、邪魔しないでもらえませんかね」
「アリー・アル・サーシェス……!」
「知ってんのかい。この嬢ちゃんも殺すなってんだが、戦争にゃあ
――――サーシェスが言い終える前に、ネフィリムは謎のスローネへと斬りかかった。
「その機体は何だ……! どこで手に入れた!!」
「ハッハッハ!! ネタバラシもいいんってんでなァ! てめえのカキタレからもらったもんよ!」
「はぁ……!?」
言葉を聞いて一瞬思考が停止しかけるユリウスではあったが、そのように自分を表現する人物は一人しか現状思い当たらなかった。
その間も二刀のNGNサーベルによる、GNファングを再展開する隙も与えぬ苛烈な攻め立ては止まないが、一度二度剣を交えれば、最初から知っていたこととはいえどもやはりユリウスには判る。
相手は凄腕、操縦だけで言えば自分のそれ以上。それが、ガンダムに乗っていれば……。
「筒抜けだったってよ、アンタのやることはよォ!」
「なんだと!?」
「来る場所と時間を見て、俺ァそこにちょいと早く来ただけだ。ラクなもんよ!」
「……あの女ァァァ!!」
サーシェスは間合いを取ろうとしている。ガンダムとそれ以外の機体ではあまりにも機動力が違いすぎるのだから、振り切られればそれまでで、相手の好きな様に間合いを取れる。
攻め立てているようで、攻めさせられている。というより攻め切るほか、勝ちの目がない。
そのことと、パスレルのことが。
こんな真似をするあんな女を、俺を殺さないようにしろとかいらない慈悲をくれてよこした女を。いつの間にやら心のどこかで信じていた自分への怒りが、憎しみが心を満たす。
合流地点が筒抜けなのは
考えが甘かった。相手はヴェーダを持っているのだから。
……つまるところ、ヴェーダを相手にして最初から
「嬢ちゃん以外は
「ぐぁ……ッ……!!」
二刀で上方から鍔迫り合うが、GNバスターソードとの質量差と馬力の差ゆえに押し負け、弾かれて機体がのけぞったところをすかさず蹴り込まれ、マニピュレータが保持していたサーベルの柄と、間合いが離れる。
相手の動きが、今までの相手よりもさらに熟練しているというのもある。だが以前のチームトリニティとの戦いより、
空っぽの後部座席。そこには
当然、相手がアリー・アル・サーシェスならば尚更。
……心のどこかで、ネーナとそれ以外とを、
結局なんのかんの言いながら、自分はあいつを、パスレル・メイラントを必要としている。それも、半端だった。
「正当防衛だ! くたばりなァ!!」
半端者のまま、何一つ成せずに死ぬというのか。
……だが、ここにはまだ現れる人間がいる。
「なにっ……!?」
バスターソードを突き立てんとしたフィーアに向かって、GNアームズが全速で衝突する。
その陰からは、ガンダムエクシアが。
この世界でいずれ、己の成すべきを成し遂げられる者が。刹那・F・セイエイが、それに乗って現れる。
……これも、ユリウス・レイヴォネンにとっては知っていることで。だからこそまた自分が半端だと思わされる。
トリニティを知った今の刹那ならば、自分がやり遂げられなくなったとしてもあるいは
「せ、刹那……!」
「マグナス! ネフィリムでは無理だ、離れろ!」
「ここは、任す……! トリニティが……!」
「……了解!」
惨状を前にした刹那は、ラッセに論されるユリウスの言葉の意味を直ぐに理解した。
エクシアとGNアームズに加勢すべきだが、NGNビームサーベルを二基とも失った現状のネフィリムは既に戦力足り得ない。故に、ユリウスはトリニティ離脱の援護を優先した。
交戦中に確認はできなかったが、バイタルパートへと向かうGNファングは撃墜したはず。であれば……付近を見渡し煙が上がっている場所を拡大すると、バラバラに砕け散ったスローネツヴァイの残骸の他、やはり地べたに横たわるスローネアインの胴体のみが転がっているものがあった。
「……死んじゃあいねえよな……!!」
……ハッチが開いている様子がないが、希望はある。ユリウスはそう思えた。
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