ガンダム00世界で留美やネーナやコーラサワーとイチャイチャしながら生きる   作:トン川キン児

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スローネツヴァイオーバーブースト参戦おめでとう
今日触ってきたんですけどミハ兄マジでヤバいと思われます20で25のアルケーの上位互換出てんのおかしいだろステフィも時限強化もアメキャンも誘導切りファングもCSオバヒムーブもないサーシェス泣いてるぞ
100万UAもありがとうございます……ついにここまで来たか……


失った者たち

「…………ねえリボンズ」

「うん?」

「アレ、そろそろどうにかしてくれないか?」

あのクソヤロ~~~~~~~~…………

 

 月に駐留するコロニー型外宇宙航行母艦"ソレスタルビーイング"。2世紀以上も前にイオリア・シュヘンベルグが設計した最大の遺産のひとつ。

 美しい自然環境を投影し心を落ち着かせるような環境音が彩るそのロビーで、おびただしい数の空瓶に囲まれながらも未だに酒瓶を片手に、上等なソファがあるにも関わらず地べたにあぐらをかいて、"怨"を撒き散らしながら。

 およそそこに似つかわしくない行い全てをコンプリートする一人の女がそこにいる。

 紛れもなく、パスレル・メイラントである。

 乗機のアルヴァアロンが頭部を失い機体の粒子制御が不安定となった状態でアルヴァトーレの大爆発をもろに受けても、運良く彼女は生き残り、リボンズからヴェーダによるリモートコントロールを受けてラグランジュ1にほど近いこのソレスタルビーイング号へと着艦することができた。

 ここを根城にするリジェネをはじめとしたイノベイドたちは、彼女がやってきてからというものほとほと手を焼いている。

 

「フラれた男に殺されかかって傷心なんだよ。そっとしておいてあげてくれ」

「わからないな」

「何がだい?」

「戦闘型でもない彼女をなんで君は連れてきた。アレで本当に使えるのか?」

 

 先程からのリボンズの相手である薄紫髪のイノベイターの一人、リヴァイヴ・リバイバルはかねてよりこの女性型イノベイド・パスレルの能力に甚だ疑問を持って止まない。

 ここにいる者たちとは違う、一般的な情報収集タイプのイノベイド。戦闘にも特化されていない女性型のボディ。

 どこを切り取って見ても凡庸な存在だというのに、今やヴェーダを掌握した我々の首魁にふさわしい存在、リボンズ・アルマークの懐刀のように振る舞ってああいう好き勝手をしている。

 彼女に不快感を覚えているのは自分だけではない。ブリングにデヴァインも、彼女の胡乱さにはほとほと呆れている。そのような感情を込めた疑問をリヴァイヴが呈すると……。

 

オイ!! なすびィ!!

な、なす……!?

「…………どっちだい?」

薄い方!!

「お呼びだよ、リヴァイヴ」

なすび……? 薄い方? 僕が……?

 

 そのような野卑な呼ばれ方などされたことがない。軽い眩暈さえ起こしそうになるリヴァイヴ。

 ……リジェネの方も、リボンズが自分とリヴァイヴの両方を向いて"どっちか"を尋ねたことで"濃い方のなすび"であることが確定したために、少なからぬショックを受けている。

 

ちん○んもま○まんもついてねーくせに何がわかんだテメー!! あァ!?

「や、やめろ! そんな言葉遣い……君に上位種たる自覚はないのか!?」

何が上位種だよついてねーもんの方が多いくせに!! 撃ちゃあ死ぬだろ!!

「うわっ……!!」

 

 そう言いながらパスレルは天井に向けて拳銃を1,2,3発と乱射する。

 酔っ払いが銃器を持って暴れていて、しかもそれはイノベイドである。

 酔えぬ身体のイノベイドがアルコール分解のギリギリ限界まで身体を酷使してようやく酔っぱらっているという事に他ならない。

 ともすれば今の瞬間、こんな女に殺されかねなかったというショックにリヴァイヴの精神は限界が来はじめていた。

 

「く、狂ってる……この女……」

 

 そう言い残して、眩暈の止まらなくなったリヴァイヴは卒倒したのだった。

 

……えっ、弱……ま、まあ寝てろよ」

 

 31歳を数える人生……の大半は植え付けられた記憶だが……の中でも見たことがないレベルのお清楚な弱さに、流石のパスレルもアルコールを入れ続ける手が止まり素面に戻ってしまった。

 思わず倒れかけたリヴァイヴを受け止めて、床に楽な姿勢を取らせてしまうほど。

 

『あッハハ! 聞いてた通り面白そうじゃん。同類さん』

「えぇ!? 誰ぇ!?」

 

 いきなり脳裏に響いた声にパスレルは驚く。が、これには覚えがある。

 リボンズともたびたび交わした脳量子波を用いた通信。だが、この声の主は知らない。

 

「はじめまして。あたしはヒリング・ケア、あんたと同じパターンのイノベイター」

 

 ロビーの入り口から脳裏と同じ声が響いて、そう名乗った者が赤髪の男二人と共に姿を現した。

 

「ブリングにデヴァインもよく来たね。これでだいたい揃ったかな」

「噂は聞いてるよぉ。リボンズ、アンタにぞっこんなんだ。妬けちゃう」

 

 リボンズとヒリング。同じような顔が二つ並んでいるのはパスレルにとってなんとも奇妙な光景だったが、当然自分も同じような顔をしていることに思い当たり。

 

「三人で写真撮らねえ?」

「は? なに急に」

「いや……同じ顔三人並べて"正しい名前を書きなさい"ってやりてーよな」

「ふふッ。何のテストに使うってのさ」

 

 愉快な女。同じ塩基配列パターンを持つ同類という事に加え、ここにいるイノベイドの大半の面々と違って享楽的な一面の強いヒリングの感性はパスレルをやや好意的に受け止めていた。

 隣にいる二人、ブリングとデヴァインはと言えば、二人ともイノベイターという自らの種族に対して誇りを持ち強い仲間意識を求めるタイプ。

 しかも寡黙と来ている以上、ソリが合う要素がない。黙して語らずであった。

 

「紫、黄緑、赤……なんか青とか黄色とか欲しいな。赤いの二人いらねーだろ染めろよ」

「……断る」

「あたしを見習えよ~チョコプリン抹茶ソースになってんだぞこちとら。で……………………」

 

 集結したイノベイターたちの容姿を一通り見渡して、髪色にケチをつけ始めたかと思えば、その服飾に目を向け始めた辺りでパスレルの顔はどんどん青ざめていく。

 

「……………………あ、あのさ……リボンズ……」

「うん?」

「あたしさァ、実年齢はともかく自意識31歳なワケよ、うん。で、なんだけど……」

 

 震える指で、パスレルは一番近くにあった()()を指す。

 

()()、着んの……? あたしも……?」

 

 指す方にあるのは、倒れ伏すリヴァイヴの制服。

 

「……? 何か不服なのかい?」

「いやっ……百歩譲って胸元ガバ空きなのはいいとしてもよ、無理だろ、このフリフリ……!」

「いいじゃないか、優雅で」

 

 話が通じない。リボンズにさえ。

 それもそのはず。この空間には、齢31の感性で着るにはキツい服が存在するという認識を共有できる者は存在しないのである。

 ()()を着た自分の姿を、一瞬想像するパスレル。

 

キッッッッッッッッッッッツ!!!!!!!!

 

 パシーちゃんで~す!だの、ちゅきちゅき!だのと言ってみても、それはパスレルにとって正直な所冗談の部類なのであって、この服に合うようなキャラ付けとしての本気でのぶりっ子などできない。

 コスプレならともかくこれを普段着にしろなどと、悪夢でしかない。

 であれば、もはや取れる行動は。

 

勘弁してください!! 無理!! 他ならなんでもするから!!

 

 命乞いよりもアレが普段着の方が生き恥だと判断した故の、土下座であった。

 その姿は同じ服を着る周囲に"この服そんなに嫌なのか"という軽いカルチャーショックを与えなくもなかったが、それはそれとして、その言葉にリボンズは。

 

「まあ、構わないが。なんでもすると言ったからには何かしてもらわないとね」

「え? 言ったっけそんな」

「いや、通らないだろうそれは……」

 

 都合の悪いことを一瞬で忘れ去ろうとするパスレルに、いくらなんでもそれはないだろうと思わず突っ込んでしまうリジェネ……をよそに、リボンズは続けていく。

 

「なら、僕にもやりたいことがあるのでね。付き合ってもらうとしよう」

「な、何すんの?」

 

 そう言うと、リボンズはその輝く光彩を見開いてこう続けた。

 

「君の力を手に入れるために、実験がしたいのさ。()()()()()ね」

 

 その言葉で、パスレルは悟る。

 

や……やっぱエッチなことだ!! 股つんつるてんなのに

 

 …………完全に誤った方向へと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……アンタさ」

「なに」

「こんなバカみたいに強かったんだ……」

 

 今日も今日とて連敗を喫したネーナの、半ば諦観の混じったユリウスへの恨み節。

 復讐を遂げたいと云うのならば力も要る。ユリウスはネーナの望みを叶えるために、時に教官として、時にシミュレーションでの練習台として付き合う日々を送っている。しかし、その中で1度たりともネーナが勝てたことはない。

 

 要因は様々。

 一つは、純然たる技量の差。

 切り捨てやすく作るためにヴェーダのバックアップありきの操縦に最適化されたものを学習してきたネーナの操縦は、いざそれが使えなくなった現状では、ガンダムマイスターの誰よりも一段も二段も劣る。これまで実質的なサポート用の機体に乗っていたのであれば、尚更にである。

 対してユリウス。現状のソレスタルビーイングでも1、2を争う技量を持つ軍属時代からのエースであることに加えて、特殊な脳波による優れた直感まで持っていると来れば、まるで敵う要素がないと言ってもいい。

 おかげでユリウスは、彼女を教練していく過程で本当に基礎の基礎から教え直す羽目になっている。

 もっとも、元々ユリウスはガンダムマイスターの養成プログラムを一部とはいえ担当した人間。教えるのにも既に慣れたものである。

 

 もう一つは、心持ちの問題。

 軽すぎたネーナの引き金は重くなりすぎた。戦いに支障をきたす程に。

 戦闘、あるいはもはや破壊を伴う行為自体にちょっとした忌避感を抱いていると言ってしまってもいいかもしれない。過去のミッションをなぞる通常のシミュレーションでもタイムは技量以上に芳しくない。

 あれほど好戦的だった性格がこうまで変わってしまうのは、自分が戦ってきた結果によってもたらされた、全ての喪失に対するトラウマがやはりそうさせるのだろう。

 戦う理由があるのに、戦いに向いていない。

 ユリウスは、そんなちぐはぐな感じを今の彼女から受けている。

 

 よく考えてみると、白地に黄色のラインが走る普段着のインナーをはじめとした見た目も変わった。

 "素肌出したい気分じゃなくなった"と言って、ノースリーブとホットパンツだった今までから、長袖のトップスとミハエルのようなゆったりしたズボンタイプで臍と腿を隠せるアンダーに代わり、全身を覆うものになる。

 加えてそこに、スローネドライのカラーリングと同じような暗めの赤のソレスタルビーイングの制服を、前を開けて羽織るようになった。

 総じて、以前ほど活動的な感触を与えない見た目に変わってしまっている。

 女性が急激に服装を変える理由というのは詳しくわからないが、それも心情の変動の影響なのだろうか、とユリウスは考察している。

 

 最後は、自分の問題。

 ユリウスはこれらを鑑みて、ネーナ・トリニティを諦めさせたいと思っている。故に対戦形式のシミュレーションとなれば一切の手抜きなく本気で潰しにかかっている。

 "あたしの思ってることを叶えて"。彼女はそう言い、自分はそれに同意したにも関わらずそれに反するようなことをユリウスが目論むのは、彼女が心の中で本当はどう思ってるのか、彼女の状態から伝わるからだ。

 本当は、もう戦いたくないのだと。

 だが復讐が、罪悪感が、罪を贖いたいという欲求がネーナを戦いに突き動かしている。

 故に、ユリウスの中には妥協案がある。

 自分が叩きこむ現実に、彼女自身の心の重さに、それでもはねのけながら戦い続けるタフがあるというのならそれでもいい、と。

 だが、恐らくいらぬ心配をしなくとも彼女は向かって来続けるのだろうな、とも思う。

 

「ああ……悪いね強くて。時間はあるから負けれるうちに負けとけ。ハハハ」

「うっさい!!」

「痛ェ」

 

 調子に乗るな、と憤りの籠ったネーナの横からのローキックをふくらはぎに喰らうユリウス。

 このはねっ返りは元々、同じように全てを失った後でも、曲がりなりにも自分の幸せのために全てを賭けて戦い抜いて死んでいった。

 であれば、そのたくましさは生来の才能と言ってもいいのだろう。ろくでもない造物主が欠陥だらけに作ったネーナに与えた、数少ない美点だ。

 普段着が変わったのも、単なる個人的な流行の移り変わりで考えすぎなのかもしれない。

 だから、それほど酷く心配するような気持ちにはならなかった。軽口を叩くくらいには。

 

 

 そして、時は国連軍との決戦から一ヶ月経つ。

 故に、こんな話し相手も現れる。

 

「よっ。また嬢ちゃんのお世話かい」

「子供みたいに言わないでくれる?」

「また抜け出しやがって……」

 

 そうユリウスが苦言を呈する相手。

 病床からまたも抜け出して施設内をぶらついている、ロックオン・ストラトスである。

 無くなったはずの右手を挙げて、挨拶を交わす。

 

「また言いつけるぞ。フェルトか先生どっちがいい」

「……そ、その二択なら先生だろうな」

「あ~あ。毎度バカなマネするからよ」

 

 彼が目を覚ましてからはまだ1週間と経たない。本来ならモレノ医師は安静にしているようにとの診断を下しているはずだが、落ち着かないからとこうしてたびたび通路などをチョロチョロしている姿を見かける。

 医師に告げ口すればカンカンに怒られるだろうし、フェルトに告げれば泣かれるだろう。どっちを選ぶかは悩ましいところである。

 ネーナに煽られるのもやむなしといったところだろうか。

 

「んで。面談行っただろ、どうしたんだ」

「どうもこうも」

 

 肩をすくめて"お手上げ"といったようなジェスチャーで問いに返すロックオン。

 

「義肢も生身とは感覚が合わねえ、片目も同じ。狙撃手から眼と指が無くなりゃ、"成層圏の向こうまで狙い撃つ男(ロックオン・ストラトス)"も返上だろ」

「やはり……」

「そういうことだな。おかげでただのニールになっちまった」

「……そうなんだ」

 

 陰りのある顔で、その報告を聞き届けるユリウスとネーナ。

 高濃度圧縮GN粒子の毒性に対する治療法を確立し、現在でも同様の処置を施した後に定期検査を行っている患者がいるというモレノ医師の尽力のお陰で、ラッセとロックオンの二人は直ちに命に別条のあるレベルの後遺症が残らずに済んだ。

 ただし、発作を抑えるため両名ともこれからは継続的に投薬を続けていく必要がある上、細胞障害により今後も再生治療は見込めない。

 創傷が深かったロックオンのそれはラッセよりもさらに重度であり、右眼近くの顔には消えない痛々しい傷が残るままである。

 一見今もそこに残っているかのように見える右手も、精巧な義手。どれほど精巧であってもこれまであった生身の指先との感覚のズレは、優れた感覚をウリとする狙撃手にとって致命的である。

 視神経を失った右眼も眼帯のまま、その中身には何も入っていない。言うまでもなく致命的である。

 引き金を引く利き指と、利き目を失った狙撃手。

 そこにはもはや、一線を退く以外の選択肢は残されていなかった。

 

「不思議なもんだな、なんか」

「何がだ?」

「俺ときたら、死ぬ覚悟、裁かれる覚悟はとうにできてたと思ってたもんだが……」

 

 置かれた現状に何を思うのか。ロックオン・ストラトスでなくなった、ニール・ディランディが少しづつ吐露していく。

 

「死ねなかった続きを生きる覚悟は、なかった気がするな」

 

 戦いの中に死んでも、捕らえられて裁きを受けた後に果てても、それは自分の咎だとすべて受け入れられたかもしれない。

 しかし、世界を変える力を失ったあと、変わらなかった世界で。

 世界の変革よりも個人的な復讐を優先し、取り返しのつかないツケを払った後の人生のロスタイムを生きていかねばならないということ。

 ロックオン・ストラトスだった頃には、その苦しみは想像もつかなかった。

 

「それが裁きってことになるかもな」

「そうなるよなぁ。残酷すぎるぜ神とやらは」

 

 ユリウスの言葉に軽く言ってみせる口調の中に、少しの絶望が入り混じっているのがユリウスにはわかる。ネーナも、息を呑む。

 

「どうすっかな、これでも世界が変わってなけりゃあさ」

 

 だが、続く言葉にはハッキリとユリウスは返した。

 

「俺たちが変えるまでだ。お前の代わりにな」

 

 ニール・ディランディは、強い人間である。

 だから、その言葉だけでわかる。自分はまだ腐っている場合ではないのだと。

 

「……そうだな、まだアンタらがいるしな」

「これで終わりでいいなら、ベッドでくさっててもいいが」

「そうはいかねえさ。左側はまだ生身なんだ、ガンダムには乗れなくたってやれること探すよ」

 

 残っている左手の感触を、見せつけるように握って開いて確かめるニール。

 利き腕でない手を慣らしていく。長い時間がかかるだろうが、時間は幸いまだ残されている。

 この男は強い。這い上がってくる。ならば、戦いの場でもう一度彼の姿を見ることができるかもしれない。

 そんな希望を、ユリウスは抱いた。

 

「嬢ちゃんも頼むぜ、代わりをやるつもりだってんなら。ま、俺みたいに狙い撃ちはちょっとな」

ナメんな!

痛ェ!

 

 病人にも容赦ない脛蹴りがニールを襲い、痛みに思わずかがんで怯む。

 

「お、お前……病み上がりはもうちょっと大事になあ……」

「ふン」

「こいつに触るとヤケドするぞ」

 

 既に結構な頻度でヤケドをもらっている、ユリウスからニールへの忠告であった……。




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