斂の軌跡~THE MIXES OF SAGA~ 作:迷えるウリボー
リベール士官学院とトールズ士官学院、二校の親善による交換留学が始まった。トールズより訪れた八人、一回生四人と二回生四人。彼らはリベール側の代表に連れられて、各学年の案内の下に校舎を歩いていく。
「改めて、リィン・シュバルツァーだ。よろしくお願いするよ。名前を聞いてもいいかな」
リィンは、少しばかり緊張を保っている他校の同輩を見て言った。一応は先頭を歩くが、リィンは通路の一角で止まり、改めて四人を目に焼き付ける。
「では私から……」と紫の長い髪を三つ編みお下げにした、眼鏡をかけた端整な顔持ちの少女が前に出る。彼女は淑やかに笑って言った。
「エマ・ミルスティンです。今回の一回生代表です。よろしくお願いしますね」
次いで、緑髪にエマと同じく眼鏡をかけた実直そうな少年が少し疲れた声で言った。
「僕はマキアス・レーグニッツ。よろしく」
エマとマキアスは二人とも緑の制服だ。対して、残りの二人は白色の制服。
制服の色の違いは、トールズのことを調べていたリィンも知っていた。彼の学院は貴族が白、平民が緑の制服となており、クラスも分けられている。トールズは制度や規律としての差別こそ少ないものの、纏う制服や属する場所によりその違いを如実に意識させられる環境となっているのだ。
リィンは、次に前に出た青髪の少女を見た。凛とした顔つきと纏う覇気が、何より彼女が自分と同類であることを直感として告げてくる。
「ラウラ・S・アルゼイドだ。共に学べることを嬉しく思う」
「アルゼイド……。ということは、アルゼイド流か」
帝国において武の双璧を成すという貴族家の、その一門がアルゼイド家。その名字を冠する彼女は、白い制服が示す通りアルゼイド家の息女、貴族だということを知らせている。
リィンは予想外の出会いに、少しだけ心を弾ませた。
「俺も剣術を嗜んでいる。武術教練の時はよろしく頼むよ」
「ああ、心得た。……ユーシス、そなたも名乗ったらどうだ?」
そうしてラウラは、後ろにいる金髪の美少年を呼ぶ。彼は今日出会ってから終止仏頂面を浮かべており、リィンは少し心配をしていたが、別に怒っているというわけではないらしい。
「……ふん」
少年は腕組を崩さないまま、彼は前に出て、白い制服をより高貴なものにさせて一言。
「ユーシス・アルバレアという」
その一言に、リィンは声を崩さないよう努めるのに必死になった。
(アルバレア……《四大名門》の御曹司か)
帝国には《四大名門》と呼ばれる大貴族の存在がある。
それは皇帝家に次いで帝国を四分するほどの財力と兵力を持つ貴族家のことで、順にカイエン公爵家、アルバレア公爵家、ハイアームズ侯爵家、ログナー侯爵家と呼ばれる家が現代の筆頭だ。
ちなみにリベール併合後アウスレーゼ王家が帝国において公爵家となったことで、名称を《五大名門》と改めるべきだという声も上がっているのだが、各四大名門や何よりアウスレーゼ公爵家の意向により浸透していない。
またカイエン公爵家は、財力という意味ではアウスレーゼ公爵家を上回るそれを持つ。領地であるラマール州にしても、単純な面積であればリベール州に勝る。西ゼムリア最強の軍事力・兵力を持つエレボニア帝国の性格がよく表れているといえるだろう。
そして、ユーシス・アルバレア。彼はアルバレア公爵の次男坊、大貴族中の大貴族の御曹司である。そこらの平民だけでなく、並みの貴族であっても地に平伏させるような立場の人物だ。
「どうした?」
「あ、いや……」
リィン自身、どう接したものかと図りかねていると、意外にも御曹司は至極まともなことを言ってきた。
「学生である以上
棘のある大言壮語な言い方だが、別に鼻にかけているわけではない。むしろ差別のない態度だ。平等に失礼という点には苦笑するしかないが。
「……いや、そういうわけではない。悪いことをした、ユーシス」
「殊勝なことだ。どこぞの平民とは違ってな」
むしろスムーズに態度を改めた人間のほうが少ないのか、ユーシスはすんなりリィンの言葉を受け入れた。
エマ、マキアス、ラウラ、ユーシス、そしてリィン。どう転ぼうが、この五人は一週間苦楽を共にすることになる。
初めてであったばかり、ちぐはぐではあるが自己紹介は終了する。
一同は改めて、この時間を無駄にしないために動き始める。リィンは彼ら四人と共にする新鮮さを感じて、そしてトールズの四人は初めて目にするリベール州の学院を興味深く見て、いずれもしっかりとした足取りで学院内を歩くのだった。
「……」
ただ、五人の後ろで無言を貫く眼鏡の少年を除いて。
リベール士官学院とトールズ士官学院の交換留学は、文字通り交換留学による両者の交流を目的としたものだ。留学生が講義を共に受けることに始まり、武術教練での交流試合、招待側関係者が開く晩餐会、リベール州要衝の見学などもスケジュールに含まれている。
リベール士官学院の各施設を案内した後、四人はリィンのクラスに招待され、再びの自己紹介の後に講義に参加する流れとなった。
トールズ側の四人は留学制度の対象となるだけあって、いずれもその能力の高さがうかがえた。特にエマとマキアスはそれぞれ一回生の首席と次席らしい。学力だけで選ばれたわけではないだろうが、二人は異なる勉学の範囲にも関わらず淀みなく教官の質問に答えていた。リベール州独自の歴史や、山々が多い地形故に空軍が発達した特性。同じ軍事学校といえども勉学の範囲は異なるのに、リィンを始めリベール側は脱帽する想いだった。
また、ラウラとユーシスも勉学が不得手というわけではない。二人とも貴族ということで生徒を緊張させているが、裏表のない態度にリベール側生徒も緊張を緩めていく。
特にユーシスのその貴公子っぷりと、エマの才女でありながら淑やかな様子に、女子生徒と男子生徒それぞれの注目の的となった。
一日の講義も終わり。五人は学食にて食事をとる。色々と挨拶回りとして各教官を訪ねていたので、こうして食事をとるのは夜の帳が降りる時刻となってしまった。
初めての場所に、初めての人々。五人は早くも疲労を覚え始めている。
夕食後、そのまま食堂の一角で、各々紅茶や珈琲を楽しみながら世間話に興じている。
ラウラは凛とした雰囲気を崩さず、楽し気で頼もし気な表情とともに紅茶をすすった。
「それにしても、リベール州か。一時は正規軍を跳ね返した空軍の真髄……入学したての頃と同じように高揚する気分だ」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。マキアスはどうだ?」
「そうだな……僕も歴史学と導力学は興味深いと思った。併合前の歴史やZCF由来の導力学。参考書以上の臨場感を感じる」
マキアスはややとっつきにくいが、それでもまじめな性格には好感が持てる。印象通り本当に真面目な性格で、この状況にも関わらず講義後に教官に素で質問に行くぐらいだった。
一方、疲れたような表情をして軽く憔悴しているのはエマとユーシスである。
「二人とも大丈夫か? すごい人だかりだったもんな」
「一応慣れてはいるがな……。心配なのは委員長のほうだ」
「な、なにもいわないでくださいぃ……」
一番体力が心もとないエマが机に突っ伏している。
この後は各々寮へ帰るのだが、まだのんびりしても許されるだろう。リィンはそう思って、
「みんな、すごいな。俺はこの学院の生徒なのに、それでもついていくのがやっとだからな」
思ったことをそのまま口にした。
両校は士官学院としてはそれぞれ特質のある学院だ。純粋な高等学校としてはトールズは名門、対してリベールはそれには劣る。リベールは実地演習のために教養科目の重要度が低下しているのも相まって、リィンはその違いをひしひしと感じた。
マキアスがリィンに返す。
「いや、どちらかといえばトールズが異常なだけさ。この学院も十分高い学力だと思うが」
ラウラが続ける。
「私としては、リベール領邦軍の兵士を生み出すこの学院に興味がある。其方たちが参加している実地演習もな」
リベール州各地への実地演習。見る人によっては、その責任の無さを馬鹿馬鹿しく広める者もいるだろう。だが、少なくともリベール士官学院生の多くはそれを悪くは思っていない。向上心の高いものにとって、これほどまでに自分の場を高められる場所はない。そう生徒たちは思っているからだ。
そして、そうした噂は帝国本土まで届いているのだろう。先日のブルブランの事件も含めて。
「はは……皆も最終日にはヴォルフ要塞に行くことになる。リベール州の要衝だ。きっと実地演習と同じようになるさ」
波乱を経験したリィンとしては、乾いた笑いしか出てこないが。
そうした中、ユーシスがじっとこちらを見ていることに気づく。
「……どうしたんだ? ユーシス」
「フン……お前は《シュバルツァー男爵》の息子だろう。学生としてはともかく、リベール民の顔をするのはいかがなものかと思うがな」
「なっ」
声を出したのはリィンではなかった。マキアスだ。
「……気づいていたのか。辺境の男爵家のことなんて、知らなくてもおかしくはないけど」
「シュバルツァー男爵家は
ユーシスの突くような言葉遣い。これはもう、話さなければならないと思った。 帝国北部ノルティア州のさらに辺境、温泉郷ユミルを治めるのがシュバルツァー男爵家だ。リィンはその領主の息子、つまりユーシスやラウラと同じ貴族という立場になる。
ただ、無駄に話すことでもないので、誰にも話したことはなかったが。リベールの同級生にも、ヨシュアにさえまだ明かしてはいない。
「ふむ、そうだったのか。そう隠すようなものでもないと思うが」
ラウラはそう不思議がるが、リィンには気を使うだけの理由があった。
「俺は
貴族とは言え男爵家。それにユミルは言ってしまえば田舎だ。父テオも母ルシアも気さくな性格で、民に寄り添うためにリィンはむしろ平民に近い性格をしていると言ってもいいかもしれない。
だから、リィンは自分のことを胸を張って貴族だと言ったことも、そして思ったこともなかった。
ユーシスは口を開いた。
「……少し、余計なことを言った」
「いや、いいさ」
「ふふ、そなたがそこまで殊勝な態度をとるとはな」
「ええ、珍しいですね」
女子二人が面白いものを見るように言う。それに対してユーシスは返答せず、紅茶をすするのみ。彼のこの態度は珍しいようだ。実際、四大名門でこんなしおらしい子供がいるとすればそれはそれで珍しいと感じるのが、帝国の現状だが。
そんな結果が得られたのなら、迷っても隠さず明かしてよかったとリィンは思った。
そんな時、一つの違和感。
「……マキアス?」
感じたのはマキアスからの視線だ。問われた少年は、少し戸惑っているようにも見える。
「……何でもない」
だが、他の三人と比べて言葉数が少ない。続ける言葉も見つからなくて、リィンも適当に言葉を重ねるだけだ。
マキアスの態度に、リィンは既視感を覚えた。だがその正体が何なのかは、今はまだ判らなかった。
────
交換留学二日目。
晴天。
剣、槍、導力銃など。生徒全員が平等に装備を使用して型を反復し、簡単な模擬戦の形をとる。さらに短い時間、各々個人の得物を用いての模擬戦を行うのだが、今日は留学生がいるだけあって後半の模擬戦に多くの時間を割かれることになった。
ラウラは大剣。ユーシスは騎士剣。マキアスは導力式散弾銃。そしてエマは魔導杖。彼らはそれぞれ、特徴的な武器で戦っている。
ラウラの剛剣術は見ていて清々しく、少女から放たれるとは思えない力強さがある。さりとて鈍いというわけでもなく、溢れ出る覇気は対峙する者に一定の緊張を生む。
彼女の父、ヴィクター・S・アルゼイドは《光の剣匠》と呼ばれる剣豪だ。帝国における当代最高峰の剣士とも呼ばれる、アルゼイド流の現師範。その薫陶を受けているというのであれば、ラウラの実力には驚く必要はなかった。
ユーシスの騎士剣の扱いも、ラウラが突出しているだけで十分に強い。マキアスは技術そのものはそれほど修めていないが、模擬戦にも関わらず冷静に動くのを見るに胆力は申し分ない。
またエマの魔導杖はリベール側生徒にとって珍しいものだった。純粋な導力エネルギーを駆動時間を挟まずに放つことのできる新世代の武装。その存在自体は講義や導力学の体験として知っていたが、実践として運用されているのは誰もが初めてだ。
何より、注目されたのはその連携の制度だった。ラウラとユーシス、エマとマキアスはそれぞれ導力らしきラインで結ばれており、その組はリベール側生徒を圧倒するほどの阿吽の呼吸を見せた。それはリィンたちリベール側からは、沢山の驚きと疑問を浮かべる。
「──砕けちれ!」
今、リィンの目の前でラウラの大剣が晴天に掲げられる。逆光に紛れる剣は重さを感じさせない速度でリィンの眼前に迫り。
しかしリィンの閃きもまた、刹那の間に放たれる。大上段からの剛撃をリィンの太刀は芸術的な反りでいなし、そして切っ先がラウラの喉元へ。
それを防いだのはユーシスの騎士剣。一歩間違えば味方にも届きそうな剣は、ラウラの動きと共に完璧な連携となる。リィンの攻撃は無意味に終わらされた。
リィンの穴を防ぐため、級友二人が銃剣と槍を持ってユーシスへ。だがそれは叶わない。後方でエマが導力銃を振るって衝撃波を生み出し、さらにマキアスがその身に水色の煌めきを収束させたと思うと、巨大な水塊が級友たちを打ち据えたからだ。
リィンは倒れる級友を見る。
(まずい……!)
一度ラウラとユーシスから距離を取る。
このままでは負ける。リスクを背負ってでも、道を切り開かなければ。
「……そこだ!」
前衛二人の間をこじ開けるように、前へ。紅葉斬りを放ち、さらにリィンはエマとマキアスを倒すべく接近する。
瞬間、エマとマキアスを繋ぐラインが弾かれたように消失した。即座に自分をまたいで繋がれる、新たなラウラとの光のライン。
「今ですっ!」
およそ戦闘に慣れているとは思えない才女の、確かな声。それは魔導杖を振り切って導力波でリィンを牽制する。そして、リィンの視界を影が包んだ。
「甘い!」
ラウラの追撃が、咄嗟に防御姿勢を取ったリィンを太刀ごと打ち据えた。リィンは膝をつき、それでも負けじと顔をあげるが。
「これで終わりだ」
ユーシスの騎士剣が、容赦なくリィンの喉元に突き付けられる。
「……参った」
リィンは瞑目して、太刀を持っていない手を上げる。
立ち上がって太刀を修め、模擬戦に参加していた八人が集う。形としての一礼をしてから、生徒たちはわいわいと語り始める。
「ユーシス、完敗だよ」
「一対一ではお前に勝てるとは思わんが……まあ、こちらにはラウラもいるからな」
リィンはまずユーシスへ手を差し出す。ユーシスは騎士剣を鞘に納め、無表情でリィンの掌を軽く叩く。
「いや、淀みない剣捌きだったよ。一流の剣士から教わったんだって判る」
リベール側の生徒は、それぞれ特徴的な戦い方を見せたトールズ各人の興味が尽きない。絶えず誰かが話しかけている。
ラウラに至ってはアルゼイド流の勇名がこちらにも流れているので、忙しそうで嬉しそうだ。
「ふむ、いい試合だった。うむ? アルゼイド流の構えのことか?」
エマも、授業の時とは違い女生徒の注目の的となっている。
「はい、魔導杖もまだ試作段階で、RFグループからのテスターとして使っているんですけど……」
一同は教官に注意を促されるまで、年頃の少年少女らしく話を続けることになる。
休憩所、待機所までトールズ四人を案内し、リィンは太刀の様子を確かめつつ笑う。
「ラウラ、どうだ? 昨日気にしていた、リベール士官学院の練度は」
「うむ……」
ラウラは考え込むような表情をして、そして意味ありげな視線でリィンを見る。そして続けた。
「申し分ない。戦い自体は私たちが勝ったが、それでも実力差そのものは大差ないだろう」
マキアスが引き継ぐ。彼は、自分がいたとしても勝てている状況を誰よりも判っているらしい。
「僕やエマ君が……ラウラたちについていけているのは、《
「アークス?」
リィンの反応に、マキアスはたじろいだ。その後、エマがそそくさと、腰に装備していた導力器を取り出した。
「これがラインフォルト社が開発した《ARCUS》です。私たち四人は、テスターとしてこの戦術オーブメントを使っています」
戦術オーブメントとは、有り体に言えば
それが、軍人や遊撃士など、その道の者であれば誰もが知りえる戦術オーブメントに関する知識だ。この五十年で戦術オーブメントは第五世代まで発展している。ちなみにリベール士官学院の生徒は、旧型の戦術オーブメントを使用している。
リィンは目を疑った。エマが見せた《ARCUS》なる戦術オーブメントは紅い意匠に有角の獅子紋──トールズ士官学院の校章が刻まれているが、リィンの知る第五世代型のそれとは形が違う。
「《ARCUS》の特徴は、導力を使った遠隔通信と、戦闘における高度な連携を可能にするリンク機能にあります」
《ARCUS》の装備者と装備者が意識的にその連携を繋げようとするとき、両者は光のラインが結ばれる。それによる意志の同調が可能となり、主に戦闘における高度な連携を可能とする。
リィンは驚いた。信頼し合える仲間同士や、あるいは歴戦の強者が行える連携を誰にでも可能とする機械。それは戦場において革命ともいえるだろう。
「誰とも、そんな連携ができるのか?」
エマはすぐに答えず、視線を宙にさまよわせてから、ぎこちなく言う。
「理論上はそうなります。まあ、例外もあるんですけど……」
「んん?」
エマの目線は、マキアスとユーシスに向けられているが、だがすぐにはぐらかすようにリィンに笑う。
「私も、マキアスさんも。ラウラさんもユーシスさんも。トールズでは《Ⅶ組》という特科クラスの所属なんです」
リィンは興味深く彼らの話を聞く。リィンにとって、トールズ士官学院の話は本当に有意義だった。
彼ら四人の他にも数名いるのだというⅦ組は、《ARCUS》のテスターとしての役割を主とした特別クラスなのだという。制服は従来通り貴族と平民で分かれているが、戦術オーブメントの適性のために身分に囚われないクラス編成となっている。
合点がいった。そういった背景があるのなら、成績も考慮すれば彼らが留学生に選ばれるのも当然といえる。
そしてⅦ組の話を聞くことで、一つ納得いくこともある。
(あの二人の態度は──)
「リィン」
休憩中でしかも意識を集中していたからか、リィンはラウラの突然の名ざしに反応が遅れた。
「ああ、ごめん。どうしたんだ、ラウラ?」
「聞こうかどうか悩んだが……せっかくの機会だ。正面からぶつからせてもらおう」
ラウラは凛とした佇まいを崩さないが、だがリィンに対して明らかに試すような声色が混ざった。
「そなた、どうして本気を出さない?」
交換留学一回生選考基準
リベール(1人)
リィン・シュバルツァー代表(文武共に優秀、実地演習での功績)
トールズ(4人)
エマ・ミルスティン代表(トールズ首席、Ⅶ組所属)
マキアス・レーグニッツ(トールズ次席、Ⅶ組所属)
ラウラ・S・アルゼイド(武術最強格、Ⅶ組所属)
ユーシス・アルバレア(文武共に優秀、Ⅶ組所属)
Ⅶ組優遇されすぎぃ……その分功績もありますが