七耀歴千百九十二年。ゼムリア大陸南西部。
 その日、誇りある小国リベールは、北の大国エレボニアに敗北した。
 エレボニア帝国領リベール州。大陸に君臨する帝国による緩衝国の併合は、あらゆる烽火を一つのお伽噺へと収斂させる。天空に舞う軌跡も、一族の妄執も、千年の呪いも、全ては鋼鉄に混ざり、溶け込み、やがては一つの軌跡へと、終わりの始まりを告げていく。
 けれど、それでも。更なる混乱を遂げる大地の中でも、やがて英雄となる若者たちは存在するのだ、変わらずに。
 ――父親に複雑な感情を抱く、エステル・ブライト。
 ――リベールの軍神への尊敬を持つ、ヨシュア・アストレイ。
 ――絶え間ない激動に翻弄される故郷をそれでも守ると決めた、ロイド・バニングス。
 ――その身に宿る『力』と己の剣を見出すため遠い地へと降り立った、リィン・シュバルツァー。
 幾多の若者たちは、幾多の絶望を前にしても、その脚で明日への軌跡を描いていく。



※本作は、「もしリベール王国が百日戦役で敗北していたら?」を書いたIF小説となります。
該当作品は空の軌跡・零の軌跡・碧の軌跡・閃の軌跡となります。
原作のネタバレ要素を多分に含みます。
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