斂の軌跡~THE MIXES OF SAGA~   作:迷えるウリボー

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 導力革命により、人々の暮らしが飛躍的に豊かになった時代。

 導力器(オーブメント)と呼ばれる機械仕掛けのユニットから生み出される神秘のエネルギーは、 飛行船をはじめとするさまざまな技術に用いられ、日常生活に欠かせない存在となっていた。

 同時に、多くの強国は導力器を用いた兵器の開発にしのぎを削り、大陸は覇権を狙う国々の思惑で混迷の様相を見せていた。

 

 そんな時代。

 ゼムリア大陸西部、二つの列強はその巨勢を振るい、人々は時代の流れに逆らわず、また逆らえず、あるいは流れに乗り、その豊かさを謳歌していく。

 思想と因果が巡り合うその大陸には、多くの、やがて英雄となる若者たちがいた。

 どれだけの地獄を見ようとも。

 どれだけの死が自分の脇を通り過ぎても。

 どれだけの絶望が、自分たちの希望をへし折っても。

 若者たちは、また零から自らの希望を翼に変え、空へと羽ばたき、閃きを生み出していく。

 人々の想いが新たな時代を切り拓いていく。そう、それは──

 忘れられない旅となって、想い出は新たな空へと旅立つ。

 

 

 

 

 

 碧き御座に、闇の帳は下りて。

 永劫の静寂に、私はまどろむ。

 絶望は唐突に現れて。

 それは彼らを捉え離さない。

 

 私は望む。

 その巨いなる呪いの終焉を。

 ちっぽけな願いが叶わぬならば。

 碧き依り代でさえも、その因果を解けぬのなら。

 それでも彼らが、偽りの楽土を守るのならば。

 それでも僕らが、希望を紡ぐ絆の鐘となるのならば。

 私は望む。

 すべてを『ゼロ』へ――。

 

 

 

 

 

 焔と大地の狭間──。

 揺蕩う闇にて終末の物語は始まらん。

 

 一つは、二柱の巨神たちの相克。

 二つは、焔と大地の融合と、七の器の完成。

 三つは、千年の都の開闢と星杯の受け入れ。

 四つは、聖獣の消失と昏き竜の災厄。

 五つは、帝都奪還と緋が受けし呪い。

 六つは、獅子たちの戦乱と聖女の犠牲。

 七つは、北に顕れたる巨柱と忌み子。

 八つは、贄となりし邑と百日の外征。

 九つは、東の碧き大樹と、煌魔の城の顕現。

 

 斯くして千年に及ぶ悲願は成就せり。

 贄により古の血が流されし刻、《黒キ星杯》への道が開かれん。

 穢れし聖獣が終末の剣に貫かれ、その血が星杯を満たす刻……

 ──《巨イナル黄昏》は始まらん。

 

 

 

 

 

 ──そして、灼熱の劫火はその趨勢を広げる。

 天空に舞う軌跡も、一族の妄執も、千年の呪いも、全ては鋼鉄に混ざり、溶け込み、やがては一つの軌跡へと、終わりの始まりを告げていく。

 そうこれは、拡散することなどあり得ない。

 すべてがより合わせ、集められた御伽噺。

 収斂の果てに待つ結末を見届けるための。

 斂の軌跡。

 

 









序章終了。
現在、チームは大まかに3つに別れています。
クロスベル組(ロイドたち支援課メンバー)
帝国本土組(エステルサラガイウスフィーの遊撃士チーム)
リベール組(リィンとヨシュアの学院組)

はてさて他のキャラたちは……


次回、斂の軌跡
第一部 1204年 西ゼムリア
第一章 飼われる隼
まずはリィン編となる第一章です。
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