TS 盾役従者は勇者に付いて行けるのか?   作:低次元領域

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 まだ分かってないようだな…。
 いいか?男とTS娘でしかイケなくなり破滅したメス堕ちクラスタもお前も、TSを注入した時点でもう人間じゃないんだよ。
 だからお前は『性癖を壊した』に過ぎない。

 それに(性癖)戦争になった今、遅かれ早かれ味わうことだ。

 それとも、本気で誰も傷つけないとでも思ってたのか? だとしたら、能天気にも程がある。

(R-18を書かないとは)何をためらってる!
 お前には守る物があるんじゃないのか?
 自分が信じる性癖のために戦うんじゃないのか?

 それとも全部嘘だったのか?!



12.旅路は彼方、メスカンダル

「ねむい……それで、結局なんでリバユラ姫様は引き下がったんたの?」

「そりゃ、勇者様の聖剣に恐れをなしたのさ……ふふふ、ははは!」

「姫様を魔物扱いしてないテオ?」

「魔性の女ってもはや魔物だろ」

 

 爽やかな二つの太陽が眩しい。貞操は守られた。捕食者は去り、ぐっすりと眠れた良き日。

 ヤシドの奴は「いや、もう自分の部屋で寝てよ!」って騒いでたが、何故安息の地から離れなければならない。

 

 まぁ、俺とて男子の恥ぐらいは心得ている。流石にな、気になるよな。

 

 ふふふ……朝に輝きそそり立ち、布を持ち上げる聖剣、朝立ち。これは同性に見られてもなんか恥ずかしいもんなぁ? んなもん旅の途中なら夜の番、いくらでも見れたが。

 こちらを気にして眠らんアホを放っておき、早朝まで寝て、その後誰にもバレないように部屋に戻った。

 

 そんで、謁見のため、メイドさんたちにまた姫様セレクションのドレスを着せられた。悔しい。コルセットがキツかった。酒に溺れた腹が締め付けられた。

 昨日の時も思ったが、少し首元の露出が多い気がする。姫様の趣味か? たたでさえ色気がない体だから鎖骨出してアピール的な奴だろうか。わからん。

 

『おぉ……これが聖剣の輝き、暖かい……体ではなく、心が暖まる気がするぞ』

『聖剣……聖剣?? 1メートル以上……光る……んん?』

 

 謁見は見事ヤシドの聖剣(物理)の力により王様に驚いた。メイクーン家は美形の家系だから、感嘆したら凄い絵になる。

 隣では、昨夜の一件に疑問を抱いた姫様が百面相をしていた。多分絵になる。

 

「これで更に援助の手が厚くなったわけだ……馬車もグレードが上がったし、いいことづくめ! 全部ヤシドの聖剣のおかげだなぁ」

「……すっごい楽しそうな顔してるねほんと。 よくわかんないけど揶揄われてるのはわかった、からチョップ」

「ってぇ! 何すんだコラ!」

 

 もう少ししたら王様から命を受けた者が伝令を持ってくる。

 今はそれの待機中。酷く暇だ。

 

『聖剣の伝説が本当だとするならば、今目を覚ましたのは不吉の前触れかもしれない、か。つい最近も、穴の中で冒険者が正体不明、まるで魔物の様な人間に襲われたと聞く。

……勇者殿よ、改めて命じさせてもらう。

──力をつけよ、そのためならば財も人手も惜しまない』

『は、はい! ヤシド、確かにこの命、受け賜わりました!』

『(……ああそういやこの時点でスオウが暴れ出してたんだっけか)』

 

 魔物のような人とは、魔槍に憑りつかれたかつての仲間のこと。強い者を探し片っ端から喧嘩を吹っ掛けに行くバトルジャンキーとなっていたはずだ。

 やばいくらい強いからな。今であったら勝てる自信がない。勇者様の聖剣の力が更に強くなってようやく、ってところだからな。

 出来るだけまだ出会いたくないな。

 

『王様。僭越ながらこのテオ、申し上げたいことが──』

 

 というわけで、そっち探してほしいからこっちに人手割かなくてもーと、邪魔なのでやんわり断ったが、財はいくらあってもいい。

 流石に国の金で贅沢三昧を尽くす気はないが、いつ稼ぎが悪くなっても安心できる土台というのはいい。貧乏極めて酒一杯も飲めないなんてことにならない。それがより強固になった。喜ばない理由がない。

 

 また、二人で旅は大丈夫か、従者はいらないかと言われたので適当に誤魔化す。自分めっちゃ家庭的で冒険的なんでぇー大丈夫なんですぅ―。

 

『あ、あのお父さ──ではなく、王よ。そのことについてですが少しお話があ──』

 

 そん時一番怖かったことと言えば、姫様がこちらを一瞥したあとすぐ企む顔になったこと。

 明らかに「逃がしませんよ」とでも言いたげな、獲物を前にした肉食獣のそれだった。

 

『あらん』

『えっ、いえその』

『ついていきたい、とでも言う気であろう。城の者から話が上がっている、勇者殿の仲間を大分気に入っているそうではないか』

 

 だが王は王の中の王だった。企みをすぐに見抜き、彼女が言い出す前に切り捨てた。

 視線をずらし、俺に向けると……申し訳なさそうに瞼を閉じた。流石は父親、娘の扱い方は熟知しているらしい。

 

『彼女はあの純潔の盾に弾かれなかった勇士だ。城でゆっくりしている間はともかく、旅に着いて行き邪魔をするなど決して許さんぞ』

『(……弾かれなかった? 何の話だ?)は、ははは……り、リバユラ姫。お気持ちは嬉しいのですが……』

『うぅ……はい、申し訳ございません……テオちゃん……

 

 王の言葉に少し引っ掛かることがあったが、これにて姫の企みも終わり。寂しそうにシュンとする姿がいじらしい。

 過去の記憶のなかでは、ここから城に戻るには3個穴を巡り、スオウと一度対峙。ボロボロになったことを報告しに行く時だ。

 いくら順調に進もうとも、半月近くは会えない。

 

 それまではさようなら……安全になった今、もったいないなと思う自分がいるのが怖い。絶対生きていくこの先、あんな女性とお手合わせする機会なんてない。

 まぁ……だから、次の村に着いたら手紙でも書いておこう。ついでに、勇者の魅力に気が付いてもらうためそれとなくアピールを盛り込んでおこう。

 文面でも考えておこう、勇者の聖剣(意味深)の長さとか……いやセクハラだなこれ。でも……ふふふ、意外とかわいいサイズしてますよとか書きたい悪戯心があるな。

 

「……また変なこと考えてるね」

「いやぁ? んなことないっての……っと、足音が聞こえたぞ。そろそろか」

「あ、ほんとだ。騎士さん達がこっちにきてるね」

 

 ちらり、バレないように勇者の股間を見る。服の上からでは存在感がまるでない、可愛いお子様サイズだ。ふはは。

 通常時で目測8cm、でかくなったときのは服の上からだけだったからよくわからんが、まぁせいぜい1.5倍ぐらいか。

 男だった時の方が少しでかいな!! 勇者様に勝っている数少ない点だ! 

 

「……ん? テオ、騎士さんたちの前にいる人ってあれ……」

「ま、まぁそうなるよな……うん」

 

 なんてふざけたことを考えていれば、遠くから響いてくる靴の音。

 振り向けば、道の奥からは伝令と思わしき紙を丸め持った兵士。

 

「お待たせいたしました、勇者様方!」

「こ、これはこれは……姫様自らとは、お手数おかけして申し訳なく」

「いえいえ、そんなにかしこまらないでくださいませ……」

 

 と、桃色のドレスに身を包み、同じように紙を持つものが一人。

 リバユラ姫様、再度降臨である。騎士達は少し微妙な顔をしたが、直ぐに眉宇を引き締め、ヤシドに対し向く。

 

「陛下より賜った、異変が見受けられる穴についてまとめた地図、書面である。

強制ではないが、向かう場所に迷いがあるならばここへと向かって欲しいとのことだ」

「あ、ありがとうございます!」

 

 不思議な武器が見つかった、貴重な素材があるかもしれない。奇妙な魔物が確認された。

 あるいはあるいは……etc。以前の記憶でも見た記憶がある、ここもやはり違いはないようだ。

 あの時は貴重な素材目当てで……えーと、そうだ。妖精、ノームの穴は向かったんだっけか?

 

「(いい金属が見つかるかも、なんて思ったが……結局土いじりして終わったんだっけか)」

「……テオちゃん、いかがされましたか?」

「っ、い、いやなんでもござ、ございませんよ姫様……あ、ええと……リバユラちゃん」

 

 過去を辿り思い出していれば、いつのまにか目の前に姫様が立っている。胸元を隠すように添えられた、一輪の花から芳しい香りが、視線を自然と胸へとひっぱる。

 ぐへへ今日もいい大きさ……いかんいかん。そういや女性は胸を見られると気がつくというが、本当ならこうして見ているのもバレているのだろうか。……どうでもいいか。

 

「……ふふっ。少しお話がありまして、テオちゃんの鎧についてなのですが」

「……あ、あーそういえば寸法測ってそのままか(出来れば完成しないで欲しい。女性的な鎧なんて着たら、ビラビラがついたドレスよりも恥ずかしくなる自信があるわ)」

 

 小声で騎士たちに気づかれないようにしているようだが、騎士たちの横顔を見るにちゃん付けしてるのはバレている。ピクピクしてるし。だがこの場において最高権力者は姫だ。逆らえない。

 

「流石に、昨日の今日でできないのはわかってっけど、進みはどんなんなんだ?」

「ええと……本来の予定なら今週中には完成する手筈でございました。ですが、その……大変申し訳ないのですが……鎧師が、良い素材がなく作れないと言い出しておりまして……」

 

 よっしゃ。

 

「よっしゃ」

「えっ?」

「ナンデモナイデス」

 

 ナイス鎧師。仕事に頑固な男。このまま永遠に完成しない鎧となれ。

 アーシカタガナイナー、その辺で既製品でも買うしかないなー。

 

「……あぁ! 可愛いものを着るのは苦手、なんですもんね? ふふふ……とりあえず、デザインの方は完成してますのでそのお知らせを……こちらです」

 

 なにか察した様な姫様。俺の頭から足までを瞬時に往復して見て、またニンマリと笑う。知らない人から見たら慈愛に満ちた表情でも、俺から見たら企んでいる顔だ。思わず身がすくむ。

 手渡された紙を広げれば……そこには、綿密に描かれパーツごとに詳細にされている図面があった。

 

「へえ……どれど、れ……?」

 

 名前は……盾から取ったのか、純潔の鎧。

 まず1番に目に入ってくるのは、首輪。皮系の物だ。首切り防止用の様だが、本当にそれだけか?

 腕を使いやすい様にしたいらしい。左肩にしかない肩当て。膝当てはなく、小手も手の甲まで覆うもので、指先は出ている。

 

 胸、腰それぞれは局所的に守られているが、繋がっておらずベルトで固定されている。というかあれだ、腰なんて側面だけで股間部分見える。見えている。

 足は金属靴だが、脛当ては皮か? 紐で結ぶ、縦長ブーツの様に見えた。

 うん何というか、騎士さん達が着ているフルアーマープレートではない。魔法を行使するためか、やたら金属以外の割合が多い。

 覆われてない皮膚を隠すため、下にはコルセット付きのドレス。ガーターベルト、タイツ。

 

「……えぁっ?」

 

 どこからどう見ても女性が着なければいけない、着ているものは女性だという絶対の意志を感じる。

 コンセプトには……大人びたエロス、短くそれでいて大胆に書かれていた。

 

 鎧師は殺す。紙を破り捨てようと衝動に駆られる。踏みとどまる。

 

「……で、デザイン案。リバユラ・メイクーン……?」

「はいっ、こっそりと鎧師さんとお話しさせていただき何とかまとまりました。ですからこそ、早く形にしてテオちゃんに着て欲しかったのですが……」

 

 よく見れば、首輪や太腿のタイツの辺りの薄さなどを記した文字は他のとは違う。やや女性らしさを感じる字体。この設計書に姫様が関わった証だろう。

 つまり、この鎧案を切り捨てるということは姫様を無下にするということだ。

 

「その……お気に召しませんでしたか?」

「え、あ、いや? その……思いの外、あの……俺には似合わない……じゃなくて?! ず、ずいぶんセクシーな……俺にはもったいないデザインだなって……??」

 

 想像できない。戦場でこんなものを着て、魔物と戦う自分の姿が、

 だが、魔王は目の前にいる。震える俺の手を掴み訴えかける。

 

「いえいえ!! テオちゃんは可愛いんです! だからこそ、見た目と内面の差を……まるで国を率いる、美しい女騎士の様なデザインが似合うと思うんです!

その内は、恋に憧れる乙女を……!」

 

 デザイナーは語る。やれ首輪はティンと来たとか、太腿はタイツとガーターベルトを合わせると素晴らしいだとか。

 戦闘に関しないものばかり。おそらくはそこを補ったのが鎧師。

 書面には鎧の内側などに魔法陣などを刻み擬似的な魔導具にすることで全体的な身体能力の向上などが盛り込まれている。えぐいくらいに刻まれている。

 

「腰当ての大きさはかなり白熱しまして……斜めから見ると隠れる。正面から見てようやく……この塩梅に決まった時は鎧師さんと手を握りました……!」

「ソウデスカ」

 

 きっと、俺が最期の日に着ていたものと同等……いや、これを改良すれば上回るポテンシャルを秘めている。

 そりゃ素材がないって言い出すわってぐらい、オーパーツ。なんだこれ。なんだこれ。

 

「なので、こちらでも全力で鎧にあった素材がないか探します……! もしテオちゃんの方でもあれば是非とも教えてください!」

「アッハイ」

 

 考えがまとまらない。どうせぇと。これ完成したら着ないって選択肢が戦力的にも立場的にもない。

 だがこんなの着て戦ってたら痴女やん。穴の中でたまに見かけて、はぁ眼福だなぁとか思ってたが、俺みたいなチンチクリンでこれやったら悲惨なだけだろ。

 他人がやってたら罰ゲームか何かと哀れむわ。

 

 思考停止。体は、酒とタバコを求める。

 今この体は、極上の酒を求めている。世の中の辛さの何もかもを包み込み靄をかけてくれるものを。

 

「──あ、テオ。話が纏まったんだけど、テオはどの穴がいいと思──」

「ネルシャ村、あんだろ」

 

 不意に口に出していたのは、過去の記憶では飲めなくなっていた。幻のワインとなった原産地の名前。

 

「えっ、あ、あるけど……ここからかなり遠いよ?」

「むしろ最高だ、王都から遠いってことは、騎士さん達が向かいにくい場所だ」

 

 ペラを回す。潤滑油を得るために油を差して無理やり回す。

 

 

「人が助けを求める場所に向かうのが、勇者ってもんだろうヤシドくん。いざ遥か彼方へ、だ」

 

 ただ、酒を飲むために。

 

──この選択が旅の運命を変えるかもしれないなんて、思ってもいなかった。

 

 

 




──最悪だ……。

 こんなに痛くても……、
 苦しくても……

 書くしかねぇのか……。

──Are you ready!?
ready、ready、ready……、

「……メス堕ち」


 メス堕ち、レズ堕ち、レズ●●●堕ち度、変化なし。
・おね●●ルート解放(条件1.消滅前のネルシャ村に立ち寄る。)

~オリキャラ紹介~
・リバユラ・メイクーン
 ただでは死なず。これから先も王都に戻って来たり、お手紙であなたのハートをわしづかみする予定。
 鎧師と結託し、大人なドレスアーマーを考える。
 聖剣の勘違いに気が付いたようだがさてどうなる。

・ヤシド
 聖剣の勇者。過去の記憶の世界では通常時は8cmらしい。
 嘘かほんとは知らない。だが、重要なのはヤシドは唐変木。本気でその情欲にかられたことが碌にない旅での知識だということ。
 
・テオ
 純潔の盾、鎧がイベント装備の如く外せない未来だと気が付いてしまったもの。
 純潔の盾が弾いた、なんて話聞いたことないなーと思いつつスルー。
 心は傷つき、酒を飲みに村へ。(過去でこっそり出していた村、ワインが美味しいそうだ)

・スオウ
 魔槍に汚染され暴れている。
 つよい。

・???
 ネルシャ村で登場予定。
 天才生意気プライド高い、こっそり寂しがりやで年下。
 そんなのが嫌いなホモはいないに違いない。

・大事なお知らせ
 「メス堕ちいいよね」「こんなエロシチュいいわね」と語り合ったりした、メス堕ち小説の先輩「バリ茶」様がなんと、この作品のR-18二次創作「TS 盾役従者は勇者(その他諸々)に勝てるのか?(https://syosetu.org/novel/214695/ )」を投稿してくださりました。
 ありがてぇ……私自身、エロ小説は書いたことがないので勉強中の身。
 参考にしつつがんばります。いつか番外編としてR-18なげたいのぉ!!

追記 消し忘れた本文が最後にあって邪魔してました、奴は消した。
あと、王様の「あらん」の台詞は誤字ではないです(5件ぐらいきた)

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