捏造日本召喚   作:あまの

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原作とは乖離し始めます


ムーへの技術移転

中央歴1642年4月28日

総理官邸

閣議でいくつかの議題の議論が行われていた。

なし崩しに開戦状態になったグラ・バルカス戦に対する法整備だ。

今までの局地戦と違い、全面対決なので特別措置法一本でまとめるのは戦局が流動的だけに難しい。結局戦争状態にあることを示すグラ・バルカス特別措置基本法を作り、反撃に対する基本指針をまとめるとともに、こちらから攻勢に出る場合は作戦ごとに特別措置法を提出することとなった。

もう一つ大きな議題は新世界技術管理法についてだった。

圧倒的優位を維持するために厳しく管理を行ってきたが、あまりの受注状況に国内だけでは対応しきれないのがはっきりしてきた。

また、グラ・バルカスの問題もある。

今までは圧倒的技術格差で数の不利を補ってきたが、第2次大戦レベルの敵に数で押されると対応しきれない恐れがある。

とにかく何をやろうとしても「人員不足」という問題が発生する。

「人材不足」なんてとっても贅沢だ。

生めよ増やせよやっても結果が出るのは20年後

政府は頭を抱えていた。

一番手っ取り早いのは同盟国を巻き込むこと。主にムーが対象になるが、だいたい1960年代までは開示。1970年前半はブラックボックスでの装備供与を行うこととした。

具体的な内容は通商産業省の外局として設置された新世界技術管理庁で個別審査していくこととなった。

○新世界技術管理庁の仕事は大きく2つ 

・技術流出の防止 開示する技術の個別審査、ちまたに溢れる新しい技術書籍の回収なども行っている。新しい技術は電子書籍での発行に絞らせている。

・魔法という技術の体系的取得、魔法をどのように技術体系に組み込むかの研究を行っている。

 

 

中央歴1642年6月1日

新世界技術管理庁

「ムーに開示する航空技術どうする?」

「課長、レシプロ機の最終形を渡しちゃったらどうです?」

「具体的には?」

「A1スカイレーダー、戦闘機ならF8Fベアキャット」

「スカイレーダーはオーバースペックすぎないか?」

「インターネットアーカイブプロジェクトでコピーした中に設計図あるんですよ」

「まぁどっちの第2次大戦最終機といえば最終機だなぁ」

「どっちも重防御だし、ゼロ戦や97式艦攻の世代には負けないと思うんですよね」

「どうやってわたす?」

「まずはこっちで試作して、よければ量産ラインの設計して構築、問題なければラインごと持って行くが技術流出は抑えられると思うんですよね」

「それで企画書を書いてくれ。上に説明する」

 

 

 

 

M社

「とんでもない依頼が来たもんだ」

「なんです?」

「A1スカイレーダーとF8Fベアキャットの試作と量産ラインの構築 最終的にはムーに持ってくそうだ」

「エンジン違うじゃ無いですか。せめてどっちかに統一して欲しいですね」

「そうだなぁ F8Fは無理ですと返しておくか」

「強力なエンジンさえ確保できれば後はなんとかムーでするんじゃ無いんですか」

「完成形を渡すことでノウハウの流出を避けたいそうだ」

「排気タービンだけはこっちから供給にした方が良いですね。それだと」

「そうだな、逆提案してみる」

 

後日M社

「とりあえずスカイレーダー一本で行くことになった。これアーカイブプロジェクトでコピーされてた設計資料」

「ヤード・ポンドだから若干の再設計は要りそうですね」

「まずはエンジンの試作からだな。結構冷却に苦労したと資料にある」

「レシプロエンジンだと自動車の協力もらった方が良いですね」

 

 

中央歴1642年8月2日

新世界技術管理庁での会談

「マイラスさんこんにちは。新世界技術管理庁技術供与課課長の光末です」

「光末課長こんにちは。今日は何用です」

「ムーに供与する航空機技術の選定が済んだのでこれでいいかどうかの確認をと」

「ほう」

「最後の戦闘用レシプロ機といわれたやつをお渡しすることに」

「え、そこまで出していただけるんですか」

「これで良ければ試作・量産ラインの設計・製作をして動くことを確認したら量産ラインをムーに持って行って作っていただく 一部管理対象品が含まれていますのでそれはこっちで生産して完成品をお渡しするということでどうでしょう」

「どういう機体でしょう?」

「スペックはこのように」

・全長:11.84m

・全幅:15.25m

・エンジン:ライト R-3350-26WA レシプロ(2,700馬力)

・最大速度: 518km/h=M0.42

・航続距離: 2,115km

・乗員:1名

・ 武装

・ 固定武装:イスパノ・スイザM2 20mm機関砲x4

・ 胴体下部武装:魚雷または増槽

・ 翼面下部武装:2,000ポンド爆弾x2または増槽x2、ロケット弾・爆弾パイロンx12

・ 機体両側面・底面に急降下爆撃制御用ブレーキ板装備

「速度が遅いことを除けば文句ありませんね」

「マイラスさん。戦闘機では無いんですよ。攻撃機といわれるジャンルですね」

「戦闘機は無いんでしょうか」

「試作をお願いしたところが人手不足で1つにしてくれと」

「わかりました。戦闘機も期待します」

「検討はします」

 

 

 

 

日本と国交を結んだ国

大体共通する話題

「本を手に入れても理解できんな」

「本を理解できる人材の育成からかと」

「どっから手をつけるのかね」

「義務教育制度の導入と、子供に勉強させることが必要であるという親の教育からですね」

「成果が出始めるまで40年位かかりそうだな」

「そうですね」

 

 

 

 

呉J社修理ドック

大破したラ・サカミが横たわっていた

工廠責任者の東は先日の新世界技術管理庁の説明を思い出していた。

「新造した方が早く 強力になるのは判っていますがあくまでも修理の名目で第2次大戦型の艦艇と渡り合えるようにしていただきたい」

「技術管理法はどうなるのですか」

「ムーに対しては大幅な緩和が認められます 詳細は後日書類でお送りします」

ミサイル以外はブラックボックスすればかまわないというのだから。30.5cm砲を高初速化するために試製砲の発注はしてある。

大和と武蔵が出るたびに砲身命数いっぱいの艦砲射撃をかますので制作技術は細々ながら残っているのだ。これでデーター集めてFCSを設計しなくてはならない。

 

ラ・サカミの修理ドックで

「戦艦はいつ見ても良いですよね」

「おまえ去年も聖地巡りとかしてなかったか?

横須賀の三笠、呉の長門、改装に入るんで当分公開日がないとか有給取って富士宮の大和と」

「三笠と長門はコンクリ埋めで動けないですけど、象徴的船ですからね。長門は埋めておかねば原爆実験に引っ張ってくつもりだったらしいです。代わりに金剛と伊勢が持ってかられましたけど」

「へー日本にも戦艦有るんですか」

「マイラスさん。ええ、艦隊決戦に参加したことはないですけど、2隻保管艦状態であります。世界最大の戦艦なんですよ。グラ・バルカス帝国のグレード・アトラスターが第一時代改装後の姿はそっくりです。第2次改装は弾薬共通化するための変更と対空ミサイルの追加とか機銃の整理でゴテゴテしていたのが少しすっきりしたかなー?今第3次大改装に入っています。長期延命化とかで半分ばらすらしいですよ」

「ばらすって?」

「ほぼ作り直しするレベルでバラバラにして各部交換するそうです。この世界に来なければ多分このまま廃艦だったんじゃないかな?おっきい大砲って示威には有効ですから」

「おっきいてどんなの積んでいるんですか?」

「今が46cm45口径3連奏3基です 外筒寿命なので交換。機関も蒸気タービンメンテできる人が減っているので、ディーゼルエレクトリック式。対空砲も自動砲にというところは公表されています。噂じゃ金額的にイージス化とか、ミサイル戦艦化という話も出ていますね。主砲は対地射撃にしか使われたことがないのが残念ですけど」

「対地射撃ってそんな用途にしか使わないのですか?」

「ええ、完成した頃には空母が主力でしたし、今は対艦ミサイルの時代ですから。戦艦を航空機で撃沈できると証明したのも我が国ですし、空母は攻められるともろいので艦隊防空が重要と証明しちゃったのも。一気に7隻沈められて講和派の暗躍の原因になりましたね。敵だった国もこれから反攻作戦だと集めていた艦隊が台風の直撃食らって大被害。戦線整理のタイミングで講和派がクーデター起こして降伏。それまでの同盟国に宣戦布告して、ボロボロになるまで戦いました。終わったときには、投入戦力の3割まで減っちゃいました。海上護衛で空母が必要だったので3番艦は途中で設計変更されて空母として完成。ジェット対応改装とかして40年以上現役 30年位前に退役して廃艦になりましたね」

「若槻、軍事になると饒舌だな。この軍事オタクめ」

「北澤先輩ひどいですよ。近代史真面目に受けてればやる内容ですよ」

「対地射撃ってどういうふうに使われたんですか?」

「マイラスさん。レイフォルが更地になったのと同じですよ。上陸地点を耕しちゃって罠を破壊するとか、ゲリラを掃討するために住民ごと海岸まで押し込んでの殲滅射撃とか悪名も結構響いているんですよ。この前、出撃したのがソマリア戦役にPMCにレンタルされても参加でしたからすごかったですね。ゲリラが反抗する気力が無くなるまで艦砲射撃。戦役全体で300万人位死んだのかな?隣国も難民に来られるのは困るから国境線で殲滅戦していましたし。この辺の戦術ってナガシマドクトリンて言われています。500年前我が国が壮絶な内乱状態だったときに宗教勢力が住民巻き込んで立てこもってナガシマという土地で反乱起こしたときに、一番天下統一にそのとき最も近い位置にいた武将が取った戦術です。この武将、宗教が現世勢力と結びつくのが嫌いで大抵殲滅戦したんですよ。この一連の働きで、宗教は現世権力とは距離を置くという掟ができましたね。」

「結構この国も戦乱の中を通っているんですね」

「長く平和だったのは鎖国していた江戸時代位かな」

「若槻さんPMCって何です?」

「マイラスさん。うーん ぶっちゃけると傭兵会社」

 




2020/02/07 グラ・バルカス表記ミス修正 対戦->大戦 誤字脱字修正
2020/02/08 日付挿入
2020/02/12 膨らませて26話にした部分削除
2020/02/25 誤字修正
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