捏造日本召喚   作:あまの

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もちろん日本国憲法が下敷き。米国は日本さえおとなしくしとけば大丈夫だと本気で信じていて中国に甘かったという噂。


平和憲法

中央歴1646年1月

神聖ミシリアル帝国 帝都ルーンポリス

 

神聖ミシリアル帝国、エモール王国、ムー、日本の4カ国の首脳が集まって密談をしていた。討議内容は『コア魔法』『核兵器』の国際管理組織の立ち上げである。先進11カ国会合でいいだろうという意見もあったが日本が押し切った。

・4カ国で資金を出し合い組織をたちあげ、古代帝国の復活に備える。

・主司令部は神聖ミシリアル帝国に置く。

・予備司令部をムーと日本に置く。

・ミサイル早期警戒衛星と偵察衛星の管理を行い4カ国で情報を共有する。

・攻撃対象は古代帝国とその属国とする。

で合意した。

4番目の属国は日本が固執した。何やら含むところがありそうだ。

 

ちなみにムーはB32旅客型試作機で飛んできた。日本が新世界技術管理法でジェット機を売り込めない国に売り込むつもりらしい。

 

司令部設立後、日本国以外は始めて惑星全土の地図を得、未接触文明の多さに驚く

 

中央歴1646年4月

 

グラ・バルカス占領軍司令部

「シチリエ内務次官どの良くいらっしゃいました」

「呼び出しておいて何を言う」

「礼儀ぐらいは良いでしょう」

「で何用だ」

「戦争を起こさない憲法を作ってくれとお願いしてだいぶたちますが、中間報告で頂いてる案はすべて駄目ですな」

「なぁっ」

「待ちきれないのでこちらで用意しました」

 


 

グラ・バルカス憲法草案

 

前文

 

グラ・バルカス国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法はかかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

 グラ・バルカス国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するものであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たとうとする各国の責務であると信ずる。

 グラ・バルカスの国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う。

 

 

第1章 皇帝

 

第1条 皇帝は、グラ・バルカスの国の象徴でありグラ・バルカスの国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存するグラ・バルカスの国民の総意に基づく。

第2条 皇位は、世襲のものであって、国会の議決した帝室典範の定めるところにより、これを継承する。

第3条 皇帝の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負う。

第4条 皇帝は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない。

2 皇帝は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

 

<省略>

 

第2章 戦争の放棄

 

第9条 グラ・バルカスの国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、永久にこれを放棄する。

  2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は類似組織を含め、これを保持しない。自国による国の交戦権・自衛権を認めない。

  3 なお、国際社会が認めた警備組織に、自衛を委託することはできる。

 

<省略>

 

9章 改正

 

第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の五分の四以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、全有権者の三分二の賛成を必要とする。

2 憲法改正について前項の承認を経たときは、皇帝は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

 

<省略>

 


 

「なんなんだこれは」

「見ての通りです。あなた方はやり過ぎた。ここまでしなければ信用されない位に」

「持ち帰って検討する」

「『はい』以外の答えはありませんよ ちゃんと約束通り帝室残したじゃ無いですか」

 

中央歴1646年5月

 

グラ・バルカス占領軍司令部

「シチリエ内務次官どの良くいらっしゃいました」

「憲法草案受け入れても良いが現皇帝の責任は問わないでいただきたい」

「捜査機関が決めることだと何度も説明してますが?我々で決めて良いならとっくに処刑されてますよ」

「それでもだ」

「グラ・バルカスが前の世界で守るべきだった戦時国際法・日本国の常識としての戦時国際法・この世界での戦時国際法から守るべきであった線を決めるところからやっていますから時間はかかると思いますよ」

「だからそれに盛り込んで」

「わからない方ですね。独立した機関で審議されてます。占領軍司令部は口を挟めません」

「なんとかそこを」

「おかえりください」

 

中央歴1646年6月~

グラ・パルカスは憲法草案の受け入れを決めた。

現皇帝が「全責任は自分にある。部下の罪を問わないで欲しい」といっていることから、政治決断で現皇帝の責任は曖昧なまま部下に重罪をということになった。

戦争裁判が開かれ部下の処刑が次次決まっていった。

現皇帝は自分の責を引き受けて処刑されていった、部下たちの喪に服すのが日常となった。

 

国際社会が認めた警備組織は先進11カ国連合で審議された結果。ムーが元請けとなり、海上護衛隊の一部が海上をクイラの兵を雇っている日本のPMCが陸上を空はムーが新規に組織する航空PMCが実働部隊となることとなった。

残った海上護衛隊の船は海軍が壊滅した国に払い下げされた。

そして、すべての軍需企業は解散させられ、占領軍司令部による強力な銃刀狩りが行われることとなる。

 

グラ・バスカルには憲法改正阻止を狙って、先進各国から国内への干渉が影から行われる。それにより、一つに纏まらないように常にされていくのだった。

 

グラ・バスカルは戦略攻撃の悲惨さを世界に訴え続け、話し合いによる解決を模索するようになる。

 

(とりあえず終了)

 




極悪非道仕様です。どう極悪非道は日本国憲法と見比べてください。酷いです。
憲法全文張っても意味が無いので抜粋です。省略したところは現日本国憲法をほぼ踏襲していますので日本をグラ・バルカスに読み替えてください。現実日本の役割をグラ・バルカスに引き受けてもらいます。
魔法帝国がICBMぶちかます世界ですから防御手段の普及には生け贄が居るのですが、わざわざ日本が生け贄になる必要は無いのです。
グラ・パスカルは戦争にすぐ役に立つ物には投資を惜しみませんが、基礎技術には案外渋いのです。原作日本国召喚の世界で核兵器を作れるのは実は日本国だけだったりする。
書籍版6巻だと魔法帝国の影がチラチラしてますが見えなすぎて書けないですね。アニュンリール皇国あたりが

2020/02/26 誤字修正 呼びでして->呼び出して 現帝->現皇帝 送りがな 司令部設立後の話を追記

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