俺はヘニング グラ・バルカス海軍で駆逐艦で曹長をしていた。
グラ・バルカスは壮絶な不況にに襲われている。最大の顧客だった軍が解体され、人があふれ出し、軍需企業も解体されて作る物が無い。そんなとき先輩と安酒場で出会った。
「よう、ヘニングその後どうしてる」
「ああ、先輩 再就職もままならず安酒場に来る位ですね」
「ふぅむ、ちょっと危険はあるけど仕事紹介できるが」
「え。本当ですか是非お願いします」
「中身も聞かずに良いのか?」
「手当が打ち切られるまでそうはないですから贅沢言えません」
「明日、昼に海上警察の前で待っててくれ」
「警察の仕事ですか?」
「色々あってな警察が引き受けることになった」
仕事の内容に触れない程度の近況報告をしあって別れた。
翌日海上警察の前で、まっていると中から警官の制服を着た先輩が出てきた。
「よくきた 仕事の内容について説明するから中へ」
「はい」
会議室に通される。
「昔なら軍がやる仕事なんだな」
「なら 自衛組織とやらにやってもらえば良いじゃ無いですか」
「自衛ではないので契約外だと断られた」
「自衛では無い軍の仕事?なんです」
「ゴミ掃除だよ」
「ゴミなら清掃業者に・・・?」
「ムーがばらまいた機雷の除去というやつだ」
「ムーはやってくれないんですか?」
「支援物資の搬入路はやってくれたがそれ以外は自国領土でもないのでやらないそうだ」
「後始末しないんですか」
「それなりに危険があるからな。命令系統が残っていて、危険手当をつけても文句が出ないということで警察に回ってきた」
「そうなんですか」
「陸上の不発弾は所轄の扱いだ」
「時々規制線張って爆弾処理してたのそういえば警察でしたね」
「その海上版だな」
「具体的にはどうやるんですか」
「小型のボートで前方の浅いところに機雷が無いことを確認したら漁船に毛の生えた掃海艇で掃海具を引っ張って航行。浮き上がってきた機雷を機銃で撃って爆破処理だな」
「ああ、だから危険手当ですか」
「引き受けるか」
「もう後が無いんで是非」
「よし、採用だ」
「え?そんなに簡単に?」
「人がたらんのだ ベテランは封鎖突破作戦でほとんど海の藻屑と化してるしな 掃海艇の建造費くらいはムーも出してくれるがそれ以上は自分でなんとかしろと」
「じゃぁ最初の仕事は」
「人集めだ」
街に繰り出し、昔の部下や同僚に誘いをかけるところからスタートだった。で、部下がそろったら模擬機雷で訓練。手順がなじんだら、実践で学んでこいと放り出された。
前後に20mm単相機銃がついた漁船みたいな船だ。木造なのはばらまいた中には磁気感知の物もまじっているからだそうだ。
ん? 前方のボートが旗を立てて引き返してきたな。
あそこの浅いところに機雷があるのか。
待避を確認した後、機銃掃射。
「ど-ん」
俺はこうやって再就職できたが、治安は悪い。失業率も高止まりだ。軍事だけでくってきたのをいきなり民需でなんとかしろと言っても難しい。
10年以内に民需体制への移行と独立をといわれてるができるのかね?
2020/03/08 人が足りない理由を封鎖突破作戦と絡めた