ある空間
「....先生、すいません。逃げられました....」
俺は目の前にいる鼻の長い老人にそう言った。
「いえ、良くやってくれました。お疲れ様です」
「....ありがとうございます。....ラヴェンツァは?」
「ここにいますよ」
俺がそう言うと、先生の後ろからひょっこり現れた。
「....手酷くやられたようですね」
彼女は俺を見ると、悲しそうな表情をした。
「....あぁ。殆どのペルソナが使えなくなった」
俺はそう言って、一冊の黒い本を二人に渡した。
二人は本を開いていくと、苦い顔をした。
「確かに、かなりやられたようですね....」
「上級ペルソナや中級ペルソナの殆どが使えませんね....
残ったのはほんの一部だけですか....」
「....ふむ」
先生は俺の本を確認しながら何かを考えていた。
そして、最後のページまで読むと俺に本を返してこう言った。
「では、あなたに長期休暇を与えましょう」
「ちょ、長期休暇ですか?」
「えぇ。あなたがこの世界に来て15年が経過しました。しばらくの間、
この世界の現実世界で生きてみると良いでしょう」
「で、ですが! 先生のサポートは....」
「それでしたら私にお任せ下さい」
「ラヴェンツァ....」
「本来あなたは、現実世界で生きるはずだった。ですが、何らかの
イレギュラーにより、あなたはこのベルベットルームに来た。
そして、わざわざ私達の業務を手伝ってくださったお礼がしたいのです」
「いや、俺はお礼なんて....」
「わかっています。あなたは見返りなど求めていない事を。ですが、
せっかくの機会です。現実世界でのんびり生活してください」
「....良いんですか先生?」
俺が聞くと、先生は優しそうな表情になり....
「えぇ」
「....わかりました。それで、期間は?」
「そうですね....全書のペルソナが全て復活するまでにしましょうか。
それまで、この部屋への出入りを禁止しましょうか」
「全てですか!? それに出禁!?」
「はい。恐らく、丁度いいぐらいでしょう」
「それに、ここにいるとあなたは働くでしょう?」
「ぐ....わ、わかりました」
ラヴェンツァの言葉に、俺は何も言い返せなかった。
「よろしい。では、明日からゆっくり療養の方を。ラヴェンツァ、
準備の方を」
「はい」
そう言うと、ラヴェンツァは下がっていった。
「今日はゆっくり休みなさい。明日は早いでしょう」
「....わかりました。失礼します」
そう言って俺も自分の部屋に戻った。
〜自室〜
「フォルセティ」
『何だ、我が半身よ』
俺が何も無い所にそう言うと、緑髪に白いローブ、一冊の本を
持った男が現れた。
「すまない、お前には無理をさせた」
『気にするな。少し休めばすぐ治る。それよりもお前は
これからどうする? 何かする事は決めてるのか?』
「いや、全く決まってなくてな。そもそも現実世界に
出るのは買い出しの時ぐらいだからな」
『そうか。まぁ、何かあれば呼ぶが良い。我はお前だからな』
「あぁ。頼りにしてるぞ」
『ではな』
そう言ってフォルセティは消えた。
「(明日からどうしたもんか....)」
そう考えながら、俺は眠りについた。
〜次の日〜
「それでは、これを渡しておきます」
朝、部屋にやって来たラヴェンツァはそう言って、俺に通帳、携帯、
その他諸々を渡してきた。
「お金の方はこれまでのあなたの労働を鑑みての物です。大事にしてください。
他に必要な物はあなたが住む家に置いています」
「ありがとな、ラヴェンツァ」
「いえ。それと、主からお話があるそうです」
「先生が?」
「はい。こちらへ」
俺はそう言って先生の部屋に案内された。
「失礼します、先生」
「フフフ、来ましたか」
「俺に話って何でしょうか?」
「少々、面白い可能性が見えたので話しておこうと思いまして」
「可能性ですか?」
「えぇ。この休暇中、あなたがここに来た理由が見つかるかもしれません」
「なっ!?」
「それに、あなたにとっての転機が起こる出来事もありそうですねぇ」
そう言いながら先生はタロットカードをめくっていた。
「ですが、それには多くの障害が立ちはだかるでしょう。
しかし、心配なさるな。あなたはこれを乗り越える方法を
教えて貰ったはず」
「絆を紡ぐ....」
「左様。それがわかっているあなたなら問題はありません」
先生がそう言うと、いつの間にか青い扉が現れていた。
「さぁ、お行きなさい」
「っ、はい。では、いってきます」
俺はそう言って青い扉の中に入った。
露崎 櫂(15歳)プロローグ時
11月22日
本来の世界に転生しなかった転生者。
目が覚めた時には既にベルベットルームの中におり、
その空間内で15歳まで育てられた。
幼少期にペルソナ能力に覚醒し、更にはペルソナの付け替え、
二重召喚が出来たため、イゴールから専用のペルソナ全書を渡されている。
実力は高く、師匠はエリザベスとマーガレット。
イゴールの事を先生と呼んでいる。
自分が何故この場所に転生したのかを探している。
容姿 黒髪で前髪を少しだけ赤メッシュ 赤目
ペルソナ全書の色 黒
召喚方法 全書から出たカードを投げる
戦闘服 青いフード付きローブ
フォルセティ[愚者]
櫂の半身。櫂とは対等な関係でよく意見を出している。
櫂のペルソナの中で唯一、現実世界に出入り可能。
櫂に特別な能力、プロビデンスの目を渡している。
弱点は火炎、呪怨。氷結、祝福は無効。疾風は吸収。
技 万物流転 マハコウガオン ランダマイザ コンセントレイト
メシアライザー ダイヤモンドダスト デリート プロビデンスの目
プロビデンスの目
フォルセティが櫂に渡した特殊な目。
この目で相手を見ると、相手の嘘、偽りを見抜き
真実を見る事が出来る。
フォルセティが使うと、相手の弱点を見る事が出来る。
デリート
フォルセティだけが使える特殊魔法。対象にかかっている
状態異常、洗脳を強制的に解除する。ただし、使うとかなり疲れる