4月19日
「よし、じゃあ行くか」
「はい!」
放課後になり、俺とすみれはパレスに来ていた。
「じゃあこの間の所からスタートするか」
そう言って、俺は一番最後に入ったセーフルームを想像し扉を開いた。
すると、扉を開いた先は最後のセーフルームに繋がっていた。
「本当にここからスタートできるんですね....」
すみれはセーフルームを見てそう呟いた。
「便利だろ? ....さて、早速行くか」
そう言って、俺はセーフルームの扉を開いた。俺とすみれは、この前撤退した
礼拝堂の扉の付近から中を覗いた。
「....前より数増えてませんか?」
「....すみれもそう思うよな」
礼拝堂の所にはこの前来た時よりも鎧の数は増えていた。
「一気に吹っ飛ばすか....」
そう呟いて、俺は全書から一枚のカードを取り出した。
「すみれ。一度俺の後ろにいてくれ」
「先輩の後ろにですか?」
「あぁ。あいつら全員を吹き飛ばす」
そう言って、俺は足元にカードを投げた。
「来い、だいそうじょう!」
俺がそう叫ぶと、だいそうじょうが現れた。
「アイツらに向かって"回転説法"だ!」
そう言うと、だいそうじょうは部屋の周りに大量の札を展開させた。
そして、次の瞬間、部屋は輝かしい光で埋め尽くされた。
「(相変わらず眩しいな....)」
俺は腕で目元を覆った。そして光が収まると、部屋の中にいたシャドウは
全て消えていた。
「な、何ですか今の光....」
「シャドウを高確率で即死させる技だ」
そう言って俺はだいそうじょうを全書に戻した。
「さて、これでゆっくり進めるな。すみれ、地図的に次はどっちの方向だ?」
「えっと....階段があるのはあっちの方ですね」
すみれは階段の方を指差した。
「こっちか。じゃあ進むか」
俺とすみれは階段の方に向かって進み始めた。
「てか、この城にある螺旋階段長いよな....」
「確かにそうですね。でも良い運動になるじゃないですか!」
「....すげぇポジティブな考えだな」
そう話していると、俺達は屋上の前に着いた。
「やっと着いたか。さて、敵は....」
俺とすみれは物陰から屋上を見た。屋上の広いところには鎧が三体見回りをしていた。
「すごく警戒してますね....」
「あぁ。多分あれが理由だろうな」
そう言って、俺は奥に見えた塔のようなものを指差した。
「二枚目に見つけた見取り図に塔みたいなやつがあったからな。おそらくあそこに
このパレスのコアがあるんだろうな」
俺はそう言いながら全書をめくった。
「すみれ。サンドリヨンの技で全体に攻撃できる祝福属性の技あるよな?」
「はい、ありますよ」
「よし。じゃあ上空から攻撃して見張りを倒すか」
そう言って俺は二枚のカードを取り出した。
「すみれ。今から出すペルソナの上に乗ってシャドウを倒すぞ」
「わかりました」
「来い、スザク!」
俺は足元にカードを投げてスザクを召喚した。
「すみれ乗れ!」
「はい!」
俺とすみれはスザクの上に乗り鎧達の上に止まった。
「すみれ今だ!」
「はい! サンドリヨン、マハコウハ!」
「パワー! お前はマハコウガだ!」
サンドリヨンとパワーの攻撃に、鎧達は対処できずモロに攻撃を食らっていた。
そして、鎧達は光の中に消滅していった。
「よし、完璧だな。じゃあスザク。あの塔に向かってくれ」
俺がそう言うと、スザクは塔の方に向かって飛び始めた。
「さて、どっから入るか....」
俺は塔に入る場所がないか探していた。すると....
「先輩! あそこに開いてる窓がありますよ」
すみれがそう言って塔のある部分を指差した。
「ホントだな。スザク、あそこに近づいてくれ」
俺がそう言うと、スザクは窓の方に近づいた。
「(見張りもいないな)」
俺は窓の中を見て見張りがいない事を確認した。
「先輩、ここから入りますか?」
「あぁ。すみれ、ちょっとの間動くなよ」
「へっ....?」
俺はすみれに一言そう言うと、すみれをお姫様抱っこした。
「せ、先輩!?」////
「行くぞ!」
俺はスザクから跳んで窓の近くの足場に着地し、そのまま窓の内側にある足場を
使って塔の中に入った。
「ふぅ。すみれ、怖くなかったか?」
「せ、先輩にお姫様抱っこ....お姫様、抱っこ....」////
「す、すみれ?」
俺はすみれに声をかけたが、すみれは小さな声で何か言いながら混乱していた。
「お、おーい。すみれー」フリフリ
「....ふえっ!?」////
俺はすみれの目の前で手を振るとすみれは変な声を上げた。
「だ、大丈夫か?」
「は、はい! 私は大丈夫です!」///
「そ、そうか。とりあえず降ろすな」
そう言って、俺はすみれを降ろした。
「あ、ありがとうございます....」///
「そ、その、大丈夫か?」
「は、はい....」///
すみれはそう言うが、まだ顔が赤かった。
「と、とりあえずすみれが落ち着いたら進もうか」
「わ、わかりました」///
そして、10分ぐらい経つとすみれの顔色は元に戻った。
「せ、先輩。そろそろ進みましょうか」
「大丈夫なのか?」
「は、はい。ご心配をおかけしました」
「そうか。じゃあ先に進むか」
「はい」
そう言って、俺は目の前にある扉を開いた。
〜〜〜〜
「な、何ですかこれ....」
扉を開いた先にあったのは、所々地面が動いていたり、崩壊している道だった。
「多分、コアが近い。だからこんなにも歪みが強くなっているんだ」
「じゃあ、警戒して進まないとダメですね」
「あぁ」
そう言って俺とすみれは近くの物陰に隠れながら進んでいった。そうして進んでいると
セーフティールームを見つけた。
「先輩。ここのセーフティールームも登録しますか?」
「そうだな」
俺とすみれは登録だけしてすぐに部屋を出た。そして、俺とすみれは上の階に上がった。
「....シャドウが多いですね」
「あぁ。物陰に隠れて進むぞ」
俺とすみれは物陰を利用しながらシャドウに見つからないように上の階に上がった。
俺とすみれは見取り図通りに先に進もうとしたが、地面が動いて道を塞いでしまった。
「道を塞がれたか....」
「ここを塞がれると、あっちから進むしかないですよね?」
そう言ったすみれの視線の先にあるのは、巨大な鎌が吊るされている道だった。
「これ、入った瞬間動くやつですよね?」
「....多分な」
その道の前に立って俺とすみれはそう言い合っていた。
「どうしますか?」
「そうだな....見たところ、かなり錆び付いてるからデカい一撃与えたら壊れるかもな」
そう言って、俺は全書を開いた。
「一回試してみるか。アガートラーム」
俺は全書からペルソナを召喚した。
「アガートラーム、一番錆びてる部分に大切断」
そう言うと、アガートラームは跳んで錆びている部分に剣を振るった。すると、
鎌を吊るしていた鎖は壊れ、鎌は地面に落ちてきた。
「よし!」
「やりましたね先輩!」
「あぁ。アガートラーム、そのまま全部破壊しろ」
アガートラームは順番に手前の方から鎌を破壊していった。
「ご苦労さん。全書に戻ってこい」
そう言うと、アガートラームはカードになって全書に戻ってきた。
「さて、後は地面を凍らすか。ジャックフロスト」
俺は全書からジャックフロストを召喚した。
「じゃ、頼むぞ」
『ホー!』
ジャックフロストが手を向けると、地面は凍りつきスケートリンクのようになった。
「これで進めるな。な、すみれ」
「そうですね。それよりも....」
すみれは、どんどんジャックフロストに近づいていった。
「この子、可愛いですね....」
そう言ってすみれはジャックフロストの頭を撫でていた。ジャックフロストは頭を
撫でられて嬉しそうにしていた。
「あぁ〜....まぁペルソナの中でも人懐っこい方だからな」
そう言うと、俺はある事を思いついた。
「そうだ。ジャックフロスト、少し小さくなりな」
俺がそう言うと、ジャックフロストは手のひらサイズの大きさになった。
「か、可愛い〜〜〜!」
そして、俺はジャックフロストを手の上に乗せてすみれの肩の上に乗せた。
「よし! ジャックフロスト、すみれを守ってやってくれ」
『ホー!』
「先輩、良いんですか!」
「あぁ。ジャックフロストもすみれの事を気に入ったみたいだからな」
「ありがとうございます! よろしくね、フーちゃん」
『ホー!』
「(なんだこの可愛い生き物は....)」
俺はジャックフロストと戯れるすみれを見てそう思った。
「と、とりあえず先に進むぞ」
「わかりました」
俺は気を取り直して氷の上を滑って向こう側に進んだ。
そして階段を上った先にセーフルームが見えた。俺とすみれはセーフルームの
登録をして巨大な扉の前にいた。
「大きな扉ですね....」
「あぁ。多分この先だな」
そう言って扉に触れたが、扉は固く閉ざされていた。
「開かないか....」
「どうしますか?」
「そうだな....」
そう言って周りを見ると、上の方から入れる場所があった。
「あそこから入れそうだな....」
「....本当ですね。ちょっと登ってみますね」
すみれはそう言うと、オブジェのようなものを使いながら上に登った。
「(上手いこと登るな....)」
そんな事を思いながら、俺も上に登り部屋の中に入った。
「何とか入れ....」
「....すみれ、静かに」
すみれが何か言おうとした時、俺は口に指を当てた。すると、下の方から声が
聞こえてきた。
『侵入者はまだ捕まえられないのか!』
『も、申し訳ありません!』
下にいたのは鴨志田と鎧達だった。
「すみれ、静かに進むぞ」
「....」コクコク
そう言って、俺とすみれは下に気づかれないように進んだ。そして、進んでいくと
巨大な扉があり俺とすみれはその中に入った。
「すみれ、もう喋っても良いぞ」
「....ふぅ〜、ビックリしましたね。まさかこんな所にいるなんて」
「てことはこの先にあるんだろう。このパレスのコアがな....」
そう言って扉の先にある扉を開くと、そこは黄金まみれの部屋だった。
「見つけた」
俺は黄金を無視して、上空に浮いている何かに近づいた。
「先輩、これは?」
「これがパレスのコアだ。今はまだ実体化していないけどな」
「実体化?」
「パレスのコアはもともとは人間の歪んだ欲望からできている。だけど、
欲望ってのはもともと形がないだろ? だから実体化させて形にしないといけないんだ」
「なるほど....でも、どうやって実体化させるんですか?」
「パレスの主に分からせるんだよ。自分の欲望が狙われているってな」
そう言って、俺はコアから離れた。
「さて、今日は帰るぞ。これ以上ここにいても仕方ないからな」
「わかりました」
そう言って、俺とすみれはは部屋を出て急いで塔から脱出した。
〜〜〜〜
「すみれ、明日って時間あるか?」
俺は現実世界に戻るとすみれにそう聞いた。
「明日ですか? 明日は少し新体操の用事があって....」
「そうか....じゃあコアは明後日に奪いに行くか」
「わかりました」
「よし。じゃあ帰りにこの前行ったクレープ屋寄って帰るか。今日はかなり
頑張ってたからな。奢ってやるよ」
「ホントですか! じゃあ早く行きましょう!」
そう言って、すみれは俺の手を引いて走り出した。
「ちょ!? 走んなくてもクレープは逃げねぇって!」
〜〜〜〜
その頃....
「うわっ! なにこれ....」
「床が凍ってやがる....」
「おいおい、一体どうなってるんだこの城は? 扉は破壊された跡があるし、
窓は突き破った跡があるし....」
「まるで、誰かが先にこのパレスに来ていたみたいだな....」
「でもよジョーカー、先に来てたって一体誰が....」
「....あの人じゃないの? 私達を一回ずつ助けてくれたフードの人」
「あぁ! でもなんでそいつがこのパレスにいるんだ?」
「知るかよ。でも、見つけて聞いたら良いだけじゃね?」
「それはそうだが、どうやって見つけるんだ?」
「あっ....」
「....はぁ、そんな事だと思った」
「う、うるせぇ! とにかく先に進んだら会えるだろ! 早く行こうぜ!」
「....私達も行こっか」
「....あぁ」