転生者と灰被りのお姫様   作:アイリエッタ・ゼロス

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Collaborator

「ふぅ〜、もう食べられません....」

「そうか。満足してもらったなら良かった」

「(まさかこんなに食べるとは....)」

 デザートまで食べ終わった俺とすみれはお茶で一休みしていた。俺はその時に

 すみれの食べっぷりを思い出しながらそんな事を考えていた。

 

「....よし、じゃあ会計して会いに行くか」

「会いにって、誰にですか?」

「忘れたのかよ....協力者だよ、協力者」

「あ、あぁ! そ、そうでしたね!」

「....肉と俺のことで頭がいっぱいなってたな」

「あ、あはは....」

「まぁ良いけど....じゃあ行くぞ」

 そう言って、俺は会計をして渋谷駅に向かった。

 

 

 〜〜〜〜

 渋谷駅

 

「....先輩、すごいお金持ちなんですね」

 渋谷駅を歩いている時に、すみれは俺にそう言ってきた。焼肉屋の支払いが思っていた

 金額よりもかなり高かったからだろう。

 

「まぁ、十数年分の給料を先生から頂いたからな....アレぐらいならそこまで痛手じゃねぇよ」

 そう話しながら渋谷駅の中でも人気の少ない所で俺は止まった。

 

「この辺で良いか。すみれ、イセカイナビを開いてくれ」

 人気が少ない場所で、俺はすみれにそう言った。

 

「イセカイナビですか?」

 すみれは不思議に思いながらもイセカイナビを開いた。

 

「先輩、開きましたよ」

「じゃあメメントスって打ち込んでくれ」

「わ、分かりました。えっと....メメントスっと」

 すると....

 

「候補が見つかりました」

 

 その音ともに、俺達はメメントスの中に入った。

 

 

 〜〜〜〜

 メメントス

 

「っ! ここは....」

「ここはメメントス。大衆の認知によってできた世界だ」

 俺は驚いているすみれに軽く説明した。

 

「大衆の認知って....ていうか先輩! その姿はパレスにいる時の姿じゃ....」

「そうだ。それにすみれ、お前も変わってるぞ」

「ほ、本当ですね。それよりも先輩、大衆の認知ってどういう事ですか?」

「この前、パレスは個人によって作られた世界って言ったな。このメメントスは

 簡単に言えばみんなのパレスだ」

「みんなの?」

「あぁ。数多くの人間の認知によって作られたパレスだ」

「....つまり、色々な人の認知が集まってできた、という事ですか?」

「まぁそういう事だ。....さてと、じゃあ早速協力者を探しに行くか」

 俺はそう言って改札を通った。

 

「ま、待ってください!」

 すみれも追いかけるように改札を通った。

 

 〜〜〜〜

 

「....ここ、シャドウとかは普通にいるんですね」

「あぁ。だが、基本的にこっちが手を出さない限り襲ってこないけどな」

 俺とすみれはメメントスの中を歩いていた。そんな中、俺はすみれに一つ

 気になったことを聞いてみた。

 

「なぁすみれ。一つ良いか?」

「何ですか?」

「あんまり驚いていないんだな。俺が別世界から来た人間ってこと」

「....そうですね」

「そのさ、怖いとか思わないのか? 俺は一度死んだ人間だってのに」

「....怖いとかは無いですよ。だって、昔に死んだかもしれないですけど、

 先輩は今ここで生きているじゃないですか。それに、私は先輩の優しさところ、

 いっぱい知ってますから!」

「すみれ....」

 すみれの言葉に、俺は泣きそうになって顔を押さえた。

 

「せ、先輩!? 大丈夫ですか!」

「あ、あぁ。大丈夫だ。気にすんな」

 俺は変に強がって涙を拭き、前を向いた。

 

「そ、それよりも、アイツは何処にいるんだ?」

「....それ以前に、こんな所にいるんですか?」

 すみれは少し怪しそうに言った。すると....

 

「いるよ。僕はここにね」

 突如、すみれの背後から声が聞こえた。

 

「ひゃぁぁぁ!?」

 すみれは突然の声に驚いて俺に抱きついてきた。

 

「....ジョゼ」

 俺はすみれの頭を撫でながら車に乗っているジョゼを見た。

 

「やぁ櫂、久しぶり。それとそこのお姉さんもごめんね。そんなに驚くとは

 思わなかったよ」

 ジョゼは申し訳なさそうに言いながら車を降りた。

 

「せ、先輩....この子が?」

「あぁ。協力者のジョゼだ。ジョゼ、こっちにいるのが芳澤 すみれ。

 ペルソナ使いで俺が言っていた子だ」

「あぁ! この子がそうなんだね。はじめまして、お姉さん。僕はジョゼ。櫂の協力者だよ」

「は、はじめまして....」

 すみれは俺の背中に隠れながらジョゼに挨拶していた。

 

「....怖がられちゃった」

「そりゃそうだろ....俺はここに来慣れてるが、すみれは初めてここに来たからな」

「そっか。じゃあ次からは気をつけないと。それで、今日はどうしたの?」

「お前をすみれに紹介するのと、情報が無いか聞きに来たんだよ。

 何か情報はあったか?」

「ちょっと待って」

 ジョゼはそう言うと、車の中からバインダーを取り出した。

 

「うーん....今週は特になかったかなぁ。でも、シャドウ達の動きが少しだけ

 活発になってたかなぁ」

「そうか....」

「意外と情報を話しているシャドウは少ないからね」

 ジョゼはそう言いながら、バインダーを直して車に乗り込んだ。

 

「じゃ、情報が見つかればまた教えるよ」

「あぁ、頼んだ」

「それじゃ、おつかれ〜」

 ジョゼはそう言って、何処かに走り去っていった。

 

「い、行きましたか?」

「あぁ。ていうか、そんなに怯えなくても大丈夫だぞ」

「わ、わかってますよ....それよりも、何か音が聞こえませんか?」

「音?」

 すみれがそう言うので、俺は耳をすませると、何処からか鎖を引きずる音が聞こえてきた。

 その音を聞いて、俺は咄嗟にビャッコを呼び出した。

 

「すみれ、急いで乗れ」

「きゅ、急にどうしたんですか?」

「いいから早く! 今のすみれにアイツはマズイ!」

 俺はそう言ってすみれを無理矢理ビャッコに乗せて改札口に向かって

 ビャッコを走らせた。すると、背後から銃弾が飛んできた。

 

「何で今日に限って速いんだよアイツは!」

 俺がそう叫びながら後ろを見ると、両手に銃を持ったシャドウが俺達を追いかけてきていた。

 

「な、何ですかアレは!?」

「メメントスで一番ヤバいシャドウだ! 急いで逃げてくれビャッコ!」

 俺がそう叫ぶと、ビャッコをスピードを上げて改札口まで走っていった。

 

 〜〜〜〜

 

「ゼェ....ゼェ....」

「し、死ぬかと思いました....」

 俺とすみれは現実世界に戻っていた。そして、息が絶え絶えになっていた。

 

「ア、アレは一体何だったんですか?」

「アレは刈り取る者。シャドウの中で最も強く、最も危険な奴だ。今のすみれが戦ったら

 一撃でやられる」

「そ、そんなに強いんですか....」

「あぁ。シャドウの中でも最強クラスだ」

 俺は少しずつ息を整えながら立ち上がった。

 

「それで、協力者についてはわかったか?」

「はい。ま、まだ少し怖いですが....」

「そうか。まぁ、アイツもアイツで色々と人間のことを勉強しているから

 大目に見てやってくれ」

「人間のことを....?」

「そういえば言ってなかったな。アイツ、人間じゃないぞ」

 その言葉を聞いて、すみれの顔色はどんどん青ざめていった。

 

「じゃ、じゃああの子は....」

「....幽霊か、シャドウ?」

「そ、そういう事は先に言ってください!」

 そう言われ、俺はすみれにその場で正座をさせられ小一時間ほど説教をされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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