5月7日
「櫂! 良かったら一緒に飯食わないか?」
昼休み、竜司が蓮を連れて俺を昼飯に誘ってきた。
「別に良いぞ。何処で食うんだ?」
「屋上行こうぜ。今日いい天気だからな」
「わかった」
「じゃ、先に行っておいてくれ。俺、一人誘う奴がいるから」
竜司はそう言うと何処かに走っていった。
「....先に行くか」
「あぁ」
蓮にそう言った俺は、屋上に向かって歩き出した歩き出した。
〜〜〜〜
「悪りぃ悪りぃ、待たせたな」
五分ぐらい待っていると、竜司は高巻を連れて屋上に来た。
「アレ? 君って確か....」
「露崎 櫂だ。意外だな、竜司が女子を呼ぶなんて」
「まぁコイツは中学から同級生でな」
「そうか。よろしくな高巻」
「こっちこそよろしく、露崎君」
俺達はお互いに挨拶して四人で一緒に昼飯を食った。その時に、竜司が俺に携帯を見せてきた。
「なぁ櫂。怪盗お願いチャンネルって知ってるか?」
「....確か、鴨志田の問題が発覚された時ぐらいから出来たサイトだよな?」
「そうそう! 櫂は怪盗の事信じてるか?」
「そうだな....まぁ、半々といったところだな。三人は信じてるのか?」
「あったり前だろ!」
竜司は当然といった様子でそう言った。
「まぁ、私も信じてるかなぁ」
「俺も」
二人も竜司に賛成したようにそう言った。
「そうか。ま、信じるか信じないかは人それぞれだからな」
俺がそう言った時、屋上の扉の向こうから足音が聞こえてきた。
「(誰だ?)」
そう思っていると、屋上の扉が開いた。入ってきたのは黒髪のショートボブで
三つ編みカチューシャをしている女子生徒だった。
「げっ....」
竜司はその女子生徒を見ると苦い顔をした。
「誰?」
「この学校の生徒会長。すっごいお固い人らしいよ」
隣にいた高巻に小声で聞くとそう答えてくれた。
「ここ、侵入禁止のはずだよ」
「飯食い終わったらすぐ出るっての....つか、会長サンが何か用っすか」
「問題児君に噂の彼女....それに訳ありと色々と噂がある転校生。変わった取り合わせだと
思ってね」
「....感じワル」
生徒会長の言葉に高巻は小さな声でそう呟いた。
「ところで....鴨志田先生と色々あったみたいだけど?」
「まぁそれなりに....」
「てか、この学校にいたら嫌でも接点があるでしょ」
「ふぅん....前歴の事、鴨志田先生が広めたらしいわね。バレー部員を使って。憎くない?
鴨志田先生の事」
「....その言い方からして、鴨志田がああなったのは蓮が関係しているって言いたいのか?」
生徒会長の言い方から察して、俺はそう聞いた。
「そういうわけじゃないわ。鴨志田先生の件で色々と動揺している生徒も多いの。だけど、
鴨志田先生と因縁のありそうなあなた達は全然動揺している様子がなかったから」
「....蓮以外に俺らも疑ってんのか」
「....さぁ、どうかしらね?」
生徒会長は見定めるような目で俺達を見ていた。
「そうそう。ここね、例の事故があったから閉鎖する事になったの。誰かさん達が無断で
入ってるってそんな噂もあるしね。邪魔してごめんなさい」
生徒会長は最後にそう言い残して屋上から出て行った。
「何あれ!」
生徒会長が出て行くのを確認すると、高巻はそう叫んだ。
「マジでムカつく!」
「確実に目をつけられてるな....」
「あぁ。....少しの間、警戒していた方が良さそうだ」
蓮は冷静そうにそう言った。
「そうだな。これ以上の面倒ごとは俺もゴメンだ」
そう言って、俺は椅子から立ち上がった。
「じゃ、俺は先に戻るな。高巻と蓮はまた後で」
俺は三人にそう言って屋上から出た。
〜〜〜〜
その日の夜
『生徒会長が、ですか?』
「あぁ。確実に目をつけられてる」
俺はすみれに電話で今日あった事を話していた。
「多分だが、すみれも目をつけられてる可能性は高い。だから、すみれも気をつけろよ」
『わかりました。わざわざありがとうございます』
「気にすんな。それよりも、新体操の方は順調か?」
『はい。少しずつですが昔の勘も取り戻せてきたので』
「そうか。すみれのペースで頑張れよ」
『はい! それじゃあ先輩、おやすみなさい』
「あぁ。おやすみ」
俺はそう言って電話を切った。