5月18日
「先輩、今日はパレスじゃないんですか？」
次の日の放課後、俺とすみれはメメントスの中にいた。
「あぁ。今のすみれだとあのメメントスのシャドウは少し厳しいと思ってな。
少し俺と特訓だ」
そう言いながら、俺はすみれから距離を取った。
「さてすみれ。取り敢えず俺と戦ってもらうぞ。まずはコイツからだ！」
そう言って、俺はコロンゾンを召喚した。
「さ、どこからでもかかってこい」
「わかりました！ 来て！ サンドリヨン！」
すみれはそう言ってペルソナを召喚した。
「サンドリヨン！ コウハ！」
すみれはサンドリヨンにそう言うと、サンドリヨンはコロンゾンに向かってコウハを
放ってきた。だが、コロンゾンは軽々と攻撃を躱した。
「すみれ、もっと敵の動きを観察しろ。数撃ちゃ当たるじゃすぐにバテるぞ。もっと
こういう風に....なっ！」
俺はサンドリヨンの動きを予測してサンドリヨンが次に動くである場所にコロンゾンに
エイハを放つように命令した。すると、予想通りサンドリヨンはエイハが放たれる場所に
動き攻撃が直撃した。
「っ！？ サンドリヨン！」
攻撃が直撃したサンドリヨンはスタンを起こして地面に膝をついた。そして、すみれも攻撃の
影響でその場で膝をついた。
「こんな風に、相手の動きが読めればこうやってスタンを取ることができて追撃攻撃ができる。
俺はやらないが敵は容赦なくやってくる。だから相手の攻撃しようとする動きを見たら
回避の構えを取っておけよ」
「っ、はい....！」
「よし、じゃあどんどん行くぞ！」
そう言って、俺はひたすらサンドリヨンとすみれに向かって攻撃を放ち続けた。そして、
ちょうど一時間が経った時....
「っ！」
突然すみれとサンドリヨンの動きのキレさっきまでとは比べ物にならないほど変化した。
そして、俺の一瞬の隙をついてコウハの進化系、コウガで俺のペルソナをスタンさせた。
「完璧だすみれ。教えたこと、しっかりできてたな。それに、技の進化と新しいスキルも
覚えれたか」
「ほ、本当です....っ！？」
すみれは自分の成長に喜んだが、突然地面に膝をついた。
「(一気に疲労が回ったか....)」
俺はそう思い、プリンシパリティを召喚してすみれにメディラマをかけた。
「大丈夫か？」
「は、はい。ありがとうございます、先輩」
「気にするな。それよりもよくやった。まさか技の進化と新しいスキルを覚えるとはな。
初めての特訓にしては十分すぎる成果だ」
「本当ですか！」
「あぁ。....これだけできれば今日は十分だな。すみれ、今日は撤収するぞ」
そう言って俺はビャッコを召喚して、すみれと共にビャッコの背中に乗って出口に向かった。
～～～～
「はぁ～....流石に今日は疲れました」
元の世界に戻って来ると、すみれは駅の椅子に座ってもたれかかっていた。
「流石にやりすぎたな....悪いなすみれ」
「大丈夫ですよ先輩！ いつもよりちょと大変なトレーニングと思えばこれぐらい。あ、先輩。
電車が来ましたよ」
すみれはそう言いながら電車に乗ったが、どこか足取りはふらふらしていた。
「....」
俺は特に何も言わずに、すみれを見ていた。そして気づけばすみれが降りる駅に着いていた。
「じゃあ先輩。また明日」
そう言ってすみれは列車から降りていった。その時にも、すみれの足取りはどこかふらふら
していた。それを見て、俺も列車から降りてすみれの腕を掴んだ。
「っ！？ 先輩！？ どうかしたんですか？」
「....すみれ。今日、家まで送るわ。流石にそんなふらついた足取りだと心配だ」
「で、でも先輩に迷惑じゃ....」
「何かの事件に巻き込まれた方が困るわ」
「それは....確かにそうですね。....じゃあ、お願いしても良いですか？」
「っ！ あぁ」
そう言って、俺はすみれに案内されながらすみれの家まで向かった。
「ここか....」
着いたのは、普通の一軒家より少し大きめの家だった。
「はい。先輩、わざわざありがとうございました」
「どういたしまして。んじゃ、また明日な」
そう言って、俺は手を振りながら駅の方に戻った。