ぐだぐだ長くなったかもしれません....
4月15日
「(はぁ、暇だ....)」
授業中、俺は呑気に窓の外を眺めていた。
俺は一応、前世で17歳まで生きていたため高2の授業内容はほとんど覚えていた。
「(てか、メメントスで復活した奴らのリハビリもしないとな。
昨日見たら、何体か復活してたし....)」
昨日、何気に気になって全書を開いたら封印されていたペルソナが
数体復活していた。おそらく、先生が言う"絆を紡ぐ"をした結果なのだろう。
そんな事を考えていたら、黒板の方から微弱な殺気が込められた何かが飛んできた。
俺はすぐに手でそれを掴んだ。
「なっ!?」
「マジかよ....アイツ、牛丸のチョークを掴んだぞ」
「(これチョークか)」
俺は初めて自分が何を掴んだかがわかった。
「(お返しするか....)」
そう思い、俺は教師に当たるギリギリのところにチョークを投げ返した。
「っ!」
「ヤバっ....」
「よくやるわ....」
俺が投げ返すと、教室内はザワザワしだした。
「っ、静かに! まだ授業中だぞ!」
教師は半ギレして授業を進めだした。
「(はぁ、もうちょっとマシな教師は居ねぇのかよ....)」
そんな事を考えながらも、俺は一応ノートは書いた。
その時、校舎側に座っていた一人の生徒が立ち上がった。
「お、おいアレ! 飛び降りるんじゃないか!」
そう言った瞬間、何人かの生徒が廊下に出て行った。
「あれ、鈴井さんじゃない?」
誰かがそう言った瞬間、蓮の前に座っていた女子生徒が廊下に走って行った。
それを見た蓮も、その生徒を追いかけるように走って出て行った。
俺も気になってついていくと、窓から屋上から飛び降りようとしている
女子生徒が見えた。
そして、その生徒は屋上から飛び降りた。
それを見た生徒達は何人か悲鳴をあげた。
「(あの高さから落ちたら、流石に無事では済まないぞ....!)」
俺がそう思っていたら、別の教室から竜司が走ってきた。
「おいおい! 一体どうなってんだ!」
「落ち着け竜司。俺らが慌てたところで仕方ないだろ」
「....ひとまず、様子を見に行かないか?」
「そうだな」
蓮の言葉で俺達三人は中庭に向かおうとしたが....
「うわっ! なんじゃこりゃ!」
俺達が出ようとしたところは人で道が塞がれていた。
「あ、先輩!」
「すみれ」
すると、後ろからすみれが声をかけてきた。
「多分、ここからは出れないと思います。実習棟の方から回らないと」
「わかった。竜司、蓮!」
「あぁ!」
俺達は実習棟の方から中庭に出た。
出ると、生徒達が集まっており写真などを撮っていた。
「アイツ、鈴井か!」
「竜司知ってるのか?」
「あぁ。バレー部の奴だ」
「バレー部....」
「(てことは鴨志田が関係している可能性があるな....)」
「落ちた人、大丈夫でしょうか....」
「どうだろうな。あの高さから落ちたんだ。骨折とかじゃすまねぇだろ」
「心配ですね....」
「あぁ」
そう言って話していたら、教師が中庭に出てきて教室に戻るように言った。
「ひとまず教室に戻りましょう」
「だな。蓮、戻ろう....」
俺が蓮にそう言おうと後ろを見たら、蓮の姿はなかった。
「アイツ、どこ行った?」
「先に戻ったんじゃないですか?」
「....かもな」
「じゃあ先輩、また後で」
「おう」
そう言って俺達は教室に戻った。
〜〜〜〜
放課後
「悪りぃ、待たせたな」
「いえ、私もさっき来たばっかりです」
放課後になり、俺は学校付近の裏路地に来た。
本当は屋上で待ち合わせをしようとしたが、飛び降りの件で
屋上への出入りが禁止されたので学校付近の裏路地で待ち合わせをしていた。
「さて、じゃあ約束通り始めよう」
「はい!」
「じゃあまずはイセカイナビを開いて今から言う単語を打ち込んでくれ」
「わかりました」
「鴨志田 卓、学校、城」
俺がそう言うと、すみれは携帯に打ち込んでいった。
すると、携帯から音が鳴り時空が歪み出した。
そして、歪みが収まると俺とすみれは城の前にいた。
「ここはこの前の....」
「それがイセカイナビの力だ。この前、すみれから出てきたシャドウを
倒すためにこれを使ってこっちに来たからな」
「シャドウ?」
「....そういや説明してなかったな。シャドウってのはこの世界にいる
怪物の事だ。ここだったら、初めて来た時に会った騎士だな」
「あぁ、あの甲冑を着た....って、何ですかこれ!?」
すみれは急に自分の姿を見て驚いた。
「な、なんでこんな姿に....さっきまで制服だったのに....」
「それはこの世界のシャドウに敵と認識されたからだろうな。
おそらく、この前来た時に俺といたからだろうな」
「そ、そうなんですね....でも、この衣装....」
「新体操のレオタードだな....」
「先輩もそう思いますか?」
「まぁな....」
「(てか、太腿の露出凄すぎるな....)」
そう思って俺は視線をそらした。
「先輩、どうかしました?」
「いや、なんでもない....あ、そうだ。これを渡しとかないとな」
そう言って俺はすみれに一丁の拳銃を渡した。
「この前言った通り、この世界ならレプリカでも実物のように
使えるって言ったよな。それを証明するためにその拳銃を貸す」
「良いんですか? こんな高そうな....」
「あぁ。壊さなかったらそれでいい」
「わかりました。大事に使いますね」
「よし、じゃあ行くか」
俺とすみれは城内の中に入っていった。
〜〜〜〜
城内
「なぁすみれ」
「何ですか?」
「一つ聞きたかった事があるんだが、自分がいつから“かすみ”を
名乗っていたかわかるか?」
城内をのんびり歩いていた時、俺はすみれにそう聞いた。
「....いえ、それが全然わからないんです。一昨日、自分でも思い出してみようと
したんですが全く思い出せなくて」
「そうか....」
「すいません....でも、どうしてそんな事を?」
「....すみれから出てきたシャドウ、”主人の慈悲“って言ってただろ?
つまり、あのシャドウを操ってる人間がいると思ってな。
もしもわかったら取っ捕まえようと思ってるんだよ。
あんなシャドウが他にもいたら、すみれみたいな人間が増えるからな」
「なるほど....たしかにそうなったら大変な事になっちゃいますね」
「だろ? だから、今の俺の目的はそいつを捕まえる事と、この本を元に戻す事だ」
そう言って俺は全書を開いた。
「そうなんですね。....それって、私も手伝う事ができますか?」
「えっ?」
すみれは真剣な表情で俺にそう言ってきた。
「私は、先輩に助けてもらいました。だったら、今度は私が先輩を
助ける番です。というか助けたいんです!」
「だけどなぁ....危険だし、危ないぞ」
「一昨日の先輩を見てわかっています! だからこそ、先輩だけに
危険な思いをさせたくありません! それに、私だって主人って
言われていた人が気になるんです」
「....」
「だから、お願いします先輩! 私にもお手伝いさせてください!」
「(そこまで言ってくれるのに断るのもなぁ。でもなぁ....)」
ここまで言ってくれるのに、断るのは無粋なのはわかっている。
だけどすみれを危険に晒したくない気持ちもある。
そして考え抜いた結果....
「....わかった。そこまで本気で言われたら、断るわけにはいかないな」
「じゃあ....!」
「絶対に俺との約束を守ってくれるなら手伝ってくれ」
「はい! 絶対に守ります!」
俺との約束を守るという条件ですみれには手伝ってもらう事にした。
「それで、約束って?」
「無理はしない事、戦った後は回復を受ける事、一人で異世界に行かない事。
この三つは絶対に守ってくれ」
「わかりました!」
「頼んだぞ」
すみれがそう言った時、俺は違和感を感じた。
「てか、全然シャドウがいないな」
「そう言われてみると....この前はたくさん鎧がいましたよね」
「あぁ....」
そう言って話している時、急に近くの扉から大きな音が聞こえた。
「今の音....」
「見に行ってみるか」
「はい」
そう言って俺達は扉に近づいて、静かに扉を開いて中を覗いた。
そこには磔台に縛られた女とその女に剣を向けた金と黒の騎士、裸にマントをつけた鴨志田と、
この前会った猫とすみれと似たような仮面をした男が二人いた。
そして、何かに苦しんでいる体操服を着た女の子の影があった。
「先輩、これって....」
「このパレスの主人の鴨志田の認知でできた影だろうな。
おそらく、現実でもバレー部の女子部員の事をこうやって
性欲のはけ口として見ていたんだろうな」
「パレス?」
「一人の人間の歪んだ欲望によって生まれた迷宮の事をパレスって言うんだ。
そして、このパレスを生んだ人間がアイツだ」
俺は鴨志田を指差した。
「あれって、鴨志田先生ですよね?」
「半分正解、半分間違いだ。アレはただの鴨志田の分身体。
鴨志田の心の黒いところが集まったと思えばいい」
「そうなんですね。....それよりも、気分の悪くなる部屋ですね」
「仕方ないといえば仕方ない。パレスを生むって事は、それだけ歪んだ欲望を
持っているという事だ。どうやら鴨志田の奴、相当な欲望を持ってるみたいだな」
そう言って耳をすませていたら鴨志田と仮面の男達の叫び声が聞こえてきた。
『お前らは所詮俺様の奴隷なんだよ! 男も女も俺様に従っていればいい!』
「テメェ、どんだけ腐ってやがる!」
『黙れ! ここでは俺が王だ!』
「....先輩が言った事が理解できた気がします」
「だろ?」
「どうしましょう。あの女の人を助けた方が良いですよね?」
「あぁ。だが、下手に動くと危険になるだけだからな....」
騎士の剣は磔にされた女の首元にあった。
すると、マントを付けたマスクの男が磔にされている女に何か言った。
その瞬間、女は苦しみ出し顔を伏せた。
だが、顔を上げた瞬間、さっきまでなかった仮面が顔についていた。
「先輩、アレって!」
「マジか....」
女は自分の力で腕の拘束を壊すと、仮面を引き剥がした。
すると、すみれの時のように青い炎が身を包み、炎が消えると
ペルソナが現れていた。
「あいつもペルソナ使いか!」
「そんな事よりも先輩! 敵が現れてます!」
すみれが指差した先には、数十体のシャドウが現れていた。
「結構な数だな。ひとまずアイツらの援護するぞ」
「はい!」
そう言って俺は扉を蹴飛ばした。
『な、なんだ!?』
「よりどりみどりのシャドウの群れだな。俺も混ぜろよ」
「お前はこの間の!」
「猫、俺達が援護する。お前らはそこのデッカいのをぶっ飛ばせ。
行くぞすみれ!」
「はい! 来て、サンドリヨン!」
「来い、ガルーダ! ビャッコ!」
俺とすみれはペルソナを出して周りにいたシャドウを数体倒した。
『お、俺の奴隷が!?』
「何だか知らねぇがありがとよ! ぶっ放せ、キャプテン・キッド!」
金髪の仮面がそう言うと、ペルソナを出して一番でかいシャドウに
攻撃をした。その時、顔が見えたのだが....
「(なんでお前がここにいるんだよ! 竜司!)」
意外にも、金髪の男は俺の知り合いだった。さらに....
「我が意思を示せ! ゾロ!」
「カルメン!」
「来い、アルセーヌ!」
「(蓮、お前もいるんかい!)」
マントを付けた仮面の男も俺の知り合いだった。
そんな事を考えていたら、でかいシャドウはダウンしていた。
「三人とも、一気に行くぞ!」
猫の声で、猫と三人はシャドウに総攻撃をした。
シャドウはなされるがままにフルボッコにされた。
そして、四人の周りにいたシャドウ達も俺とすみれのペルソナ、
すみれに渡した拳銃で全て倒していた。
『クッ! 俺の奴隷達が....!』
鴨志田は苦い顔して別の扉から逃げ出していった。
「待てっ....!」
磔にされていた女は追いかけようとしたが、急に膝をついた。
「大丈夫ですか!」
すみれはそれを見て女に駆け寄った。
それを見て、竜司と蓮、猫も駆け寄っていった。
「なんで、急に力が....」
「多分ペルソナに覚醒したばかりだからだと思います。先輩!」
「わかってる。ハイピクシー」
俺は召喚していた二体のペルソナを戻して別のペルソナを召喚した。
そして、ハイピクシーのディアラマで女の体力を回復させた。
「これで少しは動けるはずだ」
「あ、ありがとう....」
「別に良い。それよりも、さっさとずらかった方がいいぞ。
さっきから甲冑の音がどんどん近づいてる」
「げっ、マジかよ!」
「ひとまず逃げるぞ!」
「賛成だ!」
「先輩、私達も引きますか?」
「そうだな。やろうと思った事は出来たし」
「了解です」
「じゃあなお前ら」
そう言って俺とすみれは四人とは別の方向に走り出した。
〜〜〜〜
「よし、何とか出れたな」
「はぁ、何だかすごく疲れました....」
「お疲れさん。なかなか良い判断能力と運動神経だったぞ」
「本当ですか!」
「あぁ。これなら安心して....」くぅ〜
俺が続きを言おうとした時、何かの音が鳴った。
「....何の音だ」
「あの、すいません....私のお腹です」////
「....腹減ったのか」
「はい....うぅ、恥ずかしい....」////
「しゃあねぇなぁ....」
〜〜〜〜
渋谷
「美味いか?」
「はい! とっても美味しいです!」
俺はすみれと一緒に渋谷にあるクレープ屋でクレープを買った。
「先輩、奢ってくれてありがとうございます!」
「気にすんな」
「(いい笑顔するなぁ....)」
俺は食いながらすみれの顔をじっと見ていた。
すると、すみれが俺の方を見てこう聞いてきた。
「先輩、これからどうします?」
「んー、そうだな....まずはあのパレスを破壊するか。あんなに歪んだパレスを
放っておくのは流石にな」
「パレスを破壊って、そんな事出来るんですか?」
「あぁ。あの城の何処かにあるコアを回収すれば自然にパレスは崩壊する」
「なるほど。じゃあそのコアを探さないといけないですね」
「おう。安全第一にな」
「わかってますよ」
そう言ってすみれはクレープを全部食べきった。
「じゃあ明日から頑張りましょう!」
「あぁ」
そう言って俺はすみれを途中まで送って家に帰った。