転生者と灰被りのお姫様   作:アイリエッタ・ゼロス

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遅れてごめんなさいm(_ _)m


Exploring with two people vol.2【Lust】

「よし、そろそろ探索を続けるか」

「はい」

 セーフティールームで少し休憩した俺達は部屋を出た。

 

「さてと、このフロアってどうなってる?」

「そうですね....このフロアは部屋がいくつかあるみたいです。

 そして、奥に行くと広いところに出れそうですね」

「そうか。じゃあ近くの部屋から探索していくか」

「わかりました。えっと、じゃあ一番近い部屋は....こっちですね」

 そう言ってすみれは歩き出した。

 

「まずはここですね」

「よし、じゃあ開けるぞ」

 俺はそう言って扉を開けた。部屋の中にはいくつか本棚があった。

 

「本がいっぱいありますね」

「だな」

 俺達は本棚に近づいて本棚を調べた。すると、すみれが一冊の本を

 持って近づいてきた。

 

「先輩、これ変な感じがしませんか?」

「変な感じ?」

「はい。この本、ここの本棚に同じ形の本がないんです」

「ホントか? ちょっと見せてくれ」

 俺はすみれから本を受け取り本棚を見た。

 

「ホントにないな....」

「ですよね」

「確かに変だな。もしかしたら何か必要かもしれないから持って行くか」

「そうですね」

 そう言って俺達は“王妃の書”という本を手に入れた。

 

「(にしても、"王妃の書"ねぇ....)」

 俺は本のタイトルを見て不思議に思った。

 

「(ま、そのうちわかるか)」

「先輩、次の部屋に行きましょう」

「あぁ」

 そう言って、俺達は別の部屋に向かった。すると、そこには王妃の書と

 同じ形をした本があった。

 

「今度は”奴隷の書“か....」

「”王妃“に”奴隷“ですか....じゃあ、”王“とかもありそうですね」

「そうだな」

 俺は”奴隷の書“を持って別の部屋に向かった。

 

 

 〜書庫〜

 

「うわデカっ....」

「凄い量の本ですね」

 俺とすみれは大量の本がある部屋に来ていた。

 

「あ、先輩! これ見てください!」

 そう言ってすみれは近くの机から一冊の本を取った。

 

「これ、”王の書“って書かれています!」

「マジかよ....」

 俺が本を受け取ると、本には確かに”王の書“と書かれていた。

 

「ホントにあったな....すみれスゲェな」

「そ、そうですか? ....それよりも、この本どうすれば良いんでしょうか?」

 すみれは机に並べた三冊の本を見てそう言った。

 

「そうだな....大体ゲームとかなら空いている本棚に入れると何か仕掛けが起きるな」

「空いている本棚ですか....」

 そう言ってすみれは本棚を見渡した。俺もすみれと同じように本棚を見渡していると

 本が一冊入るぐらいの隙間を見つけた。

 

「すみれ、空いている本棚あったぞ」

「ホントですか?」

 俺がそう言うとすみれは俺の方に近づいてきた。

 

「ほらココ」

「ホントですね。それで、どの本を入れましょうか?」

「そうだな....って、何だこれ」

 俺は隙間の隣にある本を取った。

 

「“卑しき猿・坂本竜司”?」

 本の名前のところには竜司の名前が書かれていた。

 

「何で竜司の名前が....」

 俺が別の本を見ると、そこにはクラスの男子生徒の名前が書かれていた。

 

「先輩! この本、私のクラスの男子生徒の名前が書かれています!」

「なに?」

 すみれが持っていた本には、男子生徒の名前らしきものが書かれていた。

 

「まさか、ここにある本棚は学校の男子生徒の本なのか....」

「そうみたいですね。どれもこれも、男の人の名前のようですし」

「気持ち悪りぃな....」

「そうですね....」

 俺とすみれは本を一度元の場所に戻した。

 

「さて、とりあえず"奴隷の書"を入れるか」

「どうして"奴隷の書"なんですか?」

「この前、鴨志田はペルソナ使い達に向かって『お前らは所詮俺様の奴隷なんだよ!』って

 言ってただろ? あの時、言われていたのは男だったからな」

「なるほど....」

「ま、難しく考えずに入れてみるか」

 そう言って俺は"奴隷の書"を入れた。だが、これといって何も起こらなかった。

 

「....何も起きませんね」

「まぁ、三冊入れないと何も起きないんじゃないか? とりあえず、他に空いている

 本棚を探すぞ」

 俺とすみれは他に空いている本棚がないか探した。

 

「先輩! 空いている本棚がありました!」

「本当か?」

 俺がすみれが見ている本棚のところに行くと、確かにそこの本棚は本が一冊入るぐらいの

 隙間があった。

 

「よく見つけたな」

「これくらい朝飯前です! ....それで、どの本を入れましょうか?」

「隣の本は何か書いてあったか?」

「えっと....“魅惑の人形・高巻 杏”って書かれています」

「高巻 杏....確か俺のクラスにそんな名前の女子生徒がいたな」

「それに、これよく見てみると私のクラスの女子生徒の名前もあります」

「ってことは、ここはコレだろうな」

 そう言って俺は”王妃の書“を隙間に入れた。

 

「よし。あと一つだな」

「ですね!」

 俺とすみれは最後の隙間を探した。

 

「っ、見つけたぞすみれ」

「本当ですか!」

 俺は最後の本が入る隙間を見つけた。

 

「ほらここ」

「本当ですね。じゃあ入れちゃいましょう!」

「だな」

 俺は最後に残った”王の書“を入れた。その瞬間、音を立てて本棚が動き出した。

 

「先輩! これって....」

「隠し部屋だな」

「何だか、無駄に大仕掛けでしたね....」

「そうだな。ま、こんなに大仕掛けなら何かあるはずだ」

 そう言って俺は隠し部屋の中に入った。まず最初に目に入ってきたのは、壁に貼られた

 大量の写真だった。

 

「何ですか、この写真....」

「....ちょっと待て。この写真の生徒....」

 俺は一枚の写真を壁から剥がした。よく見てみると、その写真の生徒は

 屋上から飛び降りた鈴井という生徒だった。

 

「すみれ、この写真の生徒....屋上から飛び降りた生徒だ」

「っ、本当ですね....」

 俺はすぐにその写真を床に置いてあったロウソクで燃やした。

 

「この部屋を見るに、あの生徒は鴨志田のお気に入りだったって事か....」

「....だから、あの生徒の人は耐えきれなくなって飛び降りたんですね」

「かもな。....気分が悪いなら出とくか?」

 すみれの顔色を見て俺はそう聞いた。

 

「いえ、大丈夫です」

「....そうか。無理はするなよ」

 そう言って俺達は隠し部屋の中を捜索した。すると....

 

「先輩! これ金メダルですよね?」

 すみれが金メダルを持って近づいてきた。

 

「確かに金メダルだな....まさかこれの為にこの大仕掛けを作ったのか?」

 俺はすみれとは別のところを捜索していたが、これといった物が見つからなかった。

 

「あ、でもこれもありましたよ」

 そう言ってすみれは紙を渡してきた。よく見てみると、それはこのパレスの

 見取り図だった。

 

「見取り図か」

「はい。それに破れた部分も合っていたので見取り図が完成しました!」

「本当か! 良くやったすみれ。なら、この胸糞悪い部屋から出るぞ。

 きっとその見取り図がこの大仕掛けの宝だろうからな」

 そう言いながら隠し部屋を出たその時、書庫の扉から一体の鎧が入ってきた。

 

『むっ! 貴様ら、そこで何をしている!』

「....タイミング悪」

「そうですね....ですが、倒せば良いだけのことです!」

「同感だ」

『侵入者如きが! 調子に乗るな!』

 そう言った鎧はドロドロに溶けて三体のシャドウに分裂した。だが、その内の一体は

 色が違っていた。

 

「(アレは....)」

「すみれ! あの真ん中のやつを狙うぞ!」

「あの変な色のやつですか?」

「あぁ」

「わかりました! サンドリヨン!」

「やれ、ハリティー!」

 すみれのサンドリヨンと俺のハリティーは色の違うシャドウを倒した。

 すると、シャドウを倒した所には何かのエネルギーが溜まり出し、次の瞬間

 残りの二体のシャドウを巻き込んで大爆発した。

 

「きゃっ!」

「おっと。大丈夫か?」

 爆発の爆風でよろけたすみれを俺は支えた。

 

「は、はい。ありがとうございます。それよりも、今の爆発は何ですか?」

「あそこにいた色の違うシャドウは何故か知らないが倒すとあんな風に

 周りのシャドウを巻き込んで爆発するんだよ。だから優先的に狙ったんだ」

「じゃああんなシャドウがいたら優先的に狙えば良いんですね」

「あぁ。まぁ滅多に見ないけどな。....さてと、それじゃあ他の所に向かうか」

 そう言って俺は部屋を出て一度も行っていない場所に向かって歩いた。

 そして、見取り図を頼りにして進んでいるとある柵の前に一体の鎧がいた。

 

「邪魔な所にいるな....」

 俺とすみれは物陰から様子を見ていた。

 

「見取り図を見ると、この先に道があるんですけど....」

「なら、倒せば良いだけの話だな」

 そう言って、俺は鎧の前に出た。

 

『むっ! 貴様等何者だ!』

「今から死ぬやつに話すことはないんだよ。スイキ、ブフーラ」

 俺は全書からスイキを呼び出し鎧を氷漬けにした。すると氷漬けにした鎧は崩れ出した。

 

「よし、これでOK」

「流石ですね先輩。....じゃあこのレバーを引いて先に進みましょう」

 そう言ってすみれは山羊の飾りのレバーを引いた。だが....

 

「あれ?」

「どうした?」

「先輩、レバーが動かないんですが....」

「またかよ....てかさ、そのくぼみに何かはめないと動かないんじゃないか?」

 俺は山羊の飾りのレバーの下にあるくぼみを指差した。

 

「何かはめる....あ! これをはめれば....」

 そう言ってすみれはさっき見つけた金メダルをくぼみにはめた。そして、もう一度

 レバー引くと今度は作動し、道を塞いでいた柵はなくなった。

 

「やりました!」

「金メダルが鍵になってたのか....」

「まさかの使い道でしたね」

「そうだな。さてと、じゃあ進んでいくか」

 俺はそう言って扉を開けると、すぐ先にセーフティールームを見つけた。

 

「先輩、あそこにセーフティールームがありますよ」

 すみれも気づいていたようでセーフティールームの方を指差した。

 

「わかってる。とりあえず登録だけしておくか」

 そう言いながら俺とすみれはセーフティールームに入ってすぐに出た。

 そして、道に沿って進んで行くと俺達は礼拝堂の様な所に出た。

 

「ここ、礼拝堂みたいですね」

「そうだな....それよりも、おかしいな」

「おかしいって何がですか?」

「考えてみろ。こんな広い場所にシャドウがいないなんておかしいと思わないか?」

「そう言われてみると....」

 そうして話していたら....

 

『なるほど。貴様等が書庫の部屋を荒らした侵入者か。待っていた甲斐があったな』

 急にどこからか声が聞こえてきた。そして声の正体らしきものは俺達の前に現れた。

 

『カモシダ様の聖域に土足で踏み入るなどと。死をもって償え!』

 そう言って俺達に向かって剣を振り下ろしてきた。

 

「すみれ避けろ!」

「はい!」

 俺とすみれは別々の方向に避けた。

 

「サンドリヨン! コウハ!」

 すみれは避けた時に同時にペルソナを召喚してシャドウに攻撃した。

 だが、攻撃はイマイチ効いていなかった。

 

『効くか!』

 シャドウはそう叫んで、サンドリヨンに向かって攻撃を仕掛けようとした。

 

「させるかよ! シキオウジ!」

 俺は全書からカードを取り出してサンドリヨンの前に向かって投げた。

 現れたシキオウジはシャドウの剣を掴んで剣を折った。

 

『何!?』

「すみれ! 物理技を使え! シキオウジ! お前もダブルシュートだ!」

「わかりました! サンドリヨン! 剣の舞!」

 シキオウジのダブルシュートにサンドリヨンの剣の舞は合わさって、シャドウを貫いた。

 

『バ、バカな....! この私が!』

 シャドウは何か叫びながら消えていった。

 

「ふぅ」

「先輩、ありがとうございます」

「気にすんなって」

 そう話していると、急に俺達の周りに大量の鎧が現れた。

 

「っ、嘘っ!」

「チッ....さっきのは囮だったか」

 俺は鬱陶しそうに周りを見た。

 

「先輩どうしますか....」

「....今日のところはここで引くか。コイツらも囮の可能性があるからな」

 そう言って俺は全書から一枚のカードを取って投げた。

 

「来い、スザク!」

 俺がそう叫ぶとスザクが現れ、周りに火の粉を放った。

 

「すみれ、スザクに乗れ!」

「ぺ、ペルソナにですか?」

「あぁ! 急げ!」

「わ、わかりました!」

 すみれと俺はスザクの上に跳び乗った。

 

「スザク! 窓ガラスを突き破って外に出ろ!」

「ちょ、ちょっと先輩!?」

 俺がそう言うと、スザクは鳴き声を上げて窓ガラスに突っ込んでいった。

 

「む、無茶苦茶すぎですぅぅ!!」

 

 

 〜〜〜〜

 

「何とか逃げれたな」

「そ、そうですね....」

 現実世界に戻って来ると、すみれの顔は疲れていた。

 

「大丈夫か?」

「え、えぇ。大丈夫ですけど、最後の無茶苦茶したのには驚きましたよ....」

「それはすまなかった....」

「お願いですから、次からは最初にそうするって言ってくださいよ....」

「あぁ。肝に免じておく」

「なら良いです。....さて、じゃあ帰りましょ。もうこんな時間ですし」

 そう言ってすみれは携帯の画面を見せてきた。

 

「だな。途中まで送るわ」

「ありがとうございます」

 そう言って、俺達は駅に向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

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