転生者と灰被りのお姫様   作:アイリエッタ・ゼロス

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Holiday moments vol.1

 4月17日

 

「(ここもダメだな....)」

 俺はあるミリタリーショップから出た。俺は朝から、渋谷にあるミリタリーショップを

 回っていた。

 理由は、数日前にすみれに使っていた拳銃をあげたため、自分専用の拳銃が

 なくなったからだ。その代わりになる拳銃を朝から探しているが、なかなか良い拳銃は

 見つからなかった。

 

「(後、行ってない店はどこだ?)」

 俺は携帯でミリタリーショップの場所を探した。

 

「(こことここと、あとここも行ったな。てなると、行ってない所は後ここか)」

 俺は一箇所だけ行っていないミリタリーショップに向かって歩き出した。

 

 〜〜〜〜

 

「(数は結構あるなぁ....)」

 俺はそう思いながらハンドガンのところを見ていた。すると....

 

「あれ? 櫂?」

 急に後ろから声をかけられた。振り向くと、そこには蓮と竜司がいた。

 

「蓮に竜司」

「こんなところで奇遇だな。何やってんだ?」

「見ての通り、モデルガンを探してんだよ。お前らは?」

「俺らは武器と防具を探しててな」

「武器と防具?」

「あ、やべっ....」

 俺が聞き返すと、竜司は口を押さえた。

 

「ち、違うぞ! ゲームで見た武器とか防具があるのかと思って見に来ただけなんだ! 

 だよな蓮!」

「あ、あぁ」

「....そうか」

「(絶対嘘だな....)」

 そう思いながらも、俺はハンドガンの箱を見ていた。

 すると、少し値段は高いが俺が使っていたハンドガンの色違いがあった。

 

「(....これが一番良さそうだな。ちょっと値段は高いけど....)」

 そう思いながら、俺は箱を持ってレジに置いた。すると、レジに座っていた

 店員は俺をじっと見ていた。

 

「あの、何か?」

「いや....お前さん、見る目あるな。若いのにコレを持ってくるとは」

「それはどうも....」

 俺はそう言いながら財布から一万円札を八枚出した。

 

「7000円の釣りだ。またいつでも来い」

 俺は釣りを受け取った。

 

「櫂、お前金持ちかよ....」

 すると、急に後ろから竜司がそう言ってきた。

 

「別にそうでもねぇよ。じゃあな二人とも」

 俺は二人にそう言って店を出た。

 

 

 〜〜〜〜

 

 俺は店を出て、そのまま渋谷駅に向かった。

 

「さてと....」

 俺は携帯に入っているイセカイナビを起動させた。俺はイセカイナビに

 メメントスと打ち込んだ。すると、周りの景色が変わり人が消えた。

 俺はそのまま階段降りて改札を通った。

 

「さて、アイツを探すか」

 俺は全書から一枚のカードを手に取った。

 

「来い、ビャッコ」

 カードを投げると、そこにはビャッコが現れた。俺はビャッコの背中に乗った。

 

「ビャッコ、アイツのところまで運んでくれ」

 ビャッコにそう言うと、ビャッコは鳴き声をあげて走り出した。

 

 

 〜〜〜〜

 

 しばらく走っていると、目の前に小さな車を見つけた。ビャッコはそれを見つけると

 その場で止まった。

 

「ありがとなビャッコ」

 そう言うと、ビャッコは全書の中に戻った。俺はそれを確認すると車の方に近づいた。

 近づいて行くと、車には誰かが乗っているのが見えた。

 

「久しぶりだな、“ジョゼ”」

 俺は車に乗っている少年に向けてそう言った。

 

「おや? 久しぶりだね、櫂」

 車に乗っていた少年は俺の方を見てそう言ってきた。

 

「どうしたんだい? 僕に何か用?」

「あぁ。少し頼みたい事があってお前を探してたんだ」

「僕に?」

「あぁ。探して欲しい人間がいるんだ」

「探して欲しい人間? どんな人間だい?」

「人間にシャドウを使って洗脳する人間がいたんだよ。多分、パレスを持ってる

 人間だと思う。だから、パレスを持ってそうな人間の情報を集めて欲しい」

「良いよ。でも、一つ条件があるんだけど」

「わかってるよ。コレだろ?」

 俺はここに来るまでに拾った花を数本渡した。

 

「話が早くて助かるよ」

 そう言ってジョゼは花を手に取ってジュースにした。

 

「じゃあ何か分かったら教えるから。一週間に一回のペースで来て」

「了解」

 俺がそう言うと、ジョゼは車のエンジンをかけた。

 

「それじゃ。おつかれ〜」

 ジョゼはそう言ってどこに行った。

 

「さてと、呑気にシャドウを狩りながら帰るか」

 俺はそう呟いて、のんびりと来た道を歩いて戻った。

 

 

 

 


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