ゲートに巫女さん   作:ソウクイ

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第2話

 

私こと博麗霊夢、同人狙いのコミケー…友人に年齢制限ものを買わせる秘密裏な計画を立ててたコミケに行けず、銀座が襲われー、私は無双したー、捕まったーー。

 

絶賛後悔中

 

今なら絶対にあんなことをしないと思う。勢いってあれね。ダメね。軟禁されるし。

 

銀座で少し暴れたら問答無用自衛隊ぽい人達によくわからないまま連行され軟禁されて何日も経過。軟禁場所は何処かのホテルの上階。スイートぽい部屋を階ごと貸しきり。コッソリ持ってたスマホも回収されてネット出来ない。代わりに漫画でもゲームでもオモチャでも頼めば大抵持ってきてくれる。監視されてるの無視すれば環境は極楽だけど流石に外に出れないの飽きてきた。騒ぎの時に使った札の補充もしたし。

 

無理矢理帰る事はできるけど後からもっと面倒な事になる予想ができるから大人しくするしかない。逃げたら監視役の伊丹氏も大変だろうし。別に大変になってもいいか。

 

ネットで自称自衛官を名乗ってた友人、三十代ニートか自宅専属の警備員だと思ってた友人が驚く事に本当に自衛隊員だった伊丹氏。知り合いって事で護衛として私と軟禁生活送ってる。私は気にしないけと中年おっさんと中学女子が同じ部屋って良いの?伊丹氏も強制的に同棲生活、初めは巻き添え可愛そうとか思ったけどよく考えたら給料貰ってホテル暮らしとか同情する必要ある?私に便乗して漫画やらゲーム三昧だし。

 

因みに今は私が頼んだ荷物の受け取りに部屋を出てる。出てるんだけど遅い。この階のエレベーターでの受け取りらしいし頼んだモノ的に運ぶのに時間もかからないわよね?頼んだモノ的にトラブルでも…

 

ガチャ

 

ドアが開いた。やっと戻ってきた。

遅かった理由を聞こうと思ったら聞く必要無かった。遅れた理由が後ろからゾロゾロ…

 

「失礼します」

 

普通の疲れた中年男にしか見えない伊丹氏の後ろにビシッとしたスーツ姿のエリートそうな男性達、後ろの人は帰ってもらえない?荷物おいたら伊丹氏は連れていって良いから。

 

「連絡もなしの突然の訪問誠に申し訳ありません。私共は日本政府から派遣されました。私は代表の佐藤と申します」

 

政府から派遣て範囲広くない所属とか言わない?

挨拶のあとに軟禁してる事への謝罪をされた。

 

「本題だけで良いですよ」

 

他にも特に聞いても意味がない事務的な話が長くなりそうで面倒だからそういった。

「……それでは不躾ですが単刀直入にお訊ねしたいと思います。此方としては貴女の事について色々と質問させていただきたいのですがよろしいでしょうか」

 

質問ね。銀座で正当防衛に使った力の話しとか?

 

伊丹にも聞かれたけど聞かれても困る。話すとしても胡散臭い保護者に巫女が代々身に付ける力とか騙されて本を渡されて本の通りに練習したら身に付いたってぐらい。あとは…初めは巫女さん全員が持ってる力とか誤解させられたけど私が知る限り他の巫女さんは力とか持ってない。本の著者は不明、術の使い方とか道具の作り方とかだけで力の出来た経緯とか書かれた歴史みたいなのは書いてない。 あの保護者が何処から本を持ってきたか不明。今さらだけどやぶ蛇覚悟で色々聞いといた方が良かったかも。

 

「質問ってなんです?」

 

「先ず初めに質問とは少し違うかもしれませんが…貴女の名前が博麗霊夢というのは間違ってないのですよね」

 

少なくとも保護者に教えられた名前は博麗霊夢。

嘘の可能性もある?

 

「戸籍とかで確認できません?」

 

「はい失礼ですが戸籍謄本も確認させてもらい博麗霊夢と記載されているのは確認させてもらっています。ですがご本人からも確認させて貰いたいのです」

 

面倒くさ。

大事な事だからしっかり確認したって感じ?

 

「…戸籍でも博麗霊夢なのか」

 

なに伊丹氏の反応?

もしかして偽名とか思ってたの。

ネット越しとはいえ何年も付き合いのある友人の話を疑うのは酷いわね。まぁ伊丹氏の事は自衛官は嘘でずっとニートだと思ってたけど

 

「博麗霊夢以外の名前で呼ばれた事はないです」

「そうですか。では次の質問になりますが戸籍を調べる時に見させて貰いましたが、貴女の現住所である神社ですが神社の名として…『博麗神社』と登録されていますが此はあっていますか」

 

初耳な伊丹氏がマジか!?みたいな顔をした。

 

「そう言う名前の神社だって保護者から教えられましたね」

 

築何年か知らないけど相当に古臭い感じだから東方projectとか世に出る前から神社はあったと思う。だからパクりみたいな批判は受け付けない。

 

「間違いないんですね。『博麗霊夢』であるある貴方が住んでいるのが博麗神社であることは」

 

言いたいことは判るのが面倒。普通は東方projectに関係あるだろとか思うわよね。私も思ったし。神社とか何なのかしらね。私としては私が博麗霊夢へ転生した事で東方project要素もついてきたみたいな感じと思ってる。保護者もそんな感じ?だったら楽なんだけど…

「何が聞きたいんです」

 

「では率直に聞かせてもらいます。東方projectの舞台である幻想郷と呼ばれる土地は有るのですか?あの銀座に現れた門は幻想郷に関係して出たものは有りませんか」

 

門が幻想郷関係…?

あー私の事でそういう疑いも出るのか。

あと幻想郷があるとか伊丹にも聞かれたけど…面倒臭い。

 

「どうなのでしょうか。門の出現に関係は無いのですか」

 

「私に聞かれても門の事は騒動の時にチラッと見たぐらいですし何も知りません」

 

「なるほど、そうですか。では次の質問に移らせて貰います…」

 

もう少しは問い詰めると思ったけど随分とアッサリ。

 

「次の質問の前に、先に理解して貰いたい事があるんですが」 

 

「なんでしょう」

 

「私は博麗霊夢ですが…東方projectの【博麗霊夢】とかじゃないです。特殊な力が使えて住んでる場所の名前とか偶然同じなだけで私はただの一般人。幻想郷やら東方projectやら聞かれても全くわかりません」

 

嘘のつもりはないけど自分でもどんな偶然だよと思ってしまう。けど本当に別人だし。博麗霊夢とは別人の一般人って前提で質問をしろと暗に伝えた。

 

「正直に申しますと一般人と扱うのは無理です」 

 

ソコの伊丹、ウンウンとか頷くな。

 

「一般人と思えないとしても東方project関係の質問は止めて貰えます。聞かれても何もわかりませんから」

 

「申し訳ありません。私のする質問については上から既に決められたモノなので私個人の意思で別の質問に変えることは出来ないんです。なので次の質問も貴女が東方プロジェクトの博麗霊夢と想定する質問に成りますがどうかご理解ください。わからない場合は質問の後にわからないと言ってくれるだけでよろしいので」

 

面倒くさい

 

相手と状況で二重の意味で……で宣言通り『博麗霊夢』扱いな質問はされて時間にして小一時間、特に思い返す意味もない。私が本物みたいな前提の質問ばかりで無駄としか思えない時間だった。

 

「それでは最後の質問となります。……貴女の住んでいる博麗神社に入るのにどのような条件があるのでしょうか。入るのに許可が必要なのでしょうか」

 

「神社の中に入りたいって事ですか?」

 

家捜しとかされたら困るし許可とか出したくない。

 

「いえそうではなくその手前です。神社の内部でなく博麗神社の敷地に入るに許可などが必要なのでしょうか」

 

「特に何も無いですけど、神社ですし」

 

どういう質問、普通の神社みたいにフリーで入れる。許可とか必要ならタダでさえ少ない賽銭、もとい参拝客も減るだろうし。

 

一般人でなくて政府の人だった。

 

「一応電話をして確認…保護者電話に出ないんで神社に行った時に直接確認とってください」

 

「……わかりました。聞きたいことはまだ有るのですが、予定の時間なのでこの話しは此処までで後日改めて話をお願いします…」

 

「聞くことあるなら此方の人に連絡して下さい」

 

伊丹氏を指さしてそういった。

また来られて真面目に答えるの面倒だし。指差してる先で嫌そうにしてしてる人は知らない。

 

「解りました。では、これで質問は終わります。お疲れさまでした。ご協力ありがとうございます」

 

ようやく終わった。

 

「此方からの用件は終わりましたが、博麗霊夢さんから此方に要望や聞きたいことはあるでしょうか」

 

「私はいつ帰れます。一時帰宅でも良いんですが保護者とも話す必要がありますし」

 

保護者を取っ捕まえて色々と聞き出したい。あと神社にも人が来てそうだし賽銭箱がどうなってるか見たい。

 

「此方としてもそうしたいのですが、帰るのは相当に難しいでしょう」

 

「へーそうですか」

 

一時帰宅も駄目と…勝手に帰ろうか検討した。

 

「申し訳ございません。しかしこれは此方の事情だけではありません。世間的に銀座事件以降貴女はとても有名となっています。住んでいる土地も特定された情報も出ています。なので…」

 

私が帰ると神社に人が来て面倒な事になると、出回ってる映像って銀座で暴れてる時のよね。人助けしたのに不幸になるって最悪。身を護るだけにしとけば良かった。あの時はあのまま他を見捨てるのも無理……って気持ちはあんまりないし適当に逃げとけば良かった。

 

勝手に帰っても面倒な事になるなら帰れない。

保護者を尋問したいけど神社に人が大量にきてる面倒な状況ならあの保護者が神社に居ると思えない。

 

酒飲まずにはいられないってね 。

ちょうど飲むお酒はある。

役人の人達も帰るし。

「それちょうだい」

 

「え、ああ」

 

私は後ろに突っ立て暇そうにしてた伊丹氏から受け取った袋のなかからビンを取り出す。高そうな酒瓶、お酒を飲むのは…いつぶりだっけ?覚えてないぐらい昔だし感動の再会ってヤツね。

 

「は??」

 

何か驚いた声。帰ったと思ったのに役人の…えー安藤?さんが戻ってきてる。伊丹氏がなんかヤベェッて顔をしてる。何か目で訴えかけてる。あー流石にらっぱ飲みは駄目と、コップを用意しなきゃ。

 

「ちょっと待って頂けますか」

 

なに、私とお酒さまの感動の再会を止めるなんて無粋な

 

「…………1つ聴きたいのですが、それは伊丹二尉が呑むのですか?」

 

「え?私のだけど」

 

不味かったらあげるけど、何で頭を抑えたの?

 

「貴女は戸籍上14のはずですよね」

 

あ?あーうん、そう言えばその年齢だった。

 

「…………………実は4年ほど保護者が出生届を出すのを忘れてて私の実年齢は18ですんで」

 

嘘だけど精神年齢的にセーフ。中学通ってたけどセーフ。伊丹氏は説得できたけどどう?

 

 

「……戸籍が14なら14です。あとお酒は二十歳になってからです」

 

ああ、お酒さまに魔の手が、いやぁぁ。その子を返してぇ。人でなしーー。あくまー。

 

「そちらが幻想郷の博麗霊夢扱いするなら呑んでも問題なくないです?」

 

「それとこれとは話が別です。此所は日本ですので日本の法に従ってください」

後ろの人がお酒をテキパキ回収してる。

 

「それでは失礼します……それと伊丹二尉、報告しておきますので」

 

「あ、はい」

 

帰っていった。

 

奴らは大変なモノを盗んでいきました。それはうん十年ぶりのお酒さまです。お酒置いてけ。いや本当にちょっとだけでも…一滴も飲めなかった。

 

「……」

 

「酒取られてそんなせつなそうな目をすんなよ。あんな堂々と飲もうとしたら当然だろ。てか…今さらだけど何で俺は酒を持ってきて渡したんだ??俺絶対に後で怒られるよな!?」

 

「今さら怒られる事で文句言う?監視あるしどの道怒られてたでしょ」

 

「そうだよな!監視させてれるしどの道バレて怒られて怒られるの確定だよな!!ん?いや待て…俺が怒られるのわかってた上で酒を頼んだのか!」

 

「わかってたって言うか。未成年にお酒を頼まれて持ってきた大人が怒られないって思う方が可笑しくない?」

 

「うん、そうだな。常識的に考えたら怒られるのが普通だよな。何で酒を持ってくるの説得されたんだ俺!?お前洗脳能力とか無いよな!?」

 

「そんな能力あったら伊丹氏を洗脳して全部の黒幕とか名乗らせて面倒ごとを押し付けてるわよ」

 

「………それで無いと納得できるのが嫌だな」

 

それにしても寸前で飲めなくなったら余計に飲みたくなる。こうなったら帰った後に自分で買って飲むしかない。賠償で幾らかもらえそうだしそのお金でわりと良いお酒を!帰るには神社から人が離れなきゃいけないのよね……人の噂は75日みたいに終わるけど…銀座の門関係の事が終わらないと私の事も蒸し返えされそう。

門の騒動はいきなり門がパッ!と消えるとかないと終わりとか数ヶ月どころか何年…下手したら何十年先とか。

 

 

まさか帰れないとかないわよね?

 

 

 

 

 

 

政府の要人が其々の険しい顔で会議室の大型のスクリーンを見ている。動画は銀座事件が起きる前に民間人により撮られた映像。映像に謎の建造物、正体不明の門が何もなかった空間から現れるという場面で映像が停止。1人が手をあげていた。

 

「どうかされましたか」

 

「すまん、頭痛薬を飲ませてくれ」

 

「おいおい、まだ始まったなばかりなのに大丈夫か?」

 

「あぁ心構えが足りなかったようだ。皆も私のせいで待たせてすまない」

 

「真面目に考えすぎだな。映画のワンシーンでも見ている気分でいた方がいいぞ」

 

「映画などと不謹慎だ!と世間様から文句を言われるから外では言うなよ」

 

「わかっている。此処だけで外では言わんよ。しかし此処だから正直に言うが映画のワンシーンとして見て何が悪いのだろうな。非常識な光景は映画でも見てる心地で居ないとマトモに映像も見れないんじゃないか」

 

「非常識も今の常識だ慣れるしかない。若い奴らは既に新しい常識に適応してきているのかな」

 

「それは中々難しい…年寄りだから常識の変化についていけないと言われそうだな」

 

「はは、ですな」

 

「映像の続きをよろしいでしょうか」

 

「すまんもう少しまってくれ。頭痛薬がまだ効いてこない」

 

「わかりました。他の皆様は薬はよろしいですか。頭痛薬の他に胃薬と血圧を下げる薬も用意してあります。それと医者の方たちにも隣室で待機して貰っているのでご安心ください」

 

「余計に安心できないんだが?」

 

「倒れても大丈夫と言われてる様なモノだな」

 

「まったく……銀座に出た門だが、門の向こうが地球ではない事は確認されたのだろう」

 

「そう聞いたが、そうなるとあの門が別世界へのワープを可能にしているという事になるな。相手はSFにある様なワープ技術を持っている文明なのか」

 

「門の事は詳しく解析出来てないそうだが、奴等の格好を見る限りとても此方より科学が発達した文明があるとはと思えない。中世相応がせいぜいだろう」

 

「ならあの門は何なんだ」

 

「それはやはり銀座を襲った奴等が魔法の様な現象を起こしているのも確認されている。あの門は魔法の様なオカルトの産物…だろうな」

「オカルトか…全く未知な分野だな」

 

「未知の分野と言って良いものか」

 

「どういうことだ?」

 

「"例の彼女"に関連した資料に魔法の記載もある」

 

「あぁ…未知でなく地球にも魔法が本当に存在した可能性があるという話か。信じたのかこれを」

 

「彼女の事を考慮にいれなくてもあの門という実例が出た以上地球にも魔法の様な力があった可能性はあるだろう」

 

「確かにそうだが……例の彼女に話は聞いたんじゃないか。どうなんだ。彼女は…この資料にある作品の人物なのか?」

 

「本人に聞き取り調査をしたところ本人は只の同姓同名で別人であり、資料にある作品についても知っている事はネットで見た情報ぐらいだそうです。聞き取りをした者が言うには嘘をついてる様子は無かったとの事です」

 

「銀座で見せた力については?」

 

「本を見て学んだそうです」

 

「なんだそれは、それだけなのか説明は」

 

「はい。力について説明できる事は此だけだと」

 

「ダメだな。本人の証言が信用できない」

 

「彼女については不明な事しかない。彼女については引き続き一般人でなく該当作品の人物と扱うという事でよろしいか?」

 

「それは異論は無いが、彼女について今後の扱いはどうすべきだと思う」

「扱いは現状維持でいいだろう。不満はあるが帰れば取り囲まれると認識して仕方ないと受け入れて大人しくしてるのだろ?…一度帰って貰って神社を調べたいが…」

 

「それと神話やお伽噺まで調べるべきでは…作品では実在するのだろう?」

 

「はい、それらについては調査をする予定です。予定として規模はーー」

 

「規模がそれで足りるのか?調査するのは日本全国になるだろう。人員は増やせないのか」 

 

「無茶を言うな。門の対処だけでも人手が足りるのか怪しいのだぞ」

 

「ソチラを減らせませんか。先ずは足元から調べるのが先では」

 

「何を言っている!別世界の無法者への対処が優先に決まっているだろう!」

 

「その通りだ。海外からの圧力は時間をおうごとに大きくなっている。時間を掛ければ介入を許すことになるぞ」

 

「海外からの介入の懸念はどちらも同じだろう」

 

「確かに…では優先度の問題となるか」

 

「優先度なら門の方だと思うが…彼女関連の事は調査して見付かるなら既に見付かっているのではないか?」

 

「いま待て見付けていてもオカルト話として片付けないか?門以前までなら誰も真剣に取り合ったりしないだろう」

 

「実際に存在するしないはこの際関係ない。彼女の事は国外でも話題になっている。なら余所者が彼女に関連した事で日本国内の調査に動く懸念がある。これは前から言われていただろう」

 

「今更だな。事件から何日も過ぎて居るんだ。既に調査に動いていても不思議はない。本来ならもっと早く対策を出すべきだったが…」

 

「あの事件以降色々とやることが多くて後回しになっていたな………調査となると全国になる。やはり人手が足りない。自治体の手も借りれないか」

 

「皆様申し訳ありません、出来れば映像を先に見てから議論を…」

 

「あぁ途中だったな。頭痛は大丈夫か?」

 

「あぁ頭痛も収まってきた。映像を再開させてくれ」

 

「ありがとうございます、では門が出たあと此処から先は少々ショッキングな映像になるので御注意ください。それとこの映像は撮影者のご遺族から提供されたモノとなります」

 

「年寄りにショッキングな映像はキツいんだがな…」

 

「遺族…となると撮影者は」

 

 

素人撮影なのか画面が揺れて画質が荒い。

若者二人が銀座の町中を撮影してるようだ。

 

何やら騒がしい。撮影者が振り替えると先程通りすぎた時には存在しなかった建物…銀座事件の元凶、門と呼ばれる建造物が存在していた。

 

『は?…あんなの…彼処に…なかったよな??』

 

『何を指さ……あれ何だ!?何か変なのある!』

 

『お前にも見えてるなら幻想じゃないのかよ。さっき彼処の近くを通ったけどあんなの…あったか?』

 

『有るわけあるか!あんなの道のど真ん中にあんなのあったらスルーできるわきゃないだろ!?てか!存在しなかったから周りも騒いでんだろ!?』

 

『ならなんなんだアレ、突然現れたって事か?意味わかんねぇ……あれ、門ぽいか?』

 

『門…にも見えるか?……あ!!な、なぁお前撮影してるよな!あの変なのも映ってるよな!』

 

『え、あ、ああ。たぶん映ってるけどなんで興奮してんの』

『いやいや、わかんねぇのか!よくわかんねぇけどあの変なの世界的なニュースぐらいにはなるだろ!映像もスゲェ価値でるって事だ!』

 

『え、世界的なニュース…撮影したら名前とか残るかな?』

 

『なるなる!間違いなくなる!あ、他のヤツにも撮ってる!はやく映像投稿しようや!他の奴が流す前が流す前に!一番初めに流さなきゃ後から映像出しても埋もれるぞ!』

 

『そ、そうだな。…に、ん?なんか出てきてね』

 

『確かに……なんだあれ兵士?デカイ鳥…え、竜?』

 

出てきた兵士が何かを叫んでいる。映像撮影者の危機感を感じていない声が聞こえる。呑気な人々が見られてる中で門から続々と現れる遥か過去に居たような兵士の集団、魔物にしか見えない生き物。出てきた竜、ワイバーンに見える生き物が撮影者の方を向いている。ドンドンと近付くワイバーンの映像が映されていた。

 

『あれ竜だよな。あの竜きてね』

 

『え、あ、きてる、な。逃げた方がよくない?』

 

『そ…そうだな』

 

『に、逃げないとヤバイだろ!!』

 

だいぶ遅いが危機感が湧いて逃げたしたのか映像が地面に向く。撮影のカメラを手に持って走ってるのか映像は揺れる地面しか映さない。唐突に映像が空を映した。

 

同時に聞こえてきた…悲鳴

 

『ぎゃあああ!!!』

 

肉が裂ける音がして悲鳴、持ち主がカメラを手放したのか映像は地面に落ちる。映像の画面が割れ赤黒い液体が画面を汚す。映像を見ていた何人かが思わず目を逸らした。

 

『 はなーー…』

 

途切れた声…断末魔の声が響いて映像は終わった。

 

「ご覧に成られたのが、今回の銀座事件の初めの犠牲者となったと思われる人物の残した映像となります。そして今回の本題となりますが…先程の映像の五分後、ほぼ同じ地点で撮影され映像をご覧下さい」

 

映像は別のモノに代わり映像が写される。兵士や魔物による許しがたい蛮行、平和だった日本国内で行われたと信じたくない映像、R18G表記でも許されるか怪しい吐き気を催す映像が続いくと進行役が声を出した。

 

「このあとです」

 

突然、竜らしき生き物の巨体がトラックがぶつかったかの様に上に乗った兵士ごと横に吹き飛ばされる。それに続いて光が…次々に暴虐を行っていたファンタジー生物達が光が当たるの巨大な鈍器で殴られた様に飛ばされたり潰されたりした。そして映像に空を滑空する何かの影が一瞬だけ映る。画面が戻されてスロー再生されるが赤と白の人形の様なモノとしかわからない。

 

「別角度からモノとなります」

 

映像が代わり今度は全体がハッキリ映る。空を飛ぶ少女が映された。手には札、赤い服は何処か巫女服の様、長い黒髪に大きな赤いリボンを頭に付けた少女。少女は地獄の様な光景になっている周りを見回している。その表情にゾッとさせられた。

 

「何度か見ているが…生身で空に浮かんでいるのは」

 

「改めて聞くがこの少女が此方の住人なのは間違いないのか」 

 

「はい。本人の証言だけでなく、○○県○○市での彼女の戸籍が確認されています。それと○○市にある小学校、中学校まで在学していた在学履歴。学校や近隣住民からも最低でも10年前から住んでいたという証言もとれています。不可解な点は多く見つかっていますが、彼女が日本で住んでいたのは確実と言って差し支えないかと思います」

 

「そうか…確認が出来たのか」

 

少女を襲おうとする兵士を乗せた竜。少女は鋭い竜の攻撃を回転するようにヒラリと避ける。少女の手の先に札、札から現れた光の玉。少女が竜を避けざま光を当てると雷でも当たった様に痙攣、意識を失ったのか兵士を乗せたまま墜落。

 

「映画を見る気分と言ったが…それが無くても映画のワンシーンとしか思えないな」

 

「随分と簡単に落とされた様に見えるが、竜に見えるあれの皮膚は銃の弾も防いでたんじゃないのか」

 

「たしか警官の拳銃の銃弾を皮膚で弾いたと聞いたな。そう考えるとあの光は拳銃以上の威力になるのか?」

 

少女の手の札から光弾の様なモノが連続で撃ち出され始める。光弾が当たった竜は同乗者を乗せながら墜落していく。粗方の空の竜を片付けると少女は地面を見下ろす。光の玉の雨が降り始めた。

 

「綺麗の光だな」

 

「美しいが実際にあの光の雨を受ける側としたら恐怖でしかないだろうな。威力としたら銃弾より危険な雨だろう」

 

「広範囲だが民間人は巻き込まれてないのか」

 

「この映像を見る限り民間人の居る所には…落ちてないな。あれで狙ってるのか」

 

光の流星の様に地面に光弾は地面に落ちていき兵士やゴブリン、オークなど銀座を攻めていた者達に当たると続々と倒されていく。光の雨が降った場所、瞬く間に敵は居なくなる。巻き込まれた一般人の被害者は居ないようだ。太ったオタクらしい青年が空に浮かぶ少女を指差して震えていた。

 

『え…あれ…博麗霊夢…?』  

 

その声を最後に映像は少女と門を拡大した映像で静止。

 

「先程戦っていた少女『博麗霊夢』について資料をご覧ください」

 

資料には銀座に現れた少女に似た可愛い女の子のイラストが大量にある。中身は硬い文章もあるが絵は少女ばかり、二次創作のモノまである。真面目な会議であるのに真面目に見るにはあれだ……オタク文化に馴染みの薄い良い年齢の大人しかいないので皆が微妙な表情を浮かべていた。

 

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