ゲートに巫女さん   作:ソウクイ

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第4話

 

私が送られた門の向こう側に送られた。地球とは違う未知の世界、銀座を攻めてきた軍隊が来た世界、平和で危険がない場所だって聞いてた。実際にはのどかな丘………砲撃音が其処らに響いて、火薬の匂いが立ちこめて人体がバランバラン。異世界来訪数時間で見ることになったのは末尾にGが付くR18な有り様。

 

 

どんな運なのか。ちょうど私が送られた頃に門の向こう側の現地人の軍隊が来て問答無用に自衛隊相手に戦闘を仕掛けてきた。

 

 

私が地球側に戻って避難する前に見た時には、門の向こう側の兵数は何万と居たと思う。数で言えば自衛隊の倍は居たと思う。数は自衛隊が圧倒的に不利、そんな数の差でたぶん真っ正面から戦闘を開始。数時間ぐらいで決着がついて結果を教えられた。

 

結果は自衛隊の圧勝。

 

銀座の時には被害はあったそうだけど今回の自衛隊の被害ゼロ、時間にしたら長く苦しい戦いだった(棒)って言葉が出るぐらい。戦いは数だよアニキ!の真逆の結果。MSのじゃくて武器の性能差が決定的な戦力の差だったそう。

 

圧勝したって結果を聞いてそりゃそうだって思う。

 

だって自衛隊側は持ち込んだの旧式の装備らしいけど、それでもアレ。銀座で見た限り相手は魔法もあったけど遠距離が石とか弓のレベル。巻き込む民間人も建物みたいな障害物もない所、真正面からの戦闘、なら重火器で砲撃で向こうが攻撃前に終わるの軍事のド素人でもわかる。たぶん虐殺みたいな事になった。

 

まぁそれで自衛隊が加害者って意味不明な視点はもつわけない。自衛隊の方がやったの正当防衛。やらなきゃ殺されてるの自衛隊の人達になるだけだし。報道があったら何故か自衛隊が悪いみたいな報道されてそう。

 

私は戦闘の途中で日本に送り返されて戦闘が決着してから直ぐに戻される。戦闘終わって直ぐに戻すなって話だけど銀座で居る時に気付かれて騒ぎになって、戦闘が終わったの確認されたら直ぐに戻された。

 

で、戻ると戦場跡を見る事になる。

うん、まぁ、穴のあいた焼け焦げた地面に色々と人の"残り"が見えた。

 

「……大丈夫か?」

 

伊丹に心配された。

 

されたんだけど、普通なら中身が大人でも一般人なら精神的にキツいのが普通だってのはわかるんだけど……銀座の時もだけど気持ち的に平常と変わらないのよね。感情が無いとか薄い訳じゃないわよ。あるんだけど平常心の範疇でしか動かないみたいな感じ。

 

そんな私だから戦場痕の"アレ"を見ても平然としてるんであって、たぶん本来なら地球に逃げ帰ってるのが普通かも?

 

凄い量の"アレ"が居る。向こうでも慣れるぐらい見てるけど流石に彼処まで大量なの初めての量。万人分だし当然か。見てると少し気になることがあった。

 

「ほら、部屋を用意して貰ってるらしいから其処に向かおう」

 

移動する前に伊丹に聞いてみた。

 

「今回攻めてきたのって銀座の時と同じ勢力なの?」

 

「は、どうしていきなりそんな事を聞くんだ」 

 

どうしてって装備が違うし。銀座の時に見てない鎧やら旗が多いし。同じ所属に見えない……あー、"見えない"伊丹に聞いてもしかたなかった。

 

「そりゃあ同じ勢力だろ?あの銀座を襲撃した勢力以外にあんな数で攻めてくるとか考えづらいし」

 

「………まぁ、そうね」

私は話を終わろうとした。

そしたら何故か逆に興味をひいたみたいに伊丹が気にしだした。

 

「……銀座の時と別の勢力だって思ったんだよな?ちょっと連絡して確認してもらうか」

 

「え、なんで連絡するの」

 

「いや、気になるだろ」

 

気になるって…過剰に反応し過ぎでない?冗談かと思えば本気で無線で連絡してる。まぁ連絡されたなら仕方ない。用意された部屋、コンテナに入って結果が出るまで此方の言語が書かれたメモ張を見ながら待つしかない。待つの面倒くさい、ちょっと気になっただけで別勢力でもどうでもいいんだけど

 

大して興味もない返答がくる前に……別勢力なの確定な情報がそこら辺で聞こえてきた。待つ時間が余計に無駄に感じるという苦行。

 

しばらくすると伊丹の無線に返信がきた。

返答の情報を伊丹が教えてくれた、

もう答え聞いた後なんだけど…

 

「霊夢の勘が当たってた、のかな?それとも此処から見えたのか?彼処の残骸を調べたら銀座に攻めてきた奴等と同じ旗と鎧もあったらしいけど、殆んど絵柄の違う旗に型のバラついてた鎧だったそうだ」

 

「そうなの」

 

「部隊部隊で何もかも違うなんて事がなければ、襲ってきた国に雇われた傭兵団みたいな軍勢だったか、銀座を襲った国と同盟関係の国が集まった多国籍軍だったんじゃないか。

 

傭兵なら良いけど、あの銀座を襲ってきた国に同盟国が多いとしたら厄介だわ。そこら辺、捕まえた捕虜から詳しく話を聞くそうだ」

 

同盟国ねぇ、

うるさい。

伊丹の言葉に反応したみたい。

伊丹の言葉わかるの?

 

言語が書かれたメモを確認しながら何を言ってるか聞いてみると…

 

「帝国は自分達が返り討ちにあったのを隠して、日本がこの世界に侵略者してきたと嘘をついて他の国、自分達の属国を騙して戦力を集めてぶつけてきた。敵の日本の戦力を減らして反乱しないように属国の弱体化もさせる一石二鳥狙い」  

 

聞こえてくる内容的にこんな感じ。

 

「……随分と具体的過ぎな内容だけど、それ勘なのか?」

 

「どういう勘よ」

 

博霊霊夢だから勘?

そんな具体的な内容までわかる意味不明な勘なんて持ってないわよ

 

「じゃあその話ってどこから来たんだ。言い方が憶測って感じでも無かったぞ。何か隠してないか……さっきから渡したメモで確認してるみたいだったけど、まさか、誰かに聞いてた?いや誰の声もしなかったか…」

おしい。

正解だしたのに自分で否定した。

 

伊丹ならこのまま悩ますのも良いけど、まぁ教えてもいいか。前ならともかく、今のこんな別世界に来るような時なら頭が可笑しいなんて扱いも無いだろうし。

 

「向こうの人達の会話が嫌でも聞こえるのよ」

 

私は外に出て戦場後に沢山いる彼等を指差しながらいった。此処に居るのには此方に居るな向こうに戻れって意味も込めて

 

「…なんで誰もいない所を指指してんの」

 

「居るけど」

 

「いや誰も居ないだろ。あそこ仏さんぐらいしか、仏さん…?ちょっと、ちょっと霊夢さんや」

 

「なに」

 

「そのいる人って……その…そう言うこと?」

 

「さっき自衛隊が吹き飛ばした人達」

 

「……………………霊夢さん、もしかしてだけど、もしかしてだけど……ゆ、幽霊とか見えちゃったりしますのかな」

 

「みえる」

 

さっきから続々と吹き飛ばした所から団体で来てる。墓場とかでもないわよこんな数の幽霊。吹き飛ばされた数万人分の幽霊。なんか私の所に来てない。巫女だから?成仏させて欲しいとか?認識してるから?面倒くさい。

 

「…………」

 

あれ?伊丹が幽霊の人達と顔色が同じになってない。え、伊丹って幽霊嫌なの?信じたとしても伊丹なら幽霊がいても平然とすると思ってた。むしろ幽霊がいて喜ぶかと思ってた。

「れ、霊夢さん、ゆ、ユーレイから話を聞いたと?」    

 

「だからそう言ってるでしょ」

 

「……幽霊って存在するのです?しかも周りにいらっしゃる」

 

「そんな変?こんな世界に来といて幽霊が居ないと思う方が不思議だけど、あと私がいて幻想郷が有るとか聞いてきたのに、幽霊ぐらい居ると思ってなかったの」

 

「……………………………………ごもっとも」

 

伊丹の顔色が悪い。本当に幽霊イヤなんだ。伊丹の性癖的な守備範囲に入ってると思ってた。良くも悪くも伊丹は完全に幽霊が居るって信じてる様子。こんな世界に来てても、伊丹は見えないんだしもう少し疑われると思ってた。

 

「私が言うの何だけど、本当に幽霊が居るって信じられるの?」

 

「……霊夢から言われたら信じるしかないだろ」

 

それ私が本物の博麗霊夢みたいな認識だからでない?擬きだからね。似てるだけだからね。

 

キョロキョロして落ち着きない。なんでそんな不安そうな顔してるのか。そんなに幽霊って怖い?幽霊が怖いのかわからないのよね。

ずっと前から見えてたけど、鬱陶しいだけだし幽霊が怖いってのが理解出来ない。

 

「な、なぁ、霊夢……その…幽霊が居るって事はあれもあるのか?」

 

「あれって?」

 

「ほ…ほら!あれだよ!幽霊が居るなら…さ……お、恐ろしい、の、呪いとかも?」

 

「恐ろしいノロイ?イタチの?」

 

頑張るネズミの作品はこの世界にもある。

 

「ちゃうわ!!!幾つだよお前!じゃなくて、それは確かに恐ろしいけど!話の流れから判るだろ!俺が聞きたいのは幽霊に呪われるとかの方の呪いだよ!」

 

「そんなの有るに決まってるじゃない」

 

「なんだ有るに決まってるのかぁ。……ん……あるのか!?え、マジでか!?呪いあるのか!?」

 

「冗談、冗談。本当は呪いが有るかどうかなんて知らないし」

 

呪いってあるのかしらね。某赤い目の探偵に言わせたら呪いなんて有るわけないって言いそうだけど……あの作品て普通に呪いあるわよね。小説の事は置いとくとして本当に呪いとか見たことない

 

「なんだよそれ。呪いあるのか知らないって、巫女なのに知らないのか?」

 

「巫女が呪いとか知らないの普通だと思うけど?アニメとかゲームの巫女じゃあるまいし」

 

なにその何か言いたげな顔は。

 

「…………幽霊とか見えるなら呪いとかも見えるんじゃないのか」

 

「どういう理屈」

 

「…………幽霊ってどんな感じに見えるんだ」

 

「どんな感じって…全体的にボヤけてて、特に足がボヤけてて此処にいるのは黒いモヤを全身に纏った感じ?」

 

周りを見ながら言った。

 

「周り見ながら言われると怖いぞ。ボヤけててるのか。外見は典型的な幽霊な…おい」

 

「どうかした」

 

「黒いモヤに包まれてるの…幽霊さん達?」

 

「そうだけど」

 

「それ……あから様に呪いそうな幽霊じゃない?」

 

「幽霊に黒いのが見えるの普通だから」

 

ただここの人達のは黒いのが濃く見えて、浮かべてる形相が誰かを強烈に怨んでそうな感じなのは言わないでおこうと思う。

 

「そ、そう…なのか?黒いのが有るのは幽霊の普通なのか。呪いとか関係ないのか…大丈夫なのか」

 

「大丈夫じゃない?」

 

どっちとも取れる言い方にしておく。

責任なんてとりたくない

 

「………大丈夫と思う根拠はなんだよ博麗さんや。呪いがあるか知らないんだろ」

 

「此まで幽霊が居ても何も起きてないでしょ?気にしなきゃ問題ないと言うか気にしたら不味いと思う。ほら病は気からっていうし」

 

あんな大量にいるなら呪いが無い方が不思議だって思うことはお口にチャック。私は気づかいできるから

 

「知ったら気にしないの無理だろぉ……知ったら…なぁ、俺は知らなかった方が良かったことを教えられたって話じゃ?」

 

「………」

 

「おい目を逸らすな」

 

 

 

 

 

 

で、翌日の朝、そう言えば攻めてきた人達の遺体とかどうなってるんだろ。疫病対策に焼いたりするの。私は知りたくもないので聞いてない。どうなったか見たいモノじゃないと思うから部屋に引きこもった。呼びだしうけた。

 

ちょっと人口密集し過ぎな部屋。

 

顔色悪い人が多い。

お偉いさんが多い感じ。

一体なに?

 

「博霊霊夢さん、朝早くから呼び出してすまない。昨日君が幽霊や呪いについて話していたと聞いてね。……幽霊などについて詳しく聞きたいんだよ」

 

それ伊丹が話した?それか盗み聞き…って無くても…あの時近くに人が居たんだった。普通に聞こえるわ。

 

「興味本位のつもりではない。昨日君が幽霊や呪いの話をしているのを聞いた隊員が話を広めてしまってね。放置できないほどに隊員達が動揺しているのだよ。特に……今はタイミングが悪いからね」 

 

タイミング……戦闘終わって直ぐ。普通でも実戦後だと精神的にちょっと不味そう。

 

「配慮が足りませんでした」

 

勝手に聞いた輩が悪い気もするけど謝っておく

 

「いや聞かない方が問題が有ることかも知れない。中学生の君に話すのは心苦しいが聞いてもらいたい。昨日の戦闘で相手に多くの死者が出た。唯でさえ戦闘行為で精神的な負担があるのに、君の話で自分達が幽霊に祟られたり呪われたりしてないかと不安を感じたようで………」

 

普通だとそういう風になるの

 

「精神面の話だけでなく、別世界で魔法もある世界だ。呪いなども実在していれば現実的な脅威となる。我々としては早急に対策をとりたいので君にご足労願ったと言うわけだ」

 

「私に幽霊や呪いについて聞きたいと?」

 

「その通りだ」

 

そんな力強く頷かれても…

 

「それで失礼だが本当に君は幽霊が見えるのかね」

 

見た感じ幽霊云々を信じてる人は半分ぐらい。意外と多い。まぁ伊丹にも言ったけど別世界に来て幽霊が居ないと思うのも変よね。不本意だけど私の事もあるし。

 

「見えますけど、証拠はだせないですね。それと昨日伊丹にも言った事ですけど私は幽霊は見えるだけで、知識とかないですよ?呪いが有るかどうかも知らないですから」

 

「……ああ、それも聞いているんだが、我々は君と違って幽霊も見えないからね」

 

「……」

 

幽霊を見えるだけで頼られてもどうにも出来ないんだけど。まぁ幽霊の退治とかは一応出来るけど、ホント数が多すぎて面倒、じゃなくてなにもしてないのに退治するのは良心が咎めるし。鎮魂の舞いでいける?あれは人前でしたくない。

 

「普通に向こうの神社とかお寺の人達を呼べば良いんじゃないです。お経でも唱えて貰えば何とかなるんじゃないです」

 

言葉も違う所のお経って意味があるのか知らないけど、此方の世界のお坊さんとか探すとか?

 

「それは……呼ぶにしても時間が掛かるからね。こう…幽霊等から身を守る手段は無いかね」

 

「身を守る手段…御守りとか?」

 

「御守りなどを持ってないかね。気休めでも良いんだが」

 

「持ってますけど自分の分しかないです」

 

「その御守りを見せて貰えるかね」

 

何でと思いながら私は懐から此処に来る前に作った長方形の御札を取り出した。

 

「それが御守りかね…紙に見えるが」

 

「ええ紙で作りましたから」

 

これの正体は、正体ってほど大層なモノでもないけど保護者に作り方を教えられた護符、込めた霊力が全身を覆って身を守れる。門の向こうは物騒とか思って作って念の為に身につけてた。霊力で身体を覆うから幽霊対策にもなってる感じ。ある一定範囲から幽霊が近付かないし。

 

「作ったと言うことは君の自作か、それは効果は有るのかね」

 

反応はよろしくない。まぁ適当な紙と筆ペンで書いた即席の護符だから効果有りそうに見えるわけない。あると思われた方が驚ける。簡単に信じるなら詐欺に引っ掛かりそう。仮に渡しても気休めにもならなそう。てか、私を頼ろうとするのが可笑しい。私作の適当な御守りを見せて私は頼れないと判らせた。

 

「大して無いです。神社とかお寺とかにあるちゃんとした御守りの方が効果は有ると思うので取り寄せた方がいいですね」

 

普通に売ってるのが効果あるか知らないけど、お守りで守られてるって思えれば幽霊やら呪いが怖いなんて話も収まるでしょ。

 

「確かに、それがいいかな」

 

納得してくれたみたいだし片付けて戻ろう。

 

「あぁ待ってくれ、少しその護符を持たせて貰っても?」

 

「え」

 

「ダメなのかね」

 

「いえ別に良いですけど」

 

なんで持とうと思った?

 

意味はないと思うけど別に困ることもない。ちゃんも幽霊が避けるけど彼等の目には効果が見えない。持っても幽霊を見えなきゃ効果とかわからない。

 

机の上に置いたけど誰が持つんだ的に目線が行き交った。危険物みたいな扱いって失礼な。持っても何も起きないし肩透かし食らうだけなのに……あ、中学生の女子が懐から出した物を持つってのが不味いのか。それは良い大人にとっては危険物だわ。

 

で、一人に視線が集まった。この場で一番階級が低そうな人に

 

「伊丹二尉…」 

 

「あ、ハイ、俺が持つんですね。」

 

私は空気ですという感じで後ろにいた伊丹がもつ事に、世知辛い上下関係みせられた。かわいそーに。

 

「嫌な予感するんだけど……」

 

なんで警戒してる。

 

「別に持っても害とかは無いから」

 

霊力で身体を覆うからむしろ安全になる。そう言えば他人の霊力って人体に悪影響は……たぶんないはず。

 

「…それなら良いけど…」

 

伊丹が護符の御札を持った。

護符から霊力が流れて伊丹の身体を覆った。

幽霊が虫よけスプレーされたみたいに伊丹の近くから離れてく。

 

「ぶぅ!??」

 

と思ったら捨てた。

護符地面に落ちた。

 

「人のものを捨てるとか酷い」

 

「は、ふざ、ふざけなですよ!?あ、あんなの見たら捨てるに決まってるだろがぁ!?」

 

え、なにその反応?

見たらって…なにを?

息荒らげてどうしたの。

 

息を整えて伊丹が嫌そうに護符を見た。

あ、また護符持った

 

「う、うわぁ…マジかよ。マジで居たのかよ……」

 

視線の先は…これ伊丹見えてる?幽霊。

見えてるぽい。

なんで見えてんの?

タイミング的には私の護符の影響??

 

あーそう言えば…霊力の修行後の方が幽霊がハッキリ見えたような。護符に込めた霊力はバリアみたいに持ち主の全身を覆う。霊力で目も覆われる。その影響で幽霊が見えるようになったとか?…たぶん大雑把にはこれが正解なんだと思う。他に理由もないし。

 

それは良いとして早く回収しないと、面倒な事になる。

 

「い、伊丹二尉、なにが、あったんだね」

 

「それが「伊丹はその御守りのせいで幻覚でも見えてるみたいですね。伊丹、それ返して、幻覚見えてるみたいだから」

 

幻覚だと二回言った。

大切な事だから伝わったわよね??

いい笑顔を向けられた。

伝わったみたいだとホッとした。

 

「此方の護符の影響で幽霊が見えるようになったようです。ええ、幻覚とかでは有りませんね!」

 

「おいこら」

 

「幽霊が見えたのか…」

 

「伊丹二尉、そうなのかね。本当に見えたのかね?」

 

「ええ、はい……見えます。幽霊が見えます……ギッシリと居るのが」 

 

「見えた…の…か………………ギッシリと?」

 

「ギッシリと……います」

 

「……ギッシリ」

 

あちこちでギッシリ、ギッシリと言い出した。シュール。一通り済むとなんでか皆が無言になる。他の人も護符を無言で持って確認した。野太い悲鳴があがった。男しかいないから耳苦しい。

 

私が頼られたの幽霊が見えたから……護符で他の人も幽霊が見えた。幽霊が見えたんだし私はお役ごめんでオッケイ。後は何処かの御守りとか買えばいい。問題なし。よし。(現場猫)

 

「後はごゆっくり」小声

 

私はちゃんと(混乱してる内に)声を掛けてからそそくさと外に出た。

 

後日、お札やら御守りを付ける自衛隊の人を見かけるようになった。…別にそれは良いけど私に大量の護符の注文は止めて……


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